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審決分類 審判 査定不服 商3条1項3号 産地、販売地、品質、原材料など 登録しない W41
審判 査定不服 商3条2項 使用による自他商品の識別力 登録しない W41
管理番号 1326015 
審判番号 不服2016-11663 
総通号数 208 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標審決公報 
発行日 2017-04-28 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2016-07-17 
確定日 2017-03-01 
事件の表示 商願2015-54253拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。
理由 1 本願商標
本願商標は、「爆音上映」の文字を横書きしてなり、第41類に属する願書記載のとおりの役務を指定役務として、平成27年5月26日に登録出願、その後、指定役務については、同年12月1日付けの手続補正書により、第41類「映画・演芸・演劇又は音楽の演奏の興行の企画又は運営,映画の制作又は配給,演芸の上演,演劇の演出又は上演,音楽の演奏,映画に関するイベントの企画・運営又は開催,映画祭の企画並びに運営,興行の企画・運営又は開催(映画・演芸・演劇・音楽の演奏の興行及びスポーツ・競馬・競輪・競艇・小型自動車競走の興行に関するものを除く。),セミナーの企画・運営又は開催,書籍の制作」と補正されたものである。

2 原査定の拒絶の理由の要点
原査定は、「本願商標は、『爆発する音』を意味する『爆音』の文字と、『上映』の文字を一連に『爆音上映』と書してなるところ、『爆音上映』の語は、本願の指定役務中、映画に関する役務を提供する業界において、『大音量での上映』程の意味で使用されている語であり、これを本願の指定役務中、『映画の興行の企画又は運営,映画の制作又は配給,映画に関するイベントの企画・運営又は開催,映画祭の企画並びに運営』に使用しても、これに接する需要者は、該役務が『大音量での上映に関する役務』程の意味合いを認識、理解するから、単に役務の質(内容)を表示するにすぎないものと認める。したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当する。」旨認定、判断し、本願を拒絶したものである。

3 当審の判断
(1)商標法第3条第1項第3号該当性について
本願商標は、「爆音上映」の文字を横書きしてなるところ、その構成中、「爆音」の文字は、「爆発する音」の意味を有する語であり、「上映」の文字は、「映画をスクリーンにうつして観客に見せること」の意味を有する語(いずれも、株式会社岩波書店「広辞苑第六版」)であって、どちらも一般的に親しまれている語といえるから、本願商標の構成文字全体からは、「爆音で映画を見せる(上映する)」程の意味合いを容易に看取、把握されるものというが相当である。
ところで、本願の指定役務中、「映画の興行の企画又は運営,映画の制作又は配給,映画に関するイベントの企画・運営又は開催,映画祭の企画並びに運営」を取り扱う業界において、「爆音上映」の語が、「大音響による上映方法」又は「通常よりも音響効果に力を入れた上映方法」の意味合いで使用されていることは、原審で示した事実のほか、別掲のインターネット情報からも裏付けられるものである。
そうすると、「爆音上映」の文字からなる本願商標を、その指定役務中、「映画の興行の企画又は運営,映画の制作又は配給,映画に関するイベントの企画・運営又は開催,映画祭の企画並びに運営」に使用しても、これに接する取引者、需要者は、「大音響による上映方法」又は「通常よりも音響効果に力を入れた上映方法」に係る役務であることを認識するにすぎないものである。
してみれば、本願商標は、映画の上映方法についての役務の質を表示したにすぎず、自他役務の識別標識としての機能を果たし得ないものであるから、その役務の質を普通に用いられる方法で表示する標章のみからなる商標というのが相当である。
したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当する。
(2)商標法第3条第2項該当性について
請求人は、本願商標は、請求人が長年にわたってその業務に係る役務について使用してきた結果、その役務と密接に結びついて自他役務の識別力を発揮するに至ったと評価することができるから、商標法第3条第2項に該当する旨主張し、証拠方法として、甲各号証を提出している。
そこで、以下、本願商標が、同項に該当するかに否かについて検討する。
ア 本願商標の使用開始時期・期間・地域、実際の使用状況等
請求人は、2004年5月頃から、ロック・ミュージックのライブ用音響機材を使用し、特殊な上映方法として、東京・吉祥寺所在の映画館「バウスシアター」での上映を皮切りに、現在に至るまで、約12年間にわたり「爆音上映」の文字を使用し、日本の各地で映画祭及び上映会を企画及び開催してきた(甲1ないし甲6、甲8及び甲9)。
イ 開催規模、メディアでの取扱い等
請求人は、2004年から2016年までの間に、年に4回から10数回のペースで、数日から1か月間程度の期間の上映会の企画及び開催を行っている(甲1)。
そして、その様子は、各種メディアにも取り上げられてきた(甲6、甲7及び甲9)。
しかしながら、提出された証拠は、請求人関係者の発行による書籍、作成者不明の年表等とフライヤー広告のみで、具体的な、上映会の開催された会場の規模、入場者数や広告宣伝の回数、方法等が不明であり、実際にどの程度の需要者が目にしたかは明らかでない。
また、メディアに取り上げられたとして、証拠として提出されたのは、新聞及び雑誌の掲載記事がわずか各1回と、ブログの記事が1回にすぎないものであり、かつ、甲第7号証の雑誌においては、「爆音映画祭」の文字は読み取れるものの、本願商標である「爆音上映」の文字は見当たらないばかりか、その発行部数等も不明である。
以上のとおり、これらの事実によっては、本願商標が、請求人の業務を表すものとして、需要者の間において広く知られていると認めることはできないものである。
そうすれば、本願商標は、その指定役務中、「映画の興行の企画又は運営,映画の制作又は配給,映画に関するイベントの企画・運営又は開催,映画祭の企画並びに運営」を取り扱う業界において、これに接する需要者が、「大音響による上映方法」又は「通常よりも音響効果に力を入れた上映方法」という役務の質表示であるとの認識を上回って、使用された結果、需要者が何人かの業務に係る役務であることを認識することができるものに至ったとまではいえないものである。
してみれば、本願商標は、商標法第3条第2項の要件を具備するということはできない。
(3)まとめ
以上のとおり、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当し、かつ同条第2項の要件を具備するものではないから、登録することができない。
よって、結論のとおり審決する。
別掲 別掲 「爆音上映」の文字の使用例
(1)「Real Sound」のウェブサイトにおいて、「映画『ソレダケ / that’s it』爆音上映会が開催 初日舞台挨拶で石井岳龍監督、染谷将太らが登壇」の見出しの下、「石井岳龍監督の最新作『ソレダケ / that’s it』の爆音上映会が5月27日(水)に渋谷TSUTAYA O-EASTで行なわれた。・・・ブッチャーズの主戦場だったライブハウスで音楽のライブさながらに爆音で上映したいという制作スタッフの意向で実現した。」の記載がある。
(http://realsound.jp/2015/05/post-3362.html)
(2)「オタポル/OTAPOL」のウェブサイトにおいて、「【劇場アニメレビュー】数々の名戦車映画へのオマージュと戦車愛が炸裂! 戦車が戦車として戦う魅力に溢れた『ガルパン』」の見出しの下、「正直、TVシリーズ(2012年)の段階からかなりの戦車愛とそれゆえの思い入れを感じてはいたのだが、やはりTVモニターと銀幕の大画面の差、そして爆音上映が絶対的にふさわしい大音響によって、『ガルパン』が実に映画的テイストの作品であったことを痛感させられる。」の記載がある。
(http://otapol.jp/2015/11/post-4760_entry.html)
(3)「ガジェット通信」のウェブサイトにおいて、「トーキング・ヘッズ不朽の名作を爆音上映」の見出しの下、「トーキング・ヘッズ×ジョナサン・デミ監督による不朽の映画『ストップ・メイキング・センス』の国内盤ブルーレイが6月17日(水)に発売されることを記念して、6月16日に渋谷WWWにて爆音上映がおこなわれる。」、「『爆音上映』は、通常の映画用の音響セッティングではなく、ライヴ用の機材をフルに使い、大音響の中で映画を観るという企画。会場は数々の音楽イベントをおこなっている東京カルチャーの拠点、渋谷WWW。」の記載がある。
(http://getnews.jp/archives/886198)
(4)「PRTIMES」のウェブサイトにおいて、「『TOTO/ライヴ・アット・モントルー 1991』DVD発売記念! 一度きりの爆音上映会が8月31日渋谷クラブクアトロで開催! 9月14日発売ブルーレイ『デラックス・エディション』の内容も決定!」の見出しの下、「作品化にあたってスティーヴ・ルカサー自身がプロデュースを担当、サウンド・ミックスに関しても彼自身が積極的に関わったことにより、素晴らしいサウンドに仕上がった。また、映像は驚くことにハイ・ディフィニション撮影(高精細度ビデオカメラでの撮影)された素材を使用しているため、25年前の映像とは思えない鮮明な映像を、大画面、大迫力のサウンドをライヴハウスで体験できる唯一の機会となる。」の記載がある。
(http://prtimes.jp/main/html/rd/p/000001126.000004566.html)
(5)「1年で365本ひたすら映画を観まくる日記」のウェブサイトにおいて、「こち亀で爆音上映ネタが取り上げられる」の見出しの下、「爆音上映とは、簡単に言うと『通常よりも音響効果に力を入れた上映形態』のことで、昨年の夏に立川シネマシティで『極上爆音上映』(極爆)という公演が実施され、大人気を博したんですけど、それをネタにしてるのではないかと。」の記載がある。
(http://d.hatena.ne.jp/type-r/20160603)
(6)「ねとらぼエンタ」のウェブサイトにおいて、「メタリカのライブ映画が爆音上映決定! ライブ会場の音響システムをフル活用した“ヘドバンあり”の体験ができる」の見出しの下、「ライブ会場のPAシステムをフル活用した大音量上映は日本初、世界でも類を見ない試み。スタンディングあり・絶叫あり・シンガロングあり・ヘドバンありで、メタリカのライブを疑似体験することができます。」の記載がある。
(http://nlab.itmedia.co.jp/nl/articles/1609/02/news070.html)
(7)「PRTIMES」のウェブサイトにおいて、「DVD発売記念! 爆音『レイジ・アゲインスト・ザ・マシーン ライヴ』9/29東京、10/12大阪にて爆音上映決定!」の見出しの下、「今回の爆音『レイジ・アゲインスト・ザ・マシーン ライヴ』は、2010年6月、ロンドンで行われた8万人もの熱狂するファンを集めたフリー・コンサートを、“爆音”と言われる大音量で上映するもので、東京では9月29日(火)にヤマハ銀座スタジオ、大阪では10月12日(月・祝)に梅田クラブクアトロで実施されます。」の記載がある。
(http://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000620.000004566.html)
(8)「京都精華大学」のウェブサイトにおいて、「爆音上映会」の見出しの下、「ジム・ジャームッシュ監督作品を大音量で鑑賞できます。爆音上映会とは、音楽ライブ用の音響セッティングを使用し、大音量の中で映画を楽しむという上映会だそうです。」の記載がある。
(http://johokan.kyoto-seika.ac.jp/modules/fromkyoto/?content_id=1057&cat_id=1&pcm=201610)
(9)「coldcupのメモ」のウェブサイトにおいて、「4DX爆音上映会 パシフィックリム・パーティー2014 中川コロナシネマワールド」の見出しの下、「『爆音上映会』と銘打たれているとおり通常よりも大きな音量で上映されるだけではなく、(とはいえそこまで大音量ではなく、体感で1.2倍くらい?)上映中に叫ぶこともOKとされています。」の記載がある。
(http://d.hatena.ne.jp/coldcup/20140202/p1)
(10)「テイルズ オブ ゼスティリア ザ クロス」のウェブサイトにおいて、「『マチ★アソビ』Vol.17:追加イベント続々決定、イベント開催日程も公開!」の見出しの下、「■爆音上映 眉山山頂で『テイルズ オブ ゼスティリア ザ クロス』を爆音大スクリーンで観よう!山頂上映なので、映画館でもなしえない大音量での鑑賞が出来る!」の記載がある。
(http://toz-thex-anime.tales-ch.jp/topics/news/event/)
(11)「芽瑠璃堂」のウェブサイトにおいて、「フランク・ザッパ『ロキシー・ザ・ムーヴィー』爆音上映が開催」の見出しの下、「第1部は、長年ファンの間でリリースが待望されつつも40年以上お蔵入りとなっていたフランク・ザッパ&ザ・マザーズの伝説のライヴ『ロキシー・ザ・ムーヴィー』(1973年)本編を爆音上映。製作者のザッパ・ファミリー・トラストによりたった一度だけ承認された上映会であり、大音量で素晴らしいパフォーマンスを堪能できるまたとない機会となる。」の記載がある。
(http://merurido.jp/topic.php?srcbnr=8828)
(12)「音楽ナタリー」のウェブサイトにおいて、「DIR EN GREYドキュメンタリー爆音上映会を東名阪開催」の見出しの下、「両作品に収録されているライブ映像を、大音量かつ臨場感あふれるサウンドで楽しめる上、本邦初公開となる映像の一部も観ることができるというものだ。」の記載がある。
(http://natalie.mu/music/news/71787)

審理終結日 2016-11-08 
結審通知日 2016-12-02 
審決日 2016-12-15 
出願番号 商願2015-54253(T2015-54253) 
審決分類 T 1 8・ 17- Z (W41)
T 1 8・ 13- Z (W41)
最終処分 不成立 
前審関与審査官 豊瀬 京太郎大森 友子 
特許庁審判長 山田 正樹
特許庁審判官 中束 としえ
大井手 正雄
商標の称呼 バクオンジョーエー、バクオン 
代理人 水野 祐 
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