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審決分類 審判 一部申立て  登録を維持 W25
管理番号 1326092 
異議申立番号 異議2016-900310 
総通号数 208 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標決定公報 
発行日 2017-04-28 
種別 異議の決定 
異議申立日 2016-09-27 
確定日 2017-03-03 
異議申立件数
事件の表示 登録第5872609号商標の商標登録に対する登録異議の申立てについて、次のとおり決定する。 
結論 登録第5872609号商標の商標登録を維持する。
理由 1 本件商標
本件登録第5872609号商標(以下「本件商標」という。)は、「マテラ」の片仮名を標準文字で表してなり、平成28年2月18日に登録出願、第1類「農業用及び園芸用の肥料,遠赤外線を放射する鉱石,非金属鉱物,化学品」、第5類「薬剤,サプリメント」、第11類「空気清浄機用フィルター,水ろ過器用フィルター」、第14類「身飾品」、第18類「かばん類,袋物」、第19類「陶磁製建築専用材料・れんが及び耐火物,リノリューム製建築専用材料,プラスチック製建築専用材料,合成建築専用材料,アスファルト及びアスファルト製の建築用又は構築用の専用材料,ゴム製の建築用又は構築用の専用材料,しっくい,石灰製の建築用又は構築用の専用材料,石こう製の建築用又は構築用の専用材料,セメント及びその製品,石材」、第21類「化粧用具(「電気式歯ブラシ」を除く。)」、第23類「糸」、第24類「織物,布製身の回り品,敷布,布団,布団カバー,布団側,まくらカバー,毛布,織物製テーブルナプキン,ふきん,織物製トイレットシートカバー,織物製椅子カバー,織物製壁掛け,カーテン,テーブル掛け,どん帳」、第25類「被服,運動用特殊衣服」及び第32類「飲料水,清涼飲料」を指定商品として、同年7月14日に登録査定、同年8月5日に設定登録されたものである。

2 登録異議の申立ての理由
登録異議申立人(以下「申立人」という。)は、本件商標はその指定商品中、第25類「被服,運動用特殊衣服」についての登録は取り消されるべきであるとして、その理由を要旨次のように述べ、証拠方法として甲第1号証を提出した。
(1)申立ての根拠
本件商標の指定商品中、第25類「被服,運動用特殊衣服」については、商標法第3条第1項第3号に該当するものである。
(2)具体的理由
本件商標は、「マテラ」の文字からなるところ、これはユネスコの世界遺産に登録されたサッシ(洞窟住居)があって著名な観光地でもあるイタリア共和国バジリカータ州マテラ県の県郡名を表すものである。
したがって、これをその指定商品について使用した場合、それに接する取引者・需要者は、そこで生産されたものを想起し、単に商品の産地、販売地を表示するにすぎないと誤認するおそれがある。
なお、過去に上記と全く同様の理由で、本件商標と類似の商標が拒絶された例がある。当該拒絶理由中に明記はないものの、マテラがイタリアの地名である(甲1)ことから、ファッション関連の商品については、産地、販売地と誤認されるおそれがあると判断されたと推測される。
したがって、本件商標の指定商品中、第25類「被服,運動用特殊衣服」についての商標登録は、その者との衡平を期すためにも存続を認めるべきではない。

3 当審の判断
本件商標は、前記1のとおり、「マテラ」の片仮名を標準文字で表してなるものである。
申立人は、「マテラ」は、ユネスコの世界遺産に登録されたサッシ(洞窟住居)があって著名な観光地でもあるイタリア共和国バジリカータ州マテラ県の県郡名を表すものであり、これをその指定商品中、第25類「被服,運動用特殊衣服」について使用した場合、それに接する取引者、需要者は、そこで生産されたものを想起し、単に商品の産地、販売地を表示するにすぎないと誤認するおそれがある旨主張する。
そこで、申立人提出の証拠についてみると、甲第1号証は拒絶理由通知書の写しであり、「MATERA」の欧文字よりなる商標について、商品の産地、販売地を表示するにすぎないから、商標法第3条第1項第3号に該当するとした事例である。
そして、上記証拠を踏まえて、当審において職権により調査したところ、「伊和中辞典(第2版)」(株式会社小学館発行)の「Matera」の項には、「(固名)マテーラ(バジリカータ州の都市)」の記載があることが認められる。
また、インターネットにより、「マテーラ」の語を検索すると、抽出された情報の多くは、イタリア共和国バジリカータ州の都市マテーラにあるユネスコの世界遺産「マテーラの洞窟住居」に関するものである。
一方、「マテラ」の語を同様に検索すると、「マテラの森」、「マテラ鉱石」等に関連する記載が多くあり、上記「マテーラ」に関連する記載は極めて少ないといえる。
してみると、イタリア共和国バジリカータ州マテラ県の都市名「Matera」は、「マテーラ」と発音されるのが一般的であるといえる。
そうすると、「マテーラ」、「MATERA」あるいは「Matera」の文字からは、「イタリア共和国バジリカータ州の都市名」あるいは「マテーラ(Matera)の洞窟住居」の意味合いが認識され得るとしても、「マテラ」の文字からなる本件商標は、特定の観念を想起させない一種の造語とみるのが相当である。
そして、「マテーラ(Matera)」がイタリア共和国バジリカータ州の都市であって、そこはユネスコの世界遺産に登録されたサッシ(洞窟住居)があり著名な観光地でもあるとしても、本件商標の構成文字からは、直ちに当該「マテーラ(Matera)」に通じるものとして理解、認識されるとは認め難く、これをその申立てに係る指定商品に使用した場合に、特定の商品の産地、販売地を直接的かつ具体的に表示するものとして認識されるとはいえないものである。
さらに、本件商標の申立てに係る指定商品を取り扱う分野において、本件商標を構成する文字が当該指定商品の産地、販売地を表示するものとして普通に使用されている事実を認めるに足る証左は見いだせなかった。
以上のとおり、本件商標をその申立てに係る指定商品に使用しても、これに接する取引者、需要者が本件商標を商品の産地、販売地を表示したものと認識するものとはいえず、本件商標は、自他商品の識別標識としての機能を十分に果たし得るものというべきであり、商標法第3条第1項第3号には該当しないものである。
したがって、本件商標の登録は、登録異議の申立てに係る指定商品について、商標法第3条第1項第3号に違反してされたものではないから、同法第43条の3第4項の規定に基づき、その登録を維持すべきものである。
よって、結論のとおり決定する。
異議決定日 2017-02-23 
出願番号 商願2016-17230(T2016-17230) 
審決分類 T 1 652・ 13- Y (W25)
最終処分 維持  
前審関与審査官 山田 啓之 
特許庁審判長 酒井 福造
特許庁審判官 平澤 芳行
榎本 政実
登録日 2016-08-05 
登録番号 商標登録第5872609号(T5872609) 
権利者 株式会社マテラ
商標の称呼 マテラ 
代理人 山本 秀策 
代理人 森下 夏樹 
代理人 石川 大輔 
代理人 井▲高▼ 将斗 
代理人 飯田 貴敏 
代理人 山本 健策 

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