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審決分類 審判 査定不服 商3条2項 使用による自他商品の識別力 登録しない W28
審判 査定不服 商3条1項5号 簡単でありふれたもの 登録しない W28
管理番号 1326014 
審判番号 不服2016-369 
総通号数 208 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標審決公報 
発行日 2017-04-28 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2016-01-08 
確定日 2017-02-27 
事件の表示 商願2014-108241拒絶査定不服審判事件について,次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は,成り立たない。
理由 第1 本願商標
本願商標は,別掲1のとおり,「E6X」の文字を横書きしてなり,第28類「釣りざお,釣り用リール,釣り用ロッドホルダー,その他の釣り具,遊園地用機械器具,愛玩動物用おもちゃ,おもちゃ,人形,チェス用具,チェッカー用具,手品用具,ドミノ用具,トランプ,遊戯用器具,ビリヤード用具,運動用具」を指定商品として,平成26年12月22日に登録出願されたものである。

第2 原査定の拒絶の理由(要旨)
原査定は,「本願商標は,『E6X』の文字を筆文字風に表示してなるところ,これはいまだ普通に用いられる方法の域を脱しない表示といわざるを得ないものである。そして,本願の指定商品を取り扱う業界をはじめ各種産業分野において,欧文字1字または2字を,単独でまたは数字などと組み合わせて商品の形式,規格または品番等を表示する記号,符号として,取引上普通に採択,使用されている実情があるから,本願商標をその指定商品に使用するときは,これに接する取引者,需要者は,商品の品番等を表示するための記号,符号の一類型と認識するにとどまり,自他商品の識別標識とは認識し得ないとみるのが相当である。よって,本願商標は,極めて簡単で,かつ,ありふれた標章のみからなる商標であるから,商標法第3条第1項第5号に該当する。」旨認定,判断し,本願を拒絶したものである。

第3 当審における審尋
当審において,平成28年4月12日付けで,以下のとおり,本願商標が商標法第3条第1項第5号に該当するものであり,かつ,同条第2項の要件を具備しない旨の審尋を発し,期間を指定して,請求人に意見を述べる機会を与えた。
1 商標法第3条第1項第5号について
本願商標は,筆文字ないし手書き風の書体で「E6X」の欧文字及び数字を横書きしてなるものである。
ところで,本願商標と同様に,欧文字の間に数字を介した標章は,別掲2に示すとおり,釣り用品をはじめ,本願商標の指定商品を取り扱う業界において,商品の規格,種別等を表示する記号・符号として,あるいはシリーズ商品を識別するための記号・符号として,取引上,普通に用いられている実情がある。また,このような商品管理のための記号・符号は,商品の受注・発注伝票などの取引書類や広告のためのチラシなどにおいては,手書き(風)の文字で記載されることも少なくない。
そして,本願商標は,「E」,「6」及び「X」の欧文字2文字と数字1文字を,筆文字ないし手書き風の書体で同程度の間隔を設けて横書きしてなるものであり,用いられる文字の形や組合せ方法に特徴があるわけではなく,また,文字数も3文字と少ない。このような構成に照らせば,本願指定商品の分野において,本願商標は,その構成において,上記のような商品管理のための記号・符号として普通に用いられるものと比べて,特段の差異があるとは認められない。
したがって,本願商標は,極めて簡単で,かつ,ありふれた標章のみからなるものと認められる。
2 商標法第3条第2項について
請求人は,本件審判の請求の理由において,「本願商標は現に商標として使用されており,本件商品の需要者である釣りマニアのブログをみれば,需要者は本願商標を本願出願人の釣り用ロッドを示す出所識別標識と認識していることは明らか」である旨主張し,証拠方法として第10号証ないし第11号証の7を提出しているが,これのみによっては,本願商標が使用をされた結果,需要者が請求人の業務に係る商品であることを認識するに至っているものと認めることはできない。
仮に,本願商標が,商標法第3条第2項の要件を具備することを主張するならば,(ア)実際に使用している商標並びに商品,(イ)使用開始時期,使用期間,使用地域,(ウ)生産,証明若しくは譲渡の数量又は営業の規模(店舗数,営業地域,売上高等),(エ)広告宣伝の方法,回数及び内容,(オ)一般紙,業界紙,雑誌又はインターネット等における記事掲載の回数及び内容,等の本願商標の使用を定量的に把握できる資料を提出されたい。

第4 審尋に対する請求人の回答(要旨)
上記第3の審尋に対し,請求人は,平成28年7月14日付けの回答書において,要旨以下のように述べた。
1 本願商標は,「EXCELLENT」の略語「EX」の中間に脚韻を踏むよう「6」を挿入して,語呂良く一連に称呼(「イーシックスエックス」)できるようにした一種の造語であり,単純な記号・符号とは異なる。また,本願商標は,手書き風ではあるが,手書き文字とはそもそも異なり,既存のフォントにも見受けられない特徴的なデザインが施されたロゴマークというべきものであって,もはや普通に用いられる域を脱しているものである。
よって,本願商標は,商標法第3条第1項第5号に該当しない。
2 本願商標は,以下のとおり,フライフィッシングロッドの著名なメーカーに係る人気商品であり,需要者の間で周知となっているものであるから,商標法第3条第2項に該当するものである。
(1)実際に使用している商標・商品
請求人は,本願商標と同一の商標を,バス釣り用のフライフィッシングロッドに使用している(第10,11の1?7,48,51号証)。
(2)使用開始時期,使用期間,使用地域
本願商標が使用されたロッドは,2015年より我が国に輸入され,全国のフライロッド専門店や,大手釣具店で販売されている(第51,52,57,59号証)。
(3)生産,証明若しくは譲渡の数量又は営業の規模
本願商標を付した商品の輸出額は,2015年で約810万円,2016年の上半期で約592万円である(第53号証)。一方,国内の釣り竿の市場規模は275億円(2013年)であり(第54号証),バス釣り用のフライフィッシングロッドに限れば,釣り竿の種類の比率からして,その15?20分の1程度の数億円程度と考えられる。さらに輸入ロッドとなると,数千万円の規模にとどまると考えられることからすれば,上記輸出額は決して小さいものではない。
(4)広告宣伝の方法,回数及び内容
我が国では主として販売店によるインターネットを中心とした広告宣伝が行われている(第58号証)。
なお,請求人は,「アメリカンロッド界のレジェンド」(第11号証の3),「フライロッドの超有名メーカー」(第52号証)などと称され,フライロッド界では極めて著名なメーカーであり,その新製品であれば,需要者の間で直ちに周知となるものである。
(5)その他
本願商標の周知性については,使用に係る商品が極めて専門的・マニアックなものであることを十分に考慮されるべきである。
なお,請求人は,本願指定商品を例えば「フライロッド用の釣り竿」等に限定する用意がある。

第5 当審の判断
1 商標法第3条第1項第5号について
(1)本願商標の商標法第3条第1項第5号該当性
本願商標は,上記第3の1に記載のとおり,極めて簡単で,かつ,ありふれた標章のみからなるものと認められるから,商標法第3条第1項第5号に該当するものと判断する。
すなわち,本願商標は,別掲1のとおり,筆文字ないし手書き風の書体で「E6X」の欧文字及び数字を横書きしてなるところ,その構成態様は,欧文字の間に数字を介してなるものであり,このような構成は,別掲2のとおり,本願商標の指定商品を取り扱う業界において,商品の規格,種別等を表示する記号・符号として,あるいはシリーズ商品を識別するための記号・符号として,取引上,普通に用いられている。
そして,本願商標は,筆文字ないし手書き風の書体で表されているが,容易に「E6X」の欧文字及び数字を表したものと看取,理解されるものであって,用いられる文字の形や組合せ方法に特徴があるわけではなく,また,文字数も3文字と少ないものである。さらに,一般に商取引において,商品管理のための記号・符号が,商品の受注・発注伝票などの取引書類や広告のためのチラシなどに,手書き(風)の文字で記載されることも少なくないことも考慮すれば,本願商標の指定商品の分野において,本願商標の構成が,そのデザインにより強く印象づけられ,上記のような商品管理のための記号・符号として普通に用いられるものとは別異の際立った特徴を備えたものとして認識されるとまではいい難い。
そうすると,本願商標は,極めて簡単で,かつ,ありふれた標章のみからなるものと認められるから,自他商品の識別標識としての機能を果たし得ないものといわなければならない。
(2)請求人の主張について
ア 請求人は,「本願商標は,『EXCELLENT』の略語『EX』の中間に脚韻を踏むよう『6』を挿入し,語呂良く一連に称呼できるようにした一種の造語であり,単純な記号・符号とは異なる。また,本願商標は手書き風ではあるが,手書き文字とはそもそも異なり,既存のフォントにも見受けられない特徴的なデザインが施されたロゴマークというべきものであって,もはや普通に用いられる域を脱しているものである。」旨主張する。
しかしながら,請求人がどのような意図をもって本願商標を採択したとしても,本願商標に接する取引者,需要者が,そのような意図に沿ってのみ本願商標を理解,認識するとはいえない。そして,本願商標は,「E」,「6」及び「X」の欧文字2文字と数字1文字を,筆文字ないし手書き風の書体で同程度の間隔を設けて順に羅列してなるにすぎず,用いられる文字の形や組合せ方法に特徴があるわけではないから,極めて簡単で,かつ,ありふれた標章のみからなるものといわざるを得ない。
イ 請求人は,過去の登録例を挙げ,本願商標も自他商品識別力が認められてしかるべきである旨主張する。
しかしながら,登録出願に係る商標が商標法第3条第1項第5号に該当するものであるか否かの判断は,当該商標の査定時又は審決時において,当該商標の構成態様と指定商品との関係や取引の実情をも踏まえて個別具体的に検討・判断されるべきものであり,過去の登録例が存在することをもって,本願商標の上記判断が左右されるものではない。加えて,請求人の挙げる登録例は,本願商標とはその指定商品が異なるばかりか,商標の構成態様においても異なるものであるから,事案を異にするものというべきである。
ウ 請求人の上記主張は,いずれも採用することができない。
(3)小括
したがって,本願商標は,商標法第3条第1項第5号に該当する。
2 商標法第3条第2項について
請求人は,平成28年7月14日付けの回答書において,本願商標は,自己の業務に係る役務を表すものとして需要者に広く認識されるに至っているから,商標法第3条第2項に該当し,登録されるべきものである旨主張し,証拠方法(第10号証及び第11号証,第48号証,第51号証ないし第60号証,枝番を含む。)を提出している。
そこで,本願商標が商標法第3条第2項の要件を具備するか否かについて,以下判断する。
(1)実際に使用している商標・商品
請求人は本願商標と同一の商標を,本願商標の指定商品中「釣りざお」の範ちゅうに含まれる「バス釣り用のフライフィッシング用ロッド」(以下「使用商品」という。)に使用している旨主張し,証拠として,釣り用品販売店のウェブサイト(第10,11の1?7,48,51号証)を提出している。
このうち,第10,11,48号証によれば,釣り用品販売店のウェブサイトにおいて,請求人と認識させる「GLoomis」,「G.Loommis」又は「G-Loomis」の表示とともに,本願商標が付された釣り竿の写真が掲載され,販売されている事実がうかがえることから,請求人は,釣り竿について,本願商標を使用していることが認められる。
(2)使用開始時期,使用期間,使用地域
請求人は,使用商品が2015年より我が国に輸入され,全国のフライフィッシングロッド専門店や,大手釣具店で販売されている旨主張し,証拠として,釣り用品販売店のウェブサイト(第51,52,57,59号証)を提出している。
しかしながら,上記各号証においては,使用商品の取扱い時期が記載されていないから,その使用開始時期が正確に把握できない。
なお,仮に請求人の主張のとおり,使用商品が2015年より日本において使用が開始されたものであるとしても,その使用期間はわずか1年余りであり,決して長いとはいえない。
(3)生産,証明若しくは譲渡の数量又は営業の規模
請求人は,使用商品の輸出額が2015年で約810万円,2016年の上半期で約592万円である旨,また,国内の釣り竿の市場規模が275億円(2013年)であって,バス釣り用のフライフィッシングロッドに限れば,釣り竿の種類の比率からして,その15?20分の1程度の数億円程度と考えられ,さらに輸入ロッドは数千万円規模にとどまるから,上記輸出額は決して小さいものではない旨主張し,証拠として,使用商品についての2015年及び2016年上半期のインボイスベースの売上高を示す資料(第53号証)及び国内の釣り竿の出荷規模(第54号証)を提出している。
しかしながら,使用商品の輸出額(第53号証)では,日本に対する輸出額が不明であるし,また,バス釣り用のフライフィッシングロッド及びその輸入ロッドの国内市場規模を,釣り竿の種類の比率から割り出すのも合理的とはいえないから,これらを単純に比較し,我が国における使用商品の販売規模を推測することはできない。
(4)広告宣伝の方法,回数及び内容
請求人は,我が国では主として販売店によるインターネットを中心とした使用商品の広告宣伝が行われている旨,及び,請求人が「アメリカンロッド界のレジェンド」「フライロッドの超有名メーカー」などと称されるフライフィッシングロッド界では極めて著名なメーカーであり,その新製品であれば,需要者の間で直ちに周知となるものである旨主張し,証拠として,販売店のインターネット記事を提出している(第11号証の3,52,58号証)。
しかしながら,上記各号証の記事はわずか数件にすぎないものであって,当該インターネットの情報のみをもって本願商標が自他商品の識別標識として認識されているということはできない。また,請求人が著名な釣り竿のメーカーである旨の記載があるからといって,使用商品が広く一般に知られているということにはならない。
(5)小括
上記(1)ないし(4)からすれば,請求人は我が国において,本願商標をバス釣り用のフライフィッシングロッドに使用していることは認められる。
しかしながら,本願商標の使用開始時期,使用期間,使用商品の生産又は販売の数量,広告宣伝の方法及び回数等について,請求人の提出に係る各号証は,商標の周知性を客観的に示すものとして十分なものと認めるに足りるものではない。
その他,請求人の提出に係る全証拠によっても,請求人が本願商標を使用した結果,本願商標が,需要者が何人かの業務に係る商品であることを認識されるに至っていると認めることはできない。
したがって,本願商標がその指定商品について使用をされた結果,需要者が請求人の業務に係る商品であることを認識することができるものとは認められないから,本願商標は,商標法第3条第2項の要件を具備するものとはいえない。
なお,請求人は,本願指定商品を例えば「フライロッド用の釣り竿」等に限定する用意がある旨述べているが,仮に,バス釣り用のフライフィッシングロッドの国内市場規模が請求人の主張どおり数億円程度であるとすれば,使用商品の輸出額(第53号証)が全て日本に対するものであったとしても,その国内市場規模は僅かなものといわざるを得ず,さらにこれを輸入ロッドに限定してみなければならない理由もないから,指定商品の補正によって上記判断が変わるものではない。
3 まとめ
以上のとおり,本願商標は,商標法第3条第1項第5号に該当し,かつ,同条第2項に規定する要件を具備するものでもないから,これを登録することはできない。
よって,結論のとおり審決する。
別掲 別掲1(本願商標)


別掲2(本願商標の指定商品を取り扱う業界において,欧文字の間に数字を介した標章が,商品の規格,種別等を表示する記号・符号として,あるいはシリーズ商品を識別するための記号・符号として使用されている例)
(1)「釣り具の通販サイト 城峰釣具店」のウェブサイトにおいて,「スピニングリール シマノ/SHIMANO スピニングリール ツインパワー/TWIN POWER」の見出しのもと,釣り用リールの商品説明として,「【品番】C2000S」の記載がある。
(2)「サンサン株式会社」のウェブサイトにおいて,「サンサン釣具★ルアーバイブ」の見出しのもと,ルアーの商品説明として,「品番:V1017A」の記載がある。
(3)「Maxsoul」のウェブサイトにおいて,「Superior S03」の見出しのもと,ゴルフクラブの商品説明として,「品番 S03D」の記載がある。
(4)「KFE京都フェンシング用品」のウェブサイトにおいて,「マスク&グローブ」の見出しのもと,フェンシング用マスクの品番として「F0760U」「F0761P」等の記載がある。
(5)「amazon.co.jp」のウェブサイトにおいて,「バーベル&フィットネスバー」の項に,「NISHI(ニシ・スポーツ) ソフトトレーニングバー 6.5kg T7926E」の記載がある。
(6)釣り用品カタログ「Fishing Tackle Catalogue 1999」(株式会社シマノ発行)において,「Bass Rod」の項に,釣り竿「IGハイスピードスコーピオンEV(スピニングタイプ)」の品番として,「EV2632R」,「EV2651R」,「EV2652R」及び「EV2681R」等の記載がある(128頁)。
(7)前掲カタログにおいて,「Salt Water Rod」の項に,釣り竿「IGハイスピードスコーピオンオシア(ベイタイプ)」の品番として,「S8021SB」,「S9021SB」,「S10021SB」及び「S10031SB」等の記載がある(138頁)。
(8)釣り用品カタログ「Step Up’97」(ダイワ精工株式会社発行)において,「フライロッド,フライキット」の項に,釣り竿「ロッホモア-X」の品番として,「F804U」,「F805U」,「F865U」及び「F866U」等の記載がある(102頁)。
(9)前掲カタログにおいて,「投専用スピニング」の項に,「トーナメントサーフ・Z45T」の記載がある(120頁)。
(10)前掲カタログにおいて,「LURES」の項に,ルアー「ショアラインシャイナー・ナイトリミテッド」の品番として「R30S」,「R35S」,「R40S」及び「R20S」等の記載がある。


審理終結日 2016-09-20 
結審通知日 2016-09-23 
審決日 2016-10-14 
出願番号 商願2014-108241(T2014-108241) 
審決分類 T 1 8・ 15- Z (W28)
T 1 8・ 17- Z (W28)
最終処分 不成立 
前審関与審査官 板谷 玲子小松 里美 
特許庁審判長 早川 文宏
特許庁審判官 小林 裕子
田村 正明
商標の称呼 イイシックスエックス、イイロクエックス 
代理人 恩田 誠 
代理人 恩田 博宣 
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