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審決分類 審判 全部申立て  登録を維持 W3842
審判 全部申立て  登録を維持 W3842
審判 全部申立て  登録を維持 W3842
審判 全部申立て  登録を維持 W3842
管理番号 1325101 
異議申立番号 異議2016-900172 
総通号数 207 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標決定公報 
発行日 2017-03-31 
種別 異議の決定 
異議申立日 2016-07-07 
確定日 2017-02-23 
異議申立件数
事件の表示 登録第5851035号商標の商標登録に対する登録異議の申立てについて、次のとおり決定する。 
結論 登録第5851035号商標の商標登録を維持する。
理由 第1 本件商標
本件登録第5851035号商標(以下「本件商標」という。)は,「2ちゃんねる」の文字を標準文字で表してなり,平成25年1月25日に登録出願され,第38類「電子掲示板による通信及びこれに関する情報の提供,インターネット利用のチャットルーム形式による電子掲示板通信及びこれに関する情報の提供」及び第42類「インターネット又は移動体通信端末による通信を利用した電子掲示板用のサーバの記憶領域の貸与及びこれに関する情報の提供,インターネット又は移動体通信端末による通信を利用した電子掲示板へのアクセスのためのコンピュータープログラムの提供及びこれに関する情報の提供」を指定役務として,同28年3月23日に登録審決,同年5月20日に設定登録されたものである。

第2 引用商標
登録異議申立人(以下「申立人」という。)が引用する商標は,「PACKET MONSTER INC」(以下「パケットモンスター社」という。)が,電子掲示板に使用する「2ちゃんねる」(以下「引用商標」という場合がある。)の文字からなる商標である。

第3 登録異議の申立ての理由
申立人は,本件商標は商標法第3条第1項第4号及び同法第4条第1項第10号,同第7号及び同第19号に該当するものであるから,同法第43条の2第1号によって取り消されるべきものであると申立て,その理由を要旨次のように述べ,証拠方法として甲第1号証ないし第11号証を提出した。
1 商標法第4条第1項第10号について
(1)本件商標の「2ちゃんねる」は,出願当時,他人である「パケットモンスター社」の業務に係る役務である,電子掲示板「2ちゃんねる」を表示するものとして,需要者の間に広く認識されている商標又はこれに類似する商標であった。また,本件商標の指定役務は「電子掲示板による通信及びこれに関する情報の提供」等であるので,本件商標の「2ちゃんねる」は,「電子掲示板サービスの提供」という,その商品若しくは役務又はこれらに類似する商品若しくは役務について使用をするものに該当する。
(2)パケットモンスター社は「他人」であること
ある商標が,「他人の業務に係る・・・役務を表示するものとして需要者の間に広く認識されている」か否かの判断にあたっては,その文言上,「需要者の認識」を基準に判断すべきであり,需要者が知り得ない事情を考慮した判断をすべきではない。この点につき,東京高判平成14年12月25日判時1817号135号は,「広く認識されているかどうかは需要者がどのように認識しているかが基準になるから,当該商標が誰の業務にかかる商品表示として周知となるかは,製造元と販売店間でOEM契約が締結されたかどうかなど両者間の契約内容によって定まるわけではなく,当該商標の使用された商品に接した取引者,需要者が誰の業務にかかる商品表示として当該商標を認識するかによって定まる」としていることも,「需要者の認識」を基準に判断すべきという上記の判断基準に沿うものといえる。
そこで,需要者が認識し又は認識し得る情報を検討すると,以下の3点を確認できる。
まず,1点目として,平成21年(2009年)1月2日の時点で,「2ちゃんねる」のドメイン(2ch.net)は,パケットモンスター社に移転していた(甲1)。
2点目として,平成26年(2014年)1月25日の時点で,電子掲示板「2ちゃんねる」のトップページ上において,「2ch.net is managed and operated by PACKET MONSTER INC.」と表記されていた(甲2)。需要者が,電子掲示板サービスの利用時に必ず目にするトップページに,サービス提供者主体が表示されているので,需要者は,この表示を信じて,パケットモンスター社が電子掲示板サービスの提供主体と考えることが通常である。
3点目として,平成21年(2009年)6月出版の書籍において,西村博之氏(以下「西村氏」という。)自身が,「2ちゃんねるを譲渡して管理人を外れ、・・・単なる1ユーザー」になったこと及び「2009年、2ちゃんねるをシンガポールのパケットモンスター社に譲渡しました。」と公表している(甲3,甲4)。また,同様に,西村氏自身が,平成21年(2009年)1月2日のブログにおいて「去年は何度も海外出張して2ch譲渡の打ち合わせをしてたりもしてたんですが、ようやく譲渡完了しましたよ。。と。」(甲5)と公表している。そうすると,西村氏は,電子掲示板「2ちゃんねる」をパケットモンスター社に譲渡したことを自認し,その旨を繰り返し公衆に向けて公言している。
これらの事情は,いずれも需要者が認識し又は認識し得る事実であり,かかる事実を前提にすると,平成21年(2009年)1月以降は,「2ちゃんねる」は,西村氏ではなく,パケットモンスター社の業務に係る役務を表示するものとして需要者の間に広く認識されていたといえる。
(3)禁反言について
西村氏は,電子掲示板「2ちゃんねる」をパケットモンスター社に譲渡し,自らもそのことを書籍及びブログの中で繰り返し公言しておきながら(甲3,甲5),本件商標に係る拒絶査定不服審判における「電子掲示板『2ちゃんねる』は実質的に請求人により運営されていた」との主張は,禁反言の原則に照らし,信義則上許されるものではない。
そして,西村氏の主張を採用し,同氏に対し商標権が付与された場合,法的主体が異なることで電子掲示板「2ちゃんねる」の運営から生じる法的責任を潜脱する同氏に対し,広告収入という果実だけでなく,商標法に基づく独占権を付与することは,社会通念上も許容されるべきではない。
したがって,西村氏の主張を採用することは妥当でなく,本件商標の出願時には,電子掲示板「2ちゃんねる」の管理者は西村氏ではなく「パケットモンスター社」であり,「2ちゃんねる」の文字は,パケットモンスター社という「他人の業務」に係る商品若しくは役務を表示するものとして,我が国の需要者の間に広く認識されていたものである。
(4)小括
以上のとおり,本件商標は,商標法第4条第1項第10号に該当する。
2 商標法第3条第1項第4号について
本件商標は,「2ちゃんねる」の文字を標準文字で表したものであり,「ありふれた氏又は名称を普通に用いられる方法で表示する標章のみからなる商標」に該当し,商標登録を受けられないものである。
本件商標は,「2」の数字1文字と「ちゃんねる」という平仮名5文字を組み合わせたものである。「2」がありふれた名称であることは論を待たない。また,「チャンネル(ちゃんねる)」も,通信やコンピュータにおける通信路,伝送路(通信媒体)を意味するものであり,特に,「電子掲示板のネーミングの1つ」として電子掲示板を示す表示としても一般的なものであることを考慮すると(甲10),本件商標の指定役務である「電子掲示板による通信及びこれに関する情報の提供」においてはありふれた名称である。
そして,「2」と「チャンネル(ちゃんねる)」とを組み合わせたからといって,「2」番目の「チャンネル(ちゃんねる)」という意味合いが生じるにすぎず,それ以上に特別な意味合いが生じることはない。また,本件商標は標準文字からなるものであり,「普通に用いられる方法で表示する」ものといえる。
したがって,本件商標「2ちゃんねる」は「ありふれた氏又は名称を普通に用いられる方法で表示する標章のみからなる商標」(商標法第3条第1項第4号)に該当するといえる。
3 商標法第4条第1項第7号について
本件商標は,出願人(商標権者)の出願意図及び出願経緯に著しい社会的妥当性を欠くものであり,「公の秩序又は善良の風俗を害するおそれがある商標」に該当し,商標登録を受けられないものである。
(1)商標審査基準及び裁判例について
商標法第4条第1項第7号について,「商標審査基準」は,「『公の秩序又は善良の風俗を害するおそれがある商標』には、・・・指定商品又は指定役務について使用することが社会公共の利益に反し、又は社会の一般的道徳観念に反するような場合も含まれるものとする。」としている。そして,知財高判平成23年3月17日判時2123号は,「その登録出願の経緯が著しく社会的妥当性を欠くもの」が,本号に該当し,登録を認めることができない場合のあることを認めている。
よって,出願人の出願経緯に著しい社会的妥当性を欠く商標出願は,商標法第4条第1項第7号により登録を受けられないものである。
(2)出願人の出願経緯について
西村氏は,平成21年(2009年)1月2日の時点でドメイン名もパケットモンスター社に移転し(甲1),2ちゃんねるのトップページ上においても「2ch.net is managed and operated by PACKET MONSTER INC.」と表記され(甲2),何より,西村氏自身の著書及びブログにおいて「2ちゃんねるを譲渡して管理人を外れ、・・・単なる1ユーザー」になったこと,「2009年、2ちゃんねるをシンガポールのパケットモンスター社に譲渡した」こと及び「去年は何度も海外出張して2ch譲渡の打ち合わせをしてたりもしてたんですが、ようやく譲渡完了した」ことを繰り返し公衆に対して宣言し,電子掲示板「2ちゃんねる」の管理人ではないことを認めていた(甲3,甲5)。
すなわち,西村氏は,自ら「2ちゃんねる」の管理権をシンガポール法人に譲渡した後に,本件商標の出願を行っている。
また,本件商標の登録出願(平成25年1月25日)に先立つ,平成24年(2012年)5月に,「2ch.net」のドメイン名は,レースクイーン社に譲渡された。同社は,同月以降,電子掲示板「2ちゃんねる」を運営している。ところが,西村氏は,「2ch.sc」のドメイン名で,電子掲示板(以下「本件コピーサイト」という。)の運営を平成26年(2014年)4月11日に開始したとされている(甲11)。この本件コピーサイトは,「2ch.net」のドメイン名の電子掲示板「2ちゃんねる」と類似のドメイン名を使用するもので,かつ,「2ch.net」の許諾なく同ウェブページの内容を機械的に連続コピーしてそのまま掲載を行っている(甲11)。これは,電子掲示板「2ちゃんねる」との混同を企図する行為であり,また,レースクイーン社に帰属する著作権を侵害する行為であると同時に不正競争行為(不正競争防止法第2条第1項第1号又は第12号)に該当し違法となる可能性がある。これは,西村氏にレースクイーン社による電子掲示板「2ちゃんねる」の運営を妨害する意図があるからに他ならない。
(3)小括
以上のように,西村氏による本件商標に係る出願は,レースクイーン社による電子掲示板「2ちゃんねる」の運営を妨害する意図があることは明らかであり,著しく社会的妥当性を欠く出願であるといえ,商標登録を受けられないものと思料する。
4 商標法第4条第1項第19号について
本件商標は,不正の目的をもって「2ちゃんねる」を使用するものであり,「他人の業務に係る商品又は役務を表示するものとして日本国内又は外国における需要者の間に広く認識されている商標と同一又は類似の商標であって,不正の目的をもって使用をするもの」に該当し,商標登録を受けられないものである。
(1)本件商標と同一又は類似の商標であること
本件商標「2ちゃんねる」は,レースクイーン社の業務に係る役務を表示するものとして需要者の間で広く認識されている「2ちゃんねる」と同一又は類似の商標である。
(2)不正の目的について
本件の出願経緯から,西村氏による本件商標に係る出願は,レースクイーン社による電子掲示板「2ちゃんねる」の運営を妨害する意図があることは明らかであり(甲1ないし甲3,甲5,甲7ないし甲9,甲11),これは「他人に損害を加える目的」があるといえる。
また,西村氏は「2ch.net」に類似したドメイン名「2ch.sc」の使用により,本件コピーサイトを利用して「2ch.net」のウェブサイトと錯誤するユーザーからのアクセス並びにそれに起因する広告収入,データ転売益などの利益を得るという「不正な利益を得る目的」であるといえる。
したがって,本件商標は,商標法4条1項19号に該当する。

第4 当審の判断
1 引用商標の周知性について
申立人の提出に係る証拠及びその主張によれば,次のとおりである。
(1)引用商標の周知性を証明する証拠について
甲第2号証は,左上部に,「2ちゃんねるガイド:基本」の記載があり,「使い方&注意/よくある質問をまとめてみました。。。」の見出しの下,「2ちゃんねるってなに?」の項に,「『ハッキング』から『夜のおかず』まで手広くカバーする巨大掲示板群です。。。気兼ねなく、会社、学校、座敷牢からアクセスできるように、発信元は一切分かりません。お気楽ご気楽に書き込んで下さい。」の記載がある。
そして,「2ちゃんねるって誰がやっているの?」の項に,「2ch.net is managed and operated by PACKET MONSTER INC.」の記載がある。
なお,甲第1号証及び甲第6号証は,英語の原文のみで訳文の提出がない。
(2)引用商標の周知性について
上記(1)によれば,甲第2号証は,「2ちゃんねる」の紹介や誰が行っているか等が記載されているが,該証拠の作成年月日及び作成者等は不明である。
そして,上記した証拠のみでは,引用商標の周知性を推し量ることはできない。
その他,申立人が提出した証拠は,西村氏に関するインターネット記事,新聞記事及び書籍の記事がほとんどであり,例えば,引用商標の電子掲示板を需要者が利用したアクセス回数,引用商標に係る宣伝広告の回数や期間,広告費などを立証する証拠の提出はなされておらず,引用商標が使用された事実を客観的,具体的に把握することができないといわざるを得ない。
(3)小括
以上によれば,引用商標が,本件商標の登録出願時及び登録査定時において,「パケットモンスター社」の業務に係る役務である,電子掲示板「2ちゃんねる」を表示するものとして,我が国の需要者の間に広く知られていたものであることを認めることができない。
2 本件商標と引用商標の類否について
本件商標は,前記第1のとおり「2ちゃんねる」の文字からなり,「ちゃんねる」の平仮名は,「チャンネル」の文字に通じるものであり,「ラジオ・テレビ放送で,適当な間隔をおいて並んだ各使用周波数に順次番号を付けたもの。」(株式会社岩波書店「広辞苑第六版」)の意味を有する語であるから,該文字はその構成態様より「ニチャンネル」の称呼が生じるものであり,「2のチャンネル」の観念が生じるものである。
一方,引用商標は,前記第2のとおり「2ちゃんねる」の文字からなり,該文字より,「ニチャンネル」の称呼が生じ,「2のチャンネル」の観念が生じるものである。
本件商標と引用商標とを比較すると,共に「2ちゃんねる」の文字からなり,上記のとおり,外観,称呼及び観念が同一であるから同一の商標といえる。
また,本件商標の指定役務中,「電子掲示板による通信及びこれに関する情報の提供」と引用商標の「電子掲示板の提供」とは,同一又は類似の役務である。
3 商標法第4条第1項第10号該当性について
商標法第4条第1項第10号は,「他人の業務に係る商品若しくは役務を表示するものとして需要者の間に広く認識されている商標又はこれに類似する商標であって,その商品若しくは役務又はこれらに類似する商品若しくは役務について使用をするもの」に該当する商標について,商標登録を受けることができないと規定しているところ,上記2のとおり,本件商標と引用商標が同一であるとしても,上記1のとおり,引用商標は,需要者の間に広く知られているものではない。
したがって,本件商標は,商標法第4条第1項第10号に該当しない。
4 商標法第4条第1項第7号該当性について
商標法第4条第1項第7号は,「公の秩序又は善良の風俗を害するおそれがある商標」に該当する商標について,商標登録を受けることができないと規定しているところ,これに該当する商標は,「(a)その構成自体が非道徳的,卑わい,差別的,矯激若しくは他人に不快な印象を与えるような文字又は図形である場合,(b)当該商標の構成自体がそのようなものでなくとも,指定商品又は指定役務について使用することが社会公共の利益に反し,社会の一般的道徳観念に反する場合,(c)他の法律によって,当該商標の使用等が禁止されている場合,(d)特定の国若しくはその国民を侮辱し,又は一般に国際信義に反する場合,(e)当該商標の登録出願の経緯に社会的相当性を欠くものがあり,登録を認めることが商標法の予定する秩序に反するものとして到底容認し得ないような場合,などが含まれるというべきである。」と判示されているところである(知財高裁平成17年(行ケ)第10349号 平成18年9月20日判決参照)。
しかしながら,本件商標は,前記第1の構成態様からなるものであって,その構成自体が非道徳的,卑わい,差別的,矯激若しくは他人に不快な印象を与えるような構成態様ではないことは明らかである。
また,本件商標の指定役務について使用することが社会公共の利益に反し,社会の一般的道徳観念に反するということもできず,他の法律によってその使用が禁止されているものでもない。
さらに,申立人が提出した証拠及び主張からは,特定の国若しくはその国民を侮辱し,又は一般に国際信義に反する場合に当たるということはいえない。
加えて,申立人が提出した証拠及び主張からは,本件商標の登録出願の経緯が,社会的相当性を欠くものがあり,登録を認めることが商標法の予定する秩序に反するものとして到底容認し得ないような場合に当たるということもいえない。
したがって,本件商標は,商標法第4条第1項第7号に該当しない。
5 商標法第4条第1項第19号について
商標法第4条第1項第19号は,「他人の業務に係る商品又は役務を表示するものとして日本国内又は外国における需要者の間に広く認識されている商標と同一又は類似の商標であって,不正の目的(不正の利益を得る目的,他人に損害を加える目的その他の不正の目的をいう。以下同じ。)をもって使用をするもの」に該当する商標について,商標登録を受けることができないと規定しているところ,申立人は,商標権者が不正の目的をもって本件商標を使用していることについて,甲第7号証ないし甲第9号証を提出して,不正の目的をもって使用する意思が明確にあった旨を主張している。
しかしながら,これらの証拠は,インターネット記事や新聞記事において,「2ちゃんねる」を巡る事件について記載されているのみで,実際にどのような不正の目的があったかを具体的に証明する証拠の提出はされていないし,また,申立人は,これら不正の目的について,具体的な説明もしていない。
そうすると,たとえ,本件商標と引用商標が同一であるとしても,引用商標に周知性は認められず,かつ,本件商標が不正の目的をもって使用をするものということはできない。
したがって,本件商標は,商標法第4条第1項第19号に該当しない。
6 商標法第3条第1項第4号について
商標法第3条第1項第4号は,「ありふれた氏又は名称を普通に用いられる方法で表示する標章のみからなる商標」に該当する商標について,商標登録を受けることができないと規定しているところ,本件商標は,前記第1のとおり,「2ちゃんねる」の文字からなるものであって,これがありふれた氏でないことは明らかであり,また,その構成中の「2」の文字が算用数字の一桁であり,「ちゃんねる」の文字部分が,通信路等を意味する「チャンネル」に通じるものであるとしても,これらを組み合わせた「2ちゃんねる」の文字が,ありふれて使用されているという証拠の提出もなく,本件商標がありふれた名称であるということはできない。
そうすると,本件商標が,「ありふれた氏又は名称を普通に用いられる方法で表示する標章のみからなる商標」ということはできない。
なお,申立人は,甲第10号証において,「『チャンネル』は,『通信やコンピュータにおける通信路、伝達路(通信媒体)』を意味するものであり,特に,『電子掲示板のネーミングの1つ』として電子掲示板を示す表示としても一般的なものである」と主張するが,これが,「ありふれた氏又は名称」とどのように関係するかが不明であり,申立人の主張は,その前提を欠くものといわざるを得ないものである。
したがって,本件商標は,商標法第3条第1項第4号に該当しない。
7 むすび
以上のとおり,本件商標の登録は,商標法第3条第1項第4号並びに同法第4条第1項第7号,同第10号及び同第19号に違反してされたものではないから,同法第43条の3第4項の規定により,その登録を維持すべきである。
よって,結論のとおり決定する。
異議決定日 2017-02-13 
出願番号 商願2013-8081(T2013-8081) 
審決分類 T 1 651・ 14- Y (W3842)
T 1 651・ 22- Y (W3842)
T 1 651・ 222- Y (W3842)
T 1 651・ 25- Y (W3842)
最終処分 維持  
前審関与審査官 旦 克昌大房 真弓中束 としえ榊 亜耶人 
特許庁審判長 井出 英一郎
特許庁審判官 山田 正樹
榎本 政実
登録日 2016-05-20 
登録番号 商標登録第5851035号(T5851035) 
権利者 西村 博之
商標の称呼 ニチャンネル、ツーチャンネル、チャンネル 
代理人 是枝 洋介 
代理人 右田 敏之 

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