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審決分類 審判 全部取消 商50条不使用による取り消し 無効とする(請求全部成立)取り消す(申し立て全部成立) X35
管理番号 1330202 
審判番号 取消2016-300170 
総通号数 212 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標審決公報 
発行日 2017-08-25 
種別 商標取消の審決 
審判請求日 2016-03-09 
確定日 2017-06-22 
事件の表示 上記当事者間の登録第5469033号商標の登録取消審判事件について、次のとおり審決する。 
結論 登録第5469033号商標の商標登録は取り消す。 審判費用は、被請求人の負担とする。
理由 第1 本件商標
本件登録第5469033号商標(以下「本件商標」という。)は、「ベガス」の片仮名を横書きしてなり、平成23年6月14日に登録出願、第35類「たばこ及び喫煙用具の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供」を指定役務として、同24年2月10日に設定登録されたものである。
そして、本件審判の請求の登録日は、平成28年3月23日である。
なお,本件審判の請求の登録前3年以内の期間である同25年3月23日から同28年3月22日までの期間を,以下「要証期間」という。

第2 請求人の主張
請求人は、結論同旨の審決を求め、審判請求書、審判事件弁駁書及び口頭審理陳述要領書等において、その理由及び答弁に対する弁駁等を要旨以下のように述べ、証拠方法として甲第1号証ないし甲第4号証を提出した。
1 請求の理由
本件商標は、その指定役務について、継続して3年以上日本国内において商標権者、専用使用権者又は通常使用権者のいずれも使用した事実がないから、その登録は商標法第50条第1項の規定により取り消されるべきものである。
2 答弁に対する弁駁
(1)弁駁書(平成28年6月10日付け)
乙第1号証のチラシは、本件商標が、商標として使用されているものではない。商標として使用されているとすれば「ベガスベガス」、図案化された「VEGAS/VEGAS」等である。また、本件商標の取消の対象としている指定役務「たばこ及び喫煙用具の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供」に関する証拠ではなく、商標の使用を証明する証拠としては不適切である。なお、被請求人は、本件商標は、被請求人の登録商標「ベガスベガス」を保護するために権利化を果たしたと主張している。このことは、本件商標は使用を前提としてではなく、被請求人の登録商標「ベガスベガス」を防衛するために登録したものであり、使用をする目的ではないと認めているようなものである。
以上のことから、被請求人が本件商標を使用していないことは明らかである。
(2)弁駁書(平成28年8月10日付け:以下「弁駁書(2)」という。)
ア 被請求人が提出した答弁書(平成28年6月30日付け:以下「答弁書(2)」という。)においては、本件商標が使用されていたことの証明には、不備があり使用されていると認められるものではない。まず、答弁書(2)で提出された証拠では、使用していた日付の証明がされていない。乙第46号証では「タバコ自動販売機設置日」が記載されているが、これらの設置日は被請求人が主張しているのみであり、実際に設置されたことが証明されていない。
イ 乙第2号証ないし乙第45号証には、次のように撮影したと予測される被請求人の手書きした日付が記載されている。「乙第4号証 旭川店 2016、5、26」、「乙第9号証 札幌店 2016、4、27」、「乙第14号証 狸小路店 2016、4、27」、「乙第19号証 北山形店 2016、4、25」、「乙第25号証 鉄砲町店 2016、4、25」、「乙第31号証 米沢店 2016、5、6」、「乙第37号証 酒田泉店 2016、5、11」及び「乙第43号証 鶴岡店 2016、5、11」。これらの日付は、甲第3号証として提出した登録原簿にもあるように審判請求の登録日(平成28年3月23日)より、後の日付である。このため、これらの証拠は、使用を立証する証拠として不適切であることを被請求人自らが認めているものである。他にも、例えばチラシのように、日付が記載された証拠も添付されているが、これらも実際に使用された日付が証明されている訳ではない。
ウ 被請求人が乙第2号証、乙第7号証、乙第12号証、乙第17号証、乙第23号証、乙第29号証、乙第35号証及び乙第41号証で提出した「パチンコ店等営業許可証」は、あくまで「ベガスベガス○○店」の営業許可証であり、これによって本件商標が使用されたことにはならず、営業許可証に続いて提出されている店舗写真等を総合的に勘案すると、営業許可証に記載された被請求人の別の商標「ベガスベガス」又は「VEGASVEGAS」が使用されているようにしか見受けられない。
エ 被請求人が提出した証拠は、前述したように有効なものではなく、本件商標の使用とは認められないものである。仮に、有効なものであっても営業許可証にあるような被請求人の別の商標「ベガスベガス」又は「VEGASVEGAS」が使用されているにすぎないものである。被請求人は本件商標「ベガス」も使用されていると主張するかもしれないが、例えば次に示す例も本件商標「ベガス」の使用とは明確に認められないものや商標としての使用ではないものである。
(ア)幟旗
乙第13号証は、不鮮明な写真である。また、使用を立証する証拠としては不適切と主張した乙第14号証の写真とは、色彩が異なっており、日付が異なることからしても乙第14号証に示す幡旗が使用されているとは認められない。
(イ)チラシ
乙第20号証、乙第26号証、乙第31号証、乙第32号証及び乙第38号証のチラシは、商標「ベガスベガス」又は「VEGASVEGAS」の使用であって、一部にある「ベガス」の記載は、告知や宣伝等の謳い文句や煽り文句となる文章に使用されているもので、いわばキャッチフレーズとして使用しているにすぎない。また、チラシはパチンコ、スロットそのものの広告であり、本件商標のたばこ及び喫煙用具の小売等役務とはその関係が極めて薄いものである。
(ウ)店舗写真
乙第37号証は、店舗の上部に「VEGAS」のみが表示されているようにも見えるが、下方に「VEGASVEGAS」と表示されていることや「ベガスベガス酒田泉店」のホームページの写し(甲4)のように、上部も「VEGASVEGAS」の表示であり、その一部のみが表されているものである。被請求人は、当然このように使用されているにもかかわらず、「VEGAS」のみの使用のように証拠を作成しており、極めて不適切である。
(エ)店舗写真の日付
乙第8号証、乙第13号証、乙第14号証、乙第18号証、乙第19号証、乙第24号証、乙第30号証、乙第36号証、乙第37号証及び乙第42号証のグーグル版ストリートビューの撮影日は、改ざんが容易であり、日付の証明手段としては弱いものである。現在では、タイムスタンプ等のようにインターネットの電子文書の存在証明や非改ざん証明をする方法もあり、単にインターネットの電子文書のみの日付では、その日付を証明したことにはならない。
(オ)自動販売機の写真
乙第6号証、乙第11号証、乙第16号証、乙第22号証、乙第28号証、乙第34号証、乙第40号証及び乙第45号証は、店内に設置されているようには推測出来るが、それぞれの写真がどの店舗に設置されたものか全く判らない。これらの証拠とは異なる店舗に設置されているものが撮影されている可能性も否定できないものである。前述の乙第37号証の店舗写真のような不適切な証拠を提出している可能性も考えられる。
なお、乙第6号証、乙第11号証は、自動販売機に「VEGASVEGAS」の表示があり、本件商標の使用ではない。また、乙第16号証、乙第22号証、乙第28号証、乙第34号証、乙第40号証及び乙第45号証については、自動販売機に商標の表示はない。このため、店舗等の表示(パチンコ、スロットそのものの)とたばこ及び喫煙用具の小売等役務との関係が極めて薄いものである。
(カ)以上のことから、被請求人の提出した証拠では、審判請求の登録前3年以内に本件商標の使用を立証した証拠はなく、被請求人が本件商標を使用していないことは明らかである。
3 口頭審理陳述要領書(平成29年1月5日付け)
(1)被請求人は「ベガス」を登録商標として権利化し、使用してきた事実を乙各号証で提出済みとしている。しかし、被請求人が使用している商標は弁駁書(2)でも主張しているように、「ベガスベガス」又は「VEGASVEGAS」であって、「ベガス」の使用ではない。
(2)被請求人は、乙第55号証で「ベガスベガス狸小路店」の写真を補填している。しかし、この写真は撮影日、撮影者が明らかにされていない。登録商標を使用している証拠としては、審判の請求の登録前3年以内の使用についての証明が必要とされるが、撮影日が明らかでないものは、証拠として採用できないものである。乙第55号証は、口頭審理陳述要領書のために撮影した疑義があり、認めることはできないものである。
被請求人は、乙第60号証以下に、たばこの取引についての証拠を提出しているが、取引された「たばこ」が乙第55号証の状態で使用されていた事実は何ら証明されていないものである。また、幟旗に使用されている文字「ベガス狸小路店」の文字についても、「ベガス」と「狸小路店」の文字が一体不可分に表示されていることや「狸小路」が地名でもないことから「ベガス」のみの使用とは認められないものでもある(幟旗には「VEGASVEGAS」も併記されており、「ベガス狸小路店」のみの単独使用でもない)。
なお、答弁書(平成28年6月30日付け:以下「答弁書(2)」という。)でも述べているように、「ベガス狸小路店」におけるグーグル版ストリートビューの撮影日も、改ざんが容易であり、撮影日が証明されている訳ではない。電子的な文書についても、存在証明や非改ざん証明をする手段は存在するものであり、そのような証明のない文書は証拠能力がないものである。
(3)チラシの指定役務及び写真について、乙第1号証、乙第19号証及び乙第26号証のチラシは、本件商標の指定役務について使用されているものではないことは明らかである。また、乙第4号証ないし第45号証中の写真は、今回の口頭審理陳述要領書においても、撮影日、撮影者等が証明されていない。
4 上申書(平成29年2月1日付け)
上申書における被請求人主張は、被請求人の持論であって、本件商標の使用に関する主張ではない。現在までに請求人が主張した事項および被請求人が証拠として提出した証拠内容から、被請求人が、本件商標を日本国内において本件審判の請求の登録前3年以内に本件取消審判請求に係る指定役務に使用していないことは明らかである。

第3 被請求人の主張
被請求人は、本件審判の請求は成り立たない、審判費用は、請求人の負担とする、との審決を求め、その理由を答弁書及び口頭審理陳述要領書等において、要旨以下のように述べ、証拠方法として、乙第1号証ないし乙第66号証を提出した。
1 答弁の理由
(1)答弁書(平成28年5月25日付け)
本件商標の商標権利者(株式会社ベガスベガス:以下「商標権利者」という。)は、自社ホームページに掲載、公開するとおり、創業1964年(昭和39年)「霞城ホール」として山形市で個人開業以来、1981年(昭和56年)には株式会社大成商事に、そして2010年(平成22年)には、被請求人名義の株式会社ベガスベガスと改称して、パチンコ、スロットルを主とする娯楽施設の提供、及びそれに付帯する各種飲食物、その他の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供などを生業とし、北海道から関西まで日本全国、広い範囲に渡って営業展開を続ける企業へと成長を遂げ、過去52年間の弛まぬ実績の上、現在も益々その内容、エリアとも充実・拡張に向けて積極的な活動を継続中である。そうした中、本件商標名に深く係わりを有しており、かつ被請求人名義の由来でもある標章「ベガスベガス」は、平成9年以降の時点で、上記したとおりの企業展開をする娯楽施設内で、そのパチンコ店名としては勿論、それに付帯するレストラン、そば店、菓子店など娯楽施設以外の各種店舗の総合施設名などとしての使用を開始するようになり、これらとしての施設名が同業他社との間で無用の混乱を来さないようにとの配慮で、当該使用施設名としていた「ベガスベガス」を含み、実際に使用、表示していた多段列記標章各種について商標登録対策として出願、実施し、平成11年には、登録商標第4336190号、登録商標第4336191号、登録商標第4336192号、登録商標第4336193号、登録商標第4336194号、登録商標第4337819号の6件を商標登録とすることができ、それらの更新時である平成21年には、それらの法的整備・統合を図るために新たに申請し直しを図り、単一標章からなる登録商標第5310661号「ベガスベガス」や登録商標第5473816号「ベガスベガス」をはじめ、ロゴマークとして登録商標第5473817号「VEGAS/VEGAS」の外、それら登録商標に係わる使用に際し、標章「ベガスベガス」を、単に標章「ベガス」と略称表示使用又は分断表示使用する事実が、過去において頻繁に生じてきていた経験を踏まえ、それらの保護についても事前対策を要していたことから、本件商標及び登録商標第5469033号「ベガス」を商標登録として権利化を果たしていたものである。本件審判事件の対象である標章「ベガス」についての使用例の1事実として、乙第1号証(チラシ)を提出してある。
(2)答弁書(平成28年6月30日付け:答弁書(2))
商標権者が運営する遊戯施設は、商標権者名から法人記載部分を除いた「ベガスベガス」であると共に、「ベガス」とも略称表示、略称称呼したり、「ベガスベガス」を「ベガス☆ベガス」、「○×ベガス」や「ベガス○×」に、「ベガス/ベガス」など、「ベガス」を分断表記したりする施設であって、それら施設では、共に乙各号証にまとめてあるとおり、夫々が「たばこ小売販売業許可通知書」を取得(乙第47号証及び乙第48号証には、財務省発行の解説書「たばこ小売販売業の申請者のみなさんへ」の冊子と、その取得要項を取り決めた「製造たばこ小売販売業許可等取扱要領」を添付すると共に、乙第49号証として、行政書士会で提供する「たばこ小売業の許可申請について」を添付してある。)した上、夫々の店舗内には「たばこ自動販売機」を設置して小売ができるようにしてある状況を示す写真を添えてある。
2 口頭審理陳述要領書(平成28年12月15日付け)
(1)提出済み乙各号証の証拠能力を補充、確定するための資料について
ア 商標権者は、昭和56年12月24日以来正式な法人格を有し、当該支店地として記載された地である本店山形市、および支店鶴岡市、同札幌市、同東京都を拠点とし、遊技場の経営、その他の目的を遂行できる企業として登記している(乙52、乙53)。
イ 商標権者の組織図(乙54)は、乙各号証として名を連ねているパチンコ店が、商標権者が経営する法人組織の一郭を占めていることを立証すべくして、平成27年3月26日時点(平成26年度決算時点)における全社の組織体制を示している。これらに加え、提出済みの乙第12号証により、上記で法的に裏付けられ、実際に営業活動を組織的に行ってきている商標権者所有の「ベガスベガス狸小路店」に対して営業許可が下されていることからして、提出済みの乙第13号証に展開するグーグルマップのストリートビューに映し出された映像の中に存在する「VEGAS/VEGAS」の看板を掲げる店舗は、紛れもなく商標権者の所有物であることが裏付けられたことになる。
ウ 乙第50号証は、ネット上「グーグル版ストリートビュー」にアップロードされた「撮影日6月2015」入りの施設外観写真の2枚目に乙第51号証の幟旗が写り込んでいる。乙第51号証は、施設に係わり、略称表記「ベガス」を使用している写真2枚である。なお、提出済みの乙第13号証及び乙第14号証に展開するそれぞれ外観写真2枚は、共にダウンロード写真のコピーで不鮮明なものとなっていたため、その元になっていた写真と差し替える。
エ 提出済みの乙第16号証で明らかにしていたタバコ自販機は、「ベガス狸小路店」と略称表示兼愛称表示する「ベガスベガス狸小路店」2Fに配置されていた(乙55ないし乙59)。
オ 商標権者が所有する「ベガス狸小路店」は、日本たばこ産業株式会社及びそのグループ企業であるTSネットワーク株式会社と、少なくとも平成27年(2015年)11月3日時点で、たばこの売買取引があった(乙60ないし乙64)。
(2)審理事項通知書の被請求人側への指摘に対する応答
ア 合議体の暫定的な見解(1)について
上記オにより、たばこの小売りの実態を明らかにしている。
イ 合議体の暫定的な見解(2)について
上記アないしエにより、既に提出済みの乙第16号証で明らかにしていたタバコ自販機が、「ベガス狸小路店」と略称表示兼愛称表示する「ベガスベガス狸小路店」2Fに配置されていた事実を証明している。
ウ 合議体の暫定的な見解(3)について
少なくとも、乙第16号証で明らかにしていた「ベガスベガス狸小路店」は、「撮影日6月2015」入りでネット上「グーグル版ストリートビュー」にアップロードされており、しかも、今般、補填した証拠により、設置場所が一連に繋がり、撮影場所等は特定されている。
(3)弁駁書及び弁駁書(2)において請求人が主張する事項に対する意見
ア 弁駁書(2)において、「営業許可証が『ベガスベガス○○店』であって『ベガス○○店』ではないから、本件商標が使用されたことにはならない。」旨の主張がなされているが、本件商標は、「ベガスベガス」の標章を愛称、略称などとして分断使用していたために登録を実行したのであり、正式な法人登記などを二重に取得することなど有り得ない。幟旗の項において、「また、チラシはパチンコ、スロットそのものの広告であり、本件商標のたばこ及び喫煙用具の小売等役務とは関係が極めて薄いものである。」旨の主張をしているが、全否定でないは何故なのか。また、一般に「たばこ店」を出すのに態々店名表示を義務付けられてはいないことや、大抵の販売が大きな施設の中の一角で営業するのが普通となっている実情を無視した主張にすぎないことなどから、それら請求人主張は失当である。
イ 弁駁書(2)のその他に展開される主張については、上記アないしオによって明らかにされている。
3 上申書(平成28年1月31日付け)
(1)請求人反論事由(1)に対して
請求人は、同項において、「ベガス」表記、使用は、「ベガスベガス」の使用とは認められない旨の主張をする。しかし、例えば乙第13号証、乙第14号証、乙第16号証、乙第50号証ないし乙第51号証、乙第55号証ないし乙第59号証などに表記する「ベガス」について、「ベガスベガス」の愛称、略称使用であることなどは誰の目にも明らかである。
(2)請求人反論事由(2)に対して
請求人は、同項において、「ベガス狸小路」の「狸小路」は地名でもないことから、「ベガス」のみの使用とは認められない旨の主張をする。しかし、乙第13号証、乙第14号証、乙第16号証、乙第50号証ないし乙第51号証、乙第55号証ないし乙第59号証で立証する証拠に表示又は記載の「ベガスベガス狸小路店」などにおける「狸小路」は、「札幌狸小路商店は北海道で最古の商店街の一つで、2008年で135年目(明治6年?)を迎えました。また、規模も最大級で7ブロック総延長約900m・店舗数約200軒の全蓋アーケードを持つ商店街です。現在のアーケードは二代目(昭和57年完成、一部を除く)で、国道部分を除き交差する路上をも覆うロングアーケードです。所在:市道南2条3条仲通線の西一丁目?西七丁目に面した街区(南2条/南3条西1丁目?西7丁目)」辺りをいうように、札幌市内の著名な繁華街を指す全国的にも知られた地所、地名であり、東京でもなく大阪でもない。昭和50年の商標法の大改正により、諸外国に倣って、それまでの請求人側での不使用事実の立証を改める挙証責任の転換が採用となり、使用事実は、現在の被請求人側で立証しなければならなくはなっていても、法改正の際、この不使用取消審判の乱発、乱用を予防するため、請求人側には、登録権者側における不使用事実を疎明する一定の義務を負わす趣旨が含まれているにも拘らず、上記に見るとおり、只管、被請求人側の立証をやゆするだけに止まり、これら行為からして、本件請求人は、明らかに当該事件における請求人の適格性に欠けているとしなければならない。

第4 当審の判断
1 被請求人の提出した証拠によれば、以下のとおりである。
(1)被請求人のチラシについて
乙第1号証、乙第20号証、乙第26号証、乙第31号証、乙第32号証及び、乙第38号証は、被請求人のチラシであるとされるものである。
これらには、「ベガス」、「ベガスベガス」又は「VEGAS/VEGAS」の文字の記載、各店舗の店舗名の記載はあるが、たばこの小売等役務に関する記載はない。
なお、証拠として提出された「チラシ」は、チラシの現物ではなく、制作元が所有するデータをプリントアウトしたもの(チラシ用ゲラ刷)である。
(2)自動販売機の写真について
乙第6号証、乙第11号証、乙第16号証、乙第22号証、乙第28号証、乙第34号証、乙第40号証、乙第45号証及び乙第59号証は、店内に設置されているたばこ自動販売機が写っている写真である。
このうち、乙第6号証の自動販売機には、別掲1のとおり、「VEGASVEGAS」(以下「使用商標1」という場合がある。)の表示があり、乙第11号証の自動販売機には、別掲2のとおり、ややレタリングを施されているが「VEGAS/VEGAS」(以下「使用商標2」という場合がある。)の表示がある。
(3)「パチンコ店等営業許可証」について
乙第2号証、乙第7号証、乙第12号証、乙第17号証、乙第23号証、乙第29号証、乙第35号証及び乙第41号証は、「パチンコ店等営業許可証」である。
これらには、上部に「パチンコ店等営業許可証」の記載があり、その下に、「氏名又は名称」の欄には「株式会社ベガスベガス」の記載、「営業所の所在地」の欄には各支店の住所が記載され、「営業所の名称」の欄には、各支店の名称が記載され、下部に、「風俗営業等の規制及び業務の最適化等に関する法律第2条第1項第7号の営業を営むことを許可する。」の記載と日付及び各地の公安委員会の名称と押印がある。
(4)「製造たばこ小売販売業の許可及び登録免許の納付について」について
乙第5号証、乙第10号証、乙第15号証、乙第21号証、乙第27号証、乙第33号証、乙第39号証及び乙第44号証は、「製造たばこ小売販売業の許可及び登録免許の納付について」と題する北海道財務局からの通知である。
乙第15号証には、上部に被請求人の名称、これ以外のものは、上部に「株式会社大成商事」の記載、その右下に北海道財務局長名及び押印があり、その下に、「製造たばこ小売販売業の許可及び登録免許の納付について」の見出しがあり、その下に「記」として、「1.許可年月日」の項に、許可した日付、「2.許可に係る営業所の所在地」の項には各支店の住所が記載されている。
(5)各店舗の外観写真について
乙第3号証、乙第8証、乙第13号証、乙第18号証、乙第19号証の1葉目、乙第24号証、乙第30号証 乙第36号証、乙第37号証の1葉目、乙第42号証、乙第50号証及び乙第51号証は、各店舗の外観写真であるとされるものである。
これらの写真は、インターネット上の「グーグル版ストリートビュー」にアップロードされたもので「撮影日」入りの施設の外観写真であり、看板や建物の外壁に「VEGAS VEGAS」、「VEGAS/VEGAS」、「ベガスベガス」又は「VEGAS」の文字の表示がある。
(6)「ベガス狸小路店」の幟旗について
乙第14号証、乙第51号証、乙第55号証ないし乙第59号証は、被請求人の「狸小路店」の幟旗の写真である。
これらの写真は、幟旗の地色がオレンジ色の縦長の長方形に右から白色で「PACHINKO&SLOT」、「ベガス狸小路店」及び「VEGAS VEGAS TANUKIKOUJI」の記載がある。
(7)乙第52号証について
乙第52号証は、被請求人の履歴事項全部証明書である。
これには、商号の項に「株式会社ベガスベガス」、「目的」の項に、「1.遊戯場の経営」及び「15.塩、米、酒類、たばこの販売」の記載がある。
(8)乙第53号証について
乙第53号証は、平成28年11月14日に発行された、被請求人の「閉鎖事項全部証明書」である。
これには、「商号」の項目には、下線の引かれた「株式会社大成商事」の文字及び次の行に「株式会社ベガスベガス」の文字の記載があり、その右には、「平成22年4月14日登記」の記載がある(下線のあるものは抹消項であることを示す。)。
(9)乙第61号証について
乙第61号証は、2015年(平成27年)11月3日の「日本たばこ産業株式会社」から被請求人の「狸小路店」へ納品した伝票である。
これには、上部に「たばこ納品票」、左側には、「(株)ベガスベガス 狸小路店様」、その右に「2015年11月3日」、さらにその右に、「日本たばこ産業株式会社/道央支店/出庫予定日2015/11/3」の記載がある。
そして、表には、項目として、「商品コード」、「銘柄名」、「納品個数箱/カートン」等があり、それぞれに対応するように、「2619」、「クール FK ボックス」、「10」及び「1」等の記載があり、他にも8つの銘柄が記載されている。
2 上記1によれば、以下のとおり判断できる。
(1)使用役務について
上記1(2)「自動販売機の写真」及び(4)「製造たばこ小売販売業の許可及び登録免許の納付について」、乙第53号証の「閉鎖事項全部証明書」及び乙第61号証の「たばこ納品票」によれば、被請求人は、北海道財務局長から「製造たばこ小売販売業の許可及び登録免許の納付」を受け、実際に店内にたばこ自販機を設置し、日本たばこ産業株式会社から、たばこを購入していることからすれば、被請求人は、「たばこの小売等役務」を行っていることが認められる。
(2)使用時期について
乙第61号証のたばこが納品された事実を示す「たばこの納品票」の日付は、2015年(平成27年)11月3日であり、この日付は、要証期間内である。
(3)使用商標について
乙第6号証のたばこ自販機には、別掲1のとおりの構成からなる「VEGASVEGAS」の文字からなる使用商標1が表示されており、また、乙第11号証のたばこ自販機には、別掲2のとおりの構成からなる「VEGAS/VEGAS」の文字からなる使用商標2が表示されている。
そして、本件商標は、「ベガス」の片仮名からなるものであるから、本件商標と使用商標1及び使用商標2とは、外観において明らかに相違するものであって、文字の構成及び態様も相違するものであるから、本件商標と使用商標とは社会通念上同一の商標とは認められない。
さらに、被請求人から提出された全証拠からは、パチンコ店等の営業にかかるもので、上記1(1)のチラシの中に「ベガス」の文字、上記1(5)のように看板や建物の外壁に「VEGAS」の文字、上記1(6)のように店舗の内外に掲げる幟旗に「ベガス狸小路店」の文字の記載はあるが、これらの使用は、取消請求役務について使用するものとは認められない。
(4)小活
上記(1)ないし(3)によれば,被請求人は,要証期間内に取消請求役務「たばこ及び喫煙用具の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供」の範ちゅうに含まれる「たばこの小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供」を行っていたことは認められるが、提出された全証拠からは、要証期間内に本件商標又はこれと社会通念上同一と認められる商標を取消請求役務に使用した事実を認めることができない。
3 まとめ
以上のとおり、被請求人は、要証期間内に日本国内において商標権者、専用使用権者又は通常使用権者のいずれかが取消請求役務について、本件商標を使用していたことを証明したものと認めることはできない。
また、被請求人は、その指定役務について本件商標を使用していないことについて正当な理由があることも明らかにしていない。
したがって、本件商標の登録は、商標法第50条の規定により、その登録を取り消すべきものとする。
よって、結論のとおり審決する。
別掲 別掲1(使用商標1)


(色彩については、乙第6号証を参照。)

別掲2(使用商標2)


(色彩については、乙第11号証を参照。)


審理終結日 2017-04-19 
結審通知日 2017-04-21 
審決日 2017-05-09 
出願番号 商願2011-41251(T2011-41251) 
審決分類 T 1 31・ 1- Z (X35)
最終処分 成立 
特許庁審判長 井出 英一郎
特許庁審判官 榎本 政実
山田 正樹
登録日 2012-02-10 
登録番号 商標登録第5469033号(T5469033) 
商標の称呼 ベガス 
代理人 佐々木 實 
代理人 名古屋国際特許業務法人 
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