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審決分類 審判 全部申立て  登録を維持 W12
審判 全部申立て  登録を維持 W12
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管理番号 1329318 
異議申立番号 異議2016-900383 
総通号数 211 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標決定公報 
発行日 2017-07-28 
種別 異議の決定 
異議申立日 2016-12-02 
確定日 2017-05-29 
異議申立件数
事件の表示 登録第5885317号商標の商標登録に対する登録異議の申立てについて、次のとおり決定する。 
結論 登録第5885317号商標の商標登録を維持する。
理由 1 本件商標
本件登録第5885317号商標(以下「本件商標」という。)は、「Ax-Bow」の文字を標準文字で表してなり、平成28年4月6日に登録出願、第12類「船舶並びにその部品及び附属品」を指定商品として、同年9月9日に登録査定、同年9月30日に設定登録されたものである。

2 引用商標
登録異議申立人(以下「申立人」という。)が引用する国際登録第888766号商標(以下「引用商標」という。)は、「X-BOW」の文字を書してなり、2005年3月30日にNorwayにおいてした商標登録出願に基づきパリ条約第4条による優先権を主張し、2005年(平成17年)9月27日に国際商標登録出願、第12類「Ships and ships' hull, boats and boats' hull.」、第37類「Shipbuilding, maintenance and repair of ships, consultancy regarding shipbuilding.」及び第42類「Design of ships and boats, engineering consultancy and qualty control regarding shipbuilding.」を指定商品及び指定役務として、平成20年7月25日に設定登録され、現に有効に存続しているものである。

3 登録異議の申立ての理由
申立人は、本件商標は、商標法第4条第1項第11号、同項第10号、同項第15号及び同項第19号に該当するものであるから、同法第43条の2第1号により、その登録は取り消されるべきであると申立て、その理由を要旨以下のように述べ、証拠方法として甲第1号証ないし甲第8号証(枝番を含む。)を提出した。
(1)商標法第4条第1項第11号該当性について
ア 本件商標は、ローマ文字「Ax-Bow」を標準文字で表示してなるものである。一方、引用商標は、ローマ文字をもって「X-BOW」と表示し、本件商標の登録出願日前に登録出願及び国際登録されたものであって、日本国を保護対象国として指定した国際登録である。
イ 観念の類否について
本件商標は、「Ax-Bow」からなるところ、「Ax」は、英語表記の「斧」であり、更に「Bow」は、英語表記の「船首」に通じる単語である。よって、本件商標は、「斧型の船首」の観念を有する商標である。
一方、引用商標は、申立人が開発した斧型の印象のある船首を持つ船舶について、「斧」の英語表記である「axe」若しくは「ax」の発音である「エクス」と同一の発音を持つローマ文字「X」に置き換え、かかるローマ文字「X」に船首の意味を持つ英語表記「bow」を結合して創作したものが「X-BOW」なる商標である。
そのため、引用商標の属する分野、すなわち、造船業界における当業者であれば、申立人の開発した斧型船首を持つ船舶が周知であるため、引用商標から「斧型の船首」なる観念を容易に想起する。
よって、本件商標は、引用商標と商標の観念において同一若しくは類似する商標である。
ウ 外観の類否について
両商標を比較すると、スペリングの実質上の相違は、語頭のローマ文字「A」の有無にすぎない。特に引用商標が船舶の商標として周知著名であることを鑑みると、需要者・取引者は、引用商標に接したときの印象、記憶並びに連想をもって、本件商標に接した場合は、語頭の「A」の差異よりも本件商標の6文字中残存する5文字が印象に残るため、「X-BOW」の部分に着目し、商品の取引に当たることが一般的である。よって、本件商標は、引用商標に外観において類似する。
エ 称呼の類否について
本件商標は、標準文字をもって「Ax-Bow」と表示してなる商標である。まず、本件商標は、英語で「斧」を意味する「ax」を語頭に有し、この部分は、「エクス」若しくは「アクス」と読むことが自然である。そして、かかる語頭に英語で船首を意味する「bow」を連続することにより、「エクスバウ」及び「アクスバウ」の自然称呼が生じる。
一方、引用商標は、「X-BOW」であるところ、「エクスバウ」の自然称呼が生じる。
そこで、本件商標の「エクスバウ」と引用商標の自然称呼「エクスバウ」は、称呼が同一である。
また、本件商標の「アクスバウ」と引用商標の自然称呼「エクスバウ」は、日本人が明瞭に聞き分けることができない[a]と[e]の音の違いであるから、彼此聞き誤る音であり、商標全体としても類似する称呼である。特に、引用商標は、本件商標の登録出願前である2005年からその使用を開始し、「エクスバウ」の自然称呼が生じる「X-BOW」の商標権は大きく認知されるものであるから、本件商標の自然称呼である「エクスバウ」及び「アクスバウ」とは、相紛らわしく聞き間違えることは明らかである。
よって、本件商標と引用商標は、称呼において類似する。
オ 指定商品の同一若しくは類似について
本件商標の指定商品と引用商標の指定商品である第12類「Ships and ships' hull, boats and boats' hull.」は、同一若しくは類似する。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に該当する。
(2)商標法第4条第1項第10号該当性について
ア 引用商標の周知性
引用商標は、造船の要する納期を従来の納期より短縮できる船首を持つ船舶の商標として、申立人が独自に創出し、使用を開始した商標である(甲3)。
さらに詳細に説明すれば、引用商標は、船舶の設計におけるこれまでの船首の設計概念を変革した設計コンセプトの商標である。
このX-BOWという船首設計のコンセプトは、2005年に発表以来、直ちに多くの船舶所有者が興味を寄せた設計コンセプトであった。また、かかる設計コンセプトX-BOWは、「動力性能の向上」、「燃費効率の向上」、「騒音及び振動の減少による快適性の上昇」、「ソフトな進水と波の跳ね返りの減少による安全性向上と船体への損害の減少」を可能とし、あらゆる天候においても安全性のある船首設計のコンセプトとして、例えば、斧型の印象を持つ船首設計コンセプトの商標であり、また、船舶の販売促進においても、使用を継続している周知商標である。
そして、現在は全世界において、かかる特徴のある申立人が開発した船首構造・形態のX-BOWを持つ船舶が100隻以上竣工し、実際の海上輸送、海上保安、海上工事業務等において使用されている。また、引用商標の船首の形態を使用した船舶は、これまでのところ日本においては、三井造船株式会社の玉野事業所に一隻、同社千葉営業所に一隻、関連会社である新潟造船株式会社において二隻を組立てた実績がある。
また、引用商標の船首の形態を使用した船舶は一隻あたり、約42ミリオン米国ドル(約4,620億円)であり、前記の四隻の造船の結果、約168ミリオン米国ドル(約1兆8,480億円)の売り上げを記録している。
さらに、X-BOWなる船首設計のコンセプトは、造船業界においても注目されている設計コンセプトである。これまで解説したとおり、引用商標は、申立人が開発した船首設計のコンセプトを示す商標として、造船業界においては、周知な商標である。近年は、GoogleやFacebookを通じて、広告宣伝活動を行っている(甲4)。
イ 引用商標とその商標を使用する斧型の船首は、その斬新な設計から船舶関係を扱う記事が多数取り上げる等、船舶業界においては周知である。具体的には、次のような引用商標とその商標を使用する船舶に関する記事がある。
(ア)marine insight2016年12月26日記事 抜粋(甲5の1)には、「抄訳:X Bow(Axe Bow)なる船舶は、その革命的及び革新的なデザインにより、世界に公表されたときは、大きな話題を呼んだ。」
(イ)OFFSHORE ENERGEY TODAY.COM 2010年8月24日記事 抜粋(甲5の2)には、「抄訳:5年前に紹介されてから、ウルステイン社のX-BOWのコンセプトは、運航における稼働性、燃費、快適性及び安全性が向上した結果、顧客に対する付加価値を与えたことを証明した。」
(ウ)SUBSEA world news 2015年10月13日記事 抜粋(甲5の3)には、「抄訳:遠隔地域並びに厳しい環境における中継操作に対して、船舶の運航の可能性を上昇させる実証されたウルステイン社のX-BOWを採用することは、大変重要な意味を持つ。」
ウ そして、引用商標を使用した船舶について、数多くの表彰がされている。
(ア)ノルウェーの全国新聞紙Aftenpostenが実施した、ここ100年におけるノルウェー重大三発明の一つ(2位)に選ばれた(甲6の1)。
(イ)2005年度、ノルウェー技術達成賞(Norwegin Engineering Feat of the Year)を受賞した(甲6の2)。
(ウ)2010年度、最高革新製品賞(Most Innovative Product)を受賞した(甲6の3)。
(エ)2013年度、X-BOWの船首を持つ船舶SEVEN VIKINGがシップ オブ ザ イヤーを受賞した(甲6の4)。
(オ)2008年度、X-BOWの船首を持つ船舶Island Constructorがシップ オブ ザ イヤーを受賞した(甲6の5)。
(カ)2007年度、X-BOWの船首を持つ船舶Normand Sevenがシップ オブ ザ イヤーを受賞した(甲6の6)。
(キ)2006年度、X-BOWの船首を持つ船舶AHTS BOURBON ORCAがシップ オブ ザ イヤーを受賞した(甲6の7)。
(ク)2014年度、X-BOWの船首を持つ船舶SIEM MOXIEがOSJOFFSHORE RENEWABLES AWARDを受賞した(甲6の8 審決注:この証拠の提出はない。)。
(ケ)また、引用商標が示す斧型の船首をもつ船舶と技術が、ノルウェーの三大発明に選ばれるなど数々の栄誉を受け、また、造船業界に多大な貢献を与えたため、ノルウェーの日本銀行にあたるNorges Bank(ノルウェー中央銀行)は、100クローネ紙幣のデザインに引用商標の船首のデザインの採用を決定し、2017年の夏には発行が開始される予定である(甲7)。
このように、引用商標、並びにその商標を使用した申立人の商品である斧型船首を持つ船舶に関する記事は、その革新的な設計デザインとその設計デザインが招く船舶としての稼働性、経済性並びに安全性を称賛する内容である。これら、第三者による記事からも、引用商標は、船舶の取引界における取引者間では、申立人の設計による船首に斧型形状という特徴を持つ船舶の商標として、周知であることは明らかである。
さらには、引用商標を有する申立人の船舶が、多くの賞を受賞し、また、申立人が所在するノルウェーの中央銀行が発行する紙幣のデザインに採用されるなど、ノルウェー国内においても周知な商標である。
また、本件商標は、引用商標に対し、標章が類似であり、また、指定商品が同一又は類似であることは、上記(1)とおりであるから、本件商標は、商標法第4条第1項第10号に該当する。
(3)商標法第4条第1項第15号該当性について
ア 引用商標の周知性は、上記(2)のとおりである。
狭義の混同について
引用商標は、申立人が開発した革新的な船首設計コンセプトの商標であって、造船業界においては、周知な商標である。
よって、本件商標に接した第三者は、引用商標に「A」が付加されただけの本件商標に接した場合、引用商標の派生形、発展形若しくは進歩形の船首設計コンセプトであると理解するおそれがある。特に「A」は、英語で進化を表す「advance」の語頭の「A」として採用されることが多いため、需要者・取引者は、引用商標との関連性を誤認することは明らかである。
よって、本件商標は、引用商標の商品と出所混同を生じる商標である。
一方、本件商標は、実際に船首の特徴がある船舶の商標として使用されていることから、かかる誤認混同が生じることは明白である(甲8)。
広義の混同について
仮に、需要者・取引者は、本件商標に接した場合、引用商標が斧型の船首を持つ船舶の商標として周知であることから、引用商標との連続性関連性を想起し、本件商標の出願人と申立人は親子会社の関係、関連会社の関係、若しくは本件商標は、申立人から使用の許諾を受けている関係にある商標などと、何らかの経済的若しくは法律的関係を想起することは明らかである。
よって、本件商標は、引用商標との広義の混同を生じる商標であるから、商標法第4条第1項第15号に該当する。
(4)商標法第4条第1項第19号該当性について
本件商標の登録出願日において、引用商標は、日本及びノルウェーにおいては、造船業界に属する当業者間においては、広く認識されていた商標である。
一方、本件商標の登録出願は、船舶の船首に特徴を持つ引用商標が名声を博していることを知りながら、同様に船舶について、「船首端での水線面形状」に設計上の特徴を有する船舶を製造販売し、その商標に「Ax-Bow」を採用する経緯及び背景がある。かかる事実は、本件商標の登録出願時において、世界的に周知であり、名声を得ている引用商標の名声、評判、認知度、顧客吸引力を剽窃しようとする不正の目的があったことは明らかである。
特に、申立人と同じ大型船舶の造船業に属していながら、引用商標に敢えて接近し、冒頭に「A」を付加したにすぎない本件商標の採択の経緯は、引用商標の名声、評判、認知度、顧客吸引力を剽窃し不当に利用する目的といわざるを得ない。商標の採択においては、自他商品・役務の識別力の発揮が求められるところ、第三者商標との混同を回避するために、先行する第三者商標への接近を避け、混同のおそれがない商標を採択することが一般的である。
本件のように、引用商標が取引業界において周知であるにも拘わらず、この商標と一文字のみが異なる本件商標を採択することは、引用商標の斧型の船首を有する船舶を指標するという結びつきを稀釈化するものである。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第19号に該当する。

3 当審の判断
(1)引用商標の周知著名性について
ア 申立人の提出する証拠及び主張によれば、以下の事実が認められる。
(ア)引用商標は、船舶の設計におけるこれまでの船首の設計概念を変革した船首設計コンセプトの商標であって、2005年に発表以来、多くの船舶所有者が興味を寄せた設計コンセプトとされ、「The X-BOW hull line design」(甲3:証拠中の「X-BOW」の記載の後ろに丸で囲んだ「R」が付されている。)と表示されている。
(イ)引用商標に関する各種記事には、「The X Bow(Axe Bow)ship,with its revolutionary and innovative design,・・・」(甲5の1)、「the ULSTEIN X-BOW concept・・・」や「・・・which is further enhanced by applying the proven ULSTEIN X-BOW to increase the operational window of the vessel.」(甲5の2、甲5の3:「X-BOW」の記載の後ろに丸で囲んだ「R」が付されている。)等と記載されているものの、引用商標が「船舶」自体の商標として使用されている事実は確認できない。
(ウ)ノルウェー重大三発明の一つに選ばれたとして、「the X-BOW hull line design as #2」(甲6の1)との記載、2005年度、ノルウェー技術達成賞(Norwegin Engineering Feat of the Year)を受賞したとして、「・・・the ULSTEIN X-BOW concept・・・」(甲6の2:「X-BOW」の記載の後ろに丸で囲んだ「R」が付されている。)との記載、2010年度、最高革新製品賞(2010:X-BOW Most Innovative Product)を受賞した(甲6の3:「X-BOW」の記載の後ろに丸で囲んだ「R」が付されている。)との記載がある。
また、申立人のホームページにおける、「2013:SEVEN VIKING-SHIP OF THE YEAR」には、「・・・the X-BOW hull line design・・・」(甲6の4:「X-BOW」の記載の後ろに丸で囲んだ「R」が付されている。)の記載がある。
しかしながら、上記証拠において、引用商標が「船舶」自体の商標として使用されている事実は確認できず、他の受賞記事(甲6の5?甲6の7)については、引用商標の表示が見いだせない。
(エ)ノルウェー中央銀行は、100クローネ紙幣のデザインに引用商標の船首のデザインを決定し、2017年の夏には発行が開始される予定である(甲7第5葉目?第7葉目)とされるが、引用商標の表示は見いださせない。
(オ)申立人は、引用商標の広告宣伝活動を行っているとして、甲第4号証を提出しているが、該証拠は、不鮮明でその事実が確認できない。
(カ)商標権者のホームページの技術開発の頁(甲8)には、「シーマージン低減型船首」の見だしのもと、「Ax-Bow(Ship of the year 2001受賞 Japan)」とされ、船舶の写真の下に「Ax-Bow」の表示がある。
イ 上記事実によれば、引用商標は、「X-BOW hull line design」や「X-BOW concept」等と表示され、デザインや設計コンセプトの標章として紹介されているものの商品「船舶」について使用する証拠が見いだせないから、引用商標は、船舶の船首設計コンセプトの名称というべきであり、「船舶」に関する商標とは認め難い。
そうとすると、提出された証拠からは、引用商標及び申立人の業務に係る「船舶」が広く知られていると認めるに足りない。
したがって、申立人提出の甲各号証により、引用商標が、本件商標の登録出願時及び登録査定時に申立人の業務に係る船舶を表示するものとして、我が国及び外国(特に、ノルウェー)の取引者、需要者の間に広く認識されているものとは認めることができない。
(2)商標法第4条第1項第11号該当性について
ア 本件商標について
本件商標は、上記1のとおり、「Ax-Bow」の文字を標準文字により表してなるところ、同書、同大、同間隔で外観上まとまりよく表されており、該構成文字全体から生ずると認められる「エイエックスバウ」の称呼は,よどみなく称呼し得るものといえる。
また、本件商標を構成する「Ax-Bow」の文字は、辞書等に掲載が認められないものであって、特定の観念を生じないというべきである。
イ 引用商標について
引用商標は、上記2のとおり、「X-BOW」の文字を書してなり、その構成文字に相応して、「エックスバウ」の称呼を生じ、該文字は、辞書等に掲載が認められないものであって、特定の観念を生じないというべきである。
ウ 本件商標と引用商標との類否について
本件商標と引用商標の構成は、それぞれ、上記1及び2のとおりであるところ、本件商標が「Ax-Bow」の文字で構成されているのに対して、引用商標は、「X-BOW」の文字により構成されていることから、本件商標と引用商標とは、「A」の文字の有無、大文字及び小文字混じりと大文字のみとの表示において相違し、外観上、明確に区別し得るものである。
次に、称呼については、本件商標は、「エイエックスバウ」の称呼が生じ、また、引用商標は、「エックスバウ」の称呼が生ずるものであるから、両者は、語頭における「エイ」の音の有無において明らかに相違し、称呼上、明らかに聴別し得るものである。
さらに、観念については、本件商標と引用商標とは、特定の観念が生じないものであるから、両者は、観念において相紛れるおそれはない。
そうすると、本件商標と引用商標とは、外観、称呼及び観念のいずれにおいても、相紛れるおそれがない非類似の商標というべきである。
したがって、本件商標と引用商標とは、非類似の商標であるから、たとえ、その指定商品が同一又は類似のものであったとしても、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に該当しない。
(3)商標法第4条第1項第10号及び同項第15号該当性について
本件商標と引用商標とは、上記(2)ウのとおり、相紛れるおそれがない非類似の商標である。
そして、引用商標は、上記(1)イのとおり、本件商標の登録出願時及び登録査定時に申立人の業務に係る商品を表示するものとして取引者、需要者の間に広く認識されているものとは認めることができない。
してみれば、本件商標は、商標権者がこれをその指定商品について使用しても、取引者、需要者をして引用商標を連想又は想起させることはなく、その商品が申立人又は同人と経済的若しくは組織的に何らかの関係を有する者の業務に係る商品であるかのように、その商品の出所について混同を生ずるおそれはないものというべきである。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第10号及び同項第15号に該当しない。
(4)商標法第4条第1項第19号該当性について
本件商標と引用商標とは、上記(2)ウのとおり、非類似の商標である。
また、引用商標は、上記(1)イのとおり、本件商標の登録出願時及び登録査定時において、申立人商品を表示するものとして、我が国及び外国の需要者の間に広く認識されていたとは認められない。
さらに、甲第8号証をみると、本件商標の商標権者は、申立人が引用商標に係る設計コンセプトを発表(2005年)よりも前に本件商標の使用を開始し、2001年のShip of the yearを受賞していることが認められる。
そうすると、本件商標は、引用商標よりも先に使用していたといい得るものであって、かつ、引用商標を連想、想起するものでないから、本件商標をその指定商品に使用するとしても、引用商標の出所表示機能の希釈化又はその名声及び信用力にフリーライドするものとはいえないし、また、不正の目的をもって使用するものということもできない。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第19号に該当するとはいえない。
(5)むすび
以上のとおり、本件商標の登録は、商標法第4条第1項第11号、同項第10号、同項第15号及び同項第19号に違反してされたものではないから、商標法第43条の3第4項の規定に基づき、維持すべきものである。
よって、結論のとおり決定する。
異議決定日 2017-05-19 
出願番号 商願2016-39720(T2016-39720) 
審決分類 T 1 651・ 271- Y (W12)
T 1 651・ 261- Y (W12)
T 1 651・ 262- Y (W12)
T 1 651・ 25- Y (W12)
T 1 651・ 263- Y (W12)
T 1 651・ 222- Y (W12)
最終処分 維持 
前審関与審査官 日向野 浩志 
特許庁審判長 今田 三男
特許庁審判官 田中 幸一
藤田 和美
登録日 2016-09-30 
登録番号 商標登録第5885317号(T5885317) 
権利者 ジャパンマリンユナイテッド株式会社
商標の称呼 エイエックスバウ、バウ、ボー、ビイオオダブリュウ 
代理人 前田 大輔 
代理人 朝倉 美知 
代理人 中村 知公 
代理人 伊藤 孝太郎 
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