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審決分類 審判 一部申立て  登録を維持 W16
審判 一部申立て  登録を維持 W16
審判 一部申立て  登録を維持 W16
管理番号 1328057 
異議申立番号 異議2016-900364 
総通号数 210 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標決定公報 
発行日 2017-06-30 
種別 異議の決定 
異議申立日 2016-11-13 
確定日 2017-04-21 
異議申立件数
事件の表示 登録第5876410号商標の商標登録に対する登録異議の申立てについて、次のとおり決定する。 
結論 登録第5876410号商標の商標登録を維持する。
理由 1 本件商標
本件登録第5876410号商標(以下「本件商標」という。)は、「妄想用婚姻届」の文字を標準文字で表してなり、平成27年11月13日に登録出願、第16類「紙製のぼり,紙製旗,衛生手ふき,紙製タオル,紙製テーブルナプキン,紙製手ふき,紙製ハンカチ,婚姻届用の書式用紙,書画,写真,写真立て」並びに第9類及び第45類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品及び役務を指定商品及び指定役務として、同28年8月26日に設定登録されたものである。

2 登録異議の申立ての理由
登録異議申立人(以下「申立人」という。)は、本件商標は、その指定商品及び指定役務中、第16類に属する商品について、商標法第3条第1項第6号、同法第4条第1項第7号及び同項第16号に違反して登録されたものであるから、その登録は、取り消されるべきである旨申し立て、その理由を要旨以下のように述べ、添付書類として、資料1ないし資料9を提出した。
(1)はじめに
本件商標の構成中の「婚姻」は、民法第739条によれば、戸籍法(昭和22年12月22日法律第224号)の定めるところにより市町村長に対して届出することによって、その効力が生じることとされている。婚姻の届出を書面でするときは、戸籍法施行規則(昭和22年12月29日司法省令第94号)第59条により同規則附録第12号様式(資料1)によらなければならないこととされている。当該規則附録の様式の印刷にあたり、その仕上がりの寸法は、日本工業規格(JIS P 0138)A列3番によることとされており、様式の左上の部分には「婚姻届」の文字を印刷することとされている。
行政手続法(平成5年11月12日法律第88号)第2条第1項第7号において「届出」とは、行政庁に対し一定の事項の通知をする行為とされており、その届出に必要な書式用紙については、一般的に「?届出書」、「?届書」の名称が用いられているが、中には、婚姻届、転入届、被害届などのように、届出に用いる用紙及びその手続に関して「?届」という名称が用いられ、国民に広く知れ渡っているものがある。
婚姻の届出に関連した商品及び役務であることを連想、想起させる本件商標は、次に述べるとおり、その登録を許容すべきではない。
(2)商標法第4条第1項第16号について
本件商標は、市町村長に対して提出する「婚姻届」の前に「妄想用」の文字を結合させて、需要者が妄想にふけるために用いるものとして、本来の婚姻届とは、似て非なるものであるとの意味合いを容易に理解、認識させるものであるから、需要者において、商品の品質又は役務の質の誤認を生じさせるおそれはないものということもできなくはない。
しかしながら、少なくとも、本件商標の指定商品及び指定役務中には、「婚姻届用の書式用紙」が含まれているところ、本件商標は、資料2に示す内容から、明らかに市町村長に提出することを予定しない書式であって、戸籍法及び戸籍法施行規則が定める届出に用いる書式用紙の要件を備えておらず、市町村長に提出しても受理されない書式用紙である。
また、そもそも、「婚姻届」は、届出に用いるための書式用紙であって、それ以外の用途に用いる書式用紙を「婚姻届」と称することはあり得ない。
したがって、本件商標は、その指定商品及び指定役務中の第16類「婚姻届用の書式用紙」との関係においては、識別標識として登録されるべきではないものである。
(3)商標法第3条第1項第6号について
ア 本件商標の指定商品及び指定役務中の第16類「婚姻届用の書式用紙」については、上記(2)において述べたとおり、戸籍法及び戸籍法施行規則において、その規格や様式が定められており、全国的に統一されているところ、仮に、本件「妄想用婚姻届」が、戸籍法及び戸籍法施行規則で規定する要件を備えた様式であったとしても、法令により用紙の規格及び様式が規定されている主旨からすると、どの事業者において印刷しても、同じ内容で同じ品質の書式用紙が供給されることが期待されているものである。
また、届書の着色については、法令上に規定がされていないところであるが、全国的統一を図る必要があり、昭和39年12月21日付けで法務省民事局長は、資料3のとおり、事務能率上の観点から、厚生省(当時)の人口動態統計調査票と同じ色を用いるように示し、現在に至っているものである。
これらのことから、婚姻届用の書式用紙自体に、個々の民間事業者が自他商品識別標識として、法定記載事項以外の表示や創作性が認められるような装飾等を施したものは、法定外の書式用紙として扱うほかない。
イ 市町村役場の中には、少子化対策やシティープロモーションの一環として、婚姻届出の書式用紙に市町村独自に装飾を施して、窓口で配布している例も確認されている(資料4)。
しかしながら、本来なら、農産物やコンピュータシステムなどと異なり、それを生産する事業者の企画力、技術力、創造力、専門性や実績、あるいは地域などによって、創意工夫する余地はほとんどなく、それを生産する者により品質が大きく異なることは、全国統一的な事務処理の要請上、到底容認されない性質のものである。
ウ 商標の定義について、商標法第1条第1項第1号(決定注:「商標法第2条第1項第1号」の誤記と認める。)において、「業として商品を生産し、証明し、又は譲渡する者がその商品について使用をするもの」、同条第2項(決定注:「同項第2号」の誤記と認める。)において、「業として役務を提供し、又は証明する者がその役務について使用をするもの」とし、同法第3条の規定では、「需要者が何人かの業務に係る役務であることを認識することができない商標は登録することができない」とされている。
「婚姻届用の書式用紙」そのものには、個々の民間事業者が、創意工夫して、自己の業としての自他識別が可能である標識を用いることはできないと解するほかなく、本件商標の指定商品及び指定役務中の第16類「婚姻届用の書式用紙」については、何人かの業務に係る商品か明らかに識別できるような用紙は、本来は認められないものであって、当該「婚姻届用の書式用紙」に用いる識別標識としては、当然に登録することができないものである。
(4)商標法第4条第1項第7号について
ア 官公庁への手続やそれに用いる書類の作成について、当事者からの依頼により、それを業とすることは、法令上、規制がされている。それを取り扱う資格を有しない者が供給する商品や役務に用いられる識別標識について、それに類似するものも含め、商標として登録されることは、社会公共の利益に反するものである。
イ 本件商標に関連して、「ご当地婚姻届」なる商標が、商標登録第5754357号として、平成27年3月27日に登録されているところ、現在、インターネットウェブ上において、栃木県小山市役所窓口などが「ご当地婚姻届」と称する婚姻届出の書式用紙の配布及び受付を行っている(資料4)。
また、本件商標権者のウェブページに掲載されている「ご当地婚姻届」の利用規約の内容(資料6)によれば、当該「ご当地婚姻届」には著作権があって、承諾のない複製を禁止していることが記されている。
ウ 戸籍法第36条第1項の規定によれば、届書の提出通数は、戸籍に記載を要する市町村の数とされているところであり、また、同条第2項では、本籍地以外の届出については、さらにもう1通を提出しなければならないと規定している(資料7)。
また、戸籍法施行規則第25条及び第26条において、届出を受理した市町村長は、遅滞なく届書の1通を他の市町村長に送付しなければならないと規定されている。
他方、実際の運用においては、各市町村のウェブページやその窓口で配布されている婚姻届出の書式用紙には、届書の提出通数は1通で差し支えないとされており、届出を受理した市町村役場において、関係する市町村役場に届書を送付する必要があるときは、当事者の便宜と事務作業の効率化を図って、届書の必要通数分を複写機で複製し、それを謄本として、関係する市町村に送付することにより対応している。
ここで、仮に、上記イのとおり、婚姻届出の書式用紙に著作権が認められ、複製権が著作者のみに専有するのであれば、届出人である当事者は、本来、複数通数の届書を用意して提出する必要があることになり、また、市町村役場が、当事者の便宜を図って、届書の謄本を複写機により作成する場合は、戸籍法による手続においては、著作権法第42条第2項の特許又は薬事に関する行政手続や、同法第42条の2の情報公開法に関する手続と異なり、権利制限の規定が設けられていないので、届書を複写機で複製して対応することが困難になってしまう。
そうすると、民間事業者が創意工夫して作成した、創作性を有し、著作権が認められるような婚姻届出の書式用紙は、円滑な行政手続を阻害するものであって、不適当なものである。
エ 本件に関連して、届書の用紙はA3判の大きさのところ、インターネットウェブページからダウンロードした「ご当地婚姻届」が、当事者により、規定の半分のA4判の大きさで印刷して提出されたり、市町村役場に提出できるものと表記してありながら、戸籍法第74条第1項第1号に規定される夫婦の称する氏の選択ができない重大な欠陥のある婚姻届出の書式用紙が、資料8のとおり、結婚情報雑誌の付録として流通してしまい、回収されることなく、存置された状態のまま、戸籍届出の窓口に持ち込まれている。
また、届書記載事項の軽微な不備の補正につき、欄外の余白でその対応をしようとしても、その欄外が余計なイラストや写真で埋め尽くされてしまい、余白がほとんどないものや、材質が石油由来の合成紙で作成された用紙であって、保存期間経過後の破砕や溶解の処分の取扱いに困るものなどが見受けられる。
そして、長野県内の市町村役場で構成される長野県戸籍住民基本台帳事務協議会においては、事務手続の遂行上差し障りがあるとして、法務省民事局に対して、出版社への指導を行ってほしい旨の要望が決議されるに至っている(資料9)。
オ 官公庁への申請や届出などに関して、当事者の不安、不便を除去する必要性、あるいは官公署の執務能率の観点から、昭和26年に行政書士法が制定され、現在に至っている。当事者以外の者が、それに関わって利益を得ることについては、当事者が不測の事態に見舞われることや、対応する官公庁側の事務量が無用に増加することにつながり、それらの防止を図る観点から、必要な知識を備えた行政書士及び行政書士法人でなければ業とすることができないと法令で規制している。
行政手続に関して、このような秩序が形成されている中、法令上の資格を有しない民間事業者が、不適当な創意工夫を施して、行政手続に関する商品や役務を一般の国民に対して提供して利益を得るようなことにつながる行為を反復継続して行うことは、到底容認できるものではない。
また、先に述べたとおり、当事者及び官公庁窓口における円滑な行政手続の遂行を阻害している事象が実際に確認されている以上、行政手続に関する役務、手続に必要となる書式用紙はもちろん、それに類似するものも含め、それらの市場への供給に問題がないとはもはやいうことができず、本件商標権者を含め、特定の民間事業者が、業として、自他商品又は自他役務を識別するための標識を備えた商品や役務を、直接、需要者に供給することは、当然にすることができないというほかない。
上記のような行為に用いられる識別標識を商標として登録することは、需要者の利益を保護するための商標制度の目的に反するものであり、既存の行政書士制度等をないがしろにするものである。
(5)むすび
以上のとおり、本件商標は、その指定商品及び指定役務中、第16類に属する商品について、商標法第3条第1項第6号、同法第4条第1項第7号及び同項第16号に違反して登録されたものであるから、その登録は、同法第43条の2第1号により、取り消されるべきである。

3 当審の判断
(1)本件商標について
本件商標は、前記1のとおり、「妄想用婚姻届」の文字を標準文字で表してなるところ、該文字は、同じ書体及び大きさをもって、等間隔に表されているものであるから、視覚上、まとまりよく一体的なものとして看取されるものである。
また、本件商標の構成中、「妄想」の文字は、「根拠のない主観的な想像や信念」を意味する語として、「婚姻届」の文字は、「婚姻が有効に成立するために必要な手続」を意味する語として、いずれも一般に知られているものであるが、その構成全体をもって、既成の語ないし特定の事物を表したものとして認識されるとみるべき事実は見当たらない。
そうすると、上記構成からなる本件商標は、その構成全体をもって、一種の造語を表してなるものと理解され、「妄想において用いる婚姻届」ほどの意味合いを想起させるものとはいい得るが、そのようなものは、本来の婚姻届とは全く別異のものとして認識されるものの、特定の商品の特性を直接的に表示したものとして認識されるとまではいい難いというべきである。
(2)商標法第4条第1項第16号該当性について
ア 本件商標は、上記(1)のとおり、その構成全体から「妄想において用いる婚姻届」ほどの意味合いを想起させるものであって、本来の婚姻届とは全く別異のものとして認識されるものではあるものの、特定の商品の特性を直接的に表示したものとして認識されるものではないから、本件商標をその指定商品及び指定役務中の第16類に属する商品(以下「申立てに係る商品」という。)に使用しても、これに接する取引者、需要者が、申立てに係る商品が有する特性との関係において、商品の品質の誤認を生ずるおそれはない。
イ 申立人は、本件商標の指定商品及び指定役務中には、第16類「婚姻届用の書式用紙」が含まれているところ、本件商標の使用に係る書式(資料2)は、戸籍法及び戸籍法施行規則が定める届出に用いる書式用紙の要件を備えていないものであるし、そもそも、「婚姻届」は、届出に用いるための書式用紙であって、それ以外の用途に用いる書式用紙を「婚姻届」と称することはあり得ない旨主張する。
しかしながら、「婚姻届」の語は、既述のとおり、「婚姻が有効に成立するために必要な手続」を意味する語として一般に知られているものであり、また、申立人の提出に係る資料1によれば、婚姻届用の書式用紙を指称する語としても知られているといえるから、該語については、直接的に特定の商品の特性を表示したものと認められるが、本件商標は、その構成全体をもって一種の造語を表したものと理解される「妄想用婚姻届」の文字からなるものであり、「婚姻届」とは全く別異のものであって、特定の商品の特性を直接的に表示したものとして認識されるものではないから、申立人の提出した資料2に係る書面が「婚姻届」について法令が定める要件を備えていないとしても、そのことをもって、本件商標が、申立てに係る商品について、商品の品質の誤認を生ずるおそれがあるとはいえない。
ウ 上記ア及びイによれば、本件商標は、申立てに係る商品について、商品の品質の誤認を生ずるおそれがある商標ということはできないものであるから、商標法第4条第1項第16号に該当しない。
(3)商標法第3条第1項第6号該当性について
ア 本件商標は、上記(1)のとおり、「妄想用婚姻届」の文字を標準文字で表してなるものであり、その構成全体をもって、一種の造語と理解され、「妄想において用いる婚姻届」ほどの意味合いを想起させるものであって、本来の婚姻届とは全く別異のものとして認識されるものではあるものの、特定の商品の特性を直接的に表示したものとして認識されるものではない。
そうすると、本件商標は、その構成自体が商標としての体をなしていないなどということはできず、また、商標法第3条第1項第1号ないし第5号のいずれにも該当せず、その構成自体から自他商品識別力を欠き、商標としての機能を果たし得ないということもできないものである。
その他、申立人の主張及び同人の提出に係る各資料を総合してみても、本件商標が、申立てに係る商品について、自他商品の識別標識としての機能を果たし得ないと認めるに足る事実は見いだし得ない。
イ 申立人は、「婚姻届用の書式用紙」について、その規格及び様式が法令等により規定されていることからすれば、個々の民間事業者が、創意工夫して、自己の業としての自他識別が可能である標識を用いることはできないと解するほかなく、本件商標の指定商品及び指定役務中の第16類「婚姻届用の書式用紙」については、何人かの業務に係る商品か明らかに識別できるような用紙は、本来は認められないものであって、当該「婚姻届用の書式用紙」に用いる識別標識としては、当然に登録することができないものである旨主張する。
しかしながら、たとえ、「婚姻届用の書式用紙」の規格及び様式が法令等により規定されているとしても、商品として、当該法令等の規定に則った「婚姻届用の書式用紙」を製作、販売することができないわけではないし、その製作、販売に当たり、自他商品の識別標識として、商標を使用することもできないわけではない。
また、仮に、ある「婚姻届用の書式用紙」が、その用紙自体から何人かの業務に係る商品であるかを認識できるものであるとしても、そのことと、その用紙について使用される商標が自他商品の識別標識としての機能を果たし得るか否かとは、全く異なることである。
そして、本件商標は、上記アによれば、自他商品の識別標識としての機能を果たし得るものである。
ウ 上記ア及びイによれば、本件商標は、申立てに係る商品について、何人かの業務に係る商品であることを認識することができない商標ということはできないものであるから、商標法第3条第1項第6号に該当しない。
(4)商標法第4条第1項第7号該当性について
ア 本件商標は、上記(1)のとおり、その構成全体をもって、一種の造語と理解され、「妄想において用いる婚姻届」ほどの意味合いを想起させるものであり、本来の婚姻届とは全く別異のものとして認識されるものではあるものの、特定の商品の特性を直接的に表示したものとして認識されるものではない。
また、申立てに係る商品は、いずれも一般の製造業者又は販売店が取り扱うことのできる商品といえるものであり、これらを生産し、譲渡する行為が我が国の法令により制限されている事実は見いだせず、さらに、本件商標を申立てに係る商品に使用することについて、我が国の法令による制限がされている事実は見いだせず、その使用が社会公共の利益に反し、社会の一般的道徳観念に反するものとも認められない。
加えて、本件商標は、その構成自体が非道徳的、卑わい、差別的、きょう激又は他人に不快な印象を与えるような文字からなるものではなく、一般に国際信義に反するものでないことは明らかであり、ほかに、本件商標の登録出願の経緯に社会的妥当性を欠くものがあり、登録を認めることが商標法の予定する秩序に反するものとして、到底容認し得ない場合に該当すると認めるに足る事実も見いだせない。
イ 申立人は、官公庁への申請や届出などについては、行政書士法により、必要な知識を備えた行政書士及び行政書士法人でなければ業とすることができないと法令で規制されているところ、法令上の資格を有しない民間事業者が、不適当な創意工夫を施して、行政手続に関する商品や役務を一般の国民に対して提供して利益を得るようなことにつながる行為を反復継続して行うことは到底容認できず、また、当事者及び官公庁窓口における円滑な行政手続の遂行を阻害している事象が実際に確認されている以上、行政手続に関する役務、手続に必要となる書式用紙はもちろん、それに類似するものも含め、本件商標権者を含む特定の民間事業者が、業として、自他商品又は自他役務を識別するための標識を備えた商品や役務を、直接、需要者に供給することは当然にすることができないとした上で、このような行為に用いられる識別標識を商標として登録することは、需要者の利益を保護するための商標制度の目的に反するものであり、既存の行政書士制度等をないがしろにするものである旨主張する。
しかしながら、行政書士法は、他人の依頼を受け報酬を得て、官公署に提出する各種書類を業として作成する行為について、行政書士又は行政書士法人に制限する旨規定していることは認められるものの、同法が、行政手続に関する商品や役務の全てについて、その製作、販売又は提供等の行為を同様に制限する旨の規定は見当たらず、例えば、申立てに係る商品中の「婚姻届用の書式用紙」については、上記(3)イにおいて述べたように、その規格及び様式を規定する法令等に則ったものを商品として製作、販売することは、一般の製造業者又は販売店がなし得るといえる。
また、当事者及び官公庁窓口における円滑な行政手続の遂行を阻害している事象が実際に確認されているとする点については、申立人の主張及び同人の提出に係る各資料によれば、本件商標とは別異の「ご当地婚姻届」、「ピンクレインボーの婚姻届」及び「破れない婚姻届」に係る様式の寸法相違や書式不備等を原因とする事象であるから、これを本件商標についての判断において勘案することは、適切でない。
その他、申立人の主張及び同人の提出に係る各資料を総合してみても、本件商標が、公の秩序又は善良の風俗を害するおそれがある商標と認めるに足る事実は見いだせない。
ウ 上記ア及びイによれば、本件商標は、申立てに係る商品について、公の秩序又は善良の風俗を害するおそれがある商標ということはできないものであるから、商標法第4条第1項第7号に該当しない。
(5)まとめ
以上のとおり、本件商標の登録は、申立てに係る商品について、商標法第3条第1項第6号並びに同法第4条第1項第7号及び同項第16号のいずれにも違反してされたものではないから、同法第43条の3第4項の規定により、維持すべきである。
よって、結論のとおり決定する。
異議決定日 2017-04-13 
出願番号 商願2015-111920(T2015-111920) 
審決分類 T 1 652・ 272- Y (W16)
T 1 652・ 16- Y (W16)
T 1 652・ 22- Y (W16)
最終処分 維持 
前審関与審査官 鈴木 斎 
特許庁審判長 青木 博文
特許庁審判官 豊泉 弘貴
田中 敬規
登録日 2016-08-26 
登録番号 商標登録第5876410号(T5876410) 
権利者 株式会社リクルートホールディングス
商標の称呼 モーソーヨーコンイントドケ、モーソーヨー、コンイントドケ 
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