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審決分類 審判 全部申立て  登録を維持 W123539
審判 全部申立て  登録を維持 W123539
管理番号 1325078 
異議申立番号 異議2016-900309 
総通号数 207 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標決定公報 
発行日 2017-03-31 
種別 異議の決定 
異議申立日 2016-09-26 
確定日 2017-02-03 
異議申立件数
事件の表示 登録第5860284号商標の商標登録に対する登録異議の申立てについて、次のとおり決定する。 
結論 登録第5860284号商標の商標登録を維持する。
理由 1 本件商標
本件登録第5860284号商標(以下「本件商標」という。)は、「マリカー」の片仮名を標準文字で表してなり、平成27年5月13日に登録出願、第12類「船舶並びにその部品及び附属品,航空機並びにその部品及び附属品,鉄道車両並びにその部品及び附属品,自動車並びにその部品及び附属品,二輪自動車・自転車並びにそれらの部品及び附属品,乳母車,人力車,そり,手押し車,荷車,馬車,リヤカー」、第35類「船体・機体・車体を利用した広告,インターネットによる広告,広告宣伝物の企画及び制作,広告のための商品展示会・商品見本市の企画又は運営,広告業,市場調査又は分析,商品の販売に関する情報の提供,職業のあっせん,競売の運営,求人情報の提供,商業用・販売促進用及び広告用のイベント・展示会・見本市及びショーの企画・運営又は開催及びこれらに関する情報の提供」及び第39類「船舶・航空機・乗物・自動車・オートバイ・自転車・乳母車・人力車・そり・手押し車・荷車・馬車・リアカーの貸与及びこれらに関する情報の提供」を指定商品及び指定役務として、同年9月9日に登録査定、同28年6月24日に設定登録されたものである。

2 引用商標
登録異議申立人(以下「申立人」という。)が引用する登録第4222218号商標(以下「引用商標」という。)は、「MARIO KART」の欧文字及び「マリオカート」の片仮名を上下二段に表してなり、平成8年9月27日に登録出願、第9類「家庭用ビデオゲーム機及びその部品・付属品,家庭用ビデオゲーム機用のゲームプログラムを記憶させたROMカートリッジ・同磁気ディスク・同光ディスク,家庭用ビデオゲーム機専用光ディスク記録再生装置,家庭用ビデオゲーム機用のジョイスティック,レコード,電子計算機(中央処理装置及びデータ入力用キーボード,電子計算機用プログラムを記憶させた電子回路・同磁気ディスク・同光ディスク・同磁気テープ・その他の周辺機器を含む。),データ入力装置,その他の電子応用機械器具及びその部品,電気通信機械器具,遊園地用機械器具」を指定商品として、同10年12月18日に設定登録され、同20年12月24日に存続期間の更新登録がされ、現に有効に存続しているものである。

3 登録異議の申立ての理由
申立人は、本件商標について、商標法第4条第1項第15号及び同項第19号に該当するものであるから、同法第43条の2第1号により、その登録は取り消されるべきであると申立て、その理由を要旨以下のように述べ、証拠方法として甲第1号証ないし甲第66号証を提出した。
(1)商標法第4条第1項第15号該当性について
申立人は、明治22年に創業し昭和22年に設立され、日本のみならず、世界においてゲーム機及びゲームソフトウェアを製造販売している法人である。
そして、申立人は、1992年より「マリオカート」を冠したレーシングゲームに係る一連のゲームソフト(マリオカートシリーズ)を製造販売しており、最新作「マリオカート8」は、2014年5月29日に発売された。マリオカートシリーズに関し、申立人は、商標登録を有し(甲2?甲9)、最近のマリオカートシリーズの販売本数は、「マリオカートDS」が2,360万本、「マリオカートWii」が3,675万本等となっている(甲10?甲13)。
申立人による引用商標の使用期間が24年以上と長期にわたること、及び膨大な販売数量に鑑みると、引用商標は、日本及び外国において広く認識された商標に該当し、実際の登録出願に関する審査において、引用商標は、著名な商標である旨認定されている(甲14?甲17)。
ところで、一般的にゲームの分野では、「ポケモン」、「ドラクエ」、「モンハン」、「パズドラ」、「スマブラ」等と、ソフトタイトルを省略する取引実情があり、それらと同様に申立人の引用商標は、需要者の間で「マリカー」と略称されている事実が存在する(甲18?甲34)。
そして、引用商標が広く知られていることと関連して、当該略称「マリカー」も「マリオカート」を指すものとしてゲーム、ゲームソフト、おもちゃ等の需要者の間で浸透しており、広く知られるところとなっている。
そこで、本件商標についてみると、本件商標は、引用商標の略称「マリカー」と同一である。
そして、商標審査基準において示されている「他人の業務に係る商品又は役務と混同を生ずるおそれがある商標」の判断基準に照らすと、(ア)申立人の「マリオカート」が高い周知度を有していること、(イ)申立人の「マリオカート」が創造商標であること、(ウ)申立人の商標に関して多くのライセンス商品が存在すること、(エ)申立人の商標に関して多くのコラボ企画が存在すること(甲35?甲66)、(オ)商品と役務間の関連性について、引用商標は、レーシングゲームに用いられており、本件商標の指定商品・役務には、第12類「自動車並びにその部品及び付属品」等、第35類「船体・気体・車体を利用した広告」等、第39類「船舶・航空機・乗物・自動車・オートバイ・自転車・乳母車・人力車・そり・手押し車・荷車・馬車・リアカーの貸与及びこれらに関する情報の提供」が含まれており、一定の関連性が認められる、という点が重要と考えられる。
よって、本件商標がその指定商品・役務について用いられた場合には、当該商品・役務等が申立人との間に、いわゆる、親子会社や系列会社等の緊密な営業主の関係又は同一の表示による商品化事業を営むグループに属する関係にある営業上の業務に係る商品・役務等であると誤信されるおそれがある。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第15号に該当する。
(2)商標法第4条第1項第19号該当性について
上述したとおり、引用商標及びその略称である「マリカー」も広く知られるところとなっている。
そして、本件商標は、当該略称である「マリカー」と同一である。
ところで、商標審査基準において、「不正の目的」の認定については、(ア)一以上の外国において周知な商標又は日本国内で全国的に知られている商標と同一又は極めて類似するものであること、(イ)その周知な商標が造語よりなるものであるか、若しくは、構成上顕著な特徴を有するものであることの2点を充たす場合には、他人の周知な商標を不正の目的をもって使用するものと推認して取り扱うとされている。
この点、本件商標は、日本国内で全国的に知られている商標「マリカー」と同一であり、当該商標が造語よりなるものであるので、上記(ア)及び(イ)の基準を満たすから、本件商標の使用については、不正の目的が推認されるべきである。
さらに、申立人のマリオカートシリーズは、レーシングゲームを内容とするものであり、本件商標も、ゲーム・乗物等に関する商品及び役務をその内容とするので、この点からも出所の誤認・混同を意図した不正の目的が推認される。
結局、上記のとおり、本件商標は、申立人の業務に係る商品又は役務を表示するものとして日本国内における需要者の間に広く認識されている商標と同一の商標であって、不正の目的をもって使用をするものといえる。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第19号に該当する。

4 当審の判断
(1)引用商標及び「マリカー」の周知著名性について
ア 申立人の主張及び提出に係る証拠によれば、以下の事実が認められる。
(ア)申立人は、日本のみならず、世界においてゲーム機及びゲームソフトウェアを製造、販売している法人であって、1992年8月27日発売の「スーパーマリオカート」以来、「マリオカート64(発売:1996年12月14日)」、「マリオカートDS(発売:2005年12月8日)」、「マリオカートダブルダッシュ(発売:2003年11月7日)」、「マリオカートWii(発売:2008年4月10日)」及び「マリオカートアドバンス(発売:2001年7月21日)」等のレーシングゲームソフトウェアを発売している(甲18)。
(イ)申立人のウェブサイトに掲載された「主要ソフト販売実績」(2016年3月末時点)によれば、「マリオカートDS」は2,360万本、「マリオカートWii」は3,675万本である(甲10、甲11)。
(ウ)インターネット上のフリー百科事典「Wikipedia」の「マリカー」の項には、「マリオカートシリーズおよびスーパーマリオカートの略。」及び「マツリカ - ジャスミンティーなどに使われる花。」との記載がある(甲19)。
(エ)ウェブサイトには、「マリカーで3位なのに2位に赤甲羅ぶつけるアホ」(2013年6月21日)との記載、「ぶっちゃけマリカーとスマブラだけでWiiU買う価値有るよな」の見出しのもと「・・・ゲームランキング二大巨頭(大抵マリカー世代とスマブラ世代に分かれる)」(投稿日:2013年7月18日)との記載、「マリカーに見る魔界」(2015年7月12日)との記載、及び「ニコニコミュニティ」(開設日:2008年11月4日)に「マリオカートwii」の見出しのもと「みんなでマリカーを盛り上げていきましょう!」との記載がある(甲20?甲23)。
(オ)「電撃GAME CUBE」(2003年11月1日及び同年12月1日 メディアワークス発行)及び「電撃ゲームキューブ」(2004年2月1日及び同年1月1日 メディアワークス発行)には、「マリオカート ダブルダッシュ」又は「MARIOKART/DoubleDash!!」が大きく表示された部分の説明文に「マリカーDD」との記載(甲24?27)、「ニンドリ Nintendo DREAM」(平成19年8月1日及び同18年9月1日 (株)毎日コミュニケーションズ発行)の付録「完全保存版DSソフトオールカタログ」には、「マリオカートDS」の項に「Wi-Fi搭載の『マリカー』シリーズ最新作」との記載がある(甲28、甲29)。また、「電撃GB(ゲームボーイ)アドバンス」(2001年9月1日及び同年10月1日 メディアワークス発行)には、「マリオカートアドバンス/MARIOKART ADVANCE」と大きく表示され、欄外に「任天堂公認/『マリカー』大会開催」、「ソフト発売直後の7/22から全国で『マリカー』のレース大会が開催されるぞ。」との記載及び「売り上げ総合ランキング」として第2位に「マリオカートアドバンス」が表示され、その説明文に「・・・今までの『マリカー』シリーズの売れ方を考えると、次号では発売累計本数で『マリオカート』が上回ることだってありえそう。」との記載がある(甲30、甲31)。「ファミマガ64」(平成8年12月27日及び同月13日 徳間書店インターメディア(株)発行)には、「MARIOKART/マリオカート/64」と大きく表示され、「攻略!!」の説明文に「『マリカー』最速の法則を発見!!」や「MARIOKART/マリオカート/64 Perfect Guide」のタイトルのもと「システムガイド」の説明文に「カート操作の特徴からゲームモードやアイテムまで、プレイに必要な『マリカー』のシステムをすべて解説するぞ。」との記載がある(甲32、甲33)。
(カ)東京工芸大学の2013年6月26日付け「調査結果ニュースリリース」において、「ウェアラブル・コンピュータに関する調査」として、「メガネ型端末でプレイしたいゲームタイトル/男性は『バイオ』『DQ』『FF』、女性は『マリオ』『マリカー』『ぶつ森』」との表題の下、「・・・女性は1位『スーパーマリオ』(35.0%)、2位『マリオカート』(32.5%)、3位『どうぶつの森』(26.3%)となりました。」との記載がある(甲34)。
(キ)申立人は、申立人商標に関するコラボレーション企画が多く存在するとして、ウェブサイト及び書籍写しを提出しているところ(甲35?甲66)、このうち、「MARIOKART8/マリオカート8」について、株式会社タカラトミー(甲38?甲41)、日本マクドナルド株式会社(甲42)、メルセデス・ベンツ日本株式会社(甲44?甲47)とのコラボレーション、及び「MARIOKART7/マリオカート7」について、株式会社タカラトミー(甲43、甲48)とのコラボレーションの事実が認められるものの、これらの証拠には「マリカー」の文字は見いだせない。その他の証拠は、「スーパーマリオ」及び「スーパーマリオブラザーズ」についてのコラボレーション企画といえ、これらの証拠についても「マリカー」の文字は見いだせない。
イ 上記アの事実によれば、申立人は、ゲーム機及びゲームソフトウェアを製造、販売している法人であって、1992年から「マリオカート」を冠したレーシングゲームに係る一連のゲームソフトウェアを製造、販売している。
そして、「マリオカートDS」及び「マリオカートWii」は、相当数の販売実績であるといえ、また、ゲームソフトウェア関連の雑誌(甲24?甲33)には、「マリオカート ダブルダッシュ/MARIOKART/DoubleDash!!」、「マリオカートDS」、「マリオカートアドバンス/MARIOKART ADVANCE」及び「MARIOKART/マリオカート/64」等と大きく表示され、紹介されており、「MARIOKART8/マリオカート8」に関して他社とのコラボレーション企画がなされている。
そうすると、「マリオカート/MARIOKART」は、申立人の製造、販売に係るゲームソフトウェア(以下「申立人商品」という。)として、本件商標の登録出願時及び登録査定時において需要者の間に相当程度、知られていたものといい得る。
しかしながら、申立人は、引用商標の略称を表すものとして、「マリカー」の文字が、申立人商品を表すものとして広く知られていると主張するが、その根拠として提出する証拠には、「マリオカート/MARIOKART」のゲームソフトウェアのタイトルとともにその説明文中に表示されたり、個人のブログ中に表示されているのみで、「マリカー」の文字が単独で使用され、申立人商品を表すものとして広く知られていることを認めるに足りる証拠もないことから、「マリカー」についての著名性の程度を推し量ることができない。
また、東京工芸大学の「調査結果ニュースリリース」(甲34)には、表題の一部に「マリカー」の文字を使用しているところ、その説明文において、「マリオカート」と略称しない表示とともに使用されているものである。
そうすると、申立人が提出した証拠のみをもってしては、引用商標を構成する「MARIOKART」及び「マリオカート」の文字が本件商標の登録出願時において申立人商品を表示する商標としてその需要者の間で相当程度知られていることは認め得るとしても、「マリカー」の文字が、申立人商品及び引用商標の略称を表示するものとして、本件商標の登録出願日前より我が国の一般の需要者の間に広く認識されるに至っていたとまでは認めることができない。
(2)商標法第4条第1項第15号該当性について
ア 本件商標について
本件商標は、上記1のとおり、「マリカー」の片仮名を標準文字で表してなるところ、該構成文字に相応して「マリカー」の称呼を生じ、辞書等に掲載が認められないものであるから、特定の意味合いを有しない一種の造語と理解されるというべきである。
イ 引用商標について
引用商標は、上記2のとおり、「MARIO KART」の欧文字及び「マリオカート」の片仮名を上下二段に表してなるところ、その構成文字に相応して「マリオカート」の称呼が生じ、申立人商品の観念が生じる。
ウ 本件商標と引用商標の類否について
本件商標と引用商標を対比するに、本件商標と引用商標とは、構成態様及び構成文字数において明らかに相違するものであるから、外観においては、判然と区別し得る。
次に、称呼においては、本件商標から生じる「マリカー」の称呼と引用商標から生じる「マリオカート」の称呼とは、その構成音数を明らかに異にするものであるから、称呼上、明確に聴別し得るものである。
さらに、観念においては、本件商標は、特定の観念を生じるとはいえないものであって、引用商標は、申立人商品を認識するものであるから、観念において、類似するとはいえない。
してみれば、本件商標と引用商標は、外観、称呼及び観念のいずれの点についても互いに紛れるおそれのない非類似の商標というべきである。
エ 出所の混同
上記(1)イのとおり、「マリカー」の文字は、申立人商品を表すものとして需要者の間において広く知られていたとは認めることができないものである。
また、本件商標は、引用商標とは、上記ウのとおり、外観、称呼及び観念のいずれの点からみても、相紛れるおそれのない非類似の商標である。
そうすると、本件商標をその指定商品及び指定役務に使用した場合に、これに接する取引者、需要者が引用商標ないしは申立人を連想、想起するようなことはないというべきであるから、本件商標は、申立人又は申立人と経済的、組織的に何らかの関係を有する者の業務に係る商品及び役務であるかのように、商品及び役務の出所について混同を生じさせるおそれがある商標ということはできない。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第15号に該当するとはいえない。
(3)商標法第4条第1項第19号該当性について
上記(1)イのとおり、「マリカー」の文字は、引用商標の略称として需要者の間において広く知られていたとは認めることができないものである。
そして、引用商標は、本件商標の登録出願時及び登録査定時において、申立人商品を表示するものとして、我が国の需要者の間に広く認識されていたとしても、本件商標と引用商標とは、非類似の商標である。
そうすると、本件商標は、引用商標を連想、想起するものでない以上、本件商標をその指定商品及び指定役務に使用するとしても、引用商標の出所表示機能の希釈化又はその名声及び信用力にフリーライドするものとはいえず、また、不正の目的をもって使用することを意図して登録出願したものということもできない。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第19号に該当するとはいえない。
(4)むすび
以上のとおり、本件商標の登録は、商標法第4条第1項第15号及び同項第19号に違反してされたものではないから、商標法第43条の3第4項の規定に基づき、維持すべきものである。
よって、結論のとおり決定する。
異議決定日 2017-01-26 
出願番号 商願2015-45116(T2015-45116) 
審決分類 T 1 651・ 271- Y (W123539)
T 1 651・ 222- Y (W123539)
最終処分 維持 
前審関与審査官 齋藤 貴博 
特許庁審判長 今田 三男
特許庁審判官 田中 幸一
藤田 和美
登録日 2016-06-24 
登録番号 商標登録第5860284号(T5860284) 
権利者 株式会社マリカー
商標の称呼 マリカー 
代理人 東谷 幸浩 
代理人 正林 真之 
代理人 特許業務法人深見特許事務所 
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