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審決分類 審判 全部申立て  登録を維持 W25
審判 全部申立て  登録を維持 W25
審判 全部申立て  登録を維持 W25
審判 全部申立て  登録を維持 W25
管理番号 1325091 
異議申立番号 異議2016-900246 
総通号数 207 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標決定公報 
発行日 2017-03-31 
種別 異議の決定 
異議申立日 2016-08-12 
確定日 2017-02-16 
異議申立件数
事件の表示 登録第5849088号商標の商標登録に対する登録異議の申立てについて,次のとおり決定する。 
結論 登録第5849088号商標の商標登録を維持する。
理由 第1 本件商標
本件登録第5849088号商標(以下「本件商標」という。)は,別掲1のとおりの構成からなり,平成27年12月16日に登録出願され,第25類「被服及び運動用特殊衣服,防水加工を施した被服,履物及び運動用特殊靴,帽子,メリヤス下着,メリヤス靴下,水泳着,手袋(被服),下着,ガードル,スカーフ」を指定商品として,平成28年4月25日に登録査定,同年5月13日に設定登録されたものである。

第2 引用商標
登録異議申立人(以下「申立人」という。)が,本件商標は商標法第4条第1項第7号及び同第11号に該当すると主張して本件登録異議の申立ての理由として引用する登録商標は,以下の3件であり,いずれも現に有効に存続しているものである(以下,これらをまとめていうときは「引用商標」という。)。
1 登録第4119878号商標(以下「引用商標1」という。)は,別掲2のとおりの構成からなり,1995年9月26日にアメリカ合衆国においてした商標登録出願に基づいてパリ条約第4条による優先権を主張して,平成8年3月22日に登録出願され,第25類「被服,履物,運動用特殊衣服,運動用特殊靴,乗馬靴」を指定商品として,平成10年3月6日に設定登録されたものである。
2 登録第5201923号商標(以下「引用商標2」という。)は,別掲3のとおりの構成からなり,平成19年7月6日に登録出願され,第25類「被服,ガーター,靴下止め,ズボンつり,バンド,ベルト,履物,運動用特殊衣服,運動用特殊靴」及び第35類「被服の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,履物の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,運動具の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供」を含む第1類,第3類,第5類,第9類,第18類,第25類,第26類,第28類,第35類及び第41類に属する商標登録原簿記載のとおりの商品及び役務を指定商品及び指定役務として,平成21年2月6日に設定登録されたものである。
3 登録第4554995号商標(以下「引用商標3」という。)は,別掲4のとおりの構成からなり,平成13年5月31日に登録出願され,第25類「靴類(「靴合わせくぎ・靴くぎ・靴の引き手・靴びょう・靴保護金具」を除く。),運動用特殊衣服,運動用特殊靴(「乗馬靴」を除く。)」を指定商品として,平成14年3月22日に設定登録されたものである。

第3 登録異議の申立ての理由
申立人は,本件商標は商標法第4条第1項第7号及び同第11号に該当するから,同法第43条の2第1号により,その登録は取り消されるべきであると申立て,その理由を要旨以下のように述べ,証拠方法として甲第1号証ないし甲第13号証を提出した。
1 商標法第4条第1項第7号について
請求人であるニュー バランス アスレティツクス,インコーポレイテッド(以下「ニューバランス社」という。)は,1906年,米国において矯正靴のメーカーとして創業し,1960年代から1970年代にかけてその技術と独自の設計理念を活かしたランニングシューズが世界中のランナーに支持されるようになり,今日ではスポーツシューズ等のトップブランドの地位を築いている。ニューバランス社の商標「NB」(「New Ba1ance」の頭文字である)及び「N」を図案化した商標は日本を含む全世界においてニューバランス社のブランドを示す著名商標となっている(甲5?甲13)。
本件商標権者による本件商標出願は,後述する商標の類似性からニューバランス社の著名性に便乗して不正な利益を得るために使用する目的をもってなされたことは明白である。したがって,本件商標権者が本件商標の設定登録を受ける行為は,商取引の秩序を乱し,社会一般の道徳観念ないしは国際信義に反し,公の秩序を害するものであるから,本件商標は,商標法第4条第1項第7号に該当する。
2 商標法第4条第1項第11号について
(1)本件商標と引用商標との比較
ア 本件商標の外観の特徴
本件商標は,太字かつ右斜体で表現された欧文字「I」と,その極めて近接右側に同様の右斜体で表現された欧文字「N」が配され,当該「I」全体を貫き「N」の左縦線部をほぼ貫く形状で水平方向に伸びる4本の白い帯の存在により,全体として本件商標の左側に黒と白の交互縞模様を表出し,この図形部分の下段に欧文字「Individual Need」が近接して配置されている。
イ 引用商標1の外観の特徴
引用商標1は,太字かつ右斜体で表現された欧文字「N」が配され,当該「N」は右方が太く左方に行くほど細くなるように表現された黒と白の交互縞模様を有している。
ウ 引用商標2の外観の特徴
引用商標2は,太字かつ右斜体で表現された欧文字「N」が配され,当該「N」は右方が太く左方に行くほど細くなるように表現された黒と白の交互縞模様を有し,当該「N」の右には欧文字「B」が配され,当該「B」の左縦線部は,当該「N」の右縦線部と共有して表現されている。
エ 引用商標3の外観の特徴
引用商標3は,太字かつ右斜体で表現された欧文字「N」が配されている。
オ 本件商標と引用商標の外観の特徴の共通点
本件商標は,別掲1のとおり図形部分と文字部分からなる結合商標であり,本件商標において需要者の注意を惹く要部はこの図形部分である。
さらに,本件商標の要部である図形部分は,「I」と「N」が一体的な印象を与え,全体として欧文字「N」のごとき形状である。そして,当該4本の白い帯の存在により商標の左側に黒と白の交互縞模様を表出する。
これに対して,引用商標は,太字かつ右斜体で表され(引用商標1ないし3),商標の左側に黒と白の交互縞模様を表出し(引用商標1及び2),それぞれ欧文字「N」の形状が特徴的なものである。
したがって,本件商標と引用商標の外観の特徴の共通点は多い。
(2)引用商標の周知性・著名性について
引用商標は,太字かつ右斜体で表現された欧文字「N」,「N」の右には欧文字「B」が配され,当該「B」の左縦線部は,当該「N」の右縦線部と共有して表現されていること,商標左部に右方が太く左方に行くほど細くなるように表現された黒と白の交互縞模様が存在することといった特徴において,本件商標にかかる出願日及び査定時において日本国内の需要者に相当程度知られた商標であり,使用に基づく一定以上の業務上の信用を獲得している商標である(甲5?甲13)。
(3)取引の実情について
各種シューズメーカーやスポーツアパレルメーカーが,消費者向けに発するある種のキャッチコピーと共に自身の商標を使用する実情が見受けられる。
本件商標が指定商品に使用された場合,需要者はこのような実情により,「Individual Need」の文字列をある種のキャッチコピーと認識するにとどまり,要部である図形部分からニューバランス社商品と誤認することは想像に難くない。
(4)本件商標が指定商品について使用された場合
本件商標が指定商品について使用された場合,前述の引用商標の周知・著名度並びに取引の実情からすれば,需要者間に出所混同が生じることは疑いようがない。
(5)商標の類否判断について
本件商標は,ニューバランス社の周知・著名商標の特徴を抜き出し,これらを巧妙に組み合わせつつ,ある種のキャッチコピーのごとき文字部を付け加えているが,「商標が類似のものであるかどうかは,その商標をある商品につき使用した場合に,商品の出所について誤認混同を生ずる虞れがあると認められるかどうかということにより判定すべきものと解するのが相当である」(最高裁昭和36年6月27日第三小法廷判決)とした判例,さらに,要部観察(平成6年(行ケ)150号審決取消請求事件)並びに離隔観察の観点を考慮すれば,本件商標は引用商標に類似するものにほかならないといわざるを得ない。
したがって,本件商標は,商標法第4条第1項第11号に該当する。

第4 当審の判断
申立人は,本件商標が商標法第4条第1項第7号及び同第11号に該当すると主張しているので,以下,検討する。なお,事案に鑑み,まず,本件商標と引用商標との類否について検討する。
1 商標法第4条第1項第11号について
(1)引用商標の周知性について
申立人は,引用商標は周知・著名性を獲得していると主張して,甲第5号証ないし甲第13号証を提出している。
そこで,これらの号証を徴するに,2015年春頃から2016年夏頃にかけて発行された申立人の日本法人発行の商品カタログ(甲5?甲9)において,靴類,被服類,運動用具類に,主として引用商標2が使用されていることが確認でき,また,2015年及び2016年に発行された雑誌類及び新聞(甲10,甲11,甲13)において主として引用商標2が使用された「靴類」の宣伝広告がされていることが確認できる。
しかしながら,上記申立人の日本法人発行の商品カタログは,2015年春頃から2016年夏頃にかけてのわずか一年余りの限定された期間のものであり,かつ,その配布部数や配布地域は把握できず,ここに掲載されている各商品の販売数,販売額,業界におけるシェアなども明らかではない。また,雑誌類や新聞,マスコミなどを介しての宣伝広告がされたことを示す証拠は,上記の甲各号証以外には提出されていない。
さらに,甲第12号証の「スポーツブランドに関する調査」は,1年以内にスニーカーを購入した者,月に1回以上スポーツを実施している青年男女を対象にしたものであり,これらの者は,スニーカーを購入したり使用することが多いといえ,そこに付されたブランドを目にする機会が比較的多い者であり,一般の需要者の間における引用商標の周知性の程度を推し量る調査としては客観性に欠けるものといわなければならない。
また,本件において,ほかに,引用商標が商品「靴類」との関係で,一般的・恒常的に使用されていることを示す取引の実情についての証拠の提出はない。
したがって,提出された証拠方法をもってしては,引用商標が,靴類,被服類,運動用具類に使用されて,これら商品の一般の需要者の間で広く認識されているということはできない。
(2)本件商標について
本件商標は,別掲1のとおり,上段部分は太字で斜めに表した欧文字の「I」及び「N」の文字の間隔を狭くし,「I」の文字の左端から「N」の文字の左側縦線部にかけて,横長矩形状に切り欠いて,これを上方から下方にかけて等間隔に四つ施した構成とし,下段部分は「Individual Need」の欧文字を横書きしてなるところ,上段部分と下段部分とは,常に一体不可分のものとして認識されるものとは認められないものであり,それぞれが独立して自他商品の識別標識としての機能を果たし得るものというのが相当である。
そして,このうち上段部分は,「I」及び「N」をモチーフにした一種の図形と認識されるとみるのが相当であって,特定の称呼及び観念は生じないというべきである。
また,下段部分は,その構成文字に相応して「インディビジュアルニード」の称呼を生じ,特定の観念を生じないものである。
(3)引用商標1について
引用商標1は,別掲2のとおり,太字で斜めに表した欧文字の「N」の文字の左端から右端近くにかけて,右側を尖らせて楔状に水平に切り欠いて,これを上方から下方にかけて等間隔に七つ施した構成よりなるところ,これは欧文字の「N」をモチーフにした一種の図形と認識されるとみるのが相当であって,特定の称呼及び観念は生じないというべきである。
(4)引用商標2について
引用商標2は,別掲3のとおり,欧文字の「N」と「B」とをモチーフにしたモノグラムを斜めに表してなり,該モノグラムの「N」部分の左端から右端にかけて,右側を尖らせて楔状に水平に切り欠いて,これを上方から下方にかけて等間隔に四つ施した構成よりなるところ,これは図形と認識されるというのが相当であって,特定の称呼及び観念は生じないというべきである。
(5)引用商標3について
引用商標3は,別掲4のとおり,太字の右斜体で表された欧文字「N」の外周部分にステッチ状の破線を配し,その外側を細い線で囲ってなるところ,これは欧文字の「N」をモチーフにした一種の図形と認識されるとみるのが相当であって,ここからは,特定の称呼及び観念は生じないというべきである。
(6)本件商標と引用商標との類否について
ア 本件商標と引用商標1との類否について
本件商標の上段部分と引用商標1を比較するに,本件商標の上段部分は,「I」及び「N」をモチーフとし,左側に横長矩形状の切欠きを水平に等間隔に四つ施してなるものであるのに対し,引用商標1は,太字で斜めに表した欧文字の「N」の文字の左端から右端近くにかけて,右側を尖らせた楔状の切欠きを水平に等間隔に七つ施してなるものであるから,両者は基調となる文字において「IN」と「N」という相違があり,横に施された切欠きの数と形状の違いにより,外観上互いに区別し得る差異を有するものである。
したがって,本件商標の上段部分と引用商標1とは,外観上類似しない。また,両者は,いずれも特定の称呼及び観念を生じないものであるから,称呼及び観念において相紛れるおそれはない。
次に,本件商標の下段部分と引用商標1を比較するに,前者が文字からなるのに対し,後者が図形からなるものであるから,外観上明らかに相違するものである。また,本件商標の下段部分は「インディビジュアルニード」の称呼を生じ,特定の観念を生じないものであり,引用商標1は特定の称呼及び観念を生じないものであるから,両者は,称呼及び観念において相紛れるおそれはない。
イ 本件商標と引用商標2との類否について
本件商標の上段部分と引用商標2を比較するに,本件商標の上段部分は,「I」及び「N」をモチーフとし,左側に横長矩形状の切欠きを水平に等間隔に四つ施してなるものであるのに対し,引用商標2は,欧文字の「N」と「B」とをモチーフにしたモノグラムを斜めに表してなり,該モノグラムの「N」部分の左端から右端にかけて,右側を尖らせた楔状の切欠きを水平に等間隔に四つ施してなるものであるから,本件商標の上段部分と引用商標2とは,基調となる文字において「IN」と「NB」という相違があり,横に施された切欠きの形状の違いにより,両者は外観上互いに区別し得る差異を有するものである。したがって,本件商標の上段部分と引用商標2とは,外観上類似しない。また,両者は,いずれも特定の称呼及び観念を生じないものであるから,称呼及び観念において相紛れるおそれはない。
次に,本件商標の下段部分と引用商標2を比較するに,前者が文字からなるのに対し,後者が図形からなるものであるから,外観上明らかに相違するものである。また,本件商標の下段部分は「インディビジュアルニード」の称呼を生じ,特定の観念を生じないものであり,引用商標2は特定の称呼及び観念を生じないものであるから,両者は,称呼及び観念において相紛れるおそれはない。
ウ 本件商標と引用商標3との類否について
本件商標の上段部分と引用商標3を比較するに,本件商標の上段部分は,「I」及び「N」をモチーフとし,左側に横長矩形状の切欠きを水平に等間隔に四つ施してなるものであるのに対し,引用商標3は,太字の右斜体で表現された欧文字「N」の外周部分にステッチ状の破線を配し,その外側を細い線で囲ってなるものであるから,本件商標の上段部分と引用商標3とは,基調となる文字において「IN」と「N」という相違があり,本件商標の上段部分は横に切欠きが施されているのに対して,引用商標3には切欠きはなく,本件商標の上段部分には引用商標3が有する周囲の囲いがないことから,両者は外観上互いに区別し得る差異を有するものである。したがって,本件商標の上段部分と引用商標3とは,外観上類似しない。また,両者は,いずれも特定の称呼及び観念を生じないものであるから,称呼及び観念において相紛れるおそれはない。
次に,本件商標の下段部分と引用商標3を比較するに,前者が文字からなるのに対し,後者が図形からなるものであるから,外観上明らかに相違するものである。また,本件商標の下段部分は「インディビジュアルニード」の称呼を生じ,特定の観念を生じないものであり,引用商標3は特定の称呼及び観念を生じないものであるから,両者は,称呼及び観念において相紛れるおそれはない。
類否判断
してみれば,本件商標と引用商標とは,外観において互いに区別でき,称呼及び観念において相紛れるおそれのないものであるから,両商標が類似する商標ということはできない。
(7)小括
以上のことからすれば,引用商標は,それぞれが周知性を獲得しているとはいえず,また,本件商標と引用商標とが類似する商標ということはできないから,本件商標は,商標法第4条第1項第11号に該当しない。
2 商標法第4条第1項第7号について
申立人の引用商標2を含む引用商標は,前記1(1)のとおり,周知性を獲得しているものではない。
したがって,本件商標の登録出願が,ニューバランス社の商標の著名性に便乗して不正な利益を得るために使用する目的をもってなされたことは明白であるとの申立人の主張は採用することはできない。
そして,申立人は,本件商標が,社会一般の道徳及び公正な取引秩序の維持を旨とする商標法の精神並びに国際信義に反し,公の秩序を害するおそれがあり,また,本件商標の採択の経緯等に不正の目的があることを示す証拠を提出していない。
したがって,本件商標は,商標法第4条第1項第7号に該当しない。
3 まとめ
以上,本件商標は,商標法第4条第1項第7号及び同第11号に該当するとは認められないから,同法第43条の3第4項に基づき,その登録を維持すべきである。
よって,結論のとおり決定する。
別掲 別掲1(本件商標)



別掲2(引用商標1)



別掲3(引用商標2)



別掲4(引用商標3)



異議決定日 2017-02-06 
出願番号 商願2015-123888(T2015-123888) 
審決分類 T 1 651・ 22- Y (W25)
T 1 651・ 262- Y (W25)
T 1 651・ 263- Y (W25)
T 1 651・ 261- Y (W25)
最終処分 維持 
前審関与審査官 松田 訓子 
特許庁審判長 堀内 仁子
特許庁審判官 早川 文宏
小林 裕子
登録日 2016-05-13 
登録番号 商標登録第5849088号(T5849088) 
権利者 ヤン インリン
商標の称呼 イン、アイエヌ、インディビジュアルニード、インディビジュアル、ニード 
代理人 特許業務法人R&C 
代理人 アクシス国際特許業務法人 
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