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審決分類 審判 全部申立て  登録を維持 W11
審判 全部申立て  登録を維持 W11
審判 全部申立て  登録を維持 W11
審判 全部申立て  登録を維持 W11
管理番号 1329329 
異議申立番号 異議2016-900261 
総通号数 211 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標決定公報 
発行日 2017-07-28 
種別 異議の決定 
異議申立日 2016-08-19 
確定日 2017-06-12 
異議申立件数
事件の表示 登録第5852247号商標の商標登録に対する登録異議の申立てについて、次のとおり決定する。 
結論 登録第5852247号商標の商標登録を維持する。
理由 1 本件商標
本件商標は、「Mpow」の欧文字を標準文字で表してなり、平成27年12月28日に登録出願、第11類「照明用器具及び電球類,家庭用電熱用品類,浄水装置,冷暖房装置,冷凍機械器具」を指定商品として同28年4月27日に登録査定、同年5月20日に設定登録されたものである。

2 登録異議の申立ての理由
登録異議申立人(以下「申立人」という。)は、本件商標の登録は商標法第43条の2第1号により取り消されるべきものであると申し立て、その理由を要旨以下のように述べ、証拠方法として甲第1号証ないし甲第27号証を提出した。
(1)引用商標
申立人が、本件登録異議の申立てに引用する商標は、別掲(A)のとおりの構成からなるロゴ化した「MPOW」の欧文字を横書きしてなるもの(以下「引用商標1」という。)、及び別掲(B)のとおり、「Mpow」の欧文字を横書きしてなるもの(以下「引用商標2」といい、引用商標1及び2をまとめていうときは、単に「引用商標」という。)であり(甲2)、我が国において、商品「ソーラーライト,イヤホン,ヘッドセット,スマートフォン用防水ケース,スマートフォン用カメラレンズ,自撮り棒」に使用している。
(2)商標法第4条第1項第10号について
ア 引用商標の周知性
申立人とインターネット通販サイト「Amazon.co.jp」(以下「Amazon」という。)で販売業者として表記されている「深セン チエンハイ パートゥシュン ネットワーク アンド テクノロジー(Shenzhen Qianhai Patuoxun Network&Technology)」(以下「深セン社」という。)は、「Mpow」ブランドの使用に関して使用許諾契約を結んでいる(甲3)。
深セン社は、Amazonを通じて、本件指定商品「照明用器具及び電球類」の範疇に属する商品「ソーラーライト」に引用商標を付して販売している。
具体的には「Mpow 8 LED ソーラーライト」(甲4)を2015(平成27)年7月3日から販売を開始し、商品のレビュー数は、本件商標の出願日(平成27年12月28日)以前のもので83件、登録査定(発送)日(平成28年5月6日)までのものを含めると162件となる。
また、深セン社は、「Mpow 20 LED ソーラーライト」(甲5)についても、2015(平成27)年8月25日から販売を開始し、商品のレビュー数は、本件商標の出願日以前のもので12件、登録査定日までのものを含めると54件となる。
これらの口コミ数を合わせると、本件商標の出願日以前の口コミ数は95件、登録査定日までの口コミ数は216件と多数に及び、非常に注目度の高い商品であることがうかがえる。
これらの深セン社が販売する商品は、Amazonでは容易に検索することができ、例えば、「ソーラーライト」で検索をすると、現在(平成28年9月)では一番上位に表示されるようになっている(甲6)。
また、Amazonランキングにおいて、現在「玄関ライト」で「Mpow8」が「ベストセラー一位」に選ばれ、売れ筋ランキングでは一位から三位を深セン社販売の引用商標を付した商品が占めている(甲7)。近年、Amazon等のインターネットを通じたマーケットのユーザー数は非常に多く、我が国でも多くの需要者が利用している。
さらに、インターネット上には、「Mpow8」を自転車置場に設置した際のレビュー記事が2015年11月21日付けで掲載されている(甲8)。
以上の事実から、引用商標は、申立人の商標として、本件商標の指定商品である「照明用器具及び電球類」の需要者・取引者の間に広く認識されているということができる。
イ 本件商標と引用商標との類否
前記1のとおり、本件商標は、「Mpow」の文字よりなる構成上、「エムポウ」、「エムパウ」の称呼を生ずるものである。一方、引用商標は、本件商標と同一の構成文字からなることから、称呼・外観・観念を共通にする同一又は類似の商標ということができる。
また、本件指定商品「照明用器具及び電球類」と引用商標の使用商品「ソーラーライト」も互いに抵触するものである。
ウ 以上のとおり、本件商標は、本件指定商品中の「照明用器具及び電球類」に関して、本件商標の出願日及び登録査定日の時点において、申立人等の業務に係る商品を表示するものとして取引者・需要者の間に広く認識されていた商標又はこれに類似する商標であって、その商品又はこれらに類似する商品について使用する商標であるから、商標法第4条第1項第10号に該当する。
(3)商標法第4条第1項第15号について
申立人と使用許諾契約を結ぶ深セン社は、前記したソーラーライトの他にも、主に、スマートフォンに接続可能な商品やその関連商品を、引用商標を付して、Amazonで本件商標の出願前から販売している。
「スマートフォン用カメラレンズ(Mpow Clip-Onレンズ3点セット)」(甲9)は2014年10月27日に、「自撮り棒(Mpow iSnap Xワイヤレスセルカ棒)」(甲10)は2015年3月24日に、「スマートフォン用防水ケース」(甲11)は2015年9月16日に、「イヤホン(Mpow Cheetah)」(甲12)は2015年8月17日(決定注:「2014年10月14日」の誤記であると認める。)に、「イヤホン(Mpow Magneto)」(甲13)は2015年9月10日に、「ヘッドセット(Mpow Wolverine)」(甲14)は2015年11月4日に、販売を開始している。
とりわけ、イヤホン及びヘッドセットについては、インターネット上の多数の記事で紹介されており、非常に注目度の高い商品となっている(甲15?甲19)。
また、引用商標は、申立人の営業標識として用いられるハウスマークであり、申立人の英文名「MPOW TECHNOLOGY CO.(HONG KONG LIMITED LIABILITY COMPANY)」の語頭文字でもある。ハウスマークは、多くの商品に使用されて使用者とより密着しているので、その商標と同一又は類似の商標を使用するときは混同の生ずるおそれのある商品の範囲は広いといえる。
以上の事実を勘案すると、本件商標権者が本件商標を指定商品「照明用器具及び電球類,家庭用電熱用品類,浄水装置,冷暖房装置,冷凍機械器具」に使用した場合、これに接する需要者が、該商品が申立人又は同人と経済的若しくは組織的に何らかの関係を有する者の業務に係る商品であるかのように誤認し、その出所について混同を生じるおそれが高いことは明らかである。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第15号に該当する。
(4)商標法第4条第1項第19号について
ア 申立人は、引用商標を付した商品を海外でも販売しており、Amazonのアメリカ版サイト「Amazon.com」でも申立人の商品を多数販売している(甲20)。その中でもワイヤレスイヤホン「Mpow Swift」(甲21)は、現在(平成28年9月現在)4,594件の口コミがあり、一番古い口コミは、2014(平成26)年10月21日で、現在までの約2年間での口コミ数を鑑みると、大変注目度の高い商品であることがうかがえる。このように、引用商標は、我が国のみならず、外国における需要者の間にも広く認識されている商標ということができる。
イ また、申立人は、我が国以外でも商標登録出願をしている。アメリカでは、ロゴ化した商標「MPOW(引用商標1)」について、第9類の指定商品「ワイヤレスの携帯電話のヘッドセット,ワイヤレスヘッドホン」等を指定して、2013年3月26日(決定注:「2014年3月26日」の誤記であると認める。)に出願し、2015年6月30日に登録している(甲22)。また、アルファベットの大文字からなる商標「MPOW」についても、第9類の指定商品「携帯電話の附属品(電話ケース、カバー、ストラップ)」を指定して、2013年10月8日に出願し、2015年10月27日に登録している(甲23)。欧州連合においても、引用商標1を、第9類の指定商品「ヘッドセット」等、第11類の指定商品「照明器具」等及び第26類の指定商品について、2015年8月10日に出願している(甲24)。さらに、イギリスにおいても、引用商標1を、第9類の指定商品「ヘッドホン」について、申立人の代表者である「シャオ ドン(Shaow Deng)」名義で、2014年3月28日に出願し、2014年7月18日に登録している(甲25)。
このように、申立人及びその代表者は、本件商標の出願日前に、複数の外国において商標「MPOW」の権利化を進めており、外国における「MPOW」の商標に関する正当な権利を有する者といえる。
ウ 引用商標は、特定の意味を有さない申立人による造語であって、既成語ではない。称呼は、アルファベット読みの「M(エム)」と英単語の発音と考えられる「POW(ポウ、パウ)」をあわせて「エムポウ」、「エムパウ」と発音される極めて独特な構成からなり、顕著な特徴を有するものといえる。このような構成からなる商標は、偶然に採択されることはありえず、ないしは滅多にないことと考えられる。
なお、商標権者であるサイタステック社の楽天市場のオンラインショップ「サイタスオンライン」では、スマートフォン関連商品等の電化製品を主として販売しており、申立人の主力商品であるワイヤレスイヤホンの取り扱いもある(甲26)。
さらに、サイタステック社の求人情報(甲27)を見ると、「中国深セン支社に20人余りの商品開発チームを抱えております。」との記載があり、申立人と使用許諾契約を結ぶ深セン社の住所である中国深セン市と同じ場所に支社を有している。
これらの事実を総合勘案すると、本件商標権者は、申立人の使用する引用商標を、本件商標の出願時に当然知っていたとみるのが相当であり、本件商標を自己の商標として採択にするにあたって、偶然に引用商標と同一又は類似のものとなったというよりは、むしろ、該商標が我が国で登録されていないことを奇貨として、先取り的に出願したもの、又は外国の権利者と代理店契約締結を強制する目的で出願したものと推認するのが相当であり、その登録には不正の目的があったものというべきである。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第19号に該当する。
(5)むすび
以上のとおり、本件商標の登録は、商標法第4条第1項第10号、同項第15号及び同項第19号に違反してされたものであるから、取り消されるべきものである。

3 当審の判断
(1)本件商標と引用商標との類似性について
本件商標は、前記1のとおり、「Mpow」の欧文字を標準文字で表したものであり、他方、引用商標1は、別掲(A)のとおり、「MPOW」の欧文字をロゴ化したものであり、また、引用商標2は、別掲(B)のとおり、「Mpow」の欧文字を横書きしてなるものであるところ、本件商標と引用商標1及び2は、それらのつづりを同一とするものであり、また「エムポー」又は「エムパウ」の称呼を生じるものであるから、両商標は、類似するといえるものである。
(2)商標法第4条第1項第10号該当性について
申立人は、引用商標の使用に関して使用許諾契約を結ぶ深セン社が、商品「ソーラーライト」に引用商標を付して販売し、引用商標が申立人の商標として本件商標の指定商品である「照明用器具及び電球類」の需要者、取引者の間に広く認識されており、本件商標が引用商標と類似し、かつ、本件商標の指定商品中の「照明用器具及び電球類」と引用商標の使用に係る商品「ソーラーライト」とは同一又は類似するものであるから、本件商標は商標法第4条第1項第10号に該当する旨主張する。
確かに、本件商標と引用商標とは、上記(1)のとおり、類似するものであるといえる。
そして、本件商標の指定商品中の「照明用器具及び電球類」は、引用商標の使用に係る商品「ソーラーライト」と同一又は類似するものといえる。
しかしながら、引用商標がそれを商品「ソーラーライト」に使用して周知となっているとして挙げた証拠は、深セン社が引用商標を付した商品を日本のAmazonで販売することに関する申立人と深セン社との製品販売使用許諾契約書(甲3)に基づく、Amazonへの商品掲載のページ(甲4?7)及びインターネット上に掲載された「Mpow8」を自転車置場に設置した際のレビュー記事(甲8)であるところ、甲第4号証は「Mpow 8 LED ソーラーライト」、甲第5号証は「Mpow 20 LED ソーラーライト」、甲第8号証は自転車置場に設置した「Mpow8」について、それぞれ、商品購入者の商品の評価が投稿されているにすぎない。また、甲第6号証及び甲第7号証は、平成28年9月のAmazonにおける「ソーラーライト」の検索結果や同月において「玄関ライト」で「Mpow8」がAmazonランキング「ベストセラー一位」に選ばれていることが記載されているものの、平成28年9月のAmazonにおける「ソーラーライト」の販売状況を示しているにすぎないものであるから、いずれにしても、その評価が引用商標の周知性に直接関係するとはいえないものである。
加えて、本件商標の登録出願時及び登録査定時前における使用商品「ソーラーライト」の日本国内での販売数量、売上高、市場シェア等も明らかでない。
そうすると、申立人の提出に係る証拠によっては、引用商標が、本件商標の登録出願時及び登録査定時において、申立人の業務に係る商品「ソーラーライト」を表示するものとして、日本国内における需要者の間に広く認識されているとは認められない。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第10号に該当しない。
(3)商標法第4条第1項第15号該当性について
申立人は、同人と使用許諾契約を結ぶ深セン社は、ソーラーライトの他にも、主に、スマートフォンに接続可能な商品やその関連商品を、引用商標を付して、Amazonで本件商標の登録出願前から販売しており(甲9?甲14)、とりわけ、イヤホン及びヘッドセットについては、インターネット上の多数の記事で紹介されており、非常に注目度の高い商品となっていること(甲15?甲19)などから、本件商標権者が本件商標をその指定商品に使用した場合、これに接する需要者が、該商品が申立人又は同人と経済的若しくは組織的に何らかの関係を有する者の業務に係る商品であるかのように誤認し、その出所について混同を生じるおそれが高いことは明らかであり、本件商標は、商標法第4条第1項第15号に該当する旨主張する。
確かに、本件商標と引用商標とは、上記(1)のとおり、類似するものであるといえる。
しかしながら、引用商標がそれをスマートフォンに接続可能な商品やその関連商品に使用して周知、著名となっているとして挙げた証拠は、Amazonへの商品掲載のページ(甲9?甲14)及びイヤホンのレビューを中心とした商品紹介掲載のページ(甲15?甲19)が示されているにすぎず、その評価が引用商標の周知、著名性に直接関係するとはいえないものであり、本件商標の登録出願時及び登録査定時前における引用商標が付された上記使用商品に係る申立人及び深セン社の広告、あるいは、申立人及び深セン社以外の者による紹介記事等の存在も明らかでない。
そうすると、引用商標が、本件商標の登録出願時及び登録査定時において、申立人の業務に係る商品を表示するものとして、需要者の間に広く認識されているとは認めることはできない。
してみれば、本件商標は、これをその指定商品について使用しても、これに接する取引者、需要者をして、該商品が申立人又は同人と経済的若しくは組織的に何らかの関係を有する者の業務に係る商品であるかのように連想、想起することはなく、その商品の出所について混同を生ずるおそれはないというべきである。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第15号に該当しない。
(4)商標法第4条第1項第19号該当性について
本件商標と引用商標とは、上記(1)のとおり、類似するものであるといえる。
しかしながら、申立人は、引用商標の著名性について、Amazonのアメリカ版サイト「Amazon.com」における「Mpow」の検索結果(写し)を提出し(甲20)、引用商標を付した商品を海外でも多数販売していること、また、同サイトにおけるワイヤレスイヤホン「Mpow Swift」の商品掲載ページを提出し(甲21)、平成28年9月現在の口コミ数、2014(平成26)年10月21日から現在までの約2年間での口コミ数から、引用商標は、我が国のみならず、外国における需要者の間にも広く認識されている商標ということができると主張するのみであり、その他の証拠の提出はなく、上記証拠は当該要件について客観的に判断できる程度の事実を示すものともいえない。
そうすると、外国において引用商標を付した商品が販売されていることは認められるものの、申立人の提出に係る証拠によっては、引用商標が、本件商標の登録出願時及び登録査定時において、申立人の業務に係る商品を表示するものとして、日本国内又は外国における需要者の間に広く認識されていると認めることは到底できない。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第19号所定のほかの要件について論及するまでもなく、同号に該当しない。
(6)まとめ
以上のとおり、本件商標の登録は、商標法第4条第1項第10号、同項第15号及び同項第19号のいずれにも違反してされたものではないから、同法第43条の3第4項の規定により、維持すべきものである。
よって、結論のとおり決定する。
別掲 別掲
(A)引用商標1

(B)引用商標2


異議決定日 2017-06-02 
出願番号 商願2015-129500(T2015-129500) 
審決分類 T 1 651・ 222- Y (W11)
T 1 651・ 25- Y (W11)
T 1 651・ 271- Y (W11)
T 1 651・ 255- Y (W11)
最終処分 維持 
前審関与審査官 池田 光治 
特許庁審判長 今田 三男
特許庁審判官 酒井 福造
藤田 和美
登録日 2016-05-20 
登録番号 商標登録第5852247号(T5852247) 
権利者 株式会社サイタステック
商標の称呼 エムパウ、エムポー、パウ、ポー、ピイオオダブリュウ 
代理人 TRY国際特許業務法人 
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