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審決分類 審判 一部申立て  登録を維持 W06
審判 一部申立て  登録を維持 W06
審判 一部申立て  登録を維持 W06
審判 一部申立て  登録を維持 W06
管理番号 1327160 
異議申立番号 異議2016-900324 
総通号数 209 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標決定公報 
発行日 2017-05-26 
種別 異議の決定 
異議申立日 2016-10-07 
確定日 2017-03-30 
異議申立件数
事件の表示 登録第5864755号商標の商標登録に対する登録異議の申立てについて、次のとおり決定する。 
結論 登録第5864755号商標の商標登録を維持する。
理由 1 本件商標
本件登録第5864755号商標(以下「本件商標」という。)は、「HEco」の文字を標準文字で表してなり、平成27年8月4日に登録出願、第6類「金属製管,金属製真空断熱管,液体及びガスの貯蔵並びに輸送に用いる金属製シリンダー,液体及びガスの貯蔵並びに輸送に用いる金属製貯蔵槽類,高圧ガスまたは圧縮液用金属製シリンダー(空のもの),高圧ガスまたは圧縮液用金属製タンク(空のもの),鉄鋼二次製品,鉄及び鋼,非鉄金属及びその合金,金属製包装用容器,金属製貯蔵槽類,液体貯蔵槽,ガス貯蔵槽」を指定商品として、同28年6月23日に登録査定、同年7月8日に設定登録されたものである。

2 引用商標
(1)登録異議申立人(以下「申立人」という。)が、本件商標は商標法第4条第1項第11号に該当するとして引用する国際登録第960572号商標(以下「引用商標」という。)は、「HENCO」の欧文字を横書きしてなり、2007年(平成19年)6月13日にBeneluxにおいてした商標登録出願に基づいてパリ条約第4条による優先権を主張し、2007年11月21日に国際商標登録出願、第6類「Common metals and their alloys」を含む,第6類,第17類,第19類,第35類及び第39類に属する国際登録に基づく商標権に係る商標登録原簿に記載の商品及び役務を指定商品及び指定役務として、平成21年8月21日に設定登録されたものであり、その商標権は現に有効に存続しているものである。
(2)また、申立人が、本件商標は商標法第4条第1項第15号に該当するとして引用する商標は、次のア及びイのとおりであり(以下、それらをまとめて「使用商標」という。)、申立人が「金属製・樹脂製の管」(以下「申立人商品」という。)などについて使用し、我が国の取引者又は需要者の間で周知であるとするものである。
ア 「HENCO」の文字からなる商標(引用商標と同じ態様。以下「使用商標1」という。)。
イ 別掲のとおりの構成からなる商標(以下「使用商標2」という。)。

3 登録異議の申立ての理由
申立人は、本件商標は、その指定商品中の第6類「金属製管」について、商標法第4条第1項第11号及び同項第15号に該当するものであるから、その登録は同法第43条の2第1号により取り消されるべきであると申し立て、その理由を要旨次のように述べ、証拠方法として甲第1号証ないし甲第40号証を提出した。
(1)商標法第4条第1項第11号について
ア 本件商標
本件商標は、同書・同大・同間隔で「HEco」と全て欧文宇で書された商標である。
イ 引用商標
引用商標は、同書・同大・同間隔で「HENCO」と全て欧文字で書された商標である。
ウ 外観の対比
本件商標「HEco」と引用商標「HENCO」を比較すると、いずれも同書・同大・同間隔の欧文字からなる点で共通する。
また、スペルにおいて「N」の有無の違いはあるものの、「HE」と「CO」を共通にする。
つまり、本件商標は、引用商標「HENCO」から中間にある「N」一文字を抜き取って、「co」を小文字に変えただけの商標であり、本件商標と引用商標は外観において類似する。
なお、「co」が小文字であるか大文字であるかは、外観における類否判断に影響を与えるような差異でない。
エ 称呼の対比
本件商標からは「ヘコ」、引用商標からは「ヘンコ」の称呼が生じる。
そこで、両称呼を対比すると、両称呼は語頭の「へ」と語尾の「コ」を共通にする。
この点、中間音の「ン」の有無の違いはあるものの、語頭「へ」は強く発音されるものであり、語尾の「コ」も、無声軟口蓋破裂音「k」と母音「o」を結合した音節からなり、強く発声されるものであることから、この中間音「ン」の有無が称呼に与える影響は小さい。
また、強く発声される「へ」と「コ」に挟まれた「ン」の音は、その前後の音の繋ぎとしての役割を果たすにすぎず、弱く発音される傾向がある。
したがって、両称呼は、全体的に語調・語感が近似し互いに聞き誤るおそれがあることから、本件商標と引用商標とは、称呼において類似するというべきである。
オ 観念の対比
本件商標及び引用商標は、いずれも英和辞書等にも掲載されておらず、特定の観念を生ずるものではない。
よって、本件商標と引用商標の観念は比較することはできない。
カ 指定商品の類似
本件商標の指定商品「金属製管」(類似群コード:06A01、06A02)と、引用商標の指定商品「Common metals and their alloys」(参考訳:金属及びその合金、類似群コード:06A01、06A02)は類似する。
キ まとめ
以上より、本件商標と引用商標の観念は比較できないものの、外観及び称呼が類似するから、本件商標と引用商標は類似する。
また、本件商標の指定商品「金属製管」と、引用商標の指定商品「Common metals and their alloys」は類似する。
よって、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に違反して登録されたものであり、本件商標の指定商品「金属製管」は取り消されるべきものである。
(2)商標法第4条第1項第15号について
ア 申立人
申立人の創設者は、1948年にベルギーのへーレンタルスにストーブ店を開店し、その後、1日で44,000個のラジエーターを製造する「コブレンツカンパニー」を設立し、1970年代後半、年間200万個以上のラジエーターを生産する「ヘンラッド」を誕生させた。
同創設者は、1988年にヘンラッドを売却し、1992年に申立人を設立。そして「Henco multilayer pipe」が誕生した(甲4)。
現在においては、本社所在地であるベルギーを含むヨーロッパをはじめ、ロシアやアフリカまでも販売網を拡げたグローバル企業である(甲5)。
イ 申立人の主力製品
申立人の主力製品は、金属製・樹脂性などの管(Pipes)である(甲6)。
ウ 申立人のハウスマーク
申立人は、現在に到るまで継続して、一般的な書体で表した文字商標「HENCO」(使用商標1)及び別掲のとおりの使用商標2を申立人のハウスマーク、ブランド名として、その業務にかかる商品・役務について使用している。
そして、「HENCO」は申立人の造語であり独創性を有する。このことは、一般的な辞書等にも掲載されていないことからも明らかである。
エ 申立人の各国の登録商標
使用商標は、世界各国で商標登録を行っている(甲7、甲8)。
申立人のウェブサイト(甲5)とあわせみれば、申立人が使用商標をコーポレートマークとして、世界中に展開していることが解る。
日本においても、使用商標を登録している(甲9、甲10)。
オ 本件商標と申立人のハウスマークの類似性
本件商標と申立人のハウスマークの一つである使用商標1が類似の商標であることは、上述のとおりである。
カ 商品間の関連性
申立人は金属製や樹脂製の管を製造・販売しており、これらは本件商標の指定商品「金属製管」と同一又は密接な関連性がある。
キ 日本での申立人商品の紹介
日本においては、輸入元の一つである日海KMO有限会社(以下「日海KMO」という。)のホームページのアルミ複合管の商品紹介ページにおいては、ヨーロッパの主要メーカーの一つとして、申立人が挙げられている(甲11)。
また、建築・デザイン向け製品を扱うサイト「archiproducts」に、管を含む申立人商品が紹介されており(甲12)、このことから申立人商品は日本で継続的な需要があり、取引者又は需要者に周知であるということができる。
ク インボイス
2010年から現在までの、申立人の日本へのインボイスも証拠として提出する(甲13?甲40)。
インボイスの右上には一貫して使用商標2が付されていることや、品目名にも「HENCO」の文字が見られ、そのことからも申立人が使用商標をハウスマーク・ブランド名として使用していることが明らかである。
そして、今回提出するインボイスは合計28枚あるが、このインボイスの数だけをみても、申立人が日本に継続的に輸出を行っていること、そして申立人商品は日本での継続的な需要があり、その結果、商標「HENCO」は取引者又は需要者の間で周知であるということができる。
ケ 日本での売上高
申立人の日本での直近5年間の売上高を紹介する(2017年1月5日付 1EUR=124.14円にて計算)。
・2012年 EUR 9,810.50 (約 122万円)
・2013年 EUR54,994.13 (約 683万円)
・2014年 EUR59,910.00 (約 744万円)
・2015年 EUR83,337.56 (約1035万円)
・2016年 EUR77,625.83 (約 964万円)
2012年と2016年の売上高を比較すると、わずか5年間で売上高は約8倍にもなっている。
この背景には、上記キで述べたように、申立人商品が日本で積極的に紹介されており、その結果、日本でも需要が大きいことが挙げられる。
このことからも、申立人の商標「HENCO」が取引者又は需要者間で周知になっているといえる。
コ まとめ
本件商標と使用商標1とは、上記(1)と同様の理由により類似する。
また、本件商標の指定商品と申立人の主力製品は重複することから、本件商標の指定商品と申立人の取引者又は需要者は重複する。
そして、申立人は、日本を含め世界各地に販売拠点を有するグローバル企業であり、その事業においては、申立人のコーポレートマークである使用商標を一貫して使用・商標登録している。
よって、本件商標に接した取引者又は需要者は、本件商標が付された商品が申立人又は申立人と何らかの関係を有する者の提供する商品であると混同するおそれがあることが明らかである。
(3)むすび
以上のとおり、本件商標は、その指定商品中「金属製管」ついて、商標法第4条第1項第11号及び同項第15号に違反して登録されたものである。

4 当審の判断
(1)引用商標及び使用商標の周知性について
ア 申立人提出の甲各号証及び同人の主張によれば、次の事実を認めることができる。
(ア)申立人は、1992年に設立され、ベルギーに本社を置く企業であり、パイプ(管)等の製造、販売を行っている(甲4、甲11、甲12)。
また、申立人は、ヨーロッパ、ロシア、アフリカに販売網を有していることがうかがえる(甲5)。
(イ)申立人は、使用商標を自社の商品やホームページ等に表示している(甲4?甲6、甲13)。
(ウ)申立人商品は、遅くとも2010年(平成22年)に我が国の企業に販売され、その後2016年(平成28年)まで継続して販売されている(甲13?甲40)。
(エ)申立人及び申立人商品は、我が国でパイプ等を取り扱う他社のホームページで紹介され、そこには使用商標が表示されている(甲11、甲12)。
(オ)申立人は、我が国を含む世界各国で使用商標を商標登録(国際商標登録を含む。)していることがうかがえる(甲7)。
(カ)しかしながら、申立人商品の我が国における販売数量、売上高、市場占有率(シェア)など販売実績や広告の内容、時期など広告の実績を示す証左は見いだせない。
イ 上記アの事実からすれば、申立人商品が遅くとも平成22年から我が国に輸入され、販売されていることは認められるものの、申立人商品の我が国における販売実績、広告の実績を示す証左はないから、使用商標は、本件商標の登録出願の日前ないし登録査定時において、他人(申立人)の業務に係る商品であることを表示するものとして需要者の間に広く認識されているものと認めることはできない。
また、引用商標は、使用商標1と同じ態様のものであるから、引用商標も他人(申立人)の業務に係る商品であることを表示するものとして需要者の間に広く認識されているものと認めることはできない。
なお、仮に、申立人商品について、申立人が主張する2012年(平成24年)ないし2016年(平成28年)の売上高が事実であるとしても、その間の最高額が2015年の1,035万円であって、その額は使用商標の周知性を裏付けるほどのものとは認められないから、上記判断を覆し得ない。
(2)商標法第4条第1項第11号該当性について
ア 本件商標は、前記1のとおり、「HEco」の文字からなるものであるから、該文字に相応し「ヘコ」の称呼を生じ、特定の観念を生じないものである。
イ 他方、引用商標は、前記2(1)のとおり、「HENCO」の文字からなるものであるから、該文字に相応し「ヘンコ」の称呼を生じ、特定の観念を生じないものである。
ウ そこで、本件商標と引用商標との類否を検討すると、両者は、外観において、中間における「N」の文字の有無、及び語尾の「co(CO)」が小文字か大文字かの差異を有するものであり、これらの差異が4文字又は5文字という比較的短い文字構成からなる両商標の外観全体の視覚的印象に与える影響は小さいものとはいえず、相紛れるおそれのないものとみるのが相当である。
次に、本件商標から生じる「ヘコ」と引用商標から生じる「ヘンコ」の称呼を比較すると、両者は中間における「ン」の音の有無に差異を有するものであり、この差異は該「ン」の音が弱い音であるとしても、2音又は3音という短い音構成からなる両称呼全体に及ぼす影響は決して小さいものとはいえず、両称呼は、これらを全体として称呼した場合には、その語調、語感が相違したものとなり、互いに紛れるおそれはないというべきである。
さらに、観念においては、両商標は、いずれも特定の観念を生じないものであり、観念上相紛れるおそれはない。
そうすると、本件商標と引用商標は、外観、称呼及び観念のいずれの点からみても相紛れるおそれのない非類似の商標であって、別異の商標というべきものである。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に該当しない。
(3)商標法第4条第1項第15号該当性について
上記(1)のとおり、使用商標は、申立人の業務に係る商品であることを表示するものとして需要者の間に広く認識されているものと認められないものである。
また、上記(2)のとおり、本件商標と引用商標は非類似の商標であって、別異の商標というべきものであるから、引用商標と同じ態様の使用商標1と本件商標も非類似の商標であって、別異の商標ということができる。
さらに、別掲のとおり横長の楕円形内に「HENCO」の文字を白抜きしてなる使用商標2と本件商標は、外観が顕著に相違し、使用商標1と本件商標とに比べ、より非類似の商標であって、別異の商標であるといえる。
してみれば、商標権者が本件商標をその指定商品に使用しても、取引者、需要者をして使用商標を連想し、又は想起させることはなく、その商品が申立人又は同人と経済的若しくは組織的に何らかの関係を有する者の業務に係る商品であるかのように誤認し、商品の出所について混同を生ずるおそれはないものというべきである。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第15号に該当しない。
(4)むすび
以上のとおり、本件商標の登録は、商標法第4条第1項第11号及び同項第15号のいずれにも違反してされたものとはいえないから、同法第43条の3第4項の規定により、維持すべきである。
よって、結論のとおり決定する。
別掲 別掲 使用商標2


異議決定日 2017-03-22 
出願番号 商願2015-74473(T2015-74473) 
審決分類 T 1 652・ 263- Y (W06)
T 1 652・ 262- Y (W06)
T 1 652・ 261- Y (W06)
T 1 652・ 271- Y (W06)
最終処分 維持 
前審関与審査官 大渕 敏雄 
特許庁審判長 酒井 福造
特許庁審判官 平澤 芳行
榎本 政実
登録日 2016-07-08 
登録番号 商標登録第5864755号(T5864755) 
権利者 チャート インコーポレイテッド
商標の称呼 ヒーコ、ヘコ、ヒーコー、ヘコー、エイチイイシイオオ、エッチイイシイオオ、エイチエコ、エッチエコ 
代理人 田中 成幸 
代理人 藤本 昇 
代理人 植木 久一 
代理人 野村 慎一 
代理人 清水 三沙 
代理人 白井 里央子 
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