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審決分類 審判 全部申立て  登録を維持 W1228
審判 全部申立て  登録を維持 W1228
管理番号 1327168 
異議申立番号 異議2016-900292 
総通号数 209 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標決定公報 
発行日 2017-05-26 
種別 異議の決定 
異議申立日 2016-09-12 
確定日 2017-04-03 
異議申立件数
事件の表示 登録第5856480号商標の商標登録に対する登録異議の申立てについて、次のとおり決定する。 
結論 登録第5856480号商標の商標登録を維持する。
理由 第1 本件商標
本件登録第5856480号商標(以下「本件商標」という。)は、「LONDON TAXI」の欧文字と、「ロンドンタクシー」の片仮名を、上下2段に書してなり、平成27年12月11日に登録出願、第12類「二輪自動車・自転車並びにそれらの部品及び附属品」及び第28類「幼児用三輪車」を指定商品として、同28年4月28日に登録査定、同年6月10日に設定登録されたものである。

第2 登録異議の申立ての理由
登録異議申立人(以下「申立人」という。)は、本件商標は、商標法第4条第1項第7号及び同第19号に該当するから、同法第43条の2第1号により、その登録は取り消されるべきであると申立て、その理由を要旨以下のように述べ、証拠方法として甲第1号証ないし甲第41号証を提出した。
1 引用商標について
申立人の業務に係る商品及び役務「乗用車の製造販売、旅客運送サービス等」を表示するものとして、以下の引用商標1及び引用商標2(以下まとめて「引用商標」という場合がある。)を引用するものである。
(1)引用商標1は、別掲1のとおり、円図形内に、「THE LONDON TAXI COMPANY」の文字を有してなるものである。
(2)引用商標2は、「London Taxi」、「LONDON TAXI」及び「ロンドンタクシー」の文字からなるものである。
2 引用商標の周知性について
(1)申立人及びその前身企業のロンドンタクシー事業(乗用車の製造販売、旅客運送サービス等)は、1947年まで遡る。
(2)申立人の使用に係る引用商標は、いずれも「LONDON TAXI」の欧文字を自他商品識別の際の要部とするものであり、申立人の業務に係る製品自体にはもちろん、商品、役務のカタログ(甲11)、販促用ポスター、広告のほか、商標権者の2013年9月9日付Facebookに記載されている国際自転車ショーの写真(甲9)にあるようなディスプレイ等においても使用されている。
(3)申立人は、本件商標の登録出願日前に、英国のほか、日本を含む世界各国及び地域において引用商標を使用している。
なお、申立人は、日本における総代理法人を通じて1990年代から引用商標に係る乗用車の我が国への輸入、販売を開始した。2011年からは、有限会社岩本モータース(以下「岩本モータース」という。)が輸入総代理として、乗用車の販売を行っている(甲11)。
(4)申立人は、「LONDON TAXI」の欧文字を含む商標について、本件商標の登録出願日前に、英国、シンガポール、オーストラリア及び欧州共同体(現EUIPO)において、第12類あるいは第28類を指定商品に含む商標登録を取得している(甲12ないし甲19)。
(5)宿泊予約サービスを提供している「Hotels.com」が、2007年から毎年調査していた世界30ヶ国のタクシーの安全性・価格・道の把握度・利便性・乗り心地・清潔さ・接しやすさについての意識調査において、ロンドンタクシー(LONDON TAXI)は少なくとも2007年から2013年までの6年連続で世界1位の評価を受けた(甲20)。
(6)米国のケーブルテレビ向けのニュース専門放送局であるCNNの旅行情報に係るウェブサイト上の2011年6月10日付けの記事「世界のベストタクシー10」において、申立人のロンドンタクシー(LONDON TAXI)は、世界1位と評価されている(甲21)。
(7)申立人の前身企業による車種、ナッフィールド・オックスフォード、オースチンFX3、オースチンFX4、フェアウェイをはじめとし、そしてそれらに連なる最新モデルTX4に一貫している利便性の高い車両(補助席を持つ広い客室、通常の乗用車より高い天井(シルクハットを着用したまま乗り降りできるように)、小回りの利く車体設計)は、他の乗用車とは明らかに異なる独自の特徴を有しており、(甲22ないし甲25)、それらは一貫して「LONDON TAXI」(ロンドンタクシー)と認識され、称されてきた。
上記の特徴を持つ申立人の乗用車は、新車では高額(1台800万円前後)であるにもかかわらず、英国はもとより、日本を含めた60以上の国々で販売されている。
日本においても、高級感のある乗物として人気が高く、結婚式、特別な行事の送迎、観光等の旅客運送サービス用のみならず、個人所有の乗用車としても購入されている(甲27ないし甲38)。
加えて、世界一難しいともいわれる試験を合格したロンドンタクシーのドライバーの高い技量・知識とサービス性(甲39、甲40)への信頼も伴って、「LONDON TAXI」(ロンドンタクシー)は高い信頼を得ている。
このように独特な車両とサービス内容とが相俟って、「LONDON TAXI」(ロンドンタクシー)は世界でも信頼性が高く、乗用車や旅客運送サービスの分野において、広く知られた商標となっている。
(8)上記のとおり、申立人の業務に係る乗用車や旅客運送サービスの分野に使用される引用商標は、本件商標の登録出願前において既に、英国及び世界並びに日本における該商品及び役務の需要者の間に広く認識されていたものと認められ、また、その周知性は、本件商標の登録査定時においても継続していたものである。
3 自動車メーカーの商標を付した自転車について
世界的な自動車メーカーの商標が、自動車のみならず自転車にも付して販売される事業形態は一般的に行なわれている(甲41)。
申立人もこれらのメーカーと同様に自転車、幼児用三輪車に引用商標(「LONDON TAXI」に係る商標やロゴ)を付して製造・販売することを、ある法人に許諾している。
しかし、申立人は、日本における自転車、幼児用三輪車の製造・販売はもちろん、商標「LONDON TAXI/ロンドンタクシー」の商標権の取得を、商標権者には許諾していない。
申立人とは全く関係のない商標権者が、申立人の商標と同一又は近似した本件商標の商標権を取得し、商標「LONDON TAXI」、「ロンドンタクシー」を付した自転車、幼児用三輪車の製造・販売等を行えば、日本の需要者に出所の誤認、混同を生じさせるとされるのが相当である。
4 本件商標と引用商標との類否について
本件商標と引用商標とは、文字部分のうち、その自他商品識別の際の要部たる「London Taxi」、「LONDON TAXI」の欧文字部分や「ロンドンタクシー」の片仮名が、称呼、観念において同一又は極めて近似しており、外観においてもほぼ同一または極めて近似している。
以上を総合勘案すれば、本件商標と引用商標の類似性は、極めて高いとされるのが相当である。
5 商標法第4条第1項第19号について
(1)本件商標の商標権者である株式会社ジェフリーズジャパンは、世界の自転車を取り扱う自転車販売業者である。そして、甲第3号証及び甲第4号証によれば、商標権者は、自己のウェブサイトやFacebookにおいて、「【London taxi】(ロンドンタクシー)ブランド紹介」と表示し「ブランド」であることを紹介し、【商品の推薦】において「国際高級ブランド部品」と表記するとともに、甲第3号証ないし甲第10号証には引用商標が付されている自転車や幼児用キックバイクを掲載し販売している。つまり、商標権者は自転車販売業者として、本件商標の出願前の2013年には既に「LONDON TAXI」が申立人等の商標であり、かつ、国際的に周知性を得ていることを認識していることは明確である。
(2)本件商標の商標権者の2013年9月9日のFacebook(甲9)によれば、商標権者は上海での国際自転車ショーに参加し、取引される自転車の商品について知見を得ていたことは明らかである。
(3)上記のことから、商標権者は自転車販売業者として、遅くとも2013年には英国及び世界並びに日本における乗用車、旅客運送サービス、自転車、幼児用三輪車、ヘルメット等の周辺商品に係る市況について相当程度の知見を有しており、本件商標の登録出願前から引用商標が申立人の業務に係る自転車、幼児用三輪車、ヘルメット等の周辺商品について使用されている商標であることを十分に知り得たと推認できる。
加えて、申立人は、商標権者に対し、本件商標を登録出願することについて承諾していない。
以上述べたことに、引用商標が、本件商標の登録出願時既に、申立人の業務に係る商品を表示するものとして、英国及び世界並びに日本の需要者の間に広く認識されていたこと、本件商標と引用商標とは、同一又は極めて類似性の高い商標であること、などを併せ考慮すると、本件商標の商標権者は、本件商標の登録出願当時、英国及び世界並びに日本において引用商標が広く知られていることを十分に知りながら、いまだ引用商標が我が国において商標登録されていないことを奇貨として先取りし、剽窃的に本件商標を登録出願し、その登録を受けたものであることは明らかである。
(4)小括
以上によれば、本件商標は、英国及び世界のみならず日本の需要者の間にも広く認識されている引用商標と類似するものであり、引用商標の名声、周知性等に便乗し、不正の利益を得る目的をもって使用するものというべきである。
したがって、本件商標は、その登録出願時及び登録査定時において、商標法第4条第1項第19号に該当するものである。
6 商標法第4条第1項第7号について
商標権者は、上述のように、申立人及び引用商標の存在を熟知していたものというべきであるところ、申立人の提携法人(製造販売元)の一顧客にすぎない同人が、申立人に無断で、製造販売元の提携ブランドたる申立人の引用商標に同一又は類似する本件商標を先取り的に登録出願することは商道徳的に許されることではなく、国際信義上も好ましくない。
そうすると、本件商標は、申立人から許諾を受けていない商標権者が、申立人が商標登録をしていないことを奇貨として先取り的・剽窃的に商標出願したものであり、本件商標の登録が維持されれば、「LONDON TAXI」、「ロンドンタクシー」という商標を信用し商品を購入した需要者に不利益を与える可能性もある。
してみれば、申立人より先に「LONDON TAXI/ロンドンタクシー」の商標権を本件商標に係る指定商品について取得することは、申立人及びその前身法人によって長年蓄積してきた「LONDON TAXI」にかかる信用に商標権者がただ乗りするものであり、公正な取引秩序を乱すとされるのが相当である。
したがって、本件商標は、その登録出願時及び登録査定時において、商標法第4条第1項第7号に該当するものである。

第3 当審の判断
1 商標法第4条第1項第19号該当性について
(1)引用商標の著名性
ア 申立人の提出した証拠及び申立ての理由からすると、以下のとおりである。
(ア)商標権者は、自身のウェブサイトにおいて、別掲2のとおり、オレンジ色で、縦長のひし形図形と、横長のひし形図形を上下に組み合わせ、その下方のひし形図形内に「JEFFERYS」の欧文字を白色で配した構成からなる標章(以下「商標権者標章」という。)並びに「LONDON TAXI」、「London Taxi」、「London taxi」及び「ロンドンタクシー」の文字を、商品「自転車」及び「ヘルメット」と共に表示している(甲3?甲10)。
また、引用商標1と同色又は色が相違する標章を、商品「自転車」と共に表示している(甲5、甲6、甲9、甲10)。
(イ)商標権者のウェブサイトにおいて、Facebookに「2013年上海で国際自転車ショー」として、追加した写真の掲載があり、該写真には、商標権者標章と引用商標が同じ出展ブース内に掲示されている(甲9)。
(ウ)岩本モータースのウェブサイトにおいて、引用商標が表示されている(甲11)。
(エ)申立人は、「LONDON TAXI」の欧文字を含む商標について、オーストラリア、欧州連合、シンガポール及び英国において、第12類「自動車並びにそれらの部品及び附属品」等あるいは第28類「おもちゃ,運動用具」等を指定商品に含む商標登録出願及び商標登録を取得している(甲12ないし甲19)。
(オ)「共同通信PRワイヤー」のウェブサイトにおいて、「ホテルズドットコム/◎Hotels.comのタクシー調査、ロンドンが第1位!」の見出しの下、「ホテルズドットコム ジャパン」の項において、「オンラインホテル予約サイト世界大手のHotels.com(R)は、毎年恒例のタクシー調査を実施し、ロンドンのタクシーが6年連続で世界1位に選ばれたと発表しました。ロンドンは全体の22%を見事に獲得し、2位にはニューヨーク(10%)、そして3位にはアジアで唯一TOP3に東京(9%)がランクインしました。」、「初めてから6年、そして旅行者に対して引き続きロンドンのタクシーが1位ということは素晴らしいことです。ロンドンのシンボルにもなる黒のハックニーキャリッジ、そして知識豊富のタクシー運転手は世界から運転の知識と質を認められており、誇りに思って良いかと思います。」及び「『タクシー調査』について」の項に、「世界30カ国の2,683名を対象に『道の把握度』『価格』『利便性』『安全性』『乗り心地』『清潔さ』『接しやすさ』の7つの項目で調査を実施。」の記載がある(甲20)。
(カ)「Shi Jie nobesutotakusi 10|CNN Travel」のウェブサイトにおいて、「世界のベストタクシー10/海外のタクシーを乗り比べてみてはいかが?」の見出しの下、「1.ロンドンタクシー」の項に、「公式にHackneyと呼ばれるロンドンの黒色タクシーは、イギリスの一流博学者により運転されている。・・・ロンドンの代名詞と言えるこれら大きな黒色タクシーは、嬉しいことに乗客5人と人数分のスーツケースを収納できる」等の記載がある(甲21)。
(キ)その他、ロンドンタクシーが、通常の乗用車より高い天井や、小回りの利く車体設計等の車両の特徴を有している内容を含め、日本語のウェブサイトにおいて紹介されている記事や写真がある(甲23?甲25、甲27?甲38)。
(ク)申立人の和訳によれば、「London Taxi Company sells 400 cabs to Saudi Arabia - BBC News」のウェブサイトにおいて、「ロンドンタクシーカンパニーはサウジアラビアに400台販売」の見出しの下、「コベントリーに本拠を置くブラックタクシーメーカーは、400台のタクシーをサウジアラビアに販売することになっています。」の記載がある(甲26)。
(ケ)「PEUGEOT」、「BMW」、「RENAULT」及び「FIAT」の自動車メーカーの商標を付した自転車が販売されている(甲41)。
イ 上記アからすると、申立人は、オーストラリア、欧州連合、シンガポール及び英国において、「LONDON TAXI」の文字を含む商標を、第12類又は第28類等の商品を指定商品として、登録出願若しくは商標登録している法人である。
また、「ロンドンタクシー」について、甲第20号証では、タクシー調査を実施し、ロンドンのタクシーが6年連続で世界1位に選ばれたことや、甲第21号証では、ドライバーの知識の高さを挙げているが、これらは「ロンドンタクシー」の「接しやすさ」、「安全性」及び「ドライバーの知識の高さ」等が評価されたものというべきであり、申立人の業務自体が評価されたものということはできない。
さらに、ウェブサイトにおいて、「ロンドンタクシー」の情報が掲載されているとしても、これは、「ロンドンのタクシー」が紹介されているにすぎず、申立人の業務に係る商品を表すものとして、需要者がどの程度認識しているのか不明であり、申立人の業務に係る商品及び役務を表すものとして、引用商標が使用された実績を裏付ける証左とはならない。
なお、申立人は、日本における代理店を通じて、引用商標に係る乗用車の我が国への輸入、販売を行っている旨を主張している。
しかしながら、我が国の代理店であるとする「岩本モータース」が、自動車を販売している事実や、「ロンドンタクシーカンパニー」が、サウジアラビアへ400台のタクシーを販売した事実がうかがえるとしても、申立人と岩本モータースが代理店契約を締結している事実や、申立人が、我が国又は外国において引用商標を使用した商品の販売及び広告の事実及び実績等について記載した証拠はない。
その他、申立人が提出した全証拠からは、引用商標を使用した商品の売上高、引用商標に係る宣伝広告の回数や期間、広告費などを具体的に立証するものがなく、引用商標が使用された事実を客観的に把握することができない。
してみれば、引用商標は、いずれも、本件商標の登録出願時ないし登録査定時はもとより現在においても、申立人の業務に係る商品及び役務を表示するものとして、我が国又は外国における需要者の間に広く認識されているものと認めることはできないと判断するのが相当である。
(2)本件商標と引用商標との類似性について
本件商標と引用商標とは、共に「LONDON TAXI」又は「ロンドンタクシー」の文字を要部とするものであり、該文字に相応して、「ロンドンタクシー」の称呼及び「ロンドンのタクシー」の観念を同一にするものである。
したがって、本件商標と引用商標は、外観において、構成文字を共通にし、称呼及び観念を同一にするものであり、相紛れるおそれのある類似の商標というべきである。
(3)不正の目的について
申立人は、甲第3号証ないし甲第10号証をもって、商標権者が不正の目的をもって本件商標を使用するものである旨を主張している。
しかしながら、甲第5号証及び甲第9号証の2013年上海における国際自転車ショーの写真には、引用商標1とともに、商標権者標章が、同じ自転車の展示用ブース内に掲示されており、申立人と商標権者は何らかの関係がうかがえるものであり、たとえ、商標権者が引用商標を知っていたとしても、前記(1)のとおり、引用商標は、需要者の間に広く認識されているものとは認められないことからすれば、商標権者による引用商標の使用が、その著名性に便乗するものともいえず、直ちに不正の目的をもって使用するものということはできない。
また、実際にどのような不正の目的があったか具体的な主張はなく、申立人は、これら不正の目的についての証拠の提出もない。
その他、商標権者が不正の目的をもって、本件商標を使用するものであることを、認め得る事実を見いだすことができない。
さらに、申立人は、自動車メーカーの商標を付した自転車が販売されている事実をあげて、本件商標を、商品「自転車、幼児用自転車」に使用したときは、申立人の業務に係る商品であると日本の需要者に出所の誤認、混同を生じさせる旨、主張しているが、申立人の提出した全証拠によっては、申立人が自動車を製造、販売していることの証左はなく、申立人が、自動車メーカーとして、我が国又は外国における需要者の間に広く認識されているものとも認めることはできないから、申立人の上記主張は採用できない。
(4)小括
そうすると、本件商標と引用商標が類似の商標であるとしても、引用商標の周知性は認められず、かつ、本件商標が不正の目的をもって使用をするものということもできない。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第19号に該当しない。
2 商標法第4条第1項第7号該当性について
申立人は、本件商標は、申立人から許諾を受けていない商標権者が、申立人が商標登録をしていないことを奇貨として先取り的、剽窃的に商標出願したものであるから、本件商標は、商標法第4条第1項第7号に該当する旨を主張している。
ところで、商標法第4条第1項第7号は、「公の秩序又は善良の風俗を害するおそれがある商標」に該当する商標について、商標登録を受けることができないと規定しているところ、これに該当する商標は、「(a)その構成自体が非道徳的、卑わい、差別的、矯激若しくは他人に不快な印象を与えるような文字又は図形である場合、(b)当該商標の構成自体がそのようなものでなくとも、指定商品又は指定役務について使用することが社会公共の利益に反し、社会の一般的道徳観念に反する場合、(c)他の法律によって、当該商標の使用等が禁止されている場合、(d)特定の国若しくはその国民を侮辱し、又は一般に国際信義に反する場合、(e)当該商標の登録出願の経緯に社会的相当性を欠くものがあり、登録を認めることが商標法の予定する秩序に反するものとして到底容認し得ないような場合、などが含まれるというべきである。」(知財高裁平成17年(行ケ)第10349号 平成18年9月20日判決参照)と解されるものである。
そして、本件商標は、前記第1の構成からなるものであって、その構成自体が非道徳的、卑わい、差別的、矯激若しくは他人に不快な印象を与えるような構成態様ではないことは明らかである。
また、本件商標を、その指定商品について使用することが社会公共の利益に反し、社会の一般的道徳観念に反するということもできず、他の法律によってその使用が禁止されているものでもない。
さらに、申立人が提出した証拠及び主張からは、特定の国若しくはその国民を侮辱し、又は一般に国際信義に反する場合に当たるとはいえない。
加えて、前記1(3)のとおり、商標権者は、不正の目的をもって本件商標を使用しているとは認められないことからすれば、本件商標の登録出願の経緯が、社会的相当性を欠くものがあり、登録を認めることが商標法の予定する秩序に反するものとして到底容認し得ないような場合に当たるともいえない。
なお、申立人は、商標権者が申立人の提携法人(製造販売元)の顧客であり,商標権者に対し本件商標に係る登録出願及び商標権取得を承諾又は許諾していない旨を主張するが、本件商標権の取得に係る問題は、当事者同士の私的な問題として解決すべきであり、公益に反する事情には該当しないというべきである。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第7号に該当しない。
3 むすび
以上のとおり、本件商標の登録は、商標法第4条第1項第7号及び同第19号に違反してされたものではないから、同法第43条の3第4項の規定により、その登録を維持すべきものとする。
よって、結論のとおり決定する。
別掲 別掲
1 引用商標1(色彩については、甲第2号証を参照。)


2 商標権者標章(色彩については、甲第4号証を参照。)


異議決定日 2017-03-24 
出願番号 商願2015-128234(T2015-128234) 
審決分類 T 1 651・ 222- Y (W1228)
T 1 651・ 22- Y (W1228)
最終処分 維持 
前審関与審査官 小松 孝 
特許庁審判長 山田 正樹
特許庁審判官 榎本 政実
大井手 正雄
登録日 2016-06-10 
登録番号 商標登録第5856480号(T5856480) 
権利者 株式会社ジェフリーズジャパン
商標の称呼 ロンドンタクシー 
代理人 名古屋国際特許業務法人 
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