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審決分類 審判 全部申立て  登録を取消(申立全部取消) W44
管理番号 1327164 
異議申立番号 異議2015-900324 
総通号数 209 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標決定公報 
発行日 2017-05-26 
種別 異議の決定 
異議申立日 2015-10-16 
確定日 2017-01-16 
異議申立件数
事件の表示 登録第5778501号商標の商標登録に対する登録異議の申立てについて、次のとおり決定する。 
結論 登録第5778501号商標の商標登録を取り消す。
理由 第1 本件商標
本件登録第5778501号商標(以下「本件商標」という。)は,「ALLURE」の欧文字と「アリュール」の片仮名とを上下二段に横書きしてなり,平成26年11月7日に登録出願,第44類「美容,理容,エステティック美容(痩身,脱毛,美顔,まつ毛カール含む。),スキンケア美容,ネイルケア美容,アロマオイルを使用する美容」を指定役務として,同27年2月18日に登録査定,同年7月17日に設定登録されたものである。

第2 引用商標
登録異議申立人(以下「申立人」という。)が,登録異議の申立ての理由において引用する登録商標は,以下の6件であり,いずれも現に有効に存続しているものである。
(1)登録第3274625号商標(以下「引用商標1」という。)は,「ALLURE」の欧文字を横書きしてなり,平成4年12月28日に登録出願,第3類「せっけん類,香料類,化粧品,かつら装着用接着剤,つけづめ,つけまつ毛,つけまつ毛用接着剤,歯磨き,家庭用帯電防止剤,家庭用脱脂剤,さび除去剤,染み抜きベンジン,洗濯用漂白剤,洗濯用でん粉のり,洗濯用ふのり,つや出し剤,研磨紙,研磨布,研磨用砂,人造軽石,つや出し紙,つや出し布,靴クリーム,靴墨,塗料用剥離剤」を指定商品として,同9年4月4日に設定登録され,その後,同19年3月6日に商標権の存続期間の更新登録がされたものである。
(2)その他の登録商標
ア 登録第2064706号商標(以下「引用商標2」という。)は,別掲1のとおりの構成からなるものである。
イ 登録第3160748号商標(以下「引用商標3」という。)は,別掲2のとおりの構成からなるものである。
ウ 登録第4728836号商標(以下「引用商標4」という。)は,「ALLURE HOMME」の欧文字を標準文字で表してなるものである。
エ 登録第4803288号商標(以下「引用商標5」という。)は,「ALLURE HOMME SPORT」の欧文字を標準文字で表してなるものである。
オ 登録第4836249号商標(以下「引用商標6」という。)は,「ALLURE SENSUELLE」の欧文字を標準文字で表してなるものである。
以下,これらをまとめていうときは「引用商標」という。

第3 登録異議の申立ての理由
申立人は,本件商標は商標法第4条第1項第15号及び同第19号に該当するから,同法第43条の2第1号により,その登録は取り消されるべきであると申立て,その理由を要旨以下のように述べ,証拠方法として甲第1号証ないし甲第13号証(枝番を含む。)を提出した。
1 商標法第4条第1項第15号違反
本件商標は,その出願前から申立人の業務に係る商品を表示するものとして著名となっている引用商標1ないし6の「ALLURE」部分と同一の欧文字の綴り字とその欧文字から生じる同一の称呼「アリュール」を二段書きにした構成よりなるものであり,引用商標との類似性の程度が極めて高いものである。
また,本件商標の指定役務である「美容,理容,エステティック美容(痩身,脱毛,美顔,まつ毛カール含む。),スキンケア美容,ネイルケア美容,アロマオイルを使用する美容」は,ファッションと密接な関係を有する役務であり,申立人の「ALLURE」が著名性を獲得している「化粧品」とはその点において互いに共通性を有し,需要者等の範囲が一致する。このため,商標権者が本件商標をその指定役務に使用する場合には,これに接する取引者,需要者は,著名な申立人の引用商標を連想し,当該役務が恰も申立人となんらかの関係を有する者の取扱いに係る商品であるかの如く誤って認識し,出所の混同を生じるおそれがある。
したがって,本件商標は,商標法第4条第1項第15号に該当する。
2 商標法第4条第1項第19号違反
本件商標は,その出願前から申立人の業務に係る商品を表示するものとして著名となっている引用各商標の「ALLURE」部分と同一の欧文字の綴り字とその欧文字から生じる同一の称呼「アリュール」を二段書きにした構成よりなるものであり,引用商標と類似する商標である。また申立人の著名な引用商標と類似する本件商標は,不正の目的をもって使用するものと推認される。したがって,商標権者は,申立人の引用商標の著名性に便乗して不当の利益を得,その顧客吸引力及び識別力を希釈し又は申立人の業務を妨害することを目的として出願したものであって,不正の目的をもって使用するものである。
したがって,本件商標は,商標法第4条第1項第19号に該当する。

第4 本件商標に対する取消理由
本件商標権者に対して,平成28年9月21日付けで通知した本件商標の取消理由(要旨)は,以下のとおりである。
1 商標法第4条第1項第15号該当性について
申立人の提出に係る甲各号証によれば,本件登録異議の申立ては,その理由があるものと判断される。
(1)証拠について
証拠によれば,申立人が自己の商品に使用する商標について,以下のことが確認できる。
ア パンフレット類
(ア)1999年3月ないし2012年6月に発売された申立人の「香水」等の商品に係る複数のパンフレットには,「ALLURE」の商標が使用されるとともに,それらの商品についての記載があり,また,その商品の写真が掲載されている(甲8の3?9)。
(イ)2013年の申立人の商品に係るパンフレットには,「ALLURE」の商標が使用されるとともに,商品の「口紅」の写真が掲載されている(甲8の10)。
イ 「香水」などの化粧品類を特集した雑誌,事典,図鑑類
(ア)「CHANELER’S COLLECTION」(ジャパン・ミックス株式会社,1996年発行)には「ALLURE」の商標が使用された商品「香水」が「アリュール」の商品名で掲載されている(甲8の13)。
(イ)「マップルマガジン 香水」(株式会社昭文社,1996年発行)には,「ALLURE」の商標が使用された商品「香水」が「アリュール」の商品名で掲載されている(甲8の14)。
(ウ)「香水ベスト・セレクション」(株式会社三心堂出版社,1997年発行)には,「ALLURE」の商標が使用された商品「香水」が「アリュール」の商品名で掲載されている(甲8の15)。
(エ)「香水の事典」(成美堂出版,1997年発行)には,「ALLURE」の商標が使用された商品「香水」が「アリュール」の商品名で掲載されている(甲8の16)。
(オ)「2000年度版 香水図鑑」(株式会社学習研究社,1999年発行)には,「ALLURE」の商標が使用された商品「香水(男性用)」が「アリュール」の商品名で掲載されている(甲8の17)。
(カ)「2001年度版 香水図鑑」(株式会社学習研究社,2001年発行)には,「ALLURE」の商標が使用された商品「香水」が「アリュール」の商品名で掲載されている(甲8の18)。
(キ)「2002年度版 香水図鑑」(株式会社学習研究社,2002年発行)には,「ALLURE」の商標が使用された商品「香水」が「アリュール」の商品名で掲載されている(甲8の19)。
(ク)「男と女の香水選び完全FILE」(株式会社ヌーベルグー,2002年発行)には,「ALLURE」の商標が使用された商品「香水(男性用)」が「アリュール」の商品名で掲載されている(甲8の20)。
(ケ)「CHANEL SUPER COLLECTION」(株式会社交通タイムス社,2002年発行)には,「ALLURE」の商標が使用された商品「香水(男性用)」が「アリュール」の商品名で掲載されている(甲8の21)。
(コ)「Grand Magasin」(日之出出版株式会社,1997年発行)には,「ALLURE」の商標が使用された商品「香水」が「アリュール」の商品名で掲載されている(甲8の22)。
(サ)「世界の一流品大図鑑’99」(株式会社講談社,1999年発行)には,「ALLURE」の商標が使用された商品「香水(男性用)」が「アリュール」の商品名で掲載されている(甲8の25)。
(シ)「世界の一流品大図鑑2000年版」(株式会社講談社,2000年発行)には,「ALLURE」の商標が使用された商品「香水」が「アリュール」の商品名で掲載されている(甲8の26)。
ウ 申立人の商品が宣伝広告等されている雑誌類
以下に示す雑誌類によれば,申立人の取扱いに係る商品に「ALLURE」の商標が使用され,もしくは「アリュール」の商品名が使用されて,宣伝広告がされていることが確認できる。
(ア)商品「香水」に関するもの
「marie claire Japon」(中央公論社,1997年発行,甲8の11),「SPUR」(株式会社集英社,1996年発行,甲8の12・51),「Grand Magasin」(日之出出版株式会社,2000年発行,甲8の24)。
(イ)商品「香水」(男性用)に関するもの
「Gainer」(1999年,2012年,2014年発行,甲8の23・92・124),「ELLE JAPON」(2010年,甲8の71),「CREA」(2012年,甲8の85),「MEN’S Precious」(2012年,甲8の87),「Chronos」(2012年,甲8の88),「Smart」(2012年,甲8の89),「Numero TOKYO」(2012年,甲8の90),「Cut」(2012年,甲8の91),「HUgE」(2014年,甲8の125),「MEN’S CLUB」(2014年,甲8の137)。
(ウ)商品「口紅」に関するもの
「VOCE」(2010年,2011年,2012年,2014年,甲8の29・57・74・117・120・129・135),「ELLE girl」(2009年,2013年,甲8の34・105・109),「FIGARO」(2009年,甲8の35),「婦人画報」(2009年,2014年,甲8の37・133),「JJ」(2009年,甲8の38),「Harper’sBAZAAR」(2009年,甲8の41),「eclat」(2009年,甲8の42),「mina」(2009年,2013年,甲8の44・108),「AneCan」(2009年,2010年,2012年,2013年,2014年,甲8の45・70・83・96・98・130),「Domani」(2010年,2011年,甲8の30・56),「VOGUE」(2010年,甲8の59),「In Red」(2010年,甲8の60),「BAILA」(2010年,甲8の63),「Numero TOKYO」(2010年,2011年,2012年,2013年,2014年,甲8の66・79・81・93・136),「家庭画報」(2010年,甲8の67),「MISS」(2010年,2012年,甲8の69・94),「GINGER」(2010年,甲8の31),「CLASSY」(2010年,2013年,甲8の68・106),「25ans」(2011年,甲8の77),「priv.」(2011年,2013年,甲8の78・107),「FRaU」(2011年,2012年,2014年,甲8の80・97・134),「FUDGE」(2012年,2013年,甲8の82・104),「&Premium」(2014年,甲8の99),「SPUR」(2014年,甲8の100),「Hanako」(203年,甲8の102),「CREA」(2014年,甲8の115・121),「with」(2014年,甲8の116),「MAQUIA」(2014年,甲8の118・126),「美的」(2014年,甲8の119),「CREA Traveller」(2014年,甲8の121),「anan」(2014年,甲8の127・128),「Sweet」(2014年,甲8の131),「VOGUE」「OGGI」「ELLE」とのタイアップ広告(2012年,甲8の138)。
(エ)商品「アフターシェーブモイスチャライザー」等に関するもの
「SWITCH」(2009年,甲8の32),「UOMO」(2009年,甲8の36),「GAINER」(2010,甲8の58)。
(2)引用商標1の著名性について
上記(1)イに摘示した甲第8号証に係る雑誌,事典,図鑑類は,主に,化粧品や美容に関心を有する成人の女性需要者が購読したり,閲覧することが多いといえる比較的有名な香水や,時計,バッグ,装飾品,化粧品などの世界の一流品を掲載した事典,図鑑類及び1996年から2014年にかけて刊行された雑誌類等であり,これらに,引用商標及びその片仮名表示である「アリュール」が使用された申立人の商品が掲載されている。
また,1997年から2014年までの多数の雑誌類において,引用商標1及びその片仮名表示である「アリュール」が使用された申立人の商品が宣伝広告等されている。
してみれば,これらを総合考慮すれば,引用商標1及びその片仮名表示である「アリュール」は,申立人の業務に係る商品「香水」,「口紅」などに使用する商標として本件商標の商標登録出願前から我が国における取引者,需要者の間において広く知られ,著名となっていたことが認められるものであり,その著名性が本件商標の登録査定時においても継続していたといえるものである。
(3)本件商標と引用商標1の類似性の程度
本件商標は,「ALLURE」の欧文字と「アリュール」の片仮名とを上下二段に書してなるものであるところ,その構成文字は,上記(2)で認定した,申立人の業務に係る商品「香水」,「口紅」などに使用する商標として本件商標の商標登録出願前から我が国における取引者,需要者の間において広く知られている著名商標と同じものと認められるものである。
してみれば,本願商標は,その構成文字に相応して,「アリュール」の称呼を生じるものであり,「香水等のブランドとしての『アリュール』」程の観念を生じるというべきである。
他方,引用商標1は,「ALLURE」の欧文字よりなるところ,これからは,「アリュール」の称呼を生じるものである。
そして,上記(2)で認定したとおり,引用商標1は,その著名性に照らして,「香水等のブランドとしての『アリュール』」程の観念を生じるというのが自然である。
してみれば,本件商標と引用商標1とは,その構成において「ALLURE」の欧文字を共通にし,「アリュール」の称呼及び「香水等のブランドとしての『アリュール』」の観念を共通にする類似性の程度が極めて高い商標というべきである。
(4)本件商標の指定役務と引用商標1が使用されている商品の関連性
本件商標の指定役務は,容貌,容姿や髪型を美しくすることを目的に提供される美容等に関する役務であり,これらの役務には「香水」を始めとする化粧品が使用されることが当然であることから,いずれも美容の向上や回復等を目的とする役務や商品であり,本件商標の美容等に係る指定役務と,申立人の業務に係る商品「香水」,「口紅」などの化粧品とは互いに美容に関するものとして密接な関連性を有するものである。
(5)取引者及び需要者の共通性
本件商標の「美容」等に関する指定役務と,引用商標1が使用されている「香水」,「口紅」などの「化粧品」とは主に成人女性という需要者層を共通にするものである。
また,甲第13号証(枝番を含む。)によれば,株式会社資生堂や株式会社ポーラなどの化粧品メーカーがエステティックサロンを営んでいることが一般的な取引の実情として認められるところでもある。
(6)出所の混同について
してみれば,本件商標がその指定役務に使用されるときには,これに接する取引者,需要者は,申立人が使用する高い著名性を有する引用商標1及び「アリュール」の片仮名よりなる商標を連想,想起し,当該役務が申立人又は同人と経済的若しくは組織的に何らかの関係を有する者の業務に係る役務であるかのように,その出所について混同を生ずるおそれがあるというべきである。
2 結論
したがって,本件商標は商標法第4条第1項第15号に違反して登録されたというべきである。

第5 本件商標権者の意見
本件商標について,上記第4の取消理由を通知し,相当の期間を指定して意見書を提出する機会を与えたが,本件商標権者は,何ら意見を述べるところがない。

第6 当審の判断
本件商標についてした前記第4の取消理由は,妥当なものと認められるものである。
したがって,本件商標の登録は,商標法第4条第1項第15号に違反してなされたものであるから,同法第43条の3第2項により,その登録を取り消すべきものである。
よって,結論のとおり決定する。
別掲 別掲1(引用商標2)


別掲2(引用商標3)




異議決定日 2016-11-25 
出願番号 商願2014-93632(T2014-93632) 
審決分類 T 1 651・ 271- Z (W44)
最終処分 取消 
前審関与審査官 吉沢 恵美子 
特許庁審判長 山田 正樹
特許庁審判官 井出 英一郎
榎本 政実
登録日 2015-07-17 
登録番号 商標登録第5778501号(T5778501) 
権利者 緒方 愛
商標の称呼 アリュール 
復代理人 佐藤 俊司 
復代理人 塩月 秀平 
復代理人 池田 万美 
代理人 稲葉 良幸 
復代理人 宮川 美津子 
代理人 田中 克郎 
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