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審決分類 審判 査定不服 商3条2項 使用による自他商品の識別力 取り消して登録 W34
審判 査定不服 商3条1項3号 産地、販売地、品質、原材料など 取り消して登録 W34
管理番号 1325977 
審判番号 不服2016-2368 
総通号数 208 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標審決公報 
発行日 2017-04-28 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2016-02-17 
確定日 2017-03-21 
事件の表示 商願2014-8964拒絶査定不服審判事件について,次のとおり審決する。 
結論 原査定を取り消す。 本願商標は,登録すべきものとする。
理由 1 本願商標
本願商標は,別掲1のとおりの構成よりなり,第34類「ライター」を指定商品として,平成26年2月7日に立体商標として登録出願されたものであるが,その後,当審における平成28年12月26日付けの手続補正書により,本願商標(商標登録を受けようとする商標)は,別掲2のとおりの構成(別掲1(6)と同じもの)に補正されたものである(以下,補正前の本願商標を「出願商標」といい,補正後の本願商標を単に「本願商標」という。)。

2 原査定の拒絶の理由(要旨)
(1)平成26年6月10日付け拒絶理由通知書(要旨)
出願商標は,その指定商品との関係からすれば,その商品に採用し得る一形状を表したものと認識される立体的形状のみからなるものであるから,これをその指定商品について使用しても,単に商品の形状そのものを普通に用いられる方法をもって表示してなるにすぎないものと認める。
したがって,出願商標は,商標法第3条第1項第3号に該当する。
(2)平成27年11月12日付け拒絶査定(要旨)
ア 商標法第3条第1項第3号について
「喫煙具業界史」(1988年[昭和63年]日本喫煙具協会発行)によれば,「(日本シガレットライター調整組合は)昭和三十三年当時競争の特に激しかった輸出向けの『オートマット型』と『ボックス型』の二種についてまず数量調整を実施し」という記載があり,その下方に「ボックス型ライター」の写真が掲載されているが,この「ボックス型ライター」は,出願商標と同様の形状のライターである(別掲3)。さらに,同書第63ページ8行ないし9行には,「こうして,昭和三十四年から三十五年にかけてたばこデザインライターは大ブームが招来し,これにたずさわったメーカー,下請けは設備を拡大してこれに応じた」という記載があり,その直下には「たばこデザインライターの一部」として3つのライターの写真が掲載されているが,その中央のライターは,出願商標と同様の形状をもつものである(別掲4)。
これらの記載からすると,日本においては,遅くとも昭和33年(1958年)には,既に出願商標と同様形状の製品が「ボックス型」ライターとしてライターの一類型として製造販売されていたことがうかがえる。
そうすると,出願商標の形状と同様のライターは,日本においては,出願人の商品とは別に1958年以前から既に存在していたものと推察されることから,このような形状は,ライターとして普通の形状であり,何ら特徴的な形状ではないというべきであって,出願商標は,その指定商品に使用しても,ライターの外観を理解させるにとどまり,商品の形状を表示したものと認められる。
したがって,出願商標は,商標法第3条第1項第3号に該当する。
イ 商標法第3条第2項について
平成26年10月17日付け物件提出書で提出された甲各号証の使用に係る商標は,ライターの立体的形状の表面に文字・模様・色彩等を組み合わせたものや,底部に「Zippo」の文字等を有するものであって,立体的形状のみからなる出願商標と使用に係る商標とは構成において同一のものではないから,これらの証拠によっては,未だその形状のみで需要者が何人の業務に係る商品であるかを認識できるほどに広く知られていると認めることもできない。
したがって,出願商標は,商標法第3条第2項の要件を具備しない。

3 当審における審尋
審判長は,要旨以下の審尋を発し,請求人に回答を求めた。
(1)複数の立体商標
出願商標は,別掲1(1)から(5)に示す立体商標(以下「立体商標A」という。)と別掲1(6)に示す立体商標(以下「立体商標B」という。)という2つの異なる立体商標が願書に記載されているものであって,一つの立体商標としては,商標登録を受けようとする商標を特定することができないものである。
(2)立体商標Aの商標法第3条第1項第3号該当性及び同条第2項の要件について
立体商標Aは,本願の指定商品「ライター」との関係においては,蓋を閉じている状態のボックス型ライターの形状を表したものと容易に看取され得る形状であり,また,本願の指定商品の分野では,長さ,幅,厚みの比率等に若干の差異を有するものも含め,これと共通する外観的特徴を有する形状が,(蓋を閉じている状態の)ライターの形状として,一般的に採択,使用されている実情が見受けられるものである。
そうすると,立体商標Aは,これを本願の指定商品「ライター」について使用しても,これに接する取引者,需要者に,単に商品の形状を表したものと認識されるものというのが相当である。
してみれば,立体商標Aは,本願の指定商品との関係において,商品の形状を普通に用いられる方法で表示する標章のみからなる商標であるから,商標法第3条第1項第3号に該当する。
イ 請求人は,甲第1号証ないし甲第81号証を提出し,出願商標が商標法第3条第2項に該当する旨主張するが,たとえ,請求人の使用に係るライターである「ジッポ ブラッシュクローム 200」(以下「請求人使用商品」という。)が,長年にわたり,商品の外部及び内部の形状に大きな変更をせずに製造販売されているものであって,その蓋を閉じている状態の立体的形状が,立体商標Aと共通する外観的特徴を有するとしても,我が国における本願の指定商品に係る上記実情を踏まえれば,その取引者,需要者は,請求人使用商品を蓋が閉じている状態で見たときに,その底面に大きく刻印された「ZIPPO(Zippo)」の文字をもって,商品の出所を認識するというべきである。
してみれば,立体商標Aについては,これが請求人により使用された結果,本願の指定商品の取引者,需要者において,その商品の出所を表示するものとして,認識されるに至ったものと認めることはできない。
したがって,立体商標Aは,商標法第3条第2項の要件を具備するものとはいえない。
(3)立体商標Bについて
出願商標は,立体商標Aと立体商標Bという2つの異なる立体商標が願書に記載されているものであるところ,本願についての商標法第16条に規定する政令で定める期間内に通知した拒絶理由には,拒絶査定の記載をも踏まえれば,立体商標Bについての拒絶の理由が記載されていないというべきである。
したがって,立体商標Bについては,政令で定める期間内に拒絶の理由を発見しないものである。

4 審尋に対する請求人の回答
請求人は,上記3の審尋に対して,上記1のとおり,出願商標を本願商標に補正するとともに,本願商標は商標登録できる旨を述べている。

5 当審の判断
(1)本願商標について
上記1のとおり,当審において補正された本願商標は,別掲2のとおり,縦長の平板な立方体よりなるボックス型ライターの上部にある蓋を横のヒンジ部を支点として開いた状態を表してなる立体的形状であって,内部には,横に複数の穴が空けられた煙突状の形状,右にローラー,左にレバーのような部品を配してなるものである。
(2)原査定で示された拒絶の理由の範囲(射程)
上記2のとおり,原審の拒絶理由通知書においては,出願商標は,その指定商品との関係からすれば,その商品に採用し得る一形状を表したものと認識される立体的形状のみからなるから,指定商品の形状を表示するにすぎず,商標法第3条第1項第3号に該当する旨が記載されていたものの,原査定時において,その拒絶の理由を根拠付ける証拠として実際に示された立体的形状は,別掲3及び別掲4に示すとおり,いずれも蓋の開いていない状態からなるボックス型ライターに係るもののみである。そして,原査定時において,本願商標と同様の立体的形状,すなわち,蓋の開いている状態からなるボックス型ライターに係る立体的形状については,何ら言及していない。
このような状況を鑑みると,原査定において示された拒絶の理由の範囲(射程)は,実質的には,出願商標に係る立体商標Aの部分に当たる,蓋の開いていない状態からなるボックス型ライターに係る立体的形状に限られたものであったと解するのが相当であるから,本願商標(出願商標に係る立体商標Bの部分)が表す,蓋の開いている状態からなるボックス型ライターに係る立体的形状については,その拒絶の理由は及ばないものと判断せざるを得ない。
(3)まとめ
以上によれば,原査定の拒絶の理由は本願商標については及ばないから,本願商標は,その理由をもって商標法第3条第1項第3号に該当するということはできない。
その他,政令で定める期間内に本願について拒絶の理由を発見しない。
よって,結論のとおり審決する。
別掲 別掲1 出願商標【立体商標】
(注)以下の項番及び図番(例:(1)図1)は,便宜上付したものであり,実際の出願商標には付されていない。
(1)図1


(2)図2


(3)図3


(4)図4


(5)図5


(6)図6



別掲2 本願商標【立体商標】



別掲3




別掲4



審決日 2017-03-06 
出願番号 商願2014-8964(T2014-8964) 
審決分類 T 1 8・ 13- WY (W34)
T 1 8・ 17- WY (W34)
最終処分 成立 
前審関与審査官 今田 尊恵 
特許庁審判長 早川 文宏
特許庁審判官 田村 正明
阿曾 裕樹
代理人 特許業務法人 松原・村木国際特許事務所 
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