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審決分類 審判 査定不服 商4条1項7号 公序、良俗 取り消して登録 W09
管理番号 1329210 
審判番号 不服2016-15915 
総通号数 211 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標審決公報 
発行日 2017-07-28 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2016-10-25 
確定日 2017-06-06 
事件の表示 商願2015-65836拒絶査定不服審判事件について,次のとおり審決する。 
結論 原査定を取り消す。 本願商標は,登録すべきものとする。
理由 第1 本願商標
本願商標は,「戦国BASARA 真田幸村伝」の文字を標準文字で表してなり,第9類に属する願書記載のとおりの商品を指定商品として,平成27年7月10日に登録出願され,その後,指定商品については,原審における同28年4月4日付け手続補正書及び当審における同年12月1日付け手続補正書により,最終的に,第9類「真田幸村を主人公とした携帯用液晶画面ゲーム機用プログラムを記憶させた読出し専用のカートリッジ式電子回路・磁気ディスク・光磁気ディスク・光ディスクその他の記憶媒体,真田幸村を主人公としたダウンロード可能な携帯用液晶画面ゲーム機用ゲームプログラム,真田幸村を主人公としたその他の携帯用液晶画面ゲーム機用プログラム,真田幸村を主人公とした家庭用テレビゲーム機用プログラムを記憶させた読出し専用のカートリッジ式電子回路・磁気ディスク・光磁気ディスク・光ディスクその他の記憶媒体,真田幸村を主人公としたダウンロード可能な家庭用テレビゲーム機用ゲームプログラム,真田幸村を主人公としたその他の家庭用テレビゲーム機用プログラム,真田幸村を主人公としたダウンロード可能な携帯電話機用ゲームプログラム,真田幸村を主人公としたダウンロード可能なスマートフォン用ゲームプログラム,真田幸村を主人公としたダウンロード可能な携帯情報端末機用ゲームプログラム,真田幸村を主人公としたダウンロード可能なコンピュータ用ゲームプログラム,真田幸村を主人公としたその他のコンピュータ用ゲームプログラム,真田幸村を主人公としたコンピュータ用ゲームプログラムを記憶させた電子回路・磁気ディスク・光磁気ディスク・光ディスクその他の記憶媒体,真田幸村を主人公とした業務用テレビゲーム機用プログラムを記憶させた電子回路その他の記憶媒体,真田幸村を主人公としたダウンロード可能な業務用テレビゲーム機用ゲームプログラム,真田幸村を主人公としたその他の業務用テレビゲーム機用プログラム,真田幸村を主人公としたダウンロード可能なゲームプログラム」に補正されたものである。

第2 原査定の拒絶の理由の要点
本願商標は,その構成中に戦国武将として著名な真田幸村を想起させる「真田幸村」の文字を有してなるところ,真田幸村にちなんだ祭り・イベント等が開催され,真田幸村のゆかりの地が観光コースになり,また,上田市に「真田氏歴史館」も存在することから,いまだその名声は高く,地元住民にも親しまれているものと認められる。そうすると,一企業である出願人が,本願商標を自己の商標として独占的に使用すると,地域振興を妨げるおそれがあり,また,公正な取引秩序を害するおそれもあるから,本願商標は,公の秩序又は善良な風俗を害するおそれがあるものと判断するのが相当である。したがって,本願商標は,商標法第4条第1項第7号に該当する。

第3 当審の判断
1 商標法第4条第1項第7号について
商標法第4条第1項第7号にいう「公の秩序又は善良の風俗を害するおそれがある商標」には,(1)その構成自体が非道徳的,卑わい,差別的,矯激若しくは他人に不快な印象を与えるような文字又は図形である場合のみならず,(2)当該商標の構成自体がそのようなものでなくとも,指定商品又は指定役務について使用することが社会公共の利益に反し,社会の一般的道徳観念に反する場合,(3)他の法律によって,当該商標の使用等が禁止されている場合,(4)特定の国若しくはその国民を侮辱し,又は一般に国際信義に反する場合,(5)当該商標の登録出願の経緯に社会的相当性を欠くものがあり,登録を認めることが商標法の予定する秩序に反するものとして到底容認し得ないような場合,などが含まれるというべきである。
2 認定事実
原審摘示の例,請求人の主張及び証拠(甲1?甲208(枝番号を含む。)),並びに,当審における職権調査(別掲)によれば,以下の事実が認められる。
(1)「真田幸村」の文字は,我が国の戦国時代の武将として,広辞苑等の辞書類に掲載されている(別掲1)。
(2)大阪市天王寺区の安居神社,和歌山県九度山町や長野県上田市上田城址公園等,「真田幸村」ゆかりの地に博物館等の施設が置かれ,また,これらゆかりの地において,定期的に祭りやイベントが開催されている。そして,当該施設やイベント等においては,「真田幸村」にちなんだ食品類,小物類等のグッズ,料理等が販売又は提供されている(別掲2,3(1))。
(3)平成28年(2016年)に「真田幸村」を主人公とするNHK大河ドラマが放送され(全50話),その年間平均視聴率は,関東地区で16.6%,関西地区で15.9%であり,2012年以降の過去5年では最高(関東地区)の視聴率を記録した(別掲3(2))。
(4)請求人は,日本の戦国時代を舞台とし,「真田幸村」も含めた実在する戦国武将を登場人物とするアクションゲームとして,「戦国BASARA」と称するゲームソフトウェアを制作,平成17年(2005年)から販売を開始し,平成28年(2016年)9月末までに,シリーズ累計約390万本の売上げを記録した(甲3?甲6)。そして,「戦国BASARA」を原作としたアニメや舞台が放映又は上演され,また,「戦国BASARA」の登場人物にゆかりのある地方自治体等において,様々なイベントが実施され(甲8?甲17),これらの話題は,全国・地方紙において取り上げられた(甲18?甲200)。
(5)請求人は,「戦国BASARA」に登場する戦国武将のうち,シリーズを通じて登場し,需要者の人気も高い「真田幸村」の生涯をテーマとした「戦国BASARA 真田幸村伝」と称するゲームソフトウェアを開発,販売した(甲2,甲5,甲7)。そして,請求人は,「真田幸村」とゆかりのある地方自治体や観光施設とタイアップし,ゲームソフトウェア「戦国BASARA 真田幸村伝」について宣伝広告を行うと共に,地方自治体等も,「戦国BASARA 真田幸村伝」を利用して誘客等を図った(甲201)。
(6)小括
上記(1)?(3)からすれば,「真田幸村」は,我が国における周知・著名な歴史上の人物名といえるものであって,2016年に放映の「真田幸村」を主人公としたNHK大河ドラマへの注目も相まって,「真田幸村」の名前は,地方公共団体等によって,地域振興や観光振興に利用されるとともに,「真田幸村」にちなんだ食品類,小物類等のグッズ,料理等が販売又は提供されている。
他方,上記(4)からすれば,「戦国BASARA」の文字は,ゲームソフトウェアの分野に係る我が国の需要者間において,請求人が制作,販売するアクションゲームであって,「真田幸村」を含めた様々な実在する戦国武将が登場するゲームソフトウェアの名称として,相当程度広く知られている。
そして,上記(5)からすれば,請求人は,「戦国BASARA」に登場する戦国武将のうち,シリーズを通じて登場し,需要者の人気も高い「真田幸村」の生涯をテーマとした「戦国BASARA 真田幸村伝」と称するゲームソフトウェアを開発,販売し,また,このことは,「真田幸村」とゆかりのある地方自治体や観光施設とのタイアップ等を通じて,ゲームソフトウェアの需要者のみならず,当該地域等においても知られている。
3 判断
本願商標は,前記第1のとおり,「戦国BASARA 真田幸村伝」の文字を標準文字で表してなり,「戦国BASARA」と「真田幸村伝」の文字が,1文字分程度の空白で介されていることから,「戦国BASARA」の文字と「真田幸村伝」の文字との組み合わせからなると容易に看取されるものである。
そして,本願商標の構成中の「戦国BASARA」の文字は,ゲームソフトウェアの分野における我が国の需要者間において,請求人が制作,販売するアクションゲームであって,「真田幸村」を含めた様々な戦国武将が登場するゲームソフトウェアの名称として,相当程度広く知られているものである。また,「真田幸村伝」の文字は,「真田幸村の伝記」ほどの意味合いを認識させるものである。
そうすると,本願商標は,その指定商品に使用した場合,本願商標の構成全体として,「真田幸村の伝記を題材にした戦国BASARA(というゲームソフトウェア)」ほどの意味合いを認識させるものというのが相当である。
加えて,本願商標の指定商品は,前記第1のとおりゲームプログラムであり,「真田幸村」の名声をもって行われる地域振興や観光振興におけるイベント,土産物等の商品又は役務と密接な関係性を有するものとはいえない上,本願商標の指定商品を取り扱う分野においては,請求人商品以外に,「戦国BASARA 真田幸村伝」の文字が利用されている事実も見いだすことはできない。
以上からすれば,本願商標は,その構成自体が非道徳的,卑わい,差別的,矯激若しくは他人に不快な印象を与えるような文字等からなるものではないことは明らかであり,また,その構成中に周知・著名な歴史上の人物名である「真田幸村」の文字を含むとしても,本願商標をその指定商品に使用した場合に,社会公共の利益に反し,社会の一般的道徳観念に反するとはいえないというのが相当である。
また,請求人は,「戦国BASARA」シリーズの登場人物のひとりである「真田幸村」を主人公とするアクションゲームを制作,販売するに当たり,当該ゲームの内容を表示する目的で本願商標を採択したのであり,本願の登録出願の経緯に,社会的相当性を欠くというべき事情も見いだせない。
さらに,その他,本願商標の全部又は一部に,他の法律によって使用等が禁止されている文字,あるいは,特定の国若しくはその国民を侮辱し又は一般に国際信義に反する文字が含まれている事実も見いだせない。
したがって,本願商標は,公の秩序又は善良の風俗を害するおそれがある商標というべきものではない。
4 むすび
以上のとおり,本願商標は,商標法第4条第1項第7号に該当しない。
その他,本願について拒絶の理由を発見しない。
よって,結論のとおり審決する。
別掲 別掲(「真田幸村」に関する事実)
1 辞書類
(1)広辞苑第6版
「真田幸村」の項に,「安土桃山時代の武将。昌幸の次子。名は信繁。幸村は俗伝。関ヶ原の戦の後,父と共に九度山に退去。冬の陣に大阪城に入って徳川氏の軍を悩まし,夏の陣に戦死。(1567?1615)」との記載がある。
(2)コンサイス日本人名事典第5版
「真田幸村」の項に,「・・・真田昌幸の次男。・・・1600(慶長5)関ヶ原の戦には西軍に加わり,・・・戦後,父とともに高野山麓の九度山に追放されたが,・・・冬の陣では外堀の天王寺口に出城<真田丸>を築き力戦し・・・夏の陣で・・・戦死した。」との記載がある。
2 新聞
(1)2016年11月27日付け読売新聞東京朝刊33頁
「児童ら収穫『真田米』お田の方ちなみ 新ブランド発売=秋田」の見出しの下,「由利本荘市岩城赤平の市立岩城小学校・・・の児童らが収穫した新米が,真田幸村の娘『お田(でん)の方』にちなんだブランド米『真田米』としてJA秋田しんせいから売り出された。300グラム入りの真空パッケージには,真田信繁(幸村)とお田の方のキャラクターがあしらわれ,観光みやげとしても重宝されそうだ。」との記載がある。
(2)2016年2月26日付け読売新聞大阪朝刊32頁
「真田ファン心ゆらす 橋本『大弥工芸』グッズ5種販売=和歌山」の見出しの下,「橋本氏隅田長の木工芸会社『大弥工芸』が,九度山町ゆかりの戦国武将・真田幸村をPRする携帯ストラップなどのグッズを開発し,販売を始めた。幸村を主人公とするNHK大河ドラマ『真田丸』の放映が始まったのに合わせ,・・・木工芸の技術を生かした土産物づくりを企画した。ストラップとキーホルダー,コースター,しおり,風鈴の5種類を開発。・・・同市古佐田の『はしもと広域観光案内所』や九度山町入郷の道の駅『柿の郷くどやま』の敷地内にある『おみやげ館』,同神社などで販売している。」との記載がある。
(3)2016年1月26日付け朝日新聞大阪地方版31頁
「九度山,染まる真田色『ミュージアム』開館予告展・赤備えバス運行/和歌山県」の見出しの下,「戦国武将の真田一家ゆかりの地として脚光を浴びつつある九度山町。真田幸村を題材にした『九度山・真田ミュージアム』の3月の開館をPRしようと,同町入郷の道の駅『柿の郷くどやま』で開館予告展が始まっている。・・・『おみやげ館』は道の駅敷地内に開設。菓子などの食品類やTシャツなどのグッズ計約400点を2月28日までに販売する。」との記載がある。
(4)2015年1月23日付け毎日新聞地方版21頁
「つなごう・わがまち:『鎧』ボトルカバーにお土産アイデア賞??南区/福岡」の見出しの下,「南区大楠の印刷会社『スタッフ』が制作した『ボトルカバー サムライ鎧(よろい)』が外国人観光客向けのお土産コンテスト『おみやげグランプリ2015』・・・でアイデア賞に輝いた。・・・日本酒やワイン,ペットボトルのカバーとして利用できる。真田幸村と伊達政宗の2種類あり,・・・博多区上川端町の松田ネーム刺繍(ししゅう)店で販売。成田空港や大阪城でも扱っており,注文が殺到しているという。」との記載がある。
(5)2014年5月18日付け読売新聞大阪朝刊28頁
「[なにわ夢めぐり]玉造幸村ロード 真田の『赤』街に勇気=大阪」の見出しの下,「戦国武将・真田幸村や真田十勇士のパネル人形,真田家の家紋『六文銭』が描かれた真っ赤なのぼり旗が狭い通りにずらりと並ぶ。大阪市天王寺区のJR玉造駅西側にある,100メートルほどの通称『玉造幸村ロード』。・・・近くには幸村が築いた大阪城の出城『真田丸』があったと伝わる。・・・昨年秋から幸村を生かした地域おこしの取り組みを始めた。・・・真田幸村といえば十勇士と言われるほど有名だ。店でも人気にあやかり,10種類の具を入れたお好み焼き『真田十勇士玉』や,『十勇士ちらし』といったちらしずしなどを提供している。山元さんも,10種類の雑穀を練り込んだかりんとうの販売を始めた。・・・居酒屋やパン店など約30店が営業している。現在,5店が幸村に関するオリジナル商品やメニューを提供,中には六文銭にちなんで刺し身など6皿の晩酌セットを出す店もある。」との記載がある。
3 インターネット
(1)「信州とっておき情報」のウェブサイトにおいて,「上田真田まつり」の見出しの下,「上田市上田城跡公園」等において,「4月下旬の日曜か祝日」に,「上田真田まつりは,戦国武将の真田幸隆,真田昌幸,真田幸村の真田三代の城下町の上田で毎年行われる,一大イベントです。・・・真田まつりの日には,上田の商店街のあちこちで,飲み物や食べ物などの振る舞い,真田や戦国武将の関連グッズの販売も行われます。」との記載があり,真田家ゆかりの史跡・博物館として,「真田氏館跡・真田氏記念館」及び「真田氏本城跡」,真田幸村を冠したイベントとして,「真田幸村公出陣ねぷた(9月上旬土曜の夜)」及び「真田幸村ロマンウォーク(10月下旬土日)」が掲載されている。
(http://www.mtlabs.co.jp/shinshu/event/sanada.htm)
(2)「The Huffington Post」のウェブサイトにおいて,2016年12月19日付け「【真田丸】年間の平均視聴率,ここ5年で最高 最終回はサッカー・クラブW杯の影響受けた?」と題する記事において,「俳優,堺雅人主演のNHK大河ドラマ『真田丸』の最終回が,12月18日に放送された。ビデオリサーチ社は19日,全50話の期間平均視聴率が関東地区で16.6%,関西地区で15.9%だったと発表,2012年以降の過去5年では最高(関東地区)だった。・・・最終回は,主人公の真田幸村(堺雅人)が,宿敵である徳川家康(内野聖陽)に最後の突撃をかけた。平均視聴率は,関東地区で14.7%,関西地区で16.3%だった。」との記載がある。
(http://www.huffingtonpost.jp/2016/12/18/sanadamaru-rating_n_13715594.html)



審決日 2017-05-22 
出願番号 商願2015-65836(T2015-65836) 
審決分類 T 1 8・ 22- WY (W09)
最終処分 成立 
前審関与審査官 大渕 敏雄 
特許庁審判長 田中 幸一
特許庁審判官 冨澤 武志
大森 友子
商標の称呼 センゴクバサラサナダユキムラデン、センゴクバサラ、センゴク、バサラ、サナダユキムラデン、サナダユキムラ 
代理人 川本 真由美 
代理人 鮫島 睦 
代理人 寺田 花子 
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