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審決分類 審判 一部申立て  登録を維持 W1825
審判 一部申立て  登録を維持 W1825
審判 一部申立て  登録を維持 W1825
審判 一部申立て  登録を維持 W1825
管理番号 1328072 
異議申立番号 異議2016-900342 
総通号数 210 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標決定公報 
発行日 2017-06-30 
種別 異議の決定 
異議申立日 2016-10-21 
確定日 2017-05-11 
異議申立件数
事件の表示 登録第5872246号商標の商標登録に対する登録異議の申立てについて、次のとおり決定する。 
結論 登録第5872246号商標の商標登録を維持する。
理由 1 本件商標
本件登録第5872246号商標(以下「本件商標」という。)は、別掲のとおりの構成からなり、平成26年6月3日に登録出願、第18類「かばん類,袋物,愛玩動物用被服類,携帯用化粧道具入れ,傘,ステッキ,つえ,つえ金具,つえの柄」及び第25類「バンダナ,その他の被服,履物,仮装用衣服,運動用特殊衣服,運動用特殊靴」並びに第16類、第26類及び第28類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、同28年7月5日に登録査定、同年8月5日に設定登録されたものである。

2 引用商標
登録異議申立人(以下「申立人」という。)が引用する登録第5431496号商標(以下「引用商標」という。)は、「Jampack」の文字を標準文字で表してなり、平成23年2月21日に登録出願、第18類「かばん金具,がま口口金,蹄鉄,皮革,愛玩動物用被服類,かばん類,袋物,携帯用化粧道具入れ,傘,ステッキ,つえ,つえ金具,つえの柄」及び第25類「被服,ガーター,靴下止め,ズボンつり,バンド,ベルト,履物,仮装用衣服,運動用特殊衣服,運動用特殊靴」並びに第9類、第14類、第26類及び第28類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、同年8月12日に設定登録されたものである。

3 登録異議の申立ての理由
申立人は、本件商標は、その指定商品中、第18類及び第25類に属する商品について、商標法第4条第1項第11号に該当し、また、第18類に属する商品について、同項第10号に該当するから、その登録は、同法第43条の2及び第43条の3第2項により、取り消されるべきである旨申し立て、その理由を要旨以下のように述べ、証拠方法として、甲第1号証ないし甲第23号証を提出した。
(1)商標法第4条第1項第11号について
ア 本件商標について
本件商標は、角張った幅のある片仮名の白抜き文字を黒枠で囲い、その白抜き文字の中心に細い線を引いたデザインを有しているところ、そのようなデザインは、様々な場合において一般的に使用されているデザインであって、そのデザイン自体が「ジャンパック」の片仮名から離れて独自に識別力や顕著性を有することとなるものではない。
したがって、本件商標は、「ジャンパック」の片仮名からなる商標と理解されるものである。
イ 引用商標について
引用商標は、「Jampack」の文字を標準文字で表してなるところ、日本人がローマ字の「m」を発音する場合には、「ン」又は「ム」となる場合が通常であるが、一つの単語の途中に「m」が存在し、その直後に「b」又は「p」のように上下の唇を閉じて発音する音が続く場合は、その「m」音は、「ン」と発音されるのがごく自然であり、一般的である(甲3及び甲4)。これは、英文単語の読み方(発音)からも明らかなところであり、例えば、「sample」という単語は、「サンプル」と発音され、「サムプル」とは発音されない。また、駅の「新橋」(シンバシ)の英文表記は、「Shimbashi」とされている。
したがって、引用商標は、例外的に「ジャムパック」と発音されることがあることは否定されないとしても、通常、「ジャンパック」と発音されるのがごく自然であり、一般的である。
ウ 本件商標と引用商標との類似について
本件商標からは「ジャンパック」の称呼のみが生じる一方、引用商標からは、通常、「ジャンパック」の称呼が生じるから、本件商標と引用商標とは、称呼において、全く同一となることが明らかである。
また、引用商標が例外的に「ジャムパック」と発音される場合があるとしても、その場合には、「ジャ」と「パ」の音が強く発音され、その間の「ム」の音は弱く発音されることから、それが「ム」であるのか「ン」であるかは明瞭とはならない。
そして、本件商標から生じる「ジャンパック」の称呼も、引用商標と同様に、「ジャ」と「パ」の音が強く発音され、その間の「ン」の音は弱く発音されることから、それが「ン」であるのか「ム」であるかは明瞭とはならない。
したがって、本件商標から生じる「ジャンパック」の称呼と引用商標から生じる「ジャムパック」の称呼とは、極めて類似するものである。
さらに、本件商標の指定商品中、第18類及び第25類に属する指定商品は、引用商標の指定商品中の第18類及び第25類に属する指定商品と同一又は類似するものである。
エ 小括
上記アないしウによれば、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に該当する。
(2)商標法第4条第1項第10号について
ア 申立人は、第18類に属する商品「かばん類」や第25類に属する商品「被服」等に関する商標「JANSPORT」及び「ジャンスポーツ」(以下「申立人商標」という。)について、古くから多数の商標登録を有している(甲5ないし甲9)。
申立人が1967年から製造、販売している「JANSPORT」ブランドのバックパック及びデイパック(以下、バックパックとデイパックとをまとめて、単に「バックパック」という。)は、現在、世界中で広く販売され、著名となっており、我が国においても同様に、極めて著名となっている。
イ 「Yahoo!JAPAN」のウェブサイトで「JANSPORT」の文字を検索すると、23,900,000件ものページがヒットする(甲10)ところ、これらのほとんど全てが申立人の「JANSPORT」(ジャンスポーツ)ブランドのバックパックの販売又は紹介するものとなっている。
また、インターネット百科事典である「Wikipedia」では、申立人は、世界最大のバックパックのメーカーと説明され、さらに、申立人の姉妹会社の製造、販売に係る「ザ・ノースフェイス」ブランドのバックパックと「ジャンスポーツ」ブランドのバックパックを合計すると、全米で販売されているバックパックの約50%を占めると説明されており(甲11)、米国におけるこのような状況は、我が国においても等しく見られるところである。
ウ インターネット上にあるウェブサイト(ページ)には、ジャンスポーツ・ブランドのバックパックが多数紹介されており、その中では、ジャンスポーツ(JANSPORT)について、「アウトドア・バッグの代名詞として世界中の多くの人に親しまれています」、「アウトドア愛好者や旅行者のニーズに応える製品の企画開発を続ける歴史あるブランドです」、「現在、ジャンスポーツのパックや旅行用品、カレッジ・アパレルは世界中の小売店で販売されている」、「世界の山々の頂上を目指す登山家から公園の散歩を楽しむ人まで幅広い人たちに支持されています」、「日本国内ではアウトドアプロダクツやディッキーズと並んで定番デイパックの人気ブランドとして君臨しており、人とは違うバッグを持ちたい!という層から支持されています」との説明がされている(甲12及び甲13)。
エ 需要者間においては、バックパック又はデイパックは、単に「パック」とも呼ばれており(甲14)、現に、「ジャンスポーツのパックは」のように、デイパックを「パック」と表現している(甲12)。
また、第18類「かばん類」に関して、「パック」、「PACK」又は「PAC」を語尾に有する多数の商標が登録されている(甲15ないし甲21)。
これらの例からも、「パック」という語が、かばん等を意味する語として一般的に理解され、使用されていることは明らかである。
オ 上述したとおり、「JANSPORT」(ジャンスポーツ)ブランドのバックパックは、アウトドア・バッグの代名詞として、すなわち、アウトドア・スポーツに使用するバッグとして、世界中で広く親しまれているところ、「Yahoo!JAPAN」のウェブサイトで「スポーツバッグ」や「スポーツブランドリュック」の文字を検索したときに、ジャンスポーツのバックパックが、アディダスやナイキのスポーツバッグと共に紹介されていることからすれば、我が国においても同様である(甲22及び甲23)。
このように、「ジャンスポーツ」のバックパックは、スポーツ用に使用されることも多いことから、「ジャンスポーツ」のバッグがスポーツ用として使用される場合には、需要者は、「ジャンスポーツ」の名称のうち、「ジャン」の文字部分をその要部と認識することが明らかである。
カ 上記アないしオによれば、バックパックについて、「JANSPORT」及び「ジャンスポーツ」のブランド名は、極めて著名となっており、また、ジャンスポーツのバックパックは、スポーツ用のバッグとしても一般的に使用されていることから、それらのバッグ類に「ジャンパック」の語が使用された場合、需要者においては、「ジャンスポーツのパック」又は「ジャンのパック」、すなわち、申立人が有するジャンスポーツ・ブランドのバックパックを示すものと理解され、又は理解されるおそれが極めて高い。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第10号に該当する。
(3)まとめ
以上のとおり、本件商標の登録は、その指定商品中、第18類及び第25類に属する商品について、商標法第4条第1項第11号に違反してされたものであり、また、第18類に属する商品について、同項第10号に違反してされたものであるから、その登録は、取り消されるべきである。

4 当審の判断
(1)商標法第4条第1項第11号該当性について
ア 本件商標
本件商標は、別掲のとおり、「ジャンパック」の片仮名を基礎とするものの、その具体的な構成態様は、各文字が、その構成全体の外郭が黒色で表されていることとあいまって、白抜きで表されており、また、肉太で、通常曲線をもって表される部分などが直線的に折れ曲がって表されていたり、各文字の線部上に黒色細線のように視認される貫通部が設けられているなど、特異な形状を備えたものとして認識されるものである。
そして、本件商標の基礎である「ジャンパック」の片仮名は、辞書類に載録されている既成の語ではなく、また、上記特異な形状を備えたものについても、特定の意味合いを想起させるものとして知られているといった事実は見当たらない。
そうすると、本件商標は、上記特異な形状を備えたものであり、「ジャンパック」の称呼を生じ、特定の観念を生じないものである。
イ 引用商標
引用商標は、前記2のとおり、「Jampack」の文字を標準文字で表してなるところ、英和辞典によれば、「いっぱいに満たす、・・・に詰め込む」といった意味を有する語として載録されているものの、我が国における英語の普及の程度に照らしてもなお、既成の英語として知られているとはいい難い。
そうすると、引用商標は、ありふれた書体をもって表されたものであり、「ジャムパック」の称呼を生じ、特定の観念を生じないものである。
ウ 本件商標と引用商標との類否
(ア)本件商標は、上記アのとおり、「ジャンパック」の片仮名を基礎とするものの、特異な形状を備えたものであるから、看者に対して、そのような外観上の特徴を有するものとして強く印象付けられるとみるのが相当である。
他方、引用商標は、ありふれた書体をもって表された「Jampack」の文字からなるものであるから、看者に対して、外観上特徴あるものとして認識されることはないものである。
そうすると、本件商標と引用商標とは、外観上、顕著な差異があり、明確に区別し得るものである。
(イ)本件商標からは「ジャンパック」の称呼を生じるのに対し、引用商標からは「ジャムパック」の称呼を生じるところ、両称呼は、第2音において、「ン」と「ム」の音の差異があるものの、該差異音は、いずれも通鼻音であって比較的響きが弱く、その位置するところも、響きの強い「ジャ」と「パ」の音の間であることから、それぞれを一連に称呼するときは、語調、語感が近似し、互いに聞き誤るおそれがあるといえる。
(ウ)本件商標と引用商標とは、いずれも特定の観念を生じないものであるから、観念上、比較することはできず、類似するものということはできない。
エ 小括
上記ウによれば、本件商標と引用商標とは、称呼において聞き誤るおそれがあるものの、外観において顕著な差異があり、かつ、観念において類似するものではないから、これらを総合勘案すれば、互いに紛れるおそれのない非類似の商標というべきであり、ほかに本件商標と引用商標とが類似するとみるべき特段の事情も見いだし得ない。
したがって、本件商標は、引用商標との関係において、商標法第4条第1項第11号に該当しない。
(2)商標法第4条第1項第10号該当性について
ア 申立人商標の周知著名性
申立人の主張並びに甲第5号証ないし甲第13号証、甲第22号証及び甲第23号証を総合すると、申立人は、「JAN SPORT」、「JANSPORT」(「J」と「S」の文字を他の文字に比してやや大きく表してなるものを含む。)及び「ジャンスポーツ」の商標について、商標登録を有していること(甲5ないし甲9)、申立人は、世界最大のバックパックのメーカーであり、姉妹会社の製造、販売に係る「The North Face」(ザ・ノースフェイス)ブランドのバックパックと申立人の製造、販売に係る「JanSport」(ジャンスポーツ)ブランドのバックパックとを合計すると、全米で販売されているバックパックの約50%を占める旨説明されていること(甲11)、申立人が米国で設立された1967年から製造、販売している「JANSPORT」ブランドのバックパックは、我が国を含む世界中で販売され、一定程度の支持を得ている旨説明されていること(甲12、甲13)、申立人の製造、販売に係る「JanSport」(ジャンスポーツ)ブランドのバックパックは、我が国において、リュックサックやスポーツバッグ等を取り扱うインターネットを通じた通信販売のウェブサイト上で商品紹介や販売がされていること(甲12、甲13、甲22、甲23)が認められる。
しかしながら、申立人商標である「JANSPORT」及び「ジャンスポーツ」が、我が国において、いつから、どのような商品について、どのような規模をもって使用されているかは明らかでないから、本件商標の登録出願時及び登録査定時において、申立人商標が、申立人の業務に係る商品を表示するものとして需要者の間に広く認識されていたか否かを推し量ることはできない。
してみれば、申立人の提出した証拠方法をもってしては、本件商標の登録出願時及び登録査定時において、申立人商標が、申立人の業務に係る商品を表示するものとして需要者の間に広く認識されていたと認めることはできない。
イ 本件商標と申立人商標との類似性
本件商標は、上記(1)アのとおり、「ジャンパック」の片仮名を基礎とするものの、特異な形状を備えたものであって、看者に対して、そのような外観上の特徴を有するものとして強く印象付けられるものであり、「ジャンパック」の称呼を生じ、特定の観念を生じないものである。
他方、申立人商標は、「JANSPORT」及び「ジャンスポーツ」の文字からなるものであり、「ジャンスポーツ」の称呼を生じることは認められるものの、特定の観念ないし意味合いを生じるとは認められない。
そこで、本件商標と申立人商標とを比較すると、両商標は、その外観及び称呼において明らかに異なり、観念においても、比較することができず、類似するとはいえないものであるから、非類似の商標であって、十分に区別し得る別異の商標というべきものである。
この点に関し、申立人は、「ジャンスポーツ」のバックパックは、スポーツ用のバッグとしても一般的に使用されており、その場合には「ジャンスポーツ」の名称のうちの「ジャン」の部分をその要部と認識するから、それらのバッグ類に「ジャンパック」の語が使用されると、需要者は、それを「ジャンスポーツのパック」又は「ジャンのパック」と理解し、申立人に係るジャンスポーツ・ブランドのバックパックを示すものと認識する旨主張するが、申立人の提出した証拠方法を総合してみても、我が国の需要者において、申立人が主張するような認識がされるとみるべき特段の事情は見いだせない。
ウ 小括
申立人商標は、上記アのとおり、本件商標の登録出願時及び登録査定時において、申立人の業務に係る商品を表示するものとして、需要者の間に広く認識されていたと認めることができないものであり、また、本件商標と申立人商標とは、上記イのとおり、非類似の商標であるから、本件商標は、その指定商品が申立人商標の使用に係る商品と同一又は類似するものであるとしても、商標法第4条第1項第10号に該当しない。
(3)むすび
以上のとおり、本件商標の登録は、その指定商品中、第18類及び第25類に属する商品について、商標法第4条第1項第11号に違反してされたものではなく、また、第18類に属する商品について、同項第10号に違反してされたものではないから、同法第43条の3第4項の規定により、維持すべきものである。
よって、結論のとおり決定する。
別掲 (別掲)
本件商標(登録第5872246号商標)


異議決定日 2017-05-01 
出願番号 商願2014-45230(T2014-45230) 
審決分類 T 1 652・ 261- Y (W1825)
T 1 652・ 25- Y (W1825)
T 1 652・ 262- Y (W1825)
T 1 652・ 263- Y (W1825)
最終処分 維持 
前審関与審査官 椎名 実 
特許庁審判長 青木 博文
特許庁審判官 田中 敬規
豊泉 弘貴
登録日 2016-08-05 
登録番号 商標登録第5872246号(T5872246) 
権利者 株式会社集英社
商標の称呼 ジャンパック、ジャン 
代理人 又市 義男 
代理人 羽切 正治 
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