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審決分類 審判 一部申立て  登録を維持 W05
審判 一部申立て  登録を維持 W05
審判 一部申立て  登録を維持 W05
審判 一部申立て  登録を維持 W05
審判 一部申立て  登録を維持 W05
管理番号 1326085 
異議申立番号 異議2016-900239 
総通号数 208 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標決定公報 
発行日 2017-04-28 
種別 異議の決定 
異議申立日 2016-08-10 
確定日 2017-03-02 
異議申立件数
事件の表示 登録第5850376号商標の商標登録に対する登録異議の申立てについて、次のとおり決定する。 
結論 登録第5850376号商標の商標登録を維持する。
理由 1 本件商標
本件登録第5850376号商標(以下「本件商標」という。)は、「TERA HEALTH」の欧文字を横書きしてなり、平成27年11月24日に登録出願、第5類「薬剤,医療用試験紙,医療用油紙,衛生マスク,オブラート,ガーゼ,カプセル,眼帯,耳帯,生理帯,生理用タンポン,生理用ナプキン,生理用パンティ,脱脂綿,ばんそうこう,包帯,包帯液,胸当てパッド,おむつ,おむつカバー,サプリメント,食餌療法用飲料,食餌療法用食品,乳幼児用飲料,乳幼児用食品」並びに第3類、第11類、第14類、第20類、第24類、第25類、第27類及び第28類に属する商標登録原簿に記載の商品を指定商品として、同28年4月8日に登録査定され、同年5月13日に設定登録されたものである。

2 引用商標
登録異議申立人(以下「申立人」という。)が本件登録異議の申立てにおいて引用する登録第4070459号商標(以下「引用商標」という。)は、「TEVA」の欧文字を横書きしてなり、平成7年6月16日に登録出願、第5類「動物用薬剤,香取線香,殺菌剤,殺そ剤,殺虫剤,蒸剤,除草剤,防臭剤(身体用のものを除く),防虫剤,防腐剤,その他の薬剤」を指定商品として、同9年10月17日に設定登録されたものであり、その商標権は現に有効に存続しているものである。

3 登録異議の申立ての理由
申立人は、本件商標はその指定商品中第5類「薬剤,医療用試験紙,医療用油紙,衛生マスク,オブラート,ガーゼ,カプセル,眼帯,耳帯,生理帯,生理用タンポン,生理用ナプキン,生理用パンティ,脱脂綿,ばんそうこう,包帯,包帯液,胸当てパッド,おむつ,おむつカバー,サプリメント,食餌療法用飲料,食餌療法用食品,乳幼児用飲料,乳幼児用食品」について、商標法第4条第1項第11号、同項第15号及び同項第19号に該当するものであるから、その登録は同法第43条の2第1号により取り消されるべきであるとして、その理由を要旨次のように述べ、証拠方法として甲第1号証ないし甲第44号証(枝番号を含む。)を提出した。
(1)異議申立ての経緯について
申立人は、1901年にイスラエル国の首都エルサレムで創業した薬の販売会社が起源であり、その後、持続的な拡大成長を遂げながら世界規模で医薬品の製造、販売事業を展開するに至った製薬会社である(甲3)。同社は、世界の総合医薬品企業として上位10社に入る規模のグローバル企業であって、世界中に製造拠点が87か所、従業員数約58,000人、2015年の通期売上高は197億ドル(約2兆1,670億円)に達している(甲4)。また、ジェネリック医薬品とも称される後発医薬品の分野においては、世界第一位のシェアを有していることが多数の媒体で報道されている(甲5、甲9)。
また、2015年には米国の大手医薬品企業アラガンから後発医薬品事業を約5兆円で買収することを発表しており、さらなる規模の拡大が予定されている(甲5)。
我が国においては、2008年に申立人は興和株式会社との合弁会社として興和テバ株式会社(Teva-Kowa Pharma Co.,Ltd.)を設立し、日本における本格的な事業展開を開始した。2011年には合弁事業を解消し、興和テバ株式会社は申立人の100%出資会社となった。翌2012年には同じテバグループの大洋薬品工業株式会社と統合、テバ製薬株式会社(Teva Pharma Japan Inc.以下「テバ製薬」という。)を設立し、日本における事業展開を拡充させた。そして、テバ製薬は、2016年4月1日に武田薬品工業株式会社と申立人との合弁会社となり、2016年10月1日には武田テバファーマ株式会社と名称変更し、同じく合弁会社である武田テバ薬品株式会社及びその他のテバファーマスーティカル株式会社、テバエーピーアイ株式会社といった子会社と共に日本のテバグループ(以下「テバ・ジャパン」という。)を構成している(甲10)。
テバ製薬は、岐阜県高山市に最新鋭の製造設備を有する自社製薬工場を持ち、日本国内に質の高い医薬品を安定的に供給し続けている(甲11)。2015年度売上高は約638億円であり(甲12)、後発薬の分野において国内第3位のシェアを有する国内最大手の製薬企業である(甲13)。
申立人及びテバ製薬は、後述するように、世界中のみならず、我が国においても欧文字「TEVA」の略称によって取引者、需要者間に広く認知されている。
このことから、申立人は、自身の事業に関連する分野において「TEVA」が、第三者によって不当に使用、登録されたりすることを防止すべく、世界中でウォッチング活動を行っている。
本件商標は、そのような活動の過程で発見されたものであり、本件商標が申立てに係る商品に使用された場合、申立人の名声が傷つけられ、当該商品が我が国の市場に流通した場合には、取引者、需要者に甚大な悪影響を及ぼすと判断したことから、申立人は本件商標に対して登録異議の申立に及んだ次第である。
(2)商標法第4条第1項第11号について
ア 本件商標について
本件商標は、欧文字「TERA」と「HEALTH」との間に一文字程度の間隙を設け、サンセリフ体で「TERA HEALTH」のように横書きで表してなる構成である。
そのため、本件商標は「TERA」と「HEALTH」の2語からなるものと容易に認識されるところ、「HEALTH」の語は、「(病気に対して、心身の)健康、健全」程を意味する、我が国でも一般に親しまれた英単語である(甲14)。実際、J-PlatPatで「ヘルス」と付いた商標を検索すると、薬剤関係に限っても226件がヒットし、ありふれた言葉であることが分かる(甲15)。
ここで、本件商標が第5類において指定する商品は、「薬剤」、「医療用試験紙」、「衛生マスク」、「ばんそうこう」、「サプリメント」及び「食餌療法用飲料」など、いずれも病気に対して心身の健康や健全を保つために開発、製造、販売及び使用されることの多い商品であり、これら商品との関係において、本件商標中「HEALTH」の部分は「病気に対して、心身の健康を保つために用いる薬」あるいは「病気に対して、心身の健康を保つために用いるサプリメント」のように、商品の品質を説明しているにすぎないと考えられることから、自他商品の識別機能を有しないか、あってもきわめて弱い部分といえる。
一方、「TERA」の部分は、英語で「一兆」を意味するところ(甲16)、指定商品との関係において何ら結びつきの強い語でなく、ユニークともいえる当該文字部分が、商品の出所識別標識として強く支配的な印象を与えるものであるから、本件商標の要部は欧文字「TERA」の部分である。
イ 引用商標について
引用商標は、申立人が権利者であって(甲17)、欧文字「TEVA」をゴシック体で表してなり、我が国における通常のアルファベット単語の読み方に倣えば「テバ」の称呼が生じ、一般的な辞書に載録のない語であるから特定の語義は有しないものである。しかし、後述するように「TEVA」は申立人の略称及び商標として「テバ」のように読まれ、申立人に係る出所表示として広く認識されている実情がある。
ウ 本件商標と引用商標の対比
本件商標の要部である「TERA」と、引用商標「TEVA」とはいずれも欧文字4文字を横書きにした構成からなり、3文字目のアルファベット「R」と「V」の文字を除く各文字の配列を共通にしているものであって、当該「R」と「V」との相違点は、比較的目につきやすい語頭や語尾ではなく、全体の構成において見逃されがちな中間に位置することから迅速に判別され難く、取引者、需要者が両商標に時と所を異にして離隔的に接した場合には、視覚上近似した印象を受けるものであるから、両商標はその外観において極めて相紛らわしい商標である。
また、両商標の称呼は、「ラ」と「バ」において相違するものの、母音「ア」を共通にして自然に口を大きく開けて発音され、全体のアクセントも共通していることから、「テラ」と「テバ」とは明瞭に聴別しがたく、互いに聞き誤りやすい。
さらに、特許庁の商標審査基準(十 第4条第1項第11号8.)に照らしても、両商標は称呼上類似すると判断されるべきものである。
エ 小括
以上のように、本件商標と引用商標とは、観念において比較できず、外観及び称呼が類似するから両商標は類似している。さらに、本件商標の指定商品第5類「薬剤,医療用試験紙,医療用油紙」は、引用商標の指定商品と同一又は類似の商品である。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に該当する。
(3)商標法第4条第1項第15号について
ア 引用商標の使用態様
申立人は、日本においてもテバ・ジャパンとして多くの医薬品を取り扱っており、中でもジェネリック医薬品と称される後発医薬品を特に多く手掛けている。製薬各社は、後発医薬品の販売名に係る「医療用後発医薬品の承認申請にあたっての販売名の命名に関する留意事項について」と題する通知に従って「薬の一般名」、「剤型」、「含量」、「会社名」の順になるよう命名しているところ、特に、会社名の部分は、より区別がつくよう括弧括りにすることが求められている(甲18)。
このようにして決められる販売名にあっては、商品について自他識別力を発揮する部分が、「会社名」の部分になることは明らかである。すなわち、例えば同じ医薬品について、「薬の一般名」などを上記の順に表し、「会社名」として、テバ製薬は「テバ」、日本ケミファ株式会社は「ケミファ」、沢井製薬株式会社は「サワイ」のように出所を明示しており、取引者、需要者は「どの会社」の製造に係る薬剤であるかを、この部分において認識、識別しているからである。
そして、錠剤は、主にPTPシートと呼ばれる包装材によって包装された状態で取引者、需要者の目に触れるものであり、PTPシートの一方の面には日本語で「テバ」と、他方の面には英語で「TEVA」と記載されている(甲19)。使用される書体も日本語、英語共に判読しやすい、ごく一般的なものが用いられている。
このように、引用商標は、その商品名において引用符により他の要素と明瞭に区切られ、確実に「TEVA」と視認しうる態様で商品「薬剤」について使用されている。
イ 引用商標の周知性
(ア)申立人及びテバ・ジャパンは、多数の医薬品を手掛けているところ(甲20)、特に「ランソプラゾールOD錠15mg/30mg『テバ』」は、我が国において2007年から販売を開始し、その売上高(小売価格ベース)は販売開始以来、累計で数百億円を越える額に達している。そして、同医薬品(後発医薬品)は我が国で8社が販売を手がける中(甲21)、世界的な医療情報データサービス企業(甲22の1)による調べでは、同医薬品分野においてテバ製薬は約2割の販売シェアを確保するに至っている(甲22の2)。
この事実によれば、申立人の略称及び商標が医薬品分野の取引者、需要者の目に多く触れ、広く認識されていることが理解できる。
(イ)「TEVA」又は「テバ」の文字は、申立人の略称として自他問わず使用されてきた。
自らは、企業パンフレット内で自社を「TEVA」と統一して自称し、別途ロゴ態様の「TEVA」(登録第4070460号商標、甲2)をコーポレートマークとしてホームページ、紙資料や社屋看板などに用いている(甲3)。
(ウ)また、数多くの業界紙、一般紙及び書籍において申立人を指し示す略称として「テバ」の語が使用されている(甲23?甲35)。これらには片仮名の「テバ」が使用されているが、例えば「SONY」が「ソニー」、「APPLE」が「アップル」、「GOOGLE」が「グーグル」などと表されることは日常茶飯事であり、主に日本人が対象読者である以上、片仮名を使用していることは便宜的な問題にすぎない。
(エ)主に薬剤師及び薬局関係者を対象とした専門誌「日経ドラッグインフォメーション」(甲36、甲37)によれば、全国の読者1,238人にアンケートした結果、テバ製薬の後発医薬品を自薬局内で1品目でも備蓄しているという「採用率」は84.4%に上り、日医工、沢井製薬に次いで第3位であり、薬剤師等から、申立人及びテバ・ジャパンに係る医薬品は高く認知されている。
(オ)また、同じく薬剤師等に対するアンケートにおいて、テバ製薬に係る医薬品「クロピドグレル錠『テバ』」が、(同業者あるいは患者に)薦めたい後発医薬品として紹介されている(甲37)。さらには、それが優れた製品であるとして具体的な証言と共に大きく取り上げられている。
(カ)さらに、我が国の後発医薬品市場におけるテバ製薬の販売額シェアは、2012年度に6.5%で国内シェア第3位、2013年度に5.6%で国内シェア第3位、2014年度も国内シェア第3位と、高順位のシェアを安定的に維持している(甲13、甲38、甲39)。
(キ)以上の事実に鑑みれば、医薬品の分野における取引者、需要者が、引用商標に親しんでいる確率はきわめて高く、申立人に係る社名の略称及び登録商標たる「TEVA」が、申立人及びその商品を表すものとして我が国全域で広く知られているといって過言ではない。
混同を生じるおそれ
引用商標は、申立人及びその商品を表すものとして我が国で著名となっているから、本件商標が付された指定商品に接した取引者、需要者は、その商品が申立人の業務に係る商品であると誤認し、その商品の出所について混同するおそれがある。
つまり、a)「TEVA」は上記イで述べたように我が国で周知性を獲得している、b)「TEVA」は創造標章といえる、c)「TEVA」は申立人の略称であって、ハウスマークである、d)申立人は製薬企業であり、その属する製薬及び医薬品業界は大型の合併、買収が極めて盛んであり多角経営の可能性が高く、現に医薬品の分野へは他業種からの参入が相次いでいる(甲40?甲42)、e)本件商標に係る指定商品はいずれも、ドラッグストアなど一箇所において「薬剤」とともに販売されていることは普通であるから、商品間の関連性も高い。
そのため、本件商標が付された指定商品を目にした需要者は、その商品が申立人と経済的又は組織的に関係がある者によって販売されていると誤認し、商品の出所について混同するおそれが極めて高い。
エ 小括
したがって、本件商標をその指定商品について使用する場合には、申立人の業務に係る商品と混同を生じるものであるから、本件商標は、商標法第4条第1項第15号に該当する。
(4)商標法第4条第1項第19号について
本件商標は、申立人の略称として世界的に著名な「TEVA」の文字と類似する「TERA」の文字に商品との関係において識別力の弱い「HEALTH」の文字を結合させたにすぎない商標である。本件商標の出願人は化粧品会社であるところ、そのホームページによれば、健康関連や栄養補助食品部門にも事業分野を広げていることが確認でき、これらは、人々の健康にまつわる分野であって、申立人の属する製薬及び医薬品分野とも関連性が強い。
また、申立人は、本件商標の出願より前から、テバ・ジャパンを通じて「TEVA」商標を使用した良質な医薬品を我が国の市場に大量かつ継続的に供給し、取引者等の間において高い知名度を獲得するに至っている。
かかる取引の実情に鑑みれば、本件商標の出願人が、その出願時に著名であった引用商標の存在を知らなかったとはいい難く、自社の商品を「テラ☆ヘルスマット」「テラ☆ヘルス枕」のように「テラ」のシリーズ商品として表し、「Tera」部分を殊更に強調するような態様による使用も確認される(甲43、甲44)。
すなわち、本件商標は、引用商標に化体した高い名声と信用にフリーライドする意図で使用するものであり、商標法第4条第1項第19号に該当する。

4 当審の判断
(1)引用商標の周知性について
ア 申立人提出の甲各号証、同人の主張及び職権調査によれば、次の事実を認めることができる。
(ア)申立人は、1901年にイスラエル国のエルサレムで創業した製薬会社であり、医薬メーカーとして世界10位以内、製造拠点が世界中に87か所、販売国は100か国、売上高は2014年203億ドル、2015年197億ドルであって、2013年及び2014年の売上高は後発医薬品の分野において世界1位である(甲3?甲5、甲7、甲9)。
(イ)申立人は、2008年に興和株式会社との合弁会社として興和テバ株式会社を設立し、日本における本格的な事業展開を開始した。2012年に興和テバ株式会社と大洋薬品工業株式会社が合併し、テバ製薬株式会社(テバ製薬)を設立、同社は2016年10月1日に武田テバファーマ株式会社に名称変更した(職権調査:「武田テバ」ホームページ)。
(ウ)テバ製薬の2014年の売上高は約638億円であり(甲12)、国内後発医薬品市場におけるテバ製薬の販売額シェアは、2012年が6.5%で第3位、2013年が5.6%で第3位、2014年も第3位であった(甲13、甲38、甲39)。
(エ)テバ製薬は、自社のパンフレットにおいて、自社及び申立人を「TEVA」及び「テバ」と表記し(甲3、甲4)、自社の製品(の包装)には「TEVA」及び「テバ」の文字を付している(甲19、甲20)。
(オ)申立人は、多数の新聞、雑誌等で「テバ」と表記されている(甲5?甲9、甲23?甲35)。
イ 上記アの事実によれば、「TEVA」及び「テバ」の文字は、いずれも申立人及びテバ製薬(以下、両社をあわせて「申立人等」という。)の略称として、及び申立人等の業務に係る後発医薬品を表示するものとして薬剤師を含む後発医薬品の取引者の間に広く認識されているものと認めることができる。
しかしながら、申立人等が提出した証拠からは、「TEVA」及び「テバ」の文字が、申立人等の略称として、及び申立人等の業務に係る商品(薬剤)を表示するものとして、薬剤(市販の薬剤を含む。)の一般の需要者の間にまで広く認識されているものと認めることはできない。
したがって、「TEVA」の文字からなる引用商標は、本件商標の登録出願の日前ないし登録査定時において、申立人等の業務に係る商品(薬剤)を表示するものとして需要者の間に広く認識されているものと認めることはできない。
(2)商標法第4条第1項第11号該当性について
ア 本件商標は、上記1のとおり、「TERA HEALTH」の文字からなり、その構成文字は、同書、同大で、まとまりよく一体的に表され、これからは「テラヘルス」の称呼を生じるものである。
そして、本件商標は、その構成中の「HEALTH」の文字が指定商品中の「薬剤」等との関係において、自他商品識別標識としての機能が弱いといえるものの、上記構成及び称呼においては、本件商標の構成文字全体が一体不可分であって、特定の観念を生じないものとして認識、把握されるというべきである。
また、本件商標は、その構成中「TERA」の文字が取引者、需要者に対し商品の出所識別標識として強く支配的な印象を与えるものと認めるに足る事情は見いだせない。
そうすると、本件商標は、その構成文字全体をもって「テラヘルス」の称呼のみを生じ、特定の観念を生じないものである。
イ 他方、引用商標は、上記2のとおり「TEVA」の文字からなり、これからは「テバ」の称呼を生じ、特定の観念を生じないものである。
ウ そこで、本件商標と引用商標とを比較すると、両商標の上記のとおりの外観及び称呼は、構成態様及び語調語感が明らかに異なるから、両商標は、外観上及び称呼上、相紛れるおそれはない。
また、観念については、両商標は、いずれも特定の観念を生じないものであるから、観念上、相紛れるおそれはない。
そうすると、両商標は、外観、称呼及び観念のいずれの点においても相紛れるおそれのない非類似の商標といえる。
エ なお、申立人は、本件商標はその構成中「TERA」の文字が要部であるとして、引用商標「TEVA」と類似する旨主張しているが、上記アのとおり、本件商標は一体不可分のものと認識、把握されるというべきである。
また、「TERA」の文字と「TEVA」の文字とを比較しても、両者は外観において3文字目に「R」と「V」の差異、称呼において語尾に「ラ」と「バ」の音の差異を有するから、それらの差異が共に4文字という少ない文字構成及び2音という短い音構成からなる両者の外観及び称呼に与える影響は大きく、さらに、観念において両者は特定の観念を生じないものであるから、両者は相紛れるおそれのないものである。
オ その他、本件商標と引用商標とが類似するというべき事情は見いだせない。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に該当しない。
(3)商標法第4条第1項第15号該当性について
上記(1)のとおり、引用商標は、申立人等の業務に係る商品(薬剤)を表示するものとして需要者の間に広く認識されているものと認められないものであり、上記(2)のとおり、本件商標は、引用商標と外観、称呼及び観念のいずれの点においても相紛れるおそれのない非類似の商標である。
そうすると、本件商標は、本件商標権者がこれをその登録異議の申立てに係る指定商品について使用しても、取引者、需要者をして引用商標を連想又は想起させることはなく、その商品が申立人等あるいは同人と経済的若しくは組織的に何らかの関係を有する者の業務に係る商品であるかのように、その商品の出所について混同を生じるおそれはないものというべきである。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第15号に該当しない。
(4)商標法第4条第1項第19号該当性について
上記(1)のとおり、引用商標は、申立人等の業務に係る商品(薬剤)を表示するものとして需要者の間に広く認識されているものと認められないものであり、上記(2)のとおり、本件商標と引用商標とは相紛れるおそれのない非類似の商標である。
そして、申立人が提出した証拠をみても、本件商標権者が、引用商標の名声と信用にフリーライドする意図など不正の目的をもって使用をするものと認めるに足る具体的事実を見いだすことができない。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第19号に該当しない。
(5)むすび
以上のとおり、本件商標の指定商品中、登録異議の申立て係る指定商品についての登録は、商標法第4条第1項第11号、同項第15号及び同項第19号のいずれにも違反してされたものとはいえないから、同法第43条の3第4項の規定により、維持すべきものである。
よって、結論のとおり決定する。
異議決定日 2017-02-20 
出願番号 商願2015-114903(T2015-114903) 
審決分類 T 1 652・ 271- Y (W05)
T 1 652・ 222- Y (W05)
T 1 652・ 262- Y (W05)
T 1 652・ 261- Y (W05)
T 1 652・ 263- Y (W05)
最終処分 維持 
前審関与審査官 林 悠貴和田 恵美 
特許庁審判長 大森 健司
特許庁審判官 松浦 裕紀子
田中 亨子
登録日 2016-05-13 
登録番号 商標登録第5850376号(T5850376) 
権利者 エルセラーン化粧品株式会社
商標の称呼 テラヘルス、テラ、ヘルス 
代理人 小谷 武 
代理人 福島 三雄 
代理人 木村 吉宏 
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