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審決分類 |
審判 一部取消 商50条不使用による取り消し 無効としない X03 |
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管理番号 | 1327118 |
審判番号 | 取消2016-300189 |
総通号数 | 209 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 商標審決公報 |
発行日 | 2017-05-26 |
種別 | 商標取消の審決 |
審判請求日 | 2016-03-18 |
確定日 | 2017-03-27 |
事件の表示 | 上記当事者間の登録第5427695号商標の登録取消審判事件について,次のとおり審決する。 |
結論 | 本件審判の請求は,成り立たない。 審判費用は,請求人の負担とする。 |
理由 |
第1 本件商標 本件登録第5427695号商標(以下「本件商標」という。)は,別掲のとおり「LuNA SEA」の欧文字を横書きしてなり,平成22年6月16日に登録出願,第3類「せっけん類,歯磨き,化粧品,香料類」のほか第9類,第14類ないし第16類,第18類,第20類,第21類,第24類ないし第26類,第28類,第32類,第33類,第41類及び第43類に属する商標登録原簿記載のとおりの商品及び役務を指定商品及び指定役務として,平成23年7月22日に設定登録されたものである。 そして,本件審判の請求の登録日は,平成28年4月4日である。 第2 請求人の主張 請求人は,本件商標の指定商品及び指定役務中,第3類「せっけん類,歯磨き,化粧品,香料類」についての登録を取り消す,審判費用は被請求人の負担とする,との審決を求め,その理由を以下のように述べた。 1 請求の理由 本件商標は,その指定商品及び指定役務中,第3類「せっけん類,歯磨き,化粧品,香料類」について,継続して3年以上日本国内において,商標権者,専用使用権者又は通常使用権者のいずれも使用した事実が存しないから,商標法第50条第1項の規定により,取り消されるべきものである。 2 答弁に対する弁駁 (1)指定商品「香料類」に関する本件商標の使用について 被請求人は,ロックバンド「LUNA SEA」のライブツアーパンフレット(乙4の1),Twitter投稿(乙4の4,6,7),商品写真(乙4の5)などの証拠に基づき,「ブラックリードディフューザー」の商品名で本件商標を指定商品「香料類」に使用している旨を主張する。 しかしながら,上記の証拠において,「LUNA SEA」の表示は,著名なロックバンド「LUNA SEA」の25周年記念ライブツアーであること,ないしは同ツアーに関連して販売されるオフィシャルグッズであることを示すものであり,個々の商品の識別標識や出所表示標識となることを意図して用いられていない。また,「ブラックリードディフューザー」その他の商品の需要者は,ロックバンド「LUNA SEA」のライブツアーに参加し,あるいはこれに興味を持つファン層にほぼ限定されると考えられることからも,需要者にとっても「LUNA SEA」の表示が商品の識別標識や出所表示標識として認識されることはなく,むしろ,「ブラックリードディフューザー」が当該商品の商標として機能しているものと認められる。したがって,本件商標を,商品「ブラックリードディフューザー」について商標として使用しているとする被請求人の主張は失当であり,被請求人の主張及び証拠からは,本件商標が指定商品「香料類」に使用されていた事実は認められない。 (2)指定商品「化粧品」に関する本件商標の使用について 被請求人は,Twitter投稿(乙5の1?6)及び商品写真(乙5の7)などの証拠に基づき,本件商標を指定商品「化粧品」に含まれる「バスソルト」に使用している旨を主張する。 しかしながら,上記(1)と同様に,これらの証拠において「LUNA SEA」の表示は,著名なロックバンド「LUNA SEA」の25周年記念ライブツアーであること,ないしは同ツアーに関連して販売されるオフィシャルグッズであることを示すものであり,個々の商品の識別標識や出所表示標識となることを意図して用いられていないから,需要者にとっても「LUNA SEA」の表示が商品の識別標識や出所表示標識として認識されることはない。したがって,本件商標を,商品「バスソルト」について商標として使用しているとする被請求人の主張は失当であり,被請求人の主張及び証拠からは,本件商標が指定商品「化粧品」に使用されていた事実は認められない。 3 意見書の内容 下記第3の2の回答書に対して,請求人は以下のとおり述べている。 回答書において被請求人は,Twitterアカウント「LUNA SEA GOODS@LUNASEA_GOODS」のアカウントの名義が本件商標権者であること,そのツイート等は,トレジャーズ株式会社(以下「トレジャーズ」という。)の管理の下に株式会社アットフィールド(以下「アットフィールド」という。)が行っていることを主張している。しかしながら,被請求人は上記主張について何らの証拠も示しておらず,当該Twitterアカウントにおいても上記主張を裏付ける要素は見当たらない。したがって,上記主張は根拠を欠くものであり,認められない。 第3 被請求人の答弁 被請求人は,結論同旨の審決を求めると答弁し,その理由を要旨以下のように述べ,証拠方法として乙第1号証ないし乙第12号証(枝番号を含む。)を提出した。 1 答弁の理由 本件商標の商標権者である株式会社LUNA SEAは,ロックバンド「LUNA SEA」の全構成員が取締役を務める会社である(乙2の2及び3)。 商標権者は,以下のとおり,本件審判の請求の登録前3年以内に日本国内において,本件請求に係る指定商品「せっけん類,歯磨き,化粧品,香料類」のうち「化粧品,香料類」について本件商標を使用している。 (1)香料類について 商標権者が,本件商標を本件請求に係る指定商品「香料類」に含まれる「フレグランスウォーター及びスティック(商品名:ブラックリードディフューザー)」について使用していることは,ロックバンド「LUNA SEA」のライブツアーのパンフレット(乙4の1)から明らかである。 乙第4号証の1は,平成26年6月7日から平成27年3月14日にかけて全国19会場で開催された上記ロックバンド「LUNA SEA」の「25th ANNIVERSARY LIVE TOUR THE LUNATIC」の各会場(乙4の2及び3を参照)で配布されたものである。乙第4号証の1の後ろから3頁目には,「25th ANNIVERSARY LIVE TOUR THE LUNATIC Official Goods Items」として,「ブラックリードディフューザー ¥4,000」と記載されており,「ブラックリードディフューザー」が販売されていた事実が客観的に示されている。 ブラックリードディフューザーとは,「透明のフレグランスウォーターにスティックを入れると漆黒に変わる」商品であり,フレグランスウォーター及びスティックで構成されている(乙4の4)。また,商標権者の公式Twitterアカウントにおいて,「25th ANNIVERSARY LIVE TOUR OFFICIAL GOODS LIST」の中に,本件商標を付した「ブラックリードディフューザー」の写真が掲載されており,当該商品が販売された事実を客観的に示している(乙4の6,7)。 (2)化粧品について 商標権者は,本件請求に係る指定商品「化粧品」に含まれる「バスソルト」に本件商標を付して,上記(1)のライブツアー後半の各会場で販売している。 このことは,上記(1)の公式Twitterアカウントにおいて平成27年1月16日から同年2月28日にかけて投稿された記載内容からも明らかである(乙5の1?6)。すなわち,乙第5号証の1?6は,本件商標を付した「バスソルト」が各会場限定の日替りで販売されていた事実を客観的に示している。なお,本件商標を付した「バスソルト」の写真,及び販売元等が記載されている「バスソルト」の底面の写真を示す(乙5の7,8)。 2 回答書及び上申書の内容 当審においては,平成28年9月28日をもって審尋を行ったところ,被請求人は,平成28年10月18日付け回答書,同年10月31日付け及び同年11月30日付け上申書において,以下のとおり回答している。 商標権者は,本件商標を付した商品の企画・製造・販売をトレジャーズに委託し,また,トレジャーズが更に第三者に委託することを許可している。この商標権者からの許可に従い,トレジャーズはアットフィールドに,本件商標を付した商品の「LUNA SEA OFFICIAL WEB SHOP」及び「LUNA SEA Official Goods 事務局」と称する名称での販売・問合せ・注文対応等を委託している。そして,商標権者は,トレジャーズがアットフィールドへ販売等を委託していることを承諾している(乙8,乙10)。 上記のことからすれば,トレジャーズは本件商標の通常使用権者ということになり,さらに,トレジャーズは再使用権の許諾権限に基づいてアットフィールドに使用許諾しているとみることができる。加えて,商標権者はアットフィールドによる使用も承諾している。したがって,トレジャーズのみならず,アットフィールドの使用も,通常使用権者による本件商標の使用ということができる。 また,乙第4号証の1及び乙第5号証の8に記載された電話番号は同一であり,乙第11号証及び乙第12号証として添付したように,この電話番号の利用料金はアットフィールドが支払っている。このことは,アットフィールドが,「LUNA SEA OFFICIAL WEB SHOP」及び「LUNA SEA Official Goods 事務局」に対する電話へ対応していた証拠であり,上記名称において対象商品の販売等を行っていることを示したものである。 第4 当審の判断 1 被請求人の主張及びその提出に係る証拠によれば,以下のとおりである。 (1)乙第2号証の3は,本件商標出願に係る平成23年3月22日付けの手続補足書の写しであるところ,このうち「履歴事項全部証明書」(平成22年6月9日付け)によれば,商標権者は「音楽等のイベントの企画・制作・興行,キャラクターグッズの企画,日用品雑貨の販売,広告宣伝物の企画制作及び会員制雑誌の制作及び販売」等を事業目的とする法人であり,また,「承諾書」(平成23年2月28日付け)によれば,商標権者は本件商標の管理を行うことについてロックバンド「LUNA SEA」の全構成員の承諾を受けており,かつ,全構成員が商標権者の取締役を務めていることが認められる。 (2)乙第4号証の1は,ロックバンド「LUNA SEA」の,「25th ANNIVERSARY LIVE TOUR THE LUNATIC」と称する25周年記念ライブツアーのパンフレットと認められる。そして,当該パンフレットの後ろから3頁目は,オフィシャルグッズの宣伝広告とみられるところ,頁の最上段には本件商標と同様の態様からなる「LuNA SEA」の欧文字(以下「使用商標」という。)が顕著に表示され,また,中段には「Official Goods Items」の見出しの下,各種オフィシャルグッズが掲載されており,「フェイスタオル」や「パスケース」等の商品と並んで「ブラックリードディフューザー ¥4,000」の記載があり,さらに下段には,「グッズに関するお問い合わせ」先として,「LUNA SEA Official Goods 事務局」のメールアドレス及び電話番号が記載されている。 (3)乙第4号証の2及び3は,ロックバンド「LUNA SEA」のファンクラブ会報であり,当該会報によれば,上記25周年記念ライブツアーは2014年6月7日から2015年3月14日にかけて,東京,大阪など19会場で開催されたことが確認できるところ,乙第4号証の1のライブツアーパンフレットの後ろから9頁目(ギターの広告)において,「本広告掲載の製品は,2014年12月現在のものです。」との記載があることを併せみれば,当該パンフレットは,2014年12月頃に頒布されたものとみることができる。 (4)乙第12号証は,アットフィールド宛ての平成26年6月請求分及び平成27年3月請求分の電話料金請求書であるところ,当該請求書に記載された電話番号は,乙第4号証の1に記載された「LUNA SEA Official Goods 事務局」の電話番号と一致するものである。 2 上記1で認定した事実を総合すると,次のことがいえる。 (1)本件商標について 上記1(2)及び(3)によれば,「LUNA SEA Official Goods 事務局」は,本件審判の請求の登録の前3年以内(以下「要証期間」という。)である平成26年12月頃に頒布されたロックバンド「LUNA SEA」の25周年記念ライブツアーのパンフレットにおいて,使用商標を表示して,商品「ブラックリードディフューザー」を含む各種オフィシャルグッズの販売に関する広告を行ったことが認められる。 また,商標権者は音楽のイベントの企画・興行,日用品雑貨の販売等を業務とする者であり,本件商標の管理についてロックバンド「LUNA SEA」の全構成員が商標権者の取締役を務めていることから(上記1(1)),上記パンフレットは商標権者により頒布されたとみて差し支えないものである。 してみると,商標権者は,「LUNA SEA Official Goods 事務局」が本件商標を表示して上記商品の広告を行うことを黙示的に許可していたものとみることができる。 さらに,少なくとも,平成26年6月頃からアットフィールドが使用していたものと認められる電話番号(乙12)が,上記パンフレット中の「LUNA SEA Official Goods 事務局」の電話番号として表示されていることからすれば,「LUNA SEA Official Goods 事務局」は,アットフィールドが運営を行っているものということができる。 そうとすると,アットフィールドは,本件商標に係る通常使用権者であると認めることができる。 また,使用商標は,本件商標と同一の商標であり,商品「ブラックリードディフューザー」は,「スティックを挿して香りを拡散させる芳香剤」であるから,本件審判の請求に係る指定商品中「香料類」の範疇に含まれる商品である。 (2)小括 上記(1)によれば,本件商標の通常使用権者であるアットフィールドは,要証期間内に,本件審判の請求に係る指定商品中「香料類」に含まれる商品「スティックを挿して香りを拡散させる芳香剤」について本件商標を使用して広告したということができる。 3 請求人の主張について 請求人は,「被請求人の提出に係る証拠において,『LUNA SEA』の表示は,著名なロックバンド『LUNA SEA』の25周年記念ライブツアーであること,ないしは同ツアーに関連して販売されるオフィシャルグッズであることを示すものであり,個々の商品の出所表示標識となることを意図して用いられていない。また,『ブラックリードディフューザー』その他の商品の需要者は,ロックバンド『LUNA SEA』のライブツアーに参加し,あるいはこれに興味を持つファン層にほぼ限定されると考えられることからも,需要者にとっても『LUNA SEA』の表示が商品の出所表示標識として認識されることはなく,むしろ,『ブラックリードディフューザー』が当該商品の商標として機能しているものと認められる。したがって,本件商標を,商品『ブラックリードディフューザー』について商標として使用しているとはいえない。」旨主張する。 しかしながら,当該ライブツアーパンフレットの後ろから3頁目には,各種オフィシャルグッズが一覧で掲載され,本件商標がその最上段に顕著に表示されていること,及び,商品「ブラックリードディフューザー」は,「フェイスタオル」や「パスケース」等,商品の名称を表す一般的な表示と並んで記載されていることから,上記広告に接する者は,「LUNA SEA」に係る各種商品の広告であると認識するとみるのが相当である。 したがって,請求人の上記主張は採用できない。 4 まとめ 以上のとおりであるから,被請求人は,要証期間内に日本国内において,通常使用権者が本件審判請求に係る指定商品「香料類」に含まれる商品「スティックを挿して香りを拡散させる芳香剤」に,本件商標の使用をした事実を証明したものと認めることができる。 したがって,本件商標の登録は,商標法第50条の規定により,取り消すことができない。 よって,結論のとおり審決する。 |
別掲 |
別掲(本件商標) |
審理終結日 | 2017-01-31 |
結審通知日 | 2017-02-03 |
審決日 | 2017-02-15 |
出願番号 | 商願2010-47604(T2010-47604) |
審決分類 |
T
1
32・
1-
Y
(X03)
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最終処分 | 不成立 |
前審関与審査官 | 小川 敏 |
特許庁審判長 |
堀内 仁子 |
特許庁審判官 |
小林 裕子 田村 正明 |
登録日 | 2011-07-22 |
登録番号 | 商標登録第5427695号(T5427695) |
商標の称呼 | ルナシー、ルナ、シー、エスイイエイ |
代理人 | 特許業務法人太陽国際特許事務所 |
代理人 | 黒田 博道 |