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審決分類 審判 全部申立て  登録を維持 W05
審判 全部申立て  登録を維持 W05
審判 全部申立て  登録を維持 W05
審判 全部申立て  登録を維持 W05
審判 全部申立て  登録を維持 W05
管理番号 1325104 
異議申立番号 異議2016-900225 
総通号数 207 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標決定公報 
発行日 2017-03-31 
種別 異議の決定 
異議申立日 2016-08-05 
確定日 2017-02-24 
異議申立件数
事件の表示 登録第5850061号商標の商標登録に対する登録異議の申立てについて、次のとおり決定する。 
結論 登録第5850061号商標の商標登録を維持する。
理由 第1 本件商標
本件登録第5850061号商標(以下「本件商標」という。)は、「SALUS」の文字を標準文字で表してなり、平成27年11月2日に登録出願、第5類「サプリメント,薬剤(農薬に当たるものを除く。)」を指定商品として、同28年4月4日に登録査定、同年5月13日に設定登録されたものである。

第2 引用商標
登録異議申立人(以下「申立人」という。)が登録異議の申立ての理由において引用する国際登録第484744号商標(以下「引用商標」という。)は、「SALUS-HAUS」の文字を横書きしてなり、2009年(平成21年)2月16日に国際商標登録出願(事後指定)、第5類「Medicines and pharmaceutical products, chemical products for therapeutic and sanitary use; nutritious and fortifying dietetic foodstuffs for children and the sick, also made with natural plant, herb and fruit juices, as well as made with wine and spirits and enriched with vitamins in the form of tonic drinks; medicinal teas, medicinal herbs, food for babies.」及び第30類「Teas (non-medicinal), food for children, namely candy for food.」を指定商品として、平成22年6月25日に設定登録され、その後、同26年3月18日に国際登録に基づく商標権の存続期間の更新登録がされ、現に有効に存続しているものである。

第3 登録異議の申立ての理由の要点
申立人は、本件商標について、商標法第4条第1項第10号、同項第11号及び同項第15号に違反して登録されたものであるから、その登録は、取り消されるべきである旨申し立て、その理由を要旨以下のように述べ、証拠方法として、甲第1号証ないし甲第34号証を提出した。
1 商標法第4条第1項第11号について
(1)引用商標
ア 引用商標は、前記第2のとおり、「SALUS」の文字と「HAUS」の文字とをハイフンを介在させた構成のものであるところ、ハイフンは、言語表記の補助符号として使用されるものであって、英文等では1語内の形態素の区切りを明確に示すために用いられるものであり(甲2)、外観上の分断要素となるものである。
また、本件商標の構成中、「SALUS」の文字は、意味のない造語である一方、「HAUS」の文字は、英語の「HOUSE」に相当するドイツ語であり、我が国において、親しまれていない語であるから、両文字は、外観上、分離して看取されることが明らかである。
イ 引用商標の商標権者であり、かつ、申立人である「SALUS Haus Dr. med. Otto Greither Nachf. GmbH & Co. KG」は、商品「サプリメント」の分野において、「SALUS社」、「サルス社」、「SALUS」、「サルス」として、次のとおり、我が国を含む世界各国で広く知られているものである。
(ア)申立人は、1916年にドイツで創業された最高峰のメディカルハーブ製品のメーカーであって、現在、我が国を含む世界60か国以上でその製品の販売をしており(甲3)、特に、サプリメント商品「Floradix(フローラディクス)」は、ドイツの薬局のサプリメント部門の売上げで1位となっている(甲4)。
(イ)申立人の全世界及び我が国における各売上高(2010年ないし2015年。1ユーロを115円で換算。)は、それぞれ、2010年が約24億2,000万円及び約2億3,000万円、2011年が約23億5,000万円及び約2億4,500万円、2012年が約23億4,000万円及び約7,000万円、2013年が約25億3,000万円及び約1億3,000万円、2014年が約34億5,000万円及び約1億4,5000万円、2015年が約55億円及び約2億4,000万円に達している(甲5、甲6)(決定注:上記売上高のうち、我が国におけるものは、甲第6号証によれば、2010年が約2,300万円、2011年が約2,450万円、2012年が約700万円、2013年が約1,300万円、2014年が約1,450万円、2015年が約2,400万円である。)。
(ウ)申立人は、上記したように、オーガニックハーブを原材料とするサプリメントを、世界的に長期間にわたり継続して販売していることから、我が国を含む世界各国のサプリメントの取引者、需要者において、広く知られているというべきであり、仮に、本件商標の商標権者がサプリメントを製造又は販売する事業者であれば、「SALUS/サルス」ブランド又は「サルス社」の存在を知らないはずはない。
また、申立人の正式名称は、先に述べたとおり、極めて長いものであるため、我が国においては、「SALUS社」又は「サルス社」として取引している(甲3、甲7ないし甲34)。
ウ 上記ア及びイによれば、引用商標は、その構成中の「SALUS」の文字部分が取引者、需要者に強く支配的な印象を与えることは明らかであるから、該文字部分が分離、抽出され、その文字に相応する「サルス」の称呼を生じるものである。
(2)本件商標
本件商標は、前記第1のとおり、「SALUS」の文字を標準文字で表してなるところ、該文字は、意味のない造語であるから、「サルス」の称呼を生じるものである。
(3)本件商標と引用商標との類否
本件商標と引用商標とは、「SALUS」の文字の外観及び該文字から生じる「サルス」の称呼において、相紛れるおそれのある商標というべきである。
また、本件商標の指定商品と引用商標の指定商品とは、それぞれ、前記第1及び第2のとおりであるから、「薬剤」について共通するものであり、さらに、本件商標の指定商品中の「サプリメント」は、「類似商品・役務審査基準[国際分類第10版]」によれば、引用商標の指定商品中の「薬剤」に含まれる「ビタミン剤、アミノ酸剤、滋養強壮変質剤」と類似関係にあると推定されているから、引用商標の指定商品中の「薬剤」と類似関係にある商品である。
(4)小括
引用商標と外観及び称呼において共通する本件商標をその指定商品に使用した場合、引用商標と商品の出所混同を生ずるおそれがあることは明らかであるから、本件商標と引用商標とは、類似する商標というべきである。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に該当する。
2 商標法第4条第1項第10号及び同項第15号について
引用商標は、上記1(1)のとおり、商品「サプリメント」について、遅くとも本件商標の登録査定時には周知、著名性を獲得していたものであるから、本件商標は、商標法第4条第1項第10号及び同項第15号に該当する。

第4 当審の判断
1 商標法第4条第1項第11号該当性について
(1)本件商標
本件商標は、前記第1のとおり、「SALUS」の文字を標準文字で表してなるところ、該文字は、「(ローマ神話)サルス(健康と繁栄の女神)」といった意味を有する英語(「研究社新英和大辞典 第6版」(第10刷)、2012年2月株式会社研究社発行)ではあるものの、我が国において、慣れ親しまれたものとはいい難いことからすれば、これに接する者をして、一種の造語として認識されるとみるのが相当である。
そうすると、本件商標は、その構成文字に相応して、「サルス」の称呼を生じ、特定の観念を生じないものである。
(2)引用商標
ア 引用商標は、前記第2のとおり、「SALUS-HAUS」の文字を横書きしてなるところ、その構成中、「SALUS」の文字部分については、本件商標における場合と同様に、一種の造語として認識されるものであり、また、「HAUS」の文字部分については、「家」といった意味を有するドイツ語(「小学館独和大辞典[第2版]」、1998年1月1日株式会社小学館発行)ではあるものの、我が国におけるドイツ語の普及の程度に鑑みれば、これに接する者をして、一種の造語として認識されるとみるのが相当である。
この点に関し、申立人は、引用商標の構成中の「SALUS」の文字部分が、申立人の業務に係る商品「サプリメント」を表示するものとして、取引者、需要者の間において広く知られているため、該文字部分が強く支配的な印象を与える旨主張するが、後述するとおり、引用商標はもとより、その構成中の「SALUS」の文字部分についても、我が国の取引者、需要者の間で、申立人の業務に係る商品を表示するものとして、広く認識されているとは認めることができない。
そうすると、引用商標は、その構成中の「SALUS」及び「HAUS」の各文字のいずれも特定の観念を生じることのないものであるから、観念上、いずれかの文字部分のみが取引者、需要者に強く支配的な印象を与えるとはいうことができない。
イ 引用商標は、上記のとおり、「SALUS」の文字と「HAUS」の文字とをハイフン「-」を介して横書きしてなるところ、その構成中の「SALUS」及び「HAUS」の各文字は、同一の書体及び大きさをもって表されていることから、視覚上、いずれかの文字部分のみが着目されるとはいい難く、介在するハイフン「-」を含め、その構成全体が、まとまりよい一体的なものとして把握されるとみるのが相当であり、これから生じると認められる「サルスハウス」の称呼も、よどみなく一連に称呼し得るものである。
ウ 上記ア及びイによれば、引用商標は、その構成全体が一体のものとして認識されるというべきものであり、「サルスハウス」の称呼のみを生じ、特定の観念を生じないものである。
(3)本件商標と引用商標との類否
本件商標と引用商標とは、「SALUS」の文字を共通にするものの、上記(2)のとおり、引用商標は、その構成全体が一体のものとして認識されるものであり、ハイフン「-」及び「HAUS」の文字をその構成中に含むものであるから、両商標が、外観において相紛れるおそれはない。
また、本件商標から生じる「サルス」の称呼と引用商標から生じる「サルスハウス」の称呼とは、「ハウス」の音の有無という明らかな差異があるから、それぞれを称呼しても、語感、語調が相違し、互いに聴き誤るおそれはない。
さらに、本件商標と引用商標とは、いずれも特定の観念を生じないものであるから、観念において比較することはできない。
してみれば、本件商標と引用商標とは、外観及び称呼において相紛れるおそれがなく、観念において比較することができないものであり、他に本件商標と引用商標とが類似するとみるべき特段の事情も見いだし得ないものであるから、これらを総合勘案すれば、両商標は、非類似の商標というべきである。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に該当しない。
2 商標法第4条第1項第10号及び同項第15号該当性について
(1)申立人は、引用商標は、商品「サプリメント」について、遅くとも本件商標の登録査定時には周知、著名性を獲得していた旨主張する。
しかしながら、本件商標が商標法第4条第1項第10号及び同項第15号に該当するか否かの判断は、本件商標の登録出願の日(平成27年11月2日)及び登録査定の日(平成28年4月4日)において同号に該当するものであったか否かを基準としてなすべきものであるところ、申立人の提出に係る証拠のうち、引用商標と同一と認められる標章(「Salus-Haus」等、実質的に同一と認められるものを含む。)の表示があるものは、健康食品等の通販サイトの情報を平成28年9月26日に紙出力したもの(甲22)並びに検索エンジンを用いて「SALUS サプリメント」のキーワード検索をした結果一覧を平成28年9月の15日及び26日に紙出力したもの(甲32、甲33)のみであって、いずれも本件商標の登録査定日より後の時点におけるものである。
そして、上記通販サイトの情報やキーワード検索結果に記載されている内容からは、引用商標が商品「サプリメント」に使用された具体的な事実を確認することもできない。
そうすると、これらをもって、引用商標が、本件商標の登録出願の日及び登録査定の日に周知、著名性を獲得していたということはできない。
仮に、申立人による上記主張の趣旨が、「SALUS」の文字又は「サルス」の文字からなる標章は、商品「サプリメント」について、遅くとも本件商標の登録査定時には周知、著名性を獲得していたとするものであるとしても、申立人の提出に係る甲各号証からは、申立人が、1916年創業のドイツ企業であって、当初は、ハーブ・ティーを中心とする健康食品を製造、販売し、近年では、医薬品、植物薬、健康補助食品、特別食品(ダイエット、ベビーフード、アスリート用)等を世界60か国以上に輸出していること(甲3、甲10、甲19)、申立人の製造、販売するハーブ・ティーや「フローラディクス」、「マルチビタミン」と称するサプリメントが、1993年(平成5年)頃から上記判断基準日(平成27年11月2日及び平成28年4月4日)より前までの間に、我が国において広告、販売されており(甲7?甲11、甲13?甲15、甲31)、その際に、申立人を表す語として、「サルス社」又は「サルス」の文字が用いられているほか、「Salus」の文字をデザイン化してなる標章が用いられていることをうかがえるものの、該サプリメントの我が国における具体的な販売期間、販売数量、販売地域、売上高は明らかでないから、にわかに申立人の主張を認めることはできない。
なお、申立人は、2005年(平成17年)ないし2015年(平成27年)の我が国における自己の売上高(甲6)を示しているが、上記のとおり、申立人の製造、販売する商品は、サプリメントに限定されるものではないし、また、その金額も、例えば、我が国における健康食品・サプリメントの推定市場規模(2012年度が1兆4,746億円、2013年度が1兆5,325億円、2014年度が1兆5,395億円、2015年度が1兆5,785億円。「薬事法マーケティングの教科書」のウェブサイトにおける「今後も市場拡大に期待大!健康食品・サプリメントの市場規模推移」の記事(http://yakujihou-marketing.net/archives/1053)参照。)と比較した場合、僅少なものといわざるを得ない。
してみれば、引用商標はもとより、「SALUS」の文字又は「サルス」の文字からなる標章についても、本件商標の登録出願の日及び登録査定の日において、我が国の取引者、需要者の間で、申立人の業務に係る商品を表示するものとして、広く認識されていたとは認めることができない。
(2)本件商標と引用商標とは、上記1のとおり、非類似の商標であって、十分に区別し得る別異の商標というべきものである。
また、引用商標は、上記(1)のとおり、その構成中の「SALUS」の文字部分のみをみた場合を含め、本件商標の登録出願の日及び登録査定の日において、我が国の取引者、需要者の間で、申立人の業務に係る商品を表示するものとして、広く認識されていたとはいえないものである。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第10号に該当しない。
また、本件商標をその指定商品について使用しても、これに接する取引者、需要者が、引用商標を連想、想起して、該商品が申立人又は同人と経済的若しくは組織的に何らかの関係を有する者の業務に係る商品であるかのように認識することはなく、その商品の出所について混同を生ずるおそれはないものというべきである。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第15号に該当しない。
3 まとめ
以上のとおり、本件商標の登録は、商標法第4条第1項第10号、同項第11号及び同項第15号のいずれにも違反してされたものではないから、同法第43条の3第4項の規定に基づき、維持すべきものである。
よって、結論のとおり決定する。
異議決定日 2017-02-16 
出願番号 商願2015-106651(T2015-106651) 
審決分類 T 1 651・ 263- Y (W05)
T 1 651・ 262- Y (W05)
T 1 651・ 271- Y (W05)
T 1 651・ 25- Y (W05)
T 1 651・ 261- Y (W05)
最終処分 維持 
前審関与審査官 大島 勉 
特許庁審判長 田中 亨子
特許庁審判官 田中 敬規
豊泉 弘貴
登録日 2016-05-13 
登録番号 商標登録第5850061号(T5850061) 
権利者 松川 雄二
商標の称呼 サルス、サルース、サラス 
代理人 弁護士法人クレオ国際法律特許事務所 
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