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審決分類 |
審判 査定不服 商4条1項16号品質の誤認 取り消して登録 W2930 審判 査定不服 商3条1項3号 産地、販売地、品質、原材料など 取り消して登録 W2930 審判 査定不服 商3条1項1号 普通名称 取り消して登録 W2930 |
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管理番号 | 1327139 |
審判番号 | 不服2016-10446 |
総通号数 | 209 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 商標審決公報 |
発行日 | 2017-05-26 |
種別 | 拒絶査定不服の審決 |
審判請求日 | 2016-07-11 |
確定日 | 2017-04-25 |
事件の表示 | 商願2015-31488拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。 |
結論 | 原査定を取り消す。 本願商標は、登録すべきものとする。 |
理由 |
1 本願商標 本願商標は、「KASHI」の文字を標準文字で表してなり、第29類及び第30類に属する願書記載のとおりの商品を指定商品として、平成27年4月3日に登録出願されたものである。 そして、本願の指定商品については、原審における平成27年11月4日付け及び当審における同29年1月17日付けの手続補正書により、第29類「主に食肉、魚、家禽肉又は野菜からなるアントレ,主に食肉、魚、家禽肉又は野菜からなる冷凍アントレ,乳製品,加工野菜及び加工果実,豆乳,冷凍野菜,冷凍果実,肉製品,加工水産物」及び第30類「シリアルバー,朝食用シリアル,朝食用シリアル・スナック食品・食品を作るための材料として使用される穀物の加工品,穀物の加工品,オートミール,冷凍ピザ,冷凍ピラフ,ピラフ,主にパスタ又は穀物からなる冷凍アントレ」に補正されたものである。 2 原査定の拒絶の理由(要点) 原査定は、「本願商標は、『KASHI』の文字を標準文字で表してなり、『KASHI』の文字は、『カシュガル、中国の新疆ウイグル自治区西端の都市』(ランダムハウス英和大辞典 小学館)の意味合いを表すものであるところ、カシュガルは、シルクロードと南のインドに続く交易路が交差して紀元前から繁栄した都市、有数の観光都市として知られているとともに、農作物等の生産・加工も行われているものと認められる。そして、一般に、このような観光都市近辺では、様々な土産物が製造、販売されているものと認められ、また、本願の指定商品中には、農産物のほか、土産物に適した商品もあるから、本願商標をその指定商品について使用するときは、単にその商品が『中国の新疆ウイグル自治区カシュガル市周辺地域産の商品、中国の新疆ウイグル自治区カシュガル市で製造・販売された商品』であること、すなわち、商品の産地、販売地を普通に用いられる方法で表示したものと理解されるにとどまり、自他商品の識別標識としての機能を果たさないものといえる。したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当し、前記商品以外の商品に使用するときは、商品の品質の誤認を生じさせるおそれがあるので、同法第4条第1項第16号に該当する。」旨認定、判断し、本願を拒絶したものである。 3 当審において通知した拒絶の理由(要点) 本願商標は、菓子やパンに係る取引の実情を鑑みれば、取引者、需要者をして、「菓子」の読みをローマ字で表したものと容易に理解させるものということができる。 そうすると、本願商標は、その指定商品中の「菓子」の普通名称を普通に用いられる方法で表示する標章のみからなる商標というのが相当であるから、商標法第3条第1項第1号に該当する。 また、本願商標は、その指定商品中の「スナック菓子,シリアルのスナック菓子,穀物のスナック菓子,クラッカー,クッキー,グラノーラを使用した棒状のスナック菓子,冷凍ワッフル,菓子パン」との関係においては、商品の品質を普通に用いられる方法で表示する標章のみからなる商標というのが相当であるから、商標法第3条第1項第3号に該当する。 さらに、本願商標は、その指定商品中の「菓子パン」以外の「パン」に使用したときは、商品の品質について誤認を生ずるおそれがあるから、商標法第4条第1項第16号に該当する。 4 当審の判断 (1)商標法第3条第1項第1号該当性について 本願商標は、前記1のとおり、「KASHI」の文字を表してなり、その指定商品は、第29類「主に食肉、魚、家禽肉又は野菜からなるアントレ,主に食肉、魚、家禽肉又は野菜からなる冷凍アントレ,乳製品,加工野菜及び加工果実,豆乳,冷凍野菜,冷凍果実,肉製品,加工水産物」及び第30類「シリアルバー,朝食用シリアル,朝食用シリアル・スナック食品・食品を作るための材料として使用される穀物の加工品,穀物の加工品,オートミール,冷凍ピザ,冷凍ピラフ,ピラフ,主にパスタ又は穀物からなる冷凍アントレ」である。 そうすると、本願商標は、その構成文字から商品「菓子」をローマ字表記したものと理解されるとしても、上記本願の指定商品との関係においては、商品の普通名称を普通に用いられる方法で表示する標章のみからなる商標ということはできない。 したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第1号に該当しない。 (2)商標法第3条第1項第3号該当性について 本願商標を構成する「KASHI」の文字は、原審が説示するように、英和辞典において、中国の新疆ウイグル自治区西端の都市「カシュガル」を意味する語として載録されているものではあるが、我が国における英語の普及の程度を鑑みても、本願の指定商品に係る取引者、需要者において、該文字が、そのような意味を有する既成の英語として認識されるとみるべき事情は見いだせない。 また、上記「KASHI」の文字は、菓子やパンを取り扱う事業者及び菓子業界における取引の実情に照らせば、「菓子」の読みをローマ字表記したものと理解されるとはいえるものの、前記1に記載した本願の指定商品との関係においては、その取引者、需要者において、特定の商品を想起させたり、特定の品質等を表したものと認識されることはないとみるのが相当である。 そうすると、本願商標をその指定商品に使用しても、これに接する取引者、需要者が、商品の産地若しくは販売地又は商品の品質等を表したものと認識することはないから、本願商標は、商品の産地若しくは販売地又は商品の品質等を普通に用いられる方法で表示する標章のみからなる商標ではない。 したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当しない。 (3)商標法第4条第1項第16号該当性について 本願商標は、上記(2)において述べたとおり、その指定商品との関係において、商品の品質等を表したものと認識されることはないから、本願商標をその指定商品に使用しても、商品の品質の誤認を生ずるおそれがあるということはできない。 したがって、本願商標は、商標法第4条第1項第16号に該当しない。 (4)まとめ 以上のとおり、本願商標は、商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に該当するものではないから、これらに該当するとして本願を拒絶した原査定は、取消しを免れない。 また、本願商標は、当審において通知した拒絶の理由のいずれにも該当しないものである。 その他、本願について拒絶の理由を発見しない。 よって、結論のとおり審決する。 |
審決日 | 2017-04-13 |
出願番号 | 商願2015-31488(T2015-31488) |
審決分類 |
T
1
8・
11-
WY
(W2930)
T 1 8・ 272- WY (W2930) T 1 8・ 13- WY (W2930) |
最終処分 | 成立 |
前審関与審査官 | 早川 真規子 |
特許庁審判長 |
田中 亨子 |
特許庁審判官 |
大橋 洋子 田中 敬規 |
商標の称呼 | カシ |
代理人 | 一色国際特許業務法人 |