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審決分類 審判 一部申立て  登録を維持 W14
管理番号 1329320 
異議申立番号 異議2016-900397 
総通号数 211 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標決定公報 
発行日 2017-07-28 
種別 異議の決定 
異議申立日 2016-12-15 
確定日 2017-05-25 
分離された異議申立 有 
異議申立件数
事件の表示 登録第5885468号商標の商標登録に対する登録異議の申立てについて,次のとおり決定する。 
結論 登録第5885468号商標の商標登録を維持する。
理由 1 本件商標
本件登録第5885468号商標(以下「本件商標」という。)は,別掲1に示すとおりの構成よりなり,平成28年2月5日に登録出願,同年9月6日に登録査定され,第9類「光学用機器,眼鏡,携帯用双眼鏡,サングラス,眼鏡枠,眼鏡レンズ,眼鏡用及びサングラス用ケース」,第14類「貴金属及びその合金,宝飾品,宝玉・宝玉の原石」,第18類「財布,革製肩掛けベルト,肩掛けかばん,ハンドバッグ,礼装用バッグ,ウェストポーチ,ブリーフケース,革製ビジネスバック,旅行鞄,バックパック」,第24類「布製身の回り品,ベッドカバー及びテーブルカバー,織物製顔ふきタオル,手ふきタオル,パイル地のタオル,ビーチタオル」及び第35類「広告,事業の管理,事業の運営」を指定商品及び指定役務として,同月30日に設定登録されたものである。

2 引用商標
登録異議申立人(以下「申立人」という。)が登録異議の申立ての理由において引用する登録第1979922号商標(以下「引用商標」という。)は,別掲2に示すとおりの構成よりなり,昭和59年5月7日に登録出願,第23類に属する商標登録原簿記載のとおりの商品を指定商品として,同62年8月19日に設定登録され,その後,平成19年8月8日に指定商品を第14類「時計,時計の部品及び附属品」とする指定商品の書換登録がされ,現に有効に存続しているものである。

3 登録異議の申立ての理由
申立人は,本件商標は,第14類の指定商品について,商標法第4条第1項第15号に該当するから,同法第43条の2第1号により,その登録は取り消されるべきであると申立て,その理由を要旨以下のように述べ,証拠方法として甲第1号証ないし甲第24号証(枝番を含む。)を提出した。
(1)本件商標と引用商標の類否
本件商標は,上段の図形部分と下段の文字部分では,何らの関連性もなく,それぞれ分離,分断されて把握されるものである。
「Conquest」は英語の単語であるため(甲3),本件商標の「CONQUEST」の文字部分及び引用商標の「Conquest」の文字からは,「〔武力などによる〕征服,占領地・征服地,克服・〔努力による〕獲得」の観念が生じ,「コンクエスト」の称呼が生じる。
したがって,本件商標と引用商標は,観念上も称呼上も同一の商標である。
(2)本件商標の第14類の指定商品「貴金属及びその合金,宝飾品,宝玉・宝玉の原石」は,最終需要者に販売される場合は,「『宝飾 時計』売場」,「『時計・宝飾』売場」,「『ジュエリー&ウォッチ』売場」といったまとまりで販売されており,「時計」と同一のフロア,売場にて,「時計」とともに取り扱われて販売に供されている取引の実情がある(甲4?7)。
(3)申立人は,引用商標の出願時から現在に至るまで継続して,引用商標を付した商品「腕時計」を販売しており,各種雑誌に紹介されるなど,申立人の引用商標を付した商品「腕時計」は,我が国において著名になっている(甲8?23)。
その商品「腕時計」は,価格帯が高価であり,発売から30年以上も経過した商品であるにもかかわらず,現在においてもコンスタントに売れ続けているロングセラーとなっている(甲24)。
(4)上記(1)のとおり,本件商標と引用商標は,観念上も称呼上も同一の商標であり,上記(2)で述べた取引の実情を考え併せ,かつ,上記(3)で述べた申立人の引用商標を付した腕時計の知名度を併せて考慮すれば,本件商標をその指定商品に付した商品が,引用商標を付した腕時計の近辺に陳列され販売に供されるとなると,本件商標を付した該商品は,あたかも申立人の業務に係る商品であるかのように受け取られてしまい,混同を生ずるおそれが非常に高いものといわざるを得ない。
したがって,本件商標は,第14類の指定商品に関しては,商標法第4条第1項第15号に該当する。

4 当審の判断
(1)引用商標の周知著名性
ア 申立人の提出する証拠によれば,以下の事実が認められる。
(ア)「Conquest」の名称の腕時計は,以下の(イ)に掲げるように様々なシリーズがありながらも,「LONGINES」(ロンジン)の製品として,1988年から2016年に発行された雑誌又はカタログなどにおいて,腕時計の写真とともに,継続的に掲載されている(甲8?23)。それら写真にある腕時計の文字盤には,引用商標が表示されていることが確認できるものもあるが(甲14?19),その場合でも引用商標の上部には「LONGINES」の表示がある。
(イ)「LONGINES」(ロンジン)の「Conquest」と関連した具体的な商品名又はシリーズ名及びその値段は,「コンクェスト・チタン」(38万円,48万円)(甲8),「コンクェストVHP」(35万円)(甲9,11),「Collection/Conquest」(甲10,12,13,15),「レトロ・コンクエスト」(16万円)(甲14),「RETRO CONQUEST」(16万円)(甲16),「CONQUEST」(甲17),「コンクェストVHPパペチュアルカレンダー」(17万円)(甲18),「コンクェスト AHP」(13万5千円),「コンクェストVHP」(12万円)(甲19),「コンクェスト クラシック」(63万5250円,55万1250円)(甲21),「コンクェスト クラシック ムーンフェイズ」(60万8千円)(甲22),「コンクェスト 1/100th ローランギャロス」(20万5200円)(甲23)などである。
(ウ)「LONGINES」(ロンジン)の腕時計の中で,「Conquest」は「代表シリーズ」とも紹介されるが(甲14),その他にも,「リンドバーグ」や「ウィームス」など「名品」とされるシリーズもある(甲18)。
(エ)甲第24号証によれば,「Conquest」,「Conquest Heritage」(Hの次のeにはアクセント記号が付されている。),「Conquest Classic」の日本における販売実績は,5年間(2012年?2016年)で,約6300本である。
イ 上記アの認定事実によれば,引用商標は「LONGINES」(ロンジン)の腕時計のサブブランドの一つで,日本においては遅くとも1988年以降,つまり約30年前から雑誌やカタログにおいて紹介され,販売されていることがうかがえる。
しかし,その販売本数は,約6300本(2012年?2016年)と,年間にして1260本程度である。価格帯が10万円から60万円の間という比較的高価な腕時計であることを考慮しても,決して多いものとはいい難い。
また,雑誌やカタログにおいても「Conquest」の腕時計は,あくまで「LONGINES」(ロンジン)のサブブランドとして紹介されており,引用商標を付した腕時計の文字盤にも「LONGINES」の文字も表されているため,引用商標が,「LONGINES」の商標に依存せず,申立人に係る商品「腕時計」を示すものとして,どの程度需要者,取引者に広く知られるようになっていたかどうかは明らかではない。
その他,「Conquest」の腕時計が市場全体に占める程度,広告宣伝の規模や範囲などは明らかではなく,引用商標が我が国の需要者,取引者の間で広く認知されている事実を把握することができない。
そうすると,申立人の提出する証拠によっては,引用商標は,「LONGINES」(ロンジン)の腕時計のサブブランドの一つにすぎず,商品「腕時計」について,本件商標の登録出願時及び登録査定時において,我が国の需要者,取引者の間において広く認識されていたと認めることはできない。
(2)引用商標の独創性の程度
引用商標は,「征服」の意味合いを有する英語である「Conquest」を表してなるものであるため(甲3),造語ではなく,その独創性の程度は高くはない。
(3)商品の取引の実情
甲第4号証から甲第7号証までによれば,小田急百貨店新宿店,新宿高島屋,京王百貨店新宿店及び伊勢丹新宿店などの百貨店においては,「宝飾」(ジュエリー)と「時計」(ウォッチ)の売場は隣接又は同じフロアに設置されている。
しかし,デパートにおいて時計売場と宝飾品売場が近接する場合があり得るとしても,引用商標の使用商品「腕時計」は身に付けたり又は所持したりして用いられるものであるのに対し,本件商標の指定商品中,「貴金属及びその合金」は貴金属の地金及び半加工品等であって,また,「宝玉・宝玉の原石」はダイヤモンドの原石等の未加工の天然原石を彫形,研磨した宝玉そのものであるから,その性質,用途,目的,取引者及び需要者において関連性を有するものということはできない。
他方,本件商標の指定商品中,「宝飾品」は,「宝飾」は「装飾品として用いる宝石・貴金属の総称」であるから,引用商標の使用商品「腕時計」と同様に,デザインやブランド,装飾性が重視される場合があるため,その性質,用途,目的においてある程度関連し,取引者及び需要者もある程度共通するものといえる。
ただし,申立人において,腕時計に加えて,貴金属や宝飾品などの製造,販売も行っていることを示す具体的な証拠もなく,申立人が宝飾品などを含めた多角経営を行っているものとは認められない。
(4)本件商標と引用商標の類似性の程度
本件商標は,別掲1のとおり,上段に3つの「C」文字状の図形を組み合わせてなる図形を,下段に「CONQUEST」の文字を表してなるところ,上段の図形部分と下段の文字部分は,一見して視覚上分離して認識されるものであるばかりか,「conquest」は「征服」(甲3)などの意味を有する英語であり,上段の図形部分とは特段の観念上のつながりもないため,視覚上及び観念上も分離して認識されるものである。そうすると,本件商標における図形部分と文字部分とを分離して観察することが取引上不自然であると思われるほど不可分的に結合しているものということはできず,本願商標のうち,「CONQUEST」の文字部分だけを引用商標と比較して商標の類否を判断することも許されるというべきであるから,本件商標からは,当該文字部分に相応して「コンクエスト」の称呼を生じ,「征服」の観念を生じるものといえる。
他方,引用商標は,別掲2のとおり,「Conquest」の文字を筆記体で表してなるところ,上記と同様に,その構成文字に相応して「コンクエスト」の称呼を生じ,「征服」の観念を生じるものといえる。
そうすると,本件商標の文字部分と引用商標は,「コンクエスト」の称呼及び「征服」の観念を共通にし,外観においても「conquest」の文字を表してなる点において近似した印象を与えるものである。そうすると,両商標は,その文字部分において,称呼及び観念を共通にし,外観においても近似した印象を与える,類似する商標というべきである。
(5)商標法第4条第1項第15号該当性
上記(1)から(4)によれば,引用商標は「LONGINES」(ロンジン)の腕時計のサブブランドの一つにすぎず,造語でもないため独創性の程度も高くなく,我が国において周知,著名とはいえない。そして,本件商標の第14類の指定商品の一部は,引用商標の使用商品「腕時計」とはその性質,用途,目的において取引者及び需要者においてある程度関連性又は共通性を有するものであるが,申立人も宝飾品などを含めた多角経営を行っているものではないから,本件商標と引用商標が類似するとしても,本件商標は,その指定商品の需要者,取引者をしても,直ちに申立人の業務やその商品との関係を連想,想起させるものとはいえない。そうすると,本件商標がその第14類の指定商品に使用されるときでも,その需要者,取引者をして,申立人の業務に係る商品であると誤信されるおそれや,親子会社や系列会社等の緊密な営業上の関係又は同一の表示による商品か事業を営むグループに属する関係にある営業上の業務に係る商品等であると誤信されるおそれはないというべきである。
したがって,本件商標は,他人の業務に係る商品との間で,混同を生ずるおそれのある商標ということはできず,商標法第4条第1項第15号に該当しない。
(6)まとめ
以上のとおり,本件商標の登録は,第14類の指定商品について,商標法第4条第1項第15号に違反してされたものではないから,同法第43条の3第4項の規定に基づき,維持すべきものである。
よって,結論のとおり審決する。






別掲1 (本件商標)


別掲2 (引用商標)

異議決定日 2017-05-17 
出願番号 商願2016-13188(T2016-13188) 
審決分類 T 1 652・ 271- Y (W14)
最終処分 維持 
前審関与審査官 松田 訓子 
特許庁審判長 早川 文宏
特許庁審判官 阿曾 裕樹
田村 正明
登録日 2016-09-30 
登録番号 商標登録第5885468号(T5885468) 
権利者 キューエフ アパレルズ エスディーエヌ ビーエイチディー
商標の称呼 コンクエスト、シイシイシイ 
代理人 廣瀬 隆行 
代理人 吉村 仁 
代理人 関 大祐 
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