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審決分類 審判 一部申立て  登録を維持 W09
審判 一部申立て  登録を維持 W09
審判 一部申立て  登録を維持 W09
審判 一部申立て  登録を維持 W09
審判 一部申立て  登録を維持 W09
審判 一部申立て  登録を維持 W09
管理番号 1327169 
異議申立番号 異議2016-900312 
総通号数 209 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標決定公報 
発行日 2017-05-26 
種別 異議の決定 
異議申立日 2016-09-30 
確定日 2017-04-07 
異議申立件数
事件の表示 登録第5863500号商標の商標登録に対する登録異議の申立てについて、次のとおり決定する。 
結論 登録第5863500号商標の商標登録を維持する。
理由 第1 本件商標
本件登録第5863500号商標(以下「本件商標」という。)は、別掲1のとおりの構成からなり、平成27年8月10日に登録出願、第9類「アキュムレータボックス,蓄電池槽,蓄電池,蓄電池(乗物用),アシジメーター(電池用),バッテリーチャージャー,電池用充電器,電槽,陽極,陰極,陰極防食用電極,整流子,電気コンバーター,配電盤,電解槽,ガルヴァーニ電池,電池用グリッド,乗物用走行距離記録計,乗物運転技能訓練用シミュレーター,乗物用の速度検査装置,変圧器(電気用のもの),乗物用電圧調整器,電池,太陽電池,測定機械器具,配電用又は制御用の機械器具,回転変流機,調相機,電気通信機械器具,磁心,抵抗線,電極」並びに第4類、第12類、第37類及び第39類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品及び役務を指定商品及び指定役務として、同28年6月1日に登録査定、同年7月1日に設定登録されたものである。

第2 引用商標
本件登録異議の申立てにおいて、登録異議申立人(以下「申立人」という。)が引用する国際登録第1243742号商標(以下「引用商標」という。)は、別掲2のとおりの構成からなり、2014年(平成26年)9月16日にItalyにおいてした商標登録出願に基づいてパリ条約第4条による優先権を主張して、同年12月5日に国際商標登録出願され、第9類「Peripheral devices (computer); stand alone general purpose micro controller boards used for calculation and interface to low voltage electronic components, electromechanical components and electronic systems like personal computers, modems and wireless devices.」を指定商品として、平成27年11月13日に設定登録されたものである。

第3 登録異議申立ての理由
申立人は、本件商標はその指定商品及び指定役務中の第9類「全指定商品」について、商標法第4条第1項第11号、同項第15号及び同項第19号に該当するものであるから、同法第43条の2第1号により、その登録は取り消されるべきであると申立て、その理由を要旨以下のように述べ、証拠方法として甲第1号証ないし甲第9号証を提出した。
1 商標法第4条第1項第11号について
本件商標と引用商標は、無限大記号「∞」と「+」「-」を組み合わせた構成が軌を一にし、わずかに交差部分の差異と「+」「-」の配置を逆にしたにすぎず、外観上酷似し、また、「無限大と+-」といった観念を共通にするから、両商標は類似する。
また、両商標の指定商品は、いずれも電気機械器具の範躊に属するものであり、特に現代のようなITやモバイルが高度に発達し、IoTにより様々機器がインターネットにつながる時代にあっては、コンピュータ用周辺機器やマイクロコントローラーボードは、ネットワーク通信やモバイル電源が必要不可欠であり、電気通信機械器具や配電用又は制御用の機械器具とは極めて密接に関連する(甲3)。
そうとすれば、本件商標の指定商品は、現実には引用商標の指定商品と実質的に重複しており、本件のような酷似する商標を使用した場合には、出所の混同を生ずるおそれがあることは明らかである。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に該当する。
2 商標法第4条第1項第15号について
申立人は、引用商標を付したマイコン、ソフトウェア、基板等の電子機器について、2005年よりイタリアで販売を開始し(甲4)、遅くとも2008年には日本でも販売されていた(甲6)。これらの商品は、2008年10月までに5万ユニット以上、2011年2月で約15万台、2013年で約70万台が販売され、加えて、非公式クローンが同数以上販売されていると予測されている。
また、Arduinoプロジェクトは、2006年度のアルス・エレクトロニカ賞で名誉言及を受けている(甲4)。さらに、2010年以降のIoTの流行に伴い、センサーデバイスの1つとしてArduinoが大きな注目を集めており、また、世界各国で販売され、日本でもAmazonやその他オンラインショップ、パーツショップ等で購入が可能である(甲7?甲9)。
以上のことから、引用商標は、本件商標出願時において、少なくともイタリア及び我が国を含む世界各国において申立人の商品ないし業務を示すものとして周知となっていた。
本件商標と引用商標とは、外観及び観念において類似する商標である。
また、引用商標は、マイコン、ソフトウェア、基板に使用されており、プログラミングにより汎用マイコンとして様々な機器を制御可能である。特に、今後IoTが発達することを睨んで、制御デバイスとして注目を集めているところである。したがって、本件商標の指定商品に含まれるネットワーク通信やモバイル電源といった電気通信機械器具や配電用又は制御用の機械器具とは極めて密接に関連する商品である。
そうとすれば、本件商標をその指定商品に使用するときは、引用商標の使用商品との間に出所の混同を生ずるおそれがある。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第15号に該当する。
3 商標法第4条第1項第19号について
本件商標と引用商標とは、外観上酷似する。これほど酷似する商標が、密接な関連性を有する商品について、偶然採択されるということは、経験則上、考え難いことであり、本件商標は、引用商標に化体された名声、信用及び顧客吸引力にただ乗りすることで不正の利益を得、又は、出所の混同や品質の誤認等を生じさせて申立人に損害を生じさせることを目的として使用するものと推認される。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第19号に該当する。

第4 当審の判断
1 商標法第4条第1項第11号該当性について
(1)商標の類否
ア 本件商標
本件商標は、別掲1のとおり、無限大の記号を表す図形(交差する部分において僅かに隙間がある。)を大きく表し、その左の円輪郭内に「+」の記号を、また、右の円輪郭内に「-」の記号を、それぞれ配した構成よりなるものである。そして、本件商標は、構成全体がまとまりよく一体的に表されているものであるから、構成全体として、一種の幾何図形を表したと理解されるものとみるのが相当である。
したがって、本件商標は、これより、特定の称呼、観念を生じないものと認める。
イ 引用商標
引用商標は、別掲2のとおり、無限大の記号を表す図形を大きく表し、その左の円輪郭内に「-」の記号を、また、右の円輪郭内に「+」の記号を、それぞれ配した構成よりなるものである。そして、引用商標は、本件商標と同様、構成全体がまとまりよく一体的に表されているものであるから、構成全体として、一種の幾何図形を表したと理解されるものとみるのが相当である。
したがって、引用商標は、これより、特定の称呼、観念を生じないものと認める。
ウ 本件商標と引用商標との対比
本件商標と引用商標は、無限大の記号の図形において、交差する部分における隙間の有無、該図形の左右の輪郭内に配した「+」及び「-」の記号が左右反対であるといった細部において差異を有するとしても、無限大の記号を表す図形とその左右の輪郭内に、「+」及び「-」の記号を配したという、両商標の中核をなす部分において構成の軌を一にするものである。そうすると、本件商標と引用商標は、これらを時と所を異にして離隔的に観察した場合には、外観上互いに紛れるおそれがあるというべきである。
してみれば、本件商標と引用商標は、称呼及び観念において比較することができないとしても、外観において類似する商標といわなければならない。
(2)商品の類否
ア 引用商標の指定商品
引用商標の指定商品は、前記第2のとおり、第9類「Peripheral devices (computer); stand alone general purpose micro controller boards used for calculation and interface to low voltage electronic components, electromechanical components and electronic systems like personal computers, modems and wireless devices.」(参考和訳:コンピュータ用周辺機器,低電圧電子構成部品・電気機械式構成部品及び電子システム(例えばパーソナルコンピュータ・モデム及び無線装置)への計算用及びインターフェース用のスタンドアローン(独立)型の一般用のマイクロコントローラーボード)とするものである。
そして、「『商品及び役務の区分』に基づく類似商品・役務審査基準〔国際分類第10-2014版対応〕」(特許庁商標課編)によれば、第9類「電子応用機械器具及びその部品」中の「電子応用機械器具(「ガイガー計数器・高周波ミシン・サイクロトロン・産業用X線機械器具・産業用ベータートロン・磁気探鉱機・磁気探知機・地震探鉱機械器具・水中聴音機械器具・超音波応用測深器・超音波応用探傷器・超音波応用探知機・電子応用扉自動開閉装置・電子顕微鏡」を除く。)」(以下「電子応用機械器具(「ガイガー計数器」等を除く。)」という。)の項において、「電子計算機及びその周辺機器」、「集積回路」及び「大規模集積回路」が例示されていることからすれば、引用商標の指定商品は「電子応用機械器具(「ガイガー計数器」等を除く。)」の範ちゅうに属する商品であるといえる。
また、「電子応用機械器具及びその部品」は、「商品及び役務の区分解説〔国際分類第10版対応〕」(特許庁商標課編、以下「区分解説」という。)によれば、電子の作用を応用したもので、電子の作用をその機械器具の機能の本質的な要素としているものが該当するとされている。
イ 本件商標の指定商品
本件商標の指定商品中、本件登録異議の申立てに係る第9類の指定商品は、前記第1のとおりであるところ、該商品のうちの「アキュムレータボックス,蓄電池槽,蓄電池,蓄電池(乗物用),電槽,ガルヴァーニ電池,電池,太陽電池」は、いわゆる電池、化学的な反応や光などを利用して起電力を発生させることを目的とする商品であり、「アシジメーター(電池用),乗物用走行距離記録計,乗物用の速度検査装置,測定機械器具」は、ある量の大きさを、ある単位を基準として直接測定することを目的とする商品であり(区分解説)、「バッテリーチャージャー,電池用充電器,整流子,電気コンバーター,配電盤,変圧器(電気用のもの),乗物用電圧調整器,配電用又は制御用の機械器具,回転変流機,調相機」は、電力を配給、制御、変換、調整することを目的とする商品であり(区分解説)、「陽極,陰極,陰極防食用電極,電池用グリッド,磁心,抵抗線,電極」は、電気を流すための材料であり(株式会社岩波書店発行「広辞苑第六版」)、「電解槽」は、電気分解を行うことを目的とする商品であり(同辞書)、「乗物運転技能訓練用シミュレーター」は、乗物の運転技術を訓練することを目的とする商品であり、「電気通信機械器具」は、電気の作用をその機械器具の機能の本質的な要素にしている通信のための商品である(区分解説)と解される。
これより、本件商標の指定商品は、いずれも、電子の作用を応用したもの、又は電子の作用をその機械器具の機能の本質的な要素としているものとはいえない。
ウ 本件商標の指定商品と引用商標の指定商品との類否
上記ア及びイからすれば、本件商標の指定商品は、電子の作用をその機械器具の機能の本質的な要素とする「電子応用機械器具(「ガイガー計数器」等を除く。)」の範ちゅうに属する商品を含むものではない。
また、上記イで述べた本件商標の指定商品と上記アで述べた引用商標の指定商品の機能、性質、用途とは、その内容を異にし、それゆえに生産者、取引系統、需要者等を異にする場合が多い商品というべきものである。
そうすると、本件商標の指定商品と引用商標の指定商品に、同一又は類似の商標を付したとしても、同一営業主の製造又は販売に係る商品であるかのように、その出所について誤認、混同を生ずるおそれはないとみるのが相当である。
したがって、本件商標の指定商品と引用商標の指定商品は、非類似の商品といわなければならない。
この点に関し、申立人は、IoTにより様々機器がインターネットにつながる時代にあっては、コンピュータ用周辺機器やマイクロコントローラーボードは、ネットワーク通信やモバイル電源が必要不可欠であり、電気通信機械器具や配電用又は制御用の機械器具とは極めて密接に関連する旨主張する。
確かに、コンピュータ技術が急速に進歩した今日において、電気通信機械器具、自動車など様々な商品に半導体素子が内蔵されていることは周知の事実であり、マイクロコントローラーボードも汎用マイコンとして様々な機器を制御するために家電製品等に使用されているといえるし、また、コンピュータ用周辺機器やマイクロコントローラーボードは、ネットワーク通信やモバイル電源が必要不可欠であるといえる。
しかし、そのような事実があるとしても、例えば、半導体素子やマイコンを組み込んだ商品が存在するからといって、それらがすべて商標法上、類似の商品として取り扱われるわけではない。商品が類似するか否かは、商標法の目的等に照らし、商品の出所の混同を招くおそれがあるかどうかを基準にして判断すべきであり、商品の製造・販売が同一の事業者によって行われているのが一般的であるかどうか、商品の用途が一致するかどうか、商品の販売場所一致するかどうか、需要者の範囲が一致するかどうかなどの事情を総合的に考慮した上で、個別具体的に判断するのが相当であるところ、本件商標の指定商品と引用商標の指定商品とは、商品の機能、性質、用途等において異なる商品として市場において判然と区別されて取引されているものといえることから、申立人の上記主張は理由がない。
(3)以上によれば、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に該当しない。
2 商標法第4条第1項第15号該当性について
(1)引用商標の周知・著名性
ア 申立人の提出した証拠によれば、以下の事実を認めることができる。
(ア)甲第4号証には、「Arduinoボードは、2008年10月までに5万ユニット以上が、2011年2月で約15万台、2013年で約70万台(公式分のみ。加えて、非公式クローンが同数以上販売されていると予測されている)販売されている。Arduinoプロジェクトは2006年度のアルス・エレクトロニカ賞で名誉言及を受けている。」との記載がある。
(イ)甲第6号証には、「イタリア生まれのArduinoは、2008年10月の時点で5万枚が販売され、さらにユーザーを増やしています。オープンソースハードウェアとして、設計の情報はすべて公開されているので、互換機もたくさん存在します。・・そうした数を把握できないものまで含めると、5万台を優に超えるArduinoが世界のあちこちで使われているはずです。・・日本でも取り扱いショップが増え、気軽に購入できるようになりました。」との記載がある。
イ 上記アの記載によれば、引用商標を付したマイコン、ソフトウェア、基板等の電子機器(以下「申立人商品」という。)の上記アの販売数量は、世界各地におけるものと推認することができる。
しかし、申立人商品が本件商標の登録出願日(平成27年8月10日)前までに、我が国において、どの程度の販売数量があったのかは明らかではない。また、申立人は、本件商標の登録出願日前までに、引用商標を付した申立人商品に関し、我が国において、新聞・雑誌・インターネット等を介して継続的に宣伝広告をした事実を明らかにする証拠は提出していない。
してみれば、申立人の提出した証拠をもってしては、本件商標の登録出願日及びその登録査定日(平成28年6月1日)の時点において、引用商標が、申立人商品を表示するものとして、我が国の取引者・需要者の間に広く認識されていたものと認めることはできない。
(2)以上によれば、本件商標と引用商標とが外観において類似するとしても、上記(1)のとおり、引用商標は、申立人商品を表示するものとして、本件商標の登録出願日及びその登録査定日の時点において、我が国の取引者・需要者の間に広く認識されていた商標とは認めることができないものであるから、本件商標に接する取引者・需要者は、引用商標を想起・連想することはないというべきであって、本件商標をその指定商品について使用しても、該商品が申立人又はこれと何らかの関係を有する者の業務に係る商品であるかのように、商品の出所について誤認・混同を生じさせるおそれがあるものと認めることはできない。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第15号に該当しない。
3 商標法第4条第1項第19号該当性について
前記2のとおり、引用商標は、申立人商品を表示するものとして、本件商標の登録出願日及び登録査定日の時点において、我が国の取引者・需要者の間に広く認識されていた商標とは認めることができない。
また、引用商標が申立人商品を表示するものとして、本件商標の登録出願日及び登録査定日の時点において、外国の需要者の間に広く認識されていたと認めるに足りる証拠の提出はない。
してみると、本件商標は、引用商標に化体された名声、信用及び顧客吸引力にただ乗りするなど不正の目的をもって使用する商標であると認めることはできず、そのほか、本件商標が不正の目的をもって使用する商標であると認めるに足りる証拠の提出はない。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第19号に該当しない。
4 むすび
以上のとおり、本件商標の登録は、登録異議の申立てに係る指定商品について、商標法第4条第1項第11号、同項第15号及び同項第19号のいずれにも違反してされたものではないから、同法第43条の3第4項の規定に基づき、維持すべきものである。
よって、結論のとおり決定する。
別掲 別掲1(本件商標)


別掲2(引用商標)

異議決定日 2017-03-30 
出願番号 商願2015-76816(T2015-76816) 
審決分類 T 1 652・ 264- Y (W09)
T 1 652・ 222- Y (W09)
T 1 652・ 263- Y (W09)
T 1 652・ 262- Y (W09)
T 1 652・ 271- Y (W09)
T 1 652・ 261- Y (W09)
最終処分 維持 
前審関与審査官 加藤 百宇 
特許庁審判長 酒井 福造
特許庁審判官 田中 幸一
藤田 和美
登録日 2016-07-01 
登録番号 商標登録第5863500号(T5863500) 
権利者 ゴゴロ・インコーポレイテッド
商標の称呼 プラスマイナス 
代理人 鮫島 睦 
代理人 恩田 誠 
代理人 恩田 博宣 
代理人 勝見 元博 
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