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審決分類 審判 査定不服 商3条1項3号 産地、販売地、品質、原材料など 登録しない W29
審判 査定不服 商4条1項16号品質の誤認 登録しない W29
管理番号 1327062 
審判番号 不服2016-4273 
総通号数 209 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標審決公報 
発行日 2017-05-26 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2016-03-22 
確定日 2017-03-16 
事件の表示 商願2015-49606拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。
理由 1 本願商標
本願商標は、「東京ブッラータ」の文字を標準文字で表してなり、第29類「乳製品,食用油脂,肉製品,加工水産物,加工野菜及び加工果実,加工卵,冷凍野菜,冷凍果実」を指定商品として、平成27年5月26日に登録出願されたものである。

2 原査定の拒絶の理由
原査定は、「本願商標は、『東京ブッラータ』の文字を標準文字で表してなるところ、該構成中の『東京』の文字は『東京都』を表し、『ブッラータ』の文字は『イタリアのプーリア地方の牛、水牛の乳で作る生チーズ。』である『burrata』をカタカナで表記したものであるから、全体として『東京都で生産又は販売されるブッラータ』程の意味合いを認識させるものである。そして、ブッラータはチーズやクリームからなる中身をチーズでできた膜で巾着状に覆っているのが特徴で、我が国においてそのようなチーズが『ブッラータ』という名称で一般に認識され取引されている。そうすると、本願商標を本願の指定商品中『東京で生産又は販売されるブッラータ』に使用した場合、本願商標は単に商品の産地又は販売地及び品質を普通に用いられる方法で表示しているにすぎないことから、商標法第3条第1項第3号に該当し、『東京で生産又は販売されるブッラータ』以外の商品に使用した場合、商品の品質の誤認を生じさせるおそれがあるから、商標法第4条第1項第16号に該当する。」旨認定、判断し、本願を拒絶したものである。

3 当審における審尋
当審において、平成28年8月16日付けで、以下の事実を示した上で、本願商標が商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に該当するものである旨の審尋を発し、期間を指定して、請求人に意見を述べる機会を与えた。
(1)「文春新書182 チーズ図鑑」(「文藝春秋」発行)の「ブッラータ Burrata」の項目に、「モッツァレラのカードに生クリームを混ぜ、袋状にしたモッツァレラの中に入れて包み込んだもの。」との記載がある。
(2)「世界のチーズ図鑑」(「株式会社マイナビ」発行)の「Burrata ブッラータ」の項目に、「モッツァレラ(→p.115)の新鮮なカードとクリームを、練って巾着形にしたカードで包んだ、独特のフレッシュチーズ。」との記載がある。
(3)「North United inc.」のウェブサイトにおいて、「ブッラータ 希少な職人手作りのスペシャルチーズ」の見出しの下、「贅沢なチーズとクリームがたっぷりとモッツァレラに包まれています。」との記載がある。
(http://north-utd.com/store/fattoriabiohokkaido.html)
(4)「チーズが大好きな人は注目! CHEESE BOOK」のウェブサイトにおいて、「ブッラータ」の見出しの下、「イタリアのプーリア州ムルジャ地方の町、アンドリアが発祥の地とされるブッラータは、フレッシュタイプのチーズです。・・・その作り方はモッツアレラチーズを良く伸ばして袋状にし、その中に砕いたモッツアレラチーズと生クリームを入れ口を縛る、というもの。」との記載がある。
(http://www.pablo3.com/cheesebook/types/burrata/)
(5)「おいしい食卓。 Bon repas」のウェブサイトにおいて、商品「デリツィア ブッラータ」の紹介頁において、「もっちりとした食感のモッツァレラチーズの中には『とろ?り』としたクリームとモッツァレラチーズ!」との記載があり、同頁における商品の販売箇所には「商品名/コメント」の欄において、「南イタリアはプーリア州の名産チーズで、袋状にしたモッツァレラの中に繊維状のクリームが包まれたフレッシュチーズ。」との記載がある。
(http://www.bon-repas.jp/cheese/kikaku/1957)
(6)「有限会社アイランドフーズ」のウェブサイトにおいて、「MURGIA社ブッラータ /Burrata」の見出しの下、「商品説明」において、「牛乳とホエーを使い作られた、洋ナシのような独特な形をした伝統的なフレッシュなプーリアブラータです。巾着袋のような形の、モッツァレッラチーズで出来た生地の中に、名前の通りバターのような質感の、とろっとした生クリームを混ぜ込んだモッツァレッラチーズ=ストラッチャテッラが入っています。」との記載がある。
(http://www.islandfoods.jp/item/cheese/492/)
(7)「亀屋食品株式会社 Artigusto2」のウェブサイトにおいて、「ダルモリーゼ冷凍ブッラータ200g」の見出しの下、「ダルモリーゼのブッラータはクリームを牛乳のモッツァレッラの袋に職人の手作業により一つ一つ中につめたこだわりのブッラータです。モッツァレッラにナイフを入れるととろりとクリームが出てきます。」との記載がある。
(http://kameyaweb.jp/category-855/category-857/200g-9146.html)
(8)「三越イタリア展 スペシャルサイト」のウェブサイトにおいて、「〈ファットリア ビオ〉ブッラータ」の見出しの下、「プーリア州の名物であるブッラータは、フレッシュなモッツアレラの中に生クリームを巾着状に包み込んだ濃厚なおいしさです。」との記載がある。
(http://www.mitsukoshi-special.com/italia2016/cheese-55/)
(9)「Con te」のウェブサイトにおいて、「【レア物フレッシュチーズ】 ブッラータ (数量限定) 約160g/プラカップ入 Abbasciano」の見出しの下、「モッツァレラの中に、生クリーム&刻みモッツァレッラを包んでます (ナニソレ!)」との記載がある。
(http://www.con-te.net/SHOP/formaggio0007.html)
そうすると、本願商標は、これをその指定商品中の「チーズ」に使用するときは、これに接する取引者、需要者に、「東京で製造、販売されているブッラータ」であることを認識させるにすぎないもの、すなわち、商品の産地、販売地又は品質を表示するにすぎないものといわなければならない。
したがって、本願商標は、商品の産地、販売地又は品質を普通に用いられる方法で表示する標章のみからなる商標であるから、商標法第3条第1項第3号に該当する。
また、本願商標は、その指定商品中の「チーズ」以外の商品に使用するときは、これが「ブッラータ」であるかのごとく、商品の品質の誤認を生ずるおそれがあることから、商標法第4条第1項第16号に該当する。

4 審尋に対する請求人の回答
前記3の審尋に対し、請求人は、平成28年11月16日付け回答書を提出し、要旨以下のように主張し、同年11月18日付け手続補足書で甲第22号証ないし甲第31号証を提出した。
(1)請求人は、2012年12月より「東京ブッラータ」を販売開始し、年々販売額は増加しており、雑誌、ブログ等の記事により需要者の間で広く知られている。商標の使用地域は、東京都渋谷区の店舗及び全国へのオンライン販売のほか全国各地の百貨店等でも販売されている。したがって、2012年12月の販売開始から現在まで、請求人は「東京ブッラータ」の商標を使用し、全国的に需要者に知られていることは明らかである。
(2)「ブッラータ」がチーズの一種として需要者一般に知られているものではない。そして、一般には知られていない、東京では入手困難なチーズの名称を「東京」と結合させた本願商標「東京ブッラータ」は、一体的な表示として、その構成自体に識別力がある。
(3)インターネット上の評判だけを見ても、チーズに関心のある需要者は、「東京ブッラータ」と聞いて単なる一般名称のチーズ、ブッラータと理解するのではなく、請求人商品を想起する状態になっている。また、「東京ブッラータ」は、請求人の製造する品質の高い商品の象徴的な存在であるから、指定商品中、請求人が販売するチーズ以外の商品に使用しても、請求人のブランドとして機能するため、商品の品質誤認のおそれはない。

5 当審の判断
(1)商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号該当性について
本願商標は、「東京ブッラータ」の文字を標準文字で表してなるところ、その構成中の「東京」の文字部分は、「日本国の首都」(「広辞苑第6版」岩波書店発行)を表すものであり、「ブッラータ」の文字部分は、「モッツァレラをクリームとともに袋状にしたモッツァレラに包んだもので、イタリア・プーリア州が発祥の伝統的なチーズ」を指称するものであることは、原審及び前記3の審尋において提示した事実のとおりである。
してみると、本願商標の構成中の「ブッラータ」の文字部分は、取引者、需要者が上述の品質を有するチーズ、すなわち、「ブッラータ」であることを認識するものというのが相当である。
そうすると、本願商標は、これをその指定商品中の「チーズ」に使用するときは、これに接する取引者、需要者に、「東京で製造、販売されているブッラータ」であることを認識させるにすぎないもの、すなわち、商品の産地、販売地又は品質を表示するにすぎないものといわなければならない。
したがって、本願商標は、商品の産地、販売地又は品質を普通に用いられる方法で表示する標章のみからなる商標であるから、商標法第3条第1項第3号に該当する。
また、本願商標は、その指定商品中の「チーズ」以外の商品に使用するときは、これが「ブッラータ」であるかのごとく、商品の品質の誤認を生ずるおそれがあることから、商標法第4条第1項第16号に該当する。
(2)請求人の主張
ア 請求人は、2012年12月より「東京ブッラータ」を販売開始し、年々販売額は増加しており、雑誌、ブログ等の記事により需要者の間で広く知られており、東京都渋谷区の店舗及び全国へのオンライン販売のほか全国各地の百貨店等でも販売していることから、「東京ブッラータ」が請求人の商標として全国的に需要者に知られている旨主張する。
しかしながら、仮に当該主張が、本願商標が使用による識別力を獲得したものとの趣旨(商標法第3条第2項の要件具備)であるとしても、請求人が提出した甲第22号証からは、2013年10月(616個)から2016年8月(2,304個)までの約3年間で51,041個の売上があったことが認められるが、これはかなり限定された顧客のみであり、全国各地の百貨店等で販売されているとしても、その販売量や広告宣伝の方法、回数等についての証左はない。
したがって、本願商標が使用された結果、全国的に周知であるとはいい難く、需要者が何人かの業務に係る商品であることを認識することができるものとなっているとは認められない。
イ また、請求人は、「ブッラータ」がチーズの一種として需要者一般に知られているものではなく、一般には知られていない、東京では入手困難なチーズの名称を「東京」と結合させた本願商標「東京ブッラータ」は、一体的な表示として、その構成自体に識別力がある旨主張する。
しかしながら、「ブッラータ」が「モッツァレラをクリームとともに袋状にしたモッツァレラに包んだもので、イタリア・プーリア州が発祥の伝統的なチーズ」を指称するものであり、これを「東京」と結合させたとしても、自他商品識別力は認められないことは、前記(1)のとおりである。
ウ そして、請求人は、「東京ブッラータ」は、請求人の製造する品質の高い商品の象徴的な存在であるから、指定商品中、請求人が販売するチーズ以外の商品に使用しても、請求人のブランドとして機能するため、商品の品質誤認のおそれはない旨主張する。
しかしながら、前記アのとおり、「東京ブッラータ」の文字が請求人の商標として認識されるものではなく、東京で製造、販売されているブッラータであることを認識させるにすぎないものであり、これを本願指定商品中、チーズ以外の商品に使用するときは、商品の品質の誤認を生ずるおそれがあることは、前記(1)のとおりである。
エ したがって、請求人の主張はいずれも採用することができない。
(3)まとめ
以上のとおり、本願商標は、商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に該当し、登録することができない。
よって、結論のとおり審決する。
審理終結日 2017-01-16 
結審通知日 2017-01-17 
審決日 2017-01-30 
出願番号 商願2015-49606(T2015-49606) 
審決分類 T 1 8・ 13- Z (W29)
T 1 8・ 272- Z (W29)
最終処分 不成立 
前審関与審査官 藤井 彩音大森 友子 
特許庁審判長 青木 博文
特許庁審判官 原田 信彦
豊泉 弘貴
商標の称呼 トーキョーブッラータ、ブッラータ 
代理人 特許業務法人大島・西村・宮永商標特許事務所 
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