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審決分類 審判 査定不服 観念類似 登録しない W11
審判 査定不服 称呼類似 登録しない W11
審判 査定不服 外観類似 登録しない W11
管理番号 1325956 
審判番号 不服2016-14390 
総通号数 208 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標審決公報 
発行日 2017-04-28 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2016-09-27 
確定日 2017-02-17 
事件の表示 商願2015-84548拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。
理由 1 本願商標
本願商標は、別掲のとおりの構成からなり、第11類「業務用電気式皮膚洗浄器,家庭用電気式皮膚洗浄器」を指定商品として、平成27年9月2日に登録出願されたものである。

2 引用商標
原査定において、本願商標が商標法第4条第1項第11号に該当するとして、本願の拒絶の理由に引用した登録第5713503号商標(以下「引用商標」という。)は、「DOCTOR X」の欧文字を横書きしてなり、平成26年6月6日に登録出願され、第10類「医療用機械器具,業務用美容マッサージ器,家庭用美容マッサージ器」を指定商品として、同年10月24日に設定登録され、現に有効に存続しているものである。

3 当審の判断
(1)本願商標
本願商標は、別掲のとおり、四隅を丸くした黒色の長方形を、灰色の外枠で囲った図形内に、左側から順に、外枠と同じ灰色で表した「Dr.」及び外枠の上辺につなげた「X」の欧文字を書し、その右側に四隅を丸くした灰色の長方形を配し、その内部に黒色の「Pro」の欧文字を書した構成からなるものである。
そして、本願商標中の「Dr.」及び「X」の欧文字は、いずれも、同じ灰色で表されている上、そのデザイン化の手法も、各文字の下部において、末端部に向かって細線から太線で表した筆書き調である点において統一されていることからすれば、これらの欧文字は一体として「Dr.X」と書されたものと看取されるものである。一方、「Pro」の欧文字部分は、四隅を丸くした灰色の長方形内に、上記「Dr.X」の欧文字部分とは、文字の色も形も異なる黒色のゴシック体で表されていることからすれば、本願商標の文字部分は、その構成態様から、視覚上、一見して、「Dr.X」と「Pro」の欧文字から構成されていると看取されるものである。
また、「Pro」の欧文字は、「プロの、専門家の」の意味を有する英語(株式会社研究社「新英和中辞典 第7版」)として一般に知られているものであり、本願商標の指定商品を含む商品を取り扱う業界において、その商品が標準仕様の商品に比べて、専門家向けの商品であることや高い機能を備えた商品であることを表すものとして使用されている取引の実情に鑑みれば、本願商標中の「Pro」の欧文字部分は、自他商品の識別力がないか、又は、極めて弱いものと判断するのが相当である。
さらに、本願商標中の「Dr.X」及び「Pro」の文字部分が、全体として、特定の観念を認識させる等の特段の事情も見いだせないものである。
そうすると、本願商標は、その構成中の「Dr.X」の欧文字が商品の出所識別標識として強く支配的な印象を与え、該文字部分をもって取引に資されるということができるから、本願商標から「Dr.X」の文字部分を要部として抽出し、これを引用商標と比較して商標の類否を判断することは許されるというべきである。
したがって、本願商標は、その構成中、要部である「Dr.X」の文字部分に相応して「ドクターエックス」の称呼及び「エックス博士」又は「エックス医師」という観念をも生ずるものである。
(2)引用商標
引用商標は、前記2のとおり、「DOCTOR X」の欧文字を横書きしてなるものであるところ、引用商標からは、その構成文字に照応して、「ドクターエックス」の称呼及び「エックス博士」又は「エックス医師」の観念を生ずるものである。
(3)商標の類否
本願商標の要部である「Dr.X」の文字部分と引用商標との類否について検討するに、それらの外観は、それぞれ上記のとおりであるから、両商標は、外観上、区別することができるものである。
しかしながら、本願商標中の「Dr.X」の文字部分は、上記(1)のとおり、「ドクターエックス」の称呼及び「エックス博士」又は「エックス医師」の観念を生ずるものであり、また、引用商標は、上記(2)のとおり、「ドクターエックス」の称呼及び「エックス博士」又は「エックス医師」の観念を生ずるものであるから、両商標は、「ドクターエックス」の称呼及び「エックス博士」又は「エックス医師」の観念を同一にするものである。
してみれば、本願商標と引用商標とは、外観において相違するとしても、「ドクターエックス」の称呼及び「エックス博士」又は「エックス医師」の観念を共通にするものであるから、両商標は、互いに紛れるおそれのある類似の商標というべきである。
(4)本願商標及び引用商標に係る指定商品の類否
本願商標の指定商品中の「業務用電気式皮膚洗浄器」は、引用商標の指定商品中の「業務用美容マッサージ器」と類似する商品である。
(5)小括
以上からすれば、本願商標は、引用商標と類似する商標であって、かつ、その指定商品は、引用商標の指定商品と類似するものであるから、商標法第4条第1項第11号に該当するものである。
(6)請求人(出願人)の主張について
ア 請求人は、本願商標中の中央に表された交差状図形部分は、その特殊な態様から、そもそも文字として認識されず、称呼を生ずることはなく、本願商標からは「ドクタープロ」の称呼が生じ、仮に、交差状図形部分から「エックス」の称呼が生ずるとしても、全体として、「ドクターエックスプロ」の称呼を生ずるか、または、より印象の強い「Pro」の文字と結びついて「エックスプロ」の称呼を生ずる旨主張する。
しかしながら、本願商標は、その構成態様から、視覚上、一見して、「Dr.X」と「Pro」の欧文字から構成されていると看取されるものであることは、上記(1)で述べたとおりである。
また、本願商標が、常に一体不可分のものとしてのみ把握されるものとすべき特段の事情は見受けられない。
イ 請求人は、本願商標及び引用商標の指定商品の取引においては、テレビ広告・ラジオ広告などが利用されることはほとんどなく、パンフレット、専門雑誌及びインターネットサイトによる宣伝広告によって行われるのが現状であるから、本願商標と引用商標の外観における明確な相違点は、両商標の類否判断に大きな影響を及ぼすものと考えられるから、本願商標を引用商標に係る同一又は類似する商品に使用しても、出所の混同を生ずるおそれがあるとはではいえない旨主張する。
しかしながら、請求人は主張するのみで、出所の混同を生ずるおそれのないことを立証する証拠の提出もない。
ウ したがって、請求人のいずれの主張も、採用することができない。
(7)まとめ
以上のとおり、本願商標は商標法第4条第1項第11号に該当し、登録することができない。
よって、結論のとおり審決する。
別掲 別掲(本願商標)



審理終結日 2016-12-12 
結審通知日 2016-12-16 
審決日 2016-12-27 
出願番号 商願2015-84548(T2015-84548) 
審決分類 T 1 8・ 263- Z (W11)
T 1 8・ 262- Z (W11)
T 1 8・ 261- Z (W11)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 海老名 友子矢澤 一幸 
特許庁審判長 今田 三男
特許庁審判官 田中 幸一
藤田 和美
商標の称呼 ドクターエックスプロ、ドクターエックス、プロ、ピイアアルオオ 
代理人 村山 信義 

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