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審決分類 審判 全部申立て  登録を維持 W03082144
審判 全部申立て  登録を維持 W03082144
管理番号 1327170 
異議申立番号 異議2016-900320 
総通号数 209 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標決定公報 
発行日 2017-05-26 
種別 異議の決定 
異議申立日 2016-10-04 
確定日 2017-04-10 
異議申立件数
事件の表示 登録第5864552号商標の商標登録に対する登録異議の申立てについて、次のとおり決定する。 
結論 登録第5864552号商標の商標登録を維持する。
理由 第1 本件商標
本件登録第5864552号商標(以下「本件商標」という。)は、別掲1に示すとおりの構成よりなり、平成27年10月22日に登録出願、第3類「せっけん,ヘアーローション,クレンジング乳液,ヘアシャンプー,化粧せっけん,香料,薫料及び香水類,芳香油,毛髪用着色剤,つけまつ毛,化粧品,ペンシル状の化粧品,化粧用クリーム,化粧落とし剤,脱毛剤,脱毛用ワックス,化粧用ローション,まゆ毛用化粧品,つけづめ,おしろい,アイブローペンシル,ティッシュに浸み込ませた化粧水,マスカラ,リップグロス,日焼け止め用化粧品,しわ防止用クリーム,皮膚用ホワイトニングクリーム,歯のホワイトニングクリーム,にきび用クリーム,しみ取り用クリーム(医療用を除く),歯磨き」、第8類「ヘアアイロン,つめの甘皮用ニッパー,毛抜き,ペディキュア用セット,カールごて,頭髪カール器,かみそりの刃,電動式又は非電動式かみそり,電気式又は非電気式つめやすり,つめ磨き器(電動式のもの又は電動式でないもの),電気式及び非電気式散髪用バリカン,電気式及び非電気式つめ切り,電気式及び非電気式マニキュアセット,まつ毛カール器,ニッパー,つめやすり,ピンセット,はさみ,ナイフ(手持工具)」、第21類「せっけん箱,せっけん用ディスペンサー,せっけん入れ,くし,くし用容器,ブラシ,つめ用ブラシ,化粧用ブラシ,電気式及び非電気式歯ブラシ,デンタルフロス,化粧用具,化粧品入れ,携帯用化粧道具入れ(化粧用具の入ったもの),化粧用スポンジ,化粧用パフ,おしろい入れ,まゆ毛用ブラシ,香水用噴霧器,チーク用ブラシ,アイシャドウ用ブラシ,まつ毛用ブラシ」及び第44類「健康管理に関する指導及び助言,アロマテラピーの提供,セラピー,サウナ風呂の提供,美容,マッサージ,爪の美容,ヴィザジストによる美容,理容,カイロプラクティック」を指定商品及び指定役務として、同28年6月17日に登録査定、同年7月8日に設定登録されたものである。

第2 引用標章
登録異議申立人(以下「申立人」という。)が登録異議の申立ての理由において引用する標章は、別掲2に示すとおりの構成よりなる標章(以下「引用標章」という。)であり、申立人のコスメティックブランドである。

第3 登録異議の申立ての理由
申立人は、本件商標は、商標法第4条第1項第15号及び同項第19号に該当するものであるから、同法第43条の3第2項の規定により、その登録は取り消されるべきであると申立て、その理由を要旨以下のように述べ、証拠方法として甲第1号証ないし甲第11号証を提出した。
1 引用標章の著名性について
申立人は、引用標章にかかるコスメティックブランドを管理している会社であり、引用標章は、ルーマニア人の女性によって1997年に設立されたコスメティックブランドである。
米国のビバリーヒルズに設立されたビューティーサロンが発祥であり、そこで使用されているコスメティック商品、化粧品等は名だたるセレブも愛用している。
引用標章に係るコスメティックブランドでは、「整った顔立ちを作るのには眉ケアが重要」という発想を浸透させ、引用標章のもとでプロデュースされたコスメは世界的にヒットしている(甲10、甲11)。さらに、引用標章に係る商品は、多くの雑誌において、「メイクアップ賞」や「ベスト アイブローペン賞」等数多くの賞を受賞している(甲9)。
申立人は、引用標章に係る専門ウェブサイトだけではなく、引用標章が使用される商品又は役務の需要者である若者が多く利用するFacebook、Instagram、Twitter、Youtube、Pinterest、Tumblr等の様々なソーシャルメディアを利用して、引用標章に係るブランドの紹介・周知を図っている(甲2?甲8)。
したがって、申立人の使用する引用標章は、1997年以降現在に至るまで、このような申立人の長年の継続的な努力によって、極めて高い信用が日本を含めた世界各国において形成され、発祥地である米国はもちろんのこと、日本国内外で高い周知・著名性を獲得するに至っているものであり、本件商標の登録出願時にはすでに、引用標章は、申立人に係る業務に使用する商標として広く知られ、高い周知・著名性を獲得するに至っていたというべきである。
2 本件商標と引用標章について
本件商標は、欧文字の「ANASTASIA」と欧文字の「Bevery Hills」を上下二段に配した構成よりなる商標であり、「ANASTASIA」の最初と最後の「A」の文字が極めて特徴的な態様をしているものであり、その構成から「アナスタシア」あるいは「アナスタシアビバリーヒルズ」の称呼が生じるものである。
引用標章も、欧文字の「ANASTASIA」と欧文字の「BEVERLY HILLS」を上下二段に配した構成よりなる商標であり、「ANASTASIA」の最初と最後の「A」の文字が極めて特徴的な態様をしているものであり、その構成から「アナスタシア」あるいは「アナスタシアビバリーヒルズ」の称呼が生じるものである。
本件商標と引用標章を比較すると、本件商標と引用標章は全く同一の構成文字からなり、最初と最後の「A」の文字が極めて特徴的な態様をしている「ANASTASIA」の書体が同一であることから、外観上、本件商標は引用標章と類似し、さらに、同一の「アナスタシア」あるいは「アナスタシアビバリーヒルズ」の称呼を生じる。
また、本件商標を構成する「ANASTASIA BEVERLY HILLS」は、上述したように申立人に係るコスメティックブランド名として著名であることから、本件商標と引用標章は、共に申立人に係るコスメティックブランドを想起させるものとして共通する観念を有し、商標自体が極めて類似するものというべきである。
3 商標法第4条第1項第15号該当性について
(1)本件商標と引用標章の類似性及び引用標章の周知著名性の程度
本件商標と引用標章は、極めて類似性の高い商標であることは明らかであり、引用標章は、申立人の業務を表すものとして日本を含め世界的な周知著名性を獲得している商標である。
(2)本件商標の指定商品・役務と申立人の業務に係る商品との間の性質、用途又は目的における関連性の程度
本件商標の指定商品・役務は、いずれもコスメティックに関わる商品(化粧品や化粧用具及び美容器具)・役務(美容)という意味において申立人の提供に係るコスメティック事業と密接な関係を有するものであり、本件商標と引用標章との商品・役務間の関連性並びに商品等の取引者及び需要者の共通性はあるものというべきである。
(3)以上の事情を勘案すると、本件商標がその指定商品・役務に使用された際には、これに接する取引者・需要者において、この商品・役務が申立人に係る業務、あるいは申立人の使用に係る引用標章とコラボレーションした商品・役務といった認識がされるおそれがあり、あたかも申立人又は申立人と経済的若しくは組織的に何らかの関係がある者の業務に係る役務であるかのごとくその役務の出所について混同を生ずるおそれがある。
4 商標法第4条第1項第19号該当性について
(1)引用標章の著名性及び本件商標と引用標章の類似性
引用標章は、申立人の業務及び申立人の業務に係る化粧品等について使用された結果、「ANASTASIA BEVERLY HILLS」の綴り及び「アナスタシアビバリーヒルズ」の称呼のもと、米国を中心とした外国において極めて高い著名性を有する商標であり、引用標章は、商標法第4条第1項第19号の「他人の業務に係る商品を表示するものとして日本国内又は外国における需要者の間に広く認識されている商標」に該当するものである。また、本件商標と引用標章は、互いに類似する商標である。
(2)本件商標権者の「不正の目的
引用標章は、申立人による長年にわたる努力の積み重ねの結果、取引者・需要者間において広く知られ、高い名声・信用・評判を獲得するに至っており、本件商標の出願時である平成27年10月22日には、引用標章はすでに申立人の業務に係る商品に使用される商標として極めて広く知られていた著名商標であり、「ANASTASIA BEVERLY HILLS」といえば、申立人が製造販売する世界的に有名な化粧品ブランドとの観念が一義的に生じるものである。
本件商標は、著名な引用標章と文字構成が同一であって、さらに、「ANASTASIA」の「A」の装飾態様まで同一である。そして、両者は、同一の称呼が生じ、本件商標の指定商品・役務が申立人の引用標章が著名性を獲得した「化粧品」と極めて密接な関連を有する商品・役務であることを考えると、本件商標権者が著名な引用標章を知らず、偶然に著名な引用標章と同一の綴り・装飾態様及び同一の称呼を生じる文字からなる本件商標を出願したとは考え難く、引用商標の存在、そして引用標章が有する高い名声・信用・評判を知しつしたうえで出願、使用されたものとみるのが自然である。
(3)そうとすれば、本件商標権者は、本件商標を不正の目的で使用する意図を持って出願したものというべきである。

第4 当審の判断
1 引用標章の周知性について
申立人の提出した甲各号証及び同人の主張によれば、次の事実を認めることができる。
甲第2号証は、申立人のウェブサイトであり、引用標章の表示の下、各種の化粧品及び化粧用具が掲載され、紹介等されている。
そして、甲第3号証ないし甲第5号証及び甲第7号証は、「facebook」等のソーシャルメディアであり、これには、「Anastasia Beverly Hills」又は引用標章の表示の下、引用標章が表示された各種の化粧品が掲載されている。
しかしながら、これらの証拠は、いずれもウェブサイトの印刷日である2017年1月10日の情報であって、本件商標の登録出願日前における情報を確認することができない。
そして、引用標章を表示した申立人の業務に係る化粧品について、その使用開始時期、使用地域、販売数量、売上高や、宣伝広告の方法、回数等を示す証拠は見いだせない。
そうすると、引用標章に係る商品が外国の雑誌において受賞等した(甲9)としても、申立人が提出した証拠からは、引用標章が、本件商標の登録出願時及び登録査定時に、申立人の業務に係る「化粧品」を表示するものとして、外国及び我が国の需要者の間に広く認識されていたものと認めることができない。
なお、甲第8号証、甲第10号証及び甲第11号証は、それらのいずれにも本件商標と同一といえる表示が認められるため、引用標章の使用についての証拠ということができない。
2 本件商標と引用標章との類否について
本件商標及び引用標章は、別掲1及び別掲2のとおり、ややデザイン化した「ANASTASIA」の部分をほぼ同じくし、異なるところは、「Bevery Hills」の文字を筆記体表記しているか、「BEVERLY HILLS」の文字を活字体表記しているかの差異にすぎないから、両者は類似のものと認められる。
3 商標法第4条第1項第15号該当性について
引用標章は、前記1のとおり、本件商標の登録出願時及び登録査定時において、申立人の業務に係る「化粧品」を表示するものとして、我が国の需要者の間に広く認識されていたものと認めることができない。
そうすると、本件商標権者が本件商標をその指定商品及び指定役務について使用しても、これに接する需要者が、引用標章を連想又は想起することはなく、申立人又は申立人と経済的又は組織的に何等かの関係がある者の業務に係る商品及び役務であると誤認し、その商品及び役務の出所について混同するおそれはないものであるから、本件商標は、他人の業務に係る商品又は役務と混同を生ずるおそれがある商標とはいえない。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第15号に該当しない。
4 商標法第4条第1項第19号該当性について
本件商標と引用標章は、前記2のとおり、類似のものと認められ、本件商標の指定商品中の第3類「化粧品」と、引用標章が使用される化粧品は、類似の商品である。
しかしながら、前記1のとおり、引用標章は、本件商標の登録出願時及び登録査定時において、申立人の業務に係る「化粧品」を表示するものとして、我が国及び外国の需要者の間に広く認識されていたものと認めることができない。
そうすると、本件商標は、商標法第4条第1項第19号に該当するための要件を欠くものといわなければならない。
したがって、本件商標は,商標法第4条第1項第19号に該当しない。
5 まとめ
以上のとおり、本件商標の登録は、商標法第4条第1項第15号及び同項第19号に違反してされたものではないから、同法第43条の3第4項の規定に基づき、その登録を維持すべきでものである。
よって、結論のとおり決定する。
別掲 別掲1(本件商標)



別掲2(引用標章)





異議決定日 2017-03-31 
出願番号 商願2015-102004(T2015-102004) 
審決分類 T 1 651・ 271- Y (W03082144)
T 1 651・ 222- Y (W03082144)
最終処分 維持 
前審関与審査官 吉田 聡一森 あゆみ小林 正和 
特許庁審判長 田中 亨子
特許庁審判官 大森 健司
原田 信彦
登録日 2016-07-08 
登録番号 商標登録第5864552号(T5864552) 
権利者 ピアス株式会社
商標の称呼 アナスタシアビバリーヒルズ、アナスタシア 
代理人 田中 克郎 
代理人 廣中 健 
代理人 稲葉 良幸 
代理人 池田 万美 
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