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審決分類 審判 全部申立て  登録を維持 W14
審判 全部申立て  登録を維持 W14
審判 全部申立て  登録を維持 W14
管理番号 1328068 
異議申立番号 異議2016-900303 
総通号数 210 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標決定公報 
発行日 2017-06-30 
種別 異議の決定 
異議申立日 2016-09-21 
確定日 2017-05-22 
異議申立件数
事件の表示 登録第5862676号商標の商標登録に対する登録異議の申立てについて、次のとおり決定する。 
結論 登録第5862676号商標の商標登録を維持する。
理由 第1 本件商標
本件登録第5862676号商標(以下「本件商標」という。)は、「2.5D Gorilla Glass 3」の文字よりなり、2015年7月9日に大韓民国においてした商標登録出願に基づいてパリ条約第4条による優先権を主張して、平成27年10月8日に登録出願され、第14類「ブレスレット,身飾品,宝飾品」を指定商品として、同28年5月27日に登録査定、同年7月1日に設定登録されたものである。

第2 使用商標等
登録異議申立人(以下「申立人」という。)がスマートフォン、タブレット端末、ノート型パソコン、液晶テレビ等のディスプレイガラスの保護カバーガラスとして販売している特殊強化ガラスに使用する標章は、「Gorilla(ゴリラ)」及び「Gorilla Glass(ゴリラガラス)」の文字からなるものである。
そして、これらの標章については、以下、それぞれ、「使用商標1」及び「使用商標2」といい、これらを併せていうときは、「使用商標」という。
なお、申立人は、登録第5269222号商標、登録第5571755号商標及び登録第5690295号商標について、引用商標1ないし引用商標3としているが、これらについては、全世界における商標「Gorilla」及び「Gorilla Glass」の使用に基づき、引用商標1ないし引用商標3に示す国内商標登録に加え、本国の米国をはじめとする諸外国で、第9類及び第21類のガラス等を指定商品とし、構成中に「GORILLA」及び「GORILLA GLASS」の文字を包含する商標の登録を取得している、旨を述べるのみである。

第3 登録異議の申立ての理由
申立人は、本件商標は商標法第4条第1項第15号、同第19号及び同第7号に該当するから、同法第43条の2第1号により、その登録は取り消されるべきである、と申立て、その理由を要旨以下のように述べ、証拠方法として甲第1号証ないし甲第93号証(枝番を含む。)を提出した。
1 申立人の使用に係る「Gorilla」及び「Gorilla Glass」の著名性
(1)コーニング社の会社沿革及び取扱製品分野
申立人は、米国ニューヨーク州を本拠とする特殊ガラス及びセラミックの分野における世界的なリーディングカンパニーである。申立人であるコーニング社は、1851年ガラス会社として創業して以来、電球用ガラス、テレビのブラウン管用ガラス、ガラス製調理器具・食器、セラミック担体、光ファイバ、液晶ディプレイ等、革新的技術による製品の数々を世界に提供し続け、研究開発及び製造販売事業を展開している(甲5?甲8)。
日本国内におけるコーニング社の本格的な営業活動は1960代半ばに遡り、現在は、コーニング社100%出資によって設立された2つの事業組織(コーニングジャパン株式会社、コーニングインターナショナル株式会社)と研究所のコーニングテクノロジーセンターが国内に存在する(甲9)。
(2)「Gorilla」及び「Gorilla Glass」の使用実績
「Gorilla」の文字は、コーニング社が開発し、「スペシャリティマテリアルズ(家電用カバーガラス、先進光学、各種産業向け特殊ガラスソリューション)」事業部門及び「ディスプレイテクノロジー(液晶テレビ、コンピュータモニター、ノートパソコン、その他の家電製品向けガラス基板)」事業部門の製品として販売している特殊強化ガラスの商標として採択され、「Gorilla Glass(ゴリラガラス)」の製品名で2007年に発売以来(国内発売は2008年)、現在まで同シリーズの新製品が継続的に開発、販売されている(甲7?甲9)。
2007年の「Gorilla Glass」の発売(国内は2008年)に続き、同シリーズ製品として、2012年1月に「Gorilla Glass 2」、2013年1月に「Gorilla Glass 3」、同年7月に「Gorilla Glass NBT」、2014年11月には「Gorilla Glass 4」、2014年1月に「Antimicrobial Gorilla Glass」、2016年4月に「Vibrant Corning Gorilla Glass」、2016年7月に「Gorilla Glass 5」を発表するなど、2007年以降、その機能・性能をさらに高めた新製品を次々に開発、製品化している。
さらに、2016年8月30日には、スマートウォッチ(腕時計型の携帯情報端末)、スマートグラス(眼鏡型の携帯情報端末)などのウェアラブルデバイス(身体に装着可能な電子端末)向けに開発された高度な耐久性と傷防止性能を備えた新製品「Gorilla Glass SR+」を発表している(甲16、甲17)。
2007年の発売開始以来、「Gorilla Glass」は、全世界のスマートフォンをはじめとする電子機器市場で好評を博しており、2016年4月時点で、全世界45億台のデバイス、40の大手ブランドの1550機種以上に採用されている(甲14)。
国内で流通している機種では、例えば、サムスン社のスマートフォン「Galaxy S」、アップル社のディスプレイ「Retinaディスプレイ」、ソニー社の液晶テレビ「ブラビア」シリーズ、レノボ社のタブレット「ThinkPad Tablet」、モトローラ社のスマートフォン「Motorola Droid RAZR」、NTTドコモ社のスマートフォン「REGZA Phone T-02D」、NTTドコモ社のスマートフォン「MEDIAS U N-02E」、グーグル社のノートブック型PC「Chromebook Pixel」、レノボ社の脱着式タッチスクリーンディスプレイUltrabook「ThinkPad Helix」といったモデルに、コーニング社の強化ガラス「Gorilla Glass」製品シリーズが採用されている(甲18、甲71?甲78)。
コーニング社の「Gorilla Glass」製品シリーズ、並びにこれらを採用しているスマートフォン、ノート型パソコン、液晶テレビなどの電子機器の機種、さらには自動車のフロントガラスへの採用に関しては、コーニング社自らが発行したニュースリリース(甲10?甲16)だけに止まらず、少なくとも2010年から現在に至るまで、第三者作成の様々なニュースマガジン、ニュースサイトで継続的な報道、紹介が行われている(甲18?甲29)。このうち、甲第18号証ないし甲第26号証に示す第三者によるニュース記事は、本件商標の登録出願日(優先日)前に発行されたものである。
コーニング社の特殊ガラス「Gorilla Glass(ゴリラガラス)」は、一般用語辞典やIT用語辞典にコーニング社の強化ガラスの「商標」あるいは「製品名」であることが記載されている(甲30?甲32)。
以上の事実を総合すれば、本件商標の登録出願時及び登録査定時には、「Gorilla(ゴリラ)」及び「Gorilla Glass(ゴリラガラス)」は、申立人の製造販売に係る強化ガラスを表示するものとして取引者及び需要者の間で広く認識されていたことが明らかである。
2 本件商標は、商標法第4条第1項第15号に該当する。
申立人の使用に係る「Gorilla(ゴリラ)」及び「Gorilla Glass(ゴリラガラス)」は、スマートフォン、タブレット端末、ノート型パソコン、液晶テレビ等のディスプレイガラスの保護カバーガラスとして申立人が2007年から販売を開始した特殊強化ガラスの商標及び製品名であり、2007年の発売時から現在に至るまで全世界で継続的に使用されており、2007年の発売以降、「Gorilla Glass」シリーズの新製品が次々と開発、製品化され販売され電子機器の分野の取引者、需要者の間で広く認識されていた(甲2?甲32、甲53?甲65、甲67、甲70?甲78)。
また、申立人は、理化学ガラスの大手メーカーとしてのみならず、工芸ガラス、ガラス美術品の世界最大のコレクターとしても世界的に著名である(甲33?甲36、甲50?甲52、甲90、甲91)。
さらに、コーニングガラス美術館が開設しているミュージアムショップとそのオンラインショップでは、ガラス製の身飾品及び宝飾品が数多く取り揃えられ、販売されている(甲37?甲49)。
以上の事実を総合すれば、本件商標の登録出願時には、コーニング社とその取扱いに係る工芸ガラス製品は、身飾品及び宝飾品の分野、殊にガラス製の身飾品及び宝飾品の分野の取引者、需要者の間でも相当程度認識されていたということができる。
ガラスは、本件指定商品の原材料、素材として一般的に使用されているものであり(甲第69号証)、本件指定商品の取引者及び需要者の範囲と、申立人の強化ガラス「Gorilla Glass」の製品シリーズが採用されるスマートフォン、ノート型パソコン、タブレット端末などの取引者及び需要者の範囲は、重複することが多いとみるべきである。
この点に加えて、本件指定商品は、身体に装着して使用するものであることから、スマートウォッチ(手首装着型の携帯情報端末)等のいわゆるウェアラブルデバイスと使用方法が極めて似ている。また、それを身に着けるユーザーの外見やトータルファッションの一部分を構成する点でも機能、効能が重複する。
申立人は2016年8月30日にウェアラブルデバイス向けに開発された新製品「Gorilla Glass SR+」を発表している(甲16、甲17)。本件商標の登録出願日(優先日)よりも前から、様々なメーカー、ブランドから様々なウェアラブルデバイスが発表、発売されていた(甲81?甲85、甲92)。また、コーニング社の「Gorilla Glass」を使用したウェアラブルデバイスも既に存在していた(甲29、甲82)。
本件商標の構成中、「2.5D」及び「3」は商品の品番や型式番号などを表す記号、符号として一般的に用いられるもので出所識別標識として機能しないから、「Gorilla Glass」の文字部分が独立の商品出所識別標識として機能し得る。また、「Glass」は「ガラス」を意味し、本件指定商品の原材料として一般に用いられるものであるから、「Gorilla」の文字部分もまた独立の自他商品識別標識として機能し得る。
したがって、本件商標は、構成中の「Gorilla Glass」又は「Gorilla」の文字部分に基づき、商品出所識別標識としての「ゴリラガラス」又は「ゴリラ」の称呼と「ゴリラのガラス」又は「ゴリラ」の観念を生じる。
よって、本件商標は、申立人の業務に係る商品の出所識別標識として広く認識されている「Gorilla」及び「Gorilla Glass」と同一の文字を顕著に含み、これらと同一の称呼及び同一の観念を生じる類似のものであることが明らかである。
加えて、本件商標は、申立人の「Gorilla Glass」製品シリーズの第三弾として発売された製品名「Gorilla Glass 3」と完全に一致する「Gorilla Glass 3」の文字をそっくり内包している。
したがって、本件商標が本件指定商品に使用された場合、これに接した取引者、需要者は、コーニング社の強化ガラスの製品名として広く認識されている「Gorilla Glass」を想起、連想し、本件指定商品がコーニング社との共同開発に基づいて製造販売された商品、あるいは、コーニング社から使用許諾を受けたライセンシーの製造販売に係る商品など、コーニング社と何らかの経済的又は組織的な関係を有する者の製造販売に係る商品であると誤信し、その出所について混同を生じるおそれがあることが明らかである。
よって、本件商標は、商標法第4条第1項第15号に該当する。
3 本件商標は、商標法第4条第1項第19号に該当する。
本件商標は、その登録出願時には申立人の商品出所識別標識として全世界的に広く認識されていた「Gorilla」及び「Gorilla Glass」と類似する。
被申立人は、本件商標の登録出願日の遥か以前より、申立人から「Gorilla Glass」製品シリーズの強化ガラスの供給を受けており、「Gorilla」、「Gorilla Glass」及び「Gorilla Glass 3」が申立人の商標及び製品名であることを熟知していた(甲第88号証)。被申立人が申立人の商品出所表示である「Gorilla Glass」について不知で、偶然に本件商標を採択したとは到底考えられない。
したがって、本件商標は、申立人の商品出所識別標識として広く認識されている「Gorilla」及び「Gorilla Glass」の顧客吸引力、信用力にフリーライドして不正な利益を得る目的で使用するものといわざるを得ない。また、本件商標は、その登録出願時に申立人の「Gorilla Glass」製品シリーズの強化ガラスが使用され得ることが容易に予見できたウェアラブルデバイスと密接な関係を有する本件指定商品に本件商標を先取的に登録し、申立人との取引関係を有利に展開せんとするといった不正の目的で使用するものと推認せざるを得ない。
よって、本件商標は、商標法第4条第1項第19号に該当する。
4 本件商標は、商標法第4条第1項第7号に該当する。
本件商標は申立人の「Gorilla Glass」ブランドの世界的な著名性と顧客吸引力にフリーライドする意図をもって採択されたものといわざるを得ず、本件商標の登録出願の経緯には著しく社会的妥当性を欠くものがある。
したがって、本件商標は、社会一般道徳及び公正な取引秩序の維持を旨とする商標法の精神並びに国際信義に反するものであるから、公の秩序を害するおそれがある。
よって、本件商標は、商標法第4条第1項第7号に該当する。

第4 当審の判断
1 使用商標の周知・著名性について
(1)使用商標の周知・著名性に係る申立人提出の証拠及びその主張については、以下のとおりである。
ア 申立人は、1851年にガラス会社として創業して以来、電気・電子製品用のガラス製品等の研究開発及び製造販売事業を展開し、我が国においても2つの事業組織により同事業を行っている(甲5?甲9)。
イ 申立人は、我が国において、2008年に保護カバー用ガラスの販売を開始し、以来、主として、「Gorilla Glass」及び「ゴリラガラス」の商標を使用しており、これが2016年4月時点で、全世界45億台のデバイス、40の大手ブランドの1550機種以上に採用されている(甲9、甲14)。
ウ 申立人の商品は、我が国では、サムスン社のスマートフォン、アップル社のディスプレイ、モトローラ社のスマートフォン、NTTドコモ社のスマートフォン、グーグル社のノートブック型PC、レノボ社のタブレット、レノボ社の脱着式タッチスクリーンディスプレイ、ソニー社の液晶テレビなどの製品に採用され、それらに「Gorilla Glass」及び「ゴリラガラス」の商標が使用されている(甲18、甲71?甲78)。
エ 申立人は、同人が発行したニュースリリースにおいて、スマートフォン用保護カバーガラス、ノート型パソコン、液晶テレビなどの電子機器等の製品について、「Gorilla Glass」及び「ゴリラガラス」の商標を使用して、それら電子機器用の強化ガラスの宣伝広告を行っている(甲10?甲16)。
また、2010年から現在に至るまで、第三者が作成したニュースマガジン、ニュースサイトなどにおいても、「Gorilla Glass」及び「ゴリラガラス」の商標を使用した記事が掲載されている(甲18?甲29)。
オ 一般用語辞典やIT用語辞典には、申立人の「Gorilla Glass(ゴリラガラス)」がコーニング社の強化ガラスの商標あるいは製品名であることが記載されている(甲30?甲32)。
(2)使用商標の周知・著名性についての判断
上記(1)によれば、申立人の提出した証拠においては、使用商標1の「Gorilla(ゴリラ)」をその構成中に含む使用商標2の「Gorilla Glass(ゴリラガラス)」によって表示されているものがほとんどであるところ、使用商標は、申立人の製造販売に係るスマートフォン用の保護カバーガラスをはじめとする電子機器用強化ガラスを表示する商標として当該商品の取引者及び需要者の間で一定程度の周知性を獲得していたということが推認される。
しかしながら、使用商標が我が国において、申立人が発行したニュースリリース以外に、どの程度の期間、どの地域において、どの程度の量の宣伝広告がされ、また、当該商標を使用した商品がどの程度の販売数や売上高があり、その商品の業界における市場占有比率はどの程度であったのかなど、使用商標の著名性の認定にとって必要な、取引の実情の詳細を把握することができない。
そして、申立人が提出した「全世界45億台のデバイス、40の大手ブランドの1550機種以上に採用されています。」との記載がある甲第14号証は、申立人自身のニュースリリースであり、これをもって、使用商標が外国における需要者の間に広く認識されているということもできず、ほかに、この点に係る申立人主張の事実を確認できる証拠の提出はない。
さらに、使用商標が「ガラス製の身飾り品」などの商品に使用され、広く知られている事実も、提出された証拠から見いだすことはできない。
そうすれば、使用商標がスマートフォン用の保護カバーガラスや電子機器用強化ガラスに使用された結果、その商品に係る取引者、需要者の間において一定程度の周知性を獲得しているといえるとしても、その周知性は、当該商品の分野に限定されたものであり、本件商標の指定商品である「ブレスレット,身飾品,宝飾品」の分野にまで及ぶものということはできないから、使用商標は、我が国及び外国において、本件商標の登録出願日及びその登録査定日の時点において、申立人の商品を表示するものとして、本件商標の指定商品に係る取引者、需要者の間に広く認識されていた商標と認めることはできない。
2 商標法第4条第1項第15号について
本件商標は、「2.5D Gorilla Glass 3」の文字よりなるところ、該文字は、同一の書体をもって、同一の大きさで表されているものではあるが、その構成中にあって、記号、符号などとして、商品の番号等として使用され、自他商品の識別力がないといえるのは、語尾にある「3」の数字部分であるから、その構成において、要部と認められるのは、「2.5D Gorilla Glass」というのが相当である。そして、本件商標は、その構成文字によって、特定の意味合いが理解されないものであるから、一種の造語として認識されるものである。
そうすると、本件商標は、その要部である構成文字に相応して、「ニテンゴディーゴリラグラス」の称呼を生じ、特定の観念を生じないものである。
これに対し、使用商標は、「Gorilla(ゴリラ)」(使用商標1)及び「Gorilla Glass(ゴリラガラス)」(使用商標2)の文字からなるものであるところ、該「Gorilla(ゴリラ)」の文字は、「ショウジョウ科の類人猿。マウンテン‐ゴリラ(ヤマゴリラ)とローランド‐ゴリラ(テイチゴリラ)に二分。」(株式会社岩波書店「広辞苑第六版」)の意味を有するものである。
また、該「Gorilla Glass(ゴリラガラス)」の文字は、「Gorilla」の文字部分が上記の意味を有し、「Glass」の文字が「ガラス。ガラス製のコップ。グラス。めがね。」等(株式会社岩波書店「広辞苑第六版」)の意味を有するとしても、全体としては特定の意味合いを有しない造語として理解されるものである。
そうすれば、使用商標1は、その構成文字に相応して、「ゴリラ」の称呼を生じ、「ゴリラ」の観念を生じるものであり、使用商標2は、その構成文字に相応して、「ゴリラグラス」及び「ゴリラガラス」の称呼を生じ、特定の観念を生じないものである。
そうとすれば、本件商標の構成中、「Gorilla」及び「Gorilla Glass」の文字部分のみを抽出し、これを前提として、本件商標と使用商標とが称呼及び観念を同じくする類似の商標であるとする申立人の主張は、その前提において誤りがあるというべきであって、採用することはできない。
その他、本件商標と使用商標とが類似するとみるべき特段の理由も見いだすことができない。
そして、上記1のとおり、使用商標は、本件商標の登録出願時及び登録査定時において、申立人の製造販売に係る電子機器用強化ガラス等を表示するものとして取引者及び需要者の間で一定程度の周知性を獲得しているといえるとしても、その周知性は、当該商品の分野に限定されたものであり、本件商標の指定商品である「ブレスレット,身飾品,宝飾品」の分野にまで及ぶものということはできないから、本件商標をその指定商品に使用しても、これに接する取引者、需要者が、使用商標を連想、想起することはなく、該商品が申立人又は同人と経済的若しくは組織的に何らかの関係を有する者の業務に係る商品であるかのように、その出所について混同を生ずるおそれはないというべきである。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第15号に該当しない。
3 商標法第4条第1項第19号について
前記1のとおり、使用商標は、申立人の製造販売に係るスマートフォン用保護カバーガラスをはじめとする電子機器用強化ガラス等を表示するものとして、我が国の当該商品の需要者の間で一定程度の周知性を獲得しているといえるとしても、本件商標と使用商標とは類似しないものである。
そして、申立人は、例えば、ウェアラブルデバイス等の商品との関係やその取引に関して、及びその他、本件商標が不正の目的をもって使用をするものであることを示す証拠を提出していない。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第19号に該当しない。
4 商標法第4条第1項第7号について
使用商標は、本件商標の登録出願時及び登録査定時において、申立人の製造販売に係る電子機器用強化ガラス等を表示するものとして取引者及び需要者の間で一定程度の周知性を獲得していたとしても、本件商標と使用商標が類似しないことから、そのことのみをもって、本件商標が直ちに申立人の使用商標の名声や信用、顧客吸引力などにフリーライドし、それらを毀損させるとはいえないものである。
そして、本件商標権者が「Gorilla Glass」及び「Gorilla Glass 3」が申立人の商標であることを、申立人との取引を通じて知っていたとしても、それによって、本件商標が社会公共の利益に反し、社会の一般的道徳観念に反し、あるいは、本件商標の登録出願の経緯に社会的相当性を欠くものがあり、その登録を認めることが商標法の予定する秩序に反するものとして到底容認し得ない場合に該当するということはできないというべきである。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第7号に該当しない。
5 まとめ
以上のとおり、本件商標は、商標法第4条第1項第15号、同第19号及び同第7号に該当するとは認められないから、同法第43条の3第4項に基づき、その登録を維持すべきである。
よって、結論のとおり決定する。
異議決定日 2017-05-12 
出願番号 商願2015-97476(T2015-97476) 
審決分類 T 1 651・ 271- Y (W14)
T 1 651・ 222- Y (W14)
T 1 651・ 22- Y (W14)
最終処分 維持 
前審関与審査官 大渕 敏雄 
特許庁審判長 山田 正樹
特許庁審判官 中束 としえ
井出 英一郎
登録日 2016-07-01 
登録番号 商標登録第5862676号(T5862676) 
権利者 エルジー エレクトロニクス インコーポレイティド
商標の称呼 ニテンゴデイゴリラグラススリー、ニテンゴデイゴリラグラスサン、ニテンゴデイゴリラグラス、ニテンゴデイゴリラガラススリー、ニテンゴデイゴリラガラスサン、ニテンゴデイゴリラガラス、ニテンゴデイゴリラ、ゴリラグラス、ゴリラガラス、ゴリラ 
代理人 青木 篤 
代理人 柳田 征史 
代理人 佐久間 剛 
代理人 中熊 眞由美 
代理人 田島 壽 
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