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審決分類 審判 査定不服 観念類似 取り消して登録 W10
審判 査定不服 外観類似 取り消して登録 W10
審判 査定不服 称呼類似 取り消して登録 W10
管理番号 1326077 
審判番号 不服2016-650043 
総通号数 208 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標審決公報 
発行日 2017-04-28 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2016-09-09 
確定日 2017-01-18 
事件の表示 国際登録第1264100号に係る国際商標登録出願の拒絶査定に対する審判事件について,次のとおり審決する。 
結論 原査定を取り消す。 本願商標は,登録すべきものとする。
理由 1 本願商標
本願商標は,「MEERA」の欧文字を横書きしてなり,第10類に属する日本国を指定する国際登録において指定された商品を指定商品として,2015年(平成27年)2月26日にGermanyにおいてした商標登録出願に基づいてパリ条約第4条による優先権を主張し,同年7月8日に国際商標登録出願されたものである。
2 引用商標
原査定において,本願商標が商標法第4条第1項第11号に該当するとして,本願の拒絶の理由に引用した登録商標は,以下の(1)ないし(4)のとおりであり,それぞれ,現に有効に存続しているものである。
(1)登録第456903号商標(以下「引用商標1」という。)は,「MERA」の欧文字及び「メラ」の片仮名を二段に書してなり,昭和29年2月25日に登録出願,第18類に属する商標登録原簿記載のとおりの商品を指定商品として,同年12月14日に設定登録され,その後,平成17年6月8日に,指定商品を第8類「ピンセット」及び第10類「スポイト,氷のうつり,綿棒,医療用機械器具(蹄鉄機械器具・電気医療機械・電気補聴器・妊娠帯を除く。),外科用器械,歯科用具」とする指定商品の書換登録がなされ,また,同26年9月9日に,商品及び役務の区分を第10類とする商標権の存続期間の更新登録がなされたものである。
(2)登録第1899992号商標(以下「引用商標2」という。)は,別掲1のとおりの構成よりなり,昭和54年8月7日に登録出願,第10類に属する商標登録原簿記載のとおりの商品を指定商品として,同61年10月28日に設定登録され,その後,平成18年10月25日に,指定商品を第10類「医療用機械器具」とする指定商品の書換登録がなされたものである。
(3)登録第2155138号商標(以下「引用商標3」という。)は,別掲2のとおりの構成よりなり,昭和61年4月3日に登録出願,第10類に属する商標登録原簿記載のとおりの商品を指定商品として,平成元年7月31日に設定登録され,その後,同22年9月1日に,指定商品を第5類「医療用腕環」及び第10類「医療用機械器具」とする指定商品の書換登録がなされたものである。
(4)登録第2155139号商標(以下「引用商標4」という。)は,別掲3のとおりの構成よりなり,昭和61年4月9日に登録出願,第10類に属する商標登録原簿記載のとおりの商品を指定商品として,平成元年7月31日に設定登録され,その後,同22年9月1日に,指定商品を第5類「医療用腕環」及び第10類「医療用機械器具」とする指定商品の書換登録がなされたものである。
以下,これらをまとめていうときは「引用商標」という。
3 当審の判断
(1)本願商標について
本願商標は,前記1のとおり,「MEERA」の欧文字を横書きしてなるところ,該文字は,我が国においてなじみのない英単語であるから,特定の意味を有しない造語と認められるものである。
そして,このような造語については,ローマ字読み又は英語読みに倣って称呼されることが一般的であるところ,広く親しまれた単語「NEED」が「ニード」,「SEED」が「シード」と発音される例を踏まえると,本願商標「MEERA」からは「ミーラ」の称呼を生じるほか,ローマ字風に「メーラ」の称呼をも生じるものである。
また,本願商標からは,特定の観念を生じないものである。
(2)引用商標について
ア 引用商標1について
引用商標1は,前記2(1)のとおり,「MERA」の欧文字及び「メラ」の片仮名を二段に書してなるところ,当該「MERA」及び「メラ」の各文字はいずれも我が国においてなじみのない語であるから,特定の観念を生ずることのない一種の造語として認識されるというのが相当である。また,構成中の「メラ」の片仮名が,「MERA」の欧文字の読みを特定したものと理解し得る。そうすると,引用商標1は,「メラ」の称呼を生じ,特定の観念を生じないものである。
イ 引用商標2について
引用商標2は,別掲1のとおり,角を斜辺にし,上下の辺をやや湾曲させ,黒色の線で縁取りした黒塗りの矩形内に「MERA」の欧文字を白抜きで表してなるところ,当該矩形図形と,「MERA」の欧文字とは,視覚上分離して看取されるものであって,かつ,「MERA」の欧文字は,矩形図形内に大きく目立つように白抜きで表してなるのに対し,矩形図形は枠としてありふれた形状というべきであって,欧文字部分の背景として看取されるとみるのが自然であるから,これに接する需要者,取引者が,構成中の「MERA」の欧文字部分のみに着目して取引を行うことも少なくないというのが相当である。
そうすると,引用商標2は,その構成中「MERA」の欧文字部分に相応して「メラ」の称呼を生じ,該文字は我が国においてなじみのない語であって,一種の造語と認められるものであるから,特定の観念を生じないものである。
ウ 引用商標3について
引用商標3は,別掲2のとおり,大小の縦長矩形を斜めに結合させた図形を2つ並列に表し,その右側に「MERA」の欧文字を横書きしてなるところ,当該図形部分と「MERA」の欧文字部分とは,視覚上分離して看取されるものである。そして,当該図形部分は,特定の称呼及び観念を生じないとみるのが相当であり,また,当該欧文字部分は,我が国においてなじみのない語であって,一種の造語と認められるものであるから,特定の観念を生じないものである。
そうすると,引用商標3を構成する図形部分と文字部分とは,観念上の結びつきはないといえるから,それぞれが独立して自他商品の識別標識としての機能を果たし得るものとみるのが相当である。してみれば,引用商標3は,その構成中「MERA」の欧文字部分に相応して「メラ」の称呼を生じ,特定の観念を生じないものである。
エ 引用商標4について
引用商標4は,別掲3のとおり,大小の縦長矩形を斜めに結合させた図形を2つ並列に表し,その下に「MERA」の欧文字を横書きしてなるところ,当該図形部分と「MERA」の欧文字部分とは,視覚上分離して看取されるものである。そして,当該図形部分は,特定の称呼及び観念を生じないとみるのが相当であり,また,当該欧文字部分は,我が国においてなじみのない語であって,一種の造語と認められるものであるから,特定の観念を生じないものである。
そうすると,引用商標4を構成する図形部分と文字部分とは,観念上の結びつきはないといえるから,それぞれが独立して自他商品の識別標識としての機能を果たし得るものとみるのが相当である。してみれば,引用商標4は,その構成中「MERA」の欧文字部分に相応して「メラ」の称呼を生じ,特定の観念を生じないものである。
(3)本願商標と引用商標の類否について
本願商標と引用商標とは,それぞれ上記(1)及び(2)アないしエのとおりの構成からなるところ,本願商標と引用商標の要部である「MERA」の欧文字部分を比較すると,両者はつづりを異にするものであり,外観において相違する。また,本願商標と引用商標全体を比較しても,両者は構成を著しく異にするものであり,外観上明確に区別できるものである。してみれば,両者は外観において相紛れるおそれはない。
次に,本願商標から生じる「ミーラ」の称呼と,引用商標から生じる「メラ」の称呼とは,その音構成が異なり,音数も相違するものであるから,明瞭に聴別し得るものである。
また,本願商標から生じる「メーラ」の称呼と,引用商標から生じる「メラ」の称呼とを比較すると,両者は,中間音において,長音の有無の差異を有するところ,本願商標の「メーラ」の称呼は,中間音の長音が,前音「メ」の母音(e)を長く伸ばすものであることから,滑らかに発音され聴取されるのに対し,引用商標の「メラ」の称呼は,各音が明確に発音されものである。そうすると,本願商標から生じる「ミーラ」の称呼と,引用商標から生じる「メラ」の称呼とは,両者の3音及び2音という比較的短い音構成において,長音の有無が称呼全体に及ぼす影響は小さいものとはいえず,両者をそれぞれ称呼しても,語調,語感が相違し,互いに聴別し得るものであるから,称呼上相紛れるおそれはない。
そして,本願商標と引用商標とは,いずれも特定の観念を有しないものであるから,観念上,比較することはできない。
以上よりすると,本願商標と引用商標は,観念において比較し得ないとしても,外観,称呼において明らかに異なるものであるから,相紛れるおそれのない非類似の商標というべきである。
(4)まとめ
したがって,本願商標が商標法第4条第1項第11号に該当するとした原査定は,取消しを免れない。
その他,本願について拒絶の理由を発見しない。
よって,結論のとおり審決する。
別掲 【別記】



審理終結日 2016-12-09 
結審通知日 2016-12-20 
審決日 2017-01-05 
国際登録番号 1264100 
審決分類 T 1 8・ 261- WY (W10)
T 1 8・ 263- WY (W10)
T 1 8・ 262- WY (W10)
最終処分 成立  
前審関与審査官 林 圭輔 
特許庁審判長 早川 文宏
特許庁審判官 小林 裕子
平澤 芳行
商標の称呼 ミーラ、メーラ 
代理人 絹谷 信雄 

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