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審決分類 |
審判 全部申立て 登録を維持 W41 審判 全部申立て 登録を維持 W41 審判 全部申立て 登録を維持 W41 審判 全部申立て 登録を維持 W41 審判 全部申立て 登録を維持 W41 審判 全部申立て 登録を維持 W41 審判 全部申立て 登録を維持 W41 |
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管理番号 | 1325068 |
異議申立番号 | 異議2016-900134 |
総通号数 | 207 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 商標決定公報 |
発行日 | 2017-03-31 |
種別 | 異議の決定 |
異議申立日 | 2016-05-30 |
確定日 | 2017-01-26 |
異議申立件数 | 1 |
事件の表示 | 登録第5829148号商標の商標登録に対する登録異議の申立てについて、次のとおり決定する。 |
結論 | 登録第5829148号商標の商標登録を維持する。 |
理由 |
1 本件商標 本件登録第5829148号商標(以下「本件商標」という。)は、別掲のとおりの構成からなり、平成27年6月22日に登録出願、第41類「幼児のための語学教育,その他幼児の教育,保育園における教育,保育園における知識の教授,学習塾における知識の教授,語学の教授,水泳の教授,ダンスの教授,その他の技芸・スポーツ又は知識の教授,セミナーの企画・運営又は開催,電子出版物の提供,図書及び記録の供覧,図書の貸与,書籍の制作,教育・文化・娯楽・スポーツ用ビデオの制作(映画・放送番組・広告用のものを除く。),映画・演芸・演劇・音楽又は教育研修のための施設の提供,通訳,翻訳」を指定役務として、同年11月20日に登録査定され、同28年2月26日に設定登録されたものである。 2 引用商標 登録異議申立人(以下「申立人」という。)が引用する商標は、次の(1)ないし(5)のとおりであり、いずれも申立人の関連会社であり、教育関連サービスを展開する機関である「GEMS EDUCATION」が、「幼児の教育、インターナショナルスクールにおける教育、その他の教育、教育に関する相談・助言・情報の提供」(以下「申立人役務」という。)について使用しているとするものである。 (1)「GEMS」の文字からなる商標(以下「引用商標1」という。) (2)「GEMS EDUCATION」の文字からなる商標(以下「引用商標2」という。) (3)「GEMS International School」の文字からなる商標(以下「引用商標3」という。) (4)「Little GEMS」の文字からなる商標(以下「引用商標4」という。) (5)「Little GEMS International」の文字からなる商標(以下「引用商標5」という。) 以下、これらをまとめて「引用商標」という。 3 登録異議の申立ての理由 申立人は、本件商標は商標法第4条第1項第19号、同第8号、同第10号、同第15号又は同第7号に該当するから、その登録は同法第43条の2第1号により取り消されるべきであるとして、その理由を要旨次のように述べ、証拠方法として甲第1号証ないし甲第36号証(枝番号を含む。)を提出した。 (1)商標法第4条第1項第19号について ア 引用商標の周知性 (ア)引用商標の権利者について 引用商標は、いずれも、アラブ首長国連邦・ドバイに本拠を有し、世界14か国においてスクール及び教育関係サービスを展開する、当業界において世界的に知られている国際的な教育機関である「GEMS EDUCATION」(以下「申立人機関」という。)(甲3、甲6等)によって使用されている商標である。申立人は、同人の属する企業グループを統括する組織である申立人機関の使用する商標の登録を保有・管理する企業である。なお、申立人機関の商標は、申立人及び関連会社により地域別に管理されている(甲7)。 (イ)引用商標の世界的な周知性について 申立人機関の組織概要等は、甲各号証に記載のとおりであるが、以下にその概要を述べる(甲2?甲4)。 a 申立人機関は、1959年にアラブ首長国連邦・ドバイにおいて、インド生まれの教師であるVarkey夫妻により始められた家族経営の教育事業をそのルーツとするもので、同夫妻の息子であるSunny Varkey氏が、スクール数及びカリキュラムの種類を増しつつ、湾岸アラブ諸国に協力な(決定注:「強力な」の誤記と思われる。)ネットワークを築いた後に、2000年に、コンサルタント・教育管理会社である「Global Education Management Systems(GEMS)」が設立され、その後、申立人機関の教育事業は世界規模で展開されることになる。2003年には、Varkey氏は英国にGEMSスクールを開設し始め、その直後には、ハンプシャーのシェフィールドスクールの事業を承継するとともに、他の英国(主に北部)の10スクールを買い取っている。2004年にはインドに開校し、インド半島にもスクールを増やし続け、インドペースの教育機関「Everon Education」の経営権を買収、その後、アフリカ、東南アジア、米国、欧州においても続々とスクール開校を続けた。 申立人機関は、現在では、世界の14か国においてスクール及び教育関係事業を展開する国際的企業であり(甲4等)、幼稚園からGrade12(17歳)までの教育(プレスクール、初等・中等教育)に携わる世界で最も大規模な私立校(インターナショナルスクール)組織の運営会社となっている。その展開するスクールは、現在、本国アラブ首長国連邦(UAE)に47校(甲8の1)、インドに18校、英国に6校、マレーシアに4校、米国、エジプト、ケニア、カタール、サウジアラビア、スイスに各2校、フランス、シンガポール、ウガンダに各1校、合計90校がホームページにおいて紹介されている(甲8の2)。上記90校の名称は統一されてはいないが、多くは「GEMS」の文字を含むものであり、「GEMS International School」(引用商標3)はGEMSの運営するインターナショナルスクールの名称である(甲2の3?8、甲8の2)。また、申立人機関の小学校入学前の児童を対象とする教育事業「Little GEMS」(引用商標4)は現在、世界の6か国以上で展開されており、「Little GEMS International」(引用商標5)又は「Little GEMS Nursery」(「Nursery」は幼稚園又は保育園を意味する。)の名称のプレスクール(スクールの性質をより正確に表す表現を使用すれば、「インターナショナル・プレスクール」である。)が、現在は、インドに3校、マレーシアに2校、UAE、米国、ケニア、スイスに各1校、合計6か国において9校存在し(加えて、「Little GEMS」事業の傘下にあるがスクール名に「Little GEMS」の文字を含まないスクールも存在する。)、「Little GEMS」(引用商標4)はこれらのスクールの略称とも見られる(甲2の10?26、甲9)。なお、2004年に英国・ロンドンにおいて設立された「Little GEMS Nursery-Sherfield」が最初に開校された「Little GEMS」スクールである(甲9)。 b 申立人機関「GEMS EDUCATION」の名称については、やや冗長であり、後半の構成文字「EDUCATION」の語が識別力のない語であることから、「GEMS EDUCATION」は「GEMS」と略称される場合が極めて多いことは、証拠資料からも明らかであり、教育業界で、特に、その基幹事業であるインターナショナルスクールにおける教育の分野において、「GEMS」といえば、申立人機関を指すものと当業者及び需要者に認識されていることは明白である。 c 以上の次第で、申立人機関は、50年以上もの歴史を誇る世界的に著名な教育機関であり、かかる申立人機関が使用する商標であって、同機関の名称そのものである引用商標2、その著名な略称である引用商標1、及びその基幹事業を表す「International School」の文字とGEMSの文字とを結合させた、申立人機関の学校教育事業の代名詞とも見られる商標であって、実際にそのインターナショナルスクールの名称として使用もされている引用商標3は、本件商標の出願日以前に世界的に周知・著名となっており、その著名性が現在まで継続していることは明らかである。また、引用商標4及び5も、世界的に著名な教育機関である申立人機関が、2004年頃から現在に至るまで、複数の国(現在6か国以上)において展開する修学前児童対象教育事業の名称、インターナショナル・プレスクール(現在合計9校)の名称又はその略称であるから、世界の複数の国の当業者、需要者に広く知られるものとなっており、その周知性が現在まで継続していることは明らかである。 (ウ)日本における引用商標の認知度について a 日本においては、申立人機関のスクールは現時点では未だ存在していない。しかしながら、上記のとおり、世界最大の私立校グループであって、遅くとも2010年より前までに世界的な名声を獲得していたと考えられる申立人機関及び同機関が複数の国で使用する、世界的に周知・著名な、又は世界の複数の国において広く知られた商標である引用商標は、日本においても、本件商標の出願日より以前から、当業者及び需要者に当然に知られていたはずである。 本件商標の需要者層について以下に検討する。本件商標は「International School」の文字を含むものである。「インターナショナルスクール」について、日本の法令上の定義や規定はないが、一般的に、主には、英語による授業が行われ、日本に住む外国籍の生徒が通うスクールが多いと認識されている。幼少期からの早期英語教育・グローバル教育へのニーズが急速に高まる中、子供をインターナショナルスクールに通わせることを希望する日本人も急増し、未就学児が幼稚園・保育園時代に通うインターナショナルスクール、即ちプリスクールが注目を集めている。 「International School」の文字を含む本件商標は、当然にインターナショナルスクールにおける教育に関するサービスに使用されるものであるはずであるから、その需要者層は、主に、外国企業の日本駐在員、海外赴任経験者や子女に国際的な教育を受けさせることに関心を有する者等の、一定レベル以上の国際感覚・英語力を有する者を中心とするものと理解される。 そして、申立人機関並びにその事業及び活動に関する膨大な量の情報が英語により入手可能であるところ、昨今では、多くの日本人が英語に精通し、インターネット掲載の英語情報や英字新聞・英語雑誌をも情報源としていると考えられ、加えて、前記「International School」の文字を含む本件商標に関係する当業者、需要者の特色にも照らせば、日本における取引者、需要者の申立人機関及び引用商標の認知度は、上記(イ)に記載するグローバルな視野から見た認知度と大きな相違はないものと解すべきである。 b なお、海外在留邦人数は増加の一途を辿り、子女の国際感覚及び英語力を養うことを重視する海外在住日本人又は海外赴任を予定する日本人のインターナショナルスクールに対する関心が極めて高くなりつつある状況は、外務省の「海外在留邦人数調査統計」等からも容易に窺える(甲22)。例えば、在留邦人の多い国の一つであるシンガポールにも申立人機関の運営するスクールが存在するが、申立人機関は、シンガポールにおける主要教育サービス事業者として様々な資料やインターネット記事に挙げられている(甲23?甲25)。 c 他にも、申立人機関及びその事業又は活動に言及する日本語のインターネットサイト上の記事は多数存在するので、その一部例を証拠として添付提出する(甲26?甲32)。 d 以上により、申立人機関及びその世界的に周知・著名な、又は世界の複数の国において広く知られた商標である引用商標は、日本においても、本件商標の出願日より以前から現在に至るまで、当業者及び需要者に広く認識されているものである。 (エ)申立人機関の使用商標の商標登録状況について 申立人機関の使用する商標の世界における商標出願・登録状況を示すリスト及び書誌情報を添付する(甲7の1、2)。 なお、米国において商標出願は行われていないが、シカゴのスクール「Little GEMS International」は2012年に設立されており、引用商標4及び5は、遅くとも2004年に英国・ロンドンにおいて設立された「Little GEMS Nursery-Sherfield」の開校当時から(甲9)現在に至るまで、複数の国において継続的に使用されているものと見られる。 上記リスト掲載の商標情報からも、GEMSの文字を顕著に含む多数の商標が複数の国で登録され、申立人機関によって使用され、GEMSの文字は、当業界において、申立人機関を表すものとして認識されている状況が窺える。 (オ)小括 以上のとおり、50年以上もの歴史を誇る世界的に著名な申立人機関が世界の複数の国において使用する引用商標が、本件商標の出願時より以前に既に、世界的に周知・著名、又は世界の複数の国の当業者、需要者に広く知られるものとなっていたこと、その周知性が現在まで継続していることは明らかである。 イ 本件商標と引用商標との類似性 (ア)本件商標は、その構成文字部分から「リトルジェムズ(ス)インターナショナルスクール」の全体称呼を生じるが、当該全体称呼は冗長であるから、以下のような分離称呼をも生じる。まず、本件商標の構成文字中の「School」の語は、指定役務との関係で明らかに識別力を有しない語であることから、本件商標は「リトルジェムズ(ス)インターナショナル」の称呼を生じる。また、同じく「International School」の文字は、上記ア(ウ)項に述べた「インターナショナルスクール」における教育という役務の内容を示唆するものと見られ、該文字自体には自他役務の識別力がないとも見られ得るものであるから、本件商標は、大きく書された上段の文字部分から「リトルジェムズ(ス)」の称呼を生じる。さらに、本件商標の構成文字中の「Little」の文字は、提供されるサービスが子供向けであることを表わす識別性の極めて低い文字と見られ、他方、本件商標の構成文字中の上段の「gems」の欧文字は、当業界で世界的に著名な申立人機関の略称「GEMS」と大文字か小文字かの差異があるとしても実質同一であり、極めて識別力が高い語であること、本件商標の全文字部分中の「Little」以外の構成文字「gems International School」は、申立人機関の学校教育事業の代名詞とも見られる商標であって、実際にそのインターナショナルスクールの名称として使用もされている識別力の高い文字列「GEMS International School」と実質同一であることから、本件商標は、「ジェムズ(ス)」及び「ジェムズ(ス)インターナショナルスクール」の称呼も生じるといえる。 上記「Little」の文字の識別力の低さについては、本件指定役務の分野に限らず、一般的に、商品又はサービスが子供向けであることを表すために「Little」の文字を含む商標が使用される例は枚挙にいとまなく多数存在する(甲33の1)。また、既に使用実績のある商標に、「Little(リトル)」の文字を加えた結合商標が、同ブランドの特に子供向けの商品・サービスを表示するものとして使用されている例も多数存在する(甲33の2?6)。かかる「little(リトル)」の文字の識別力の低さ、及び現実の市場における「little(リトル)」の文字の結合商標の一部としての使われ方、需要者に与える印象を考慮すれば、本件商標に接する需要者が、構成要素中の「little」の文字を捨象して、「little」以外の構成文字「gems International School」、又は大きく書された上段の文字列中の「gems」の文字部分のみに着目する可能性は極めて高く、本件商標は、「ジェムズ(ス)」及び「ジェムズ(ス)インターナショナルスクール」の称呼を生じるといえる。 (イ)したがって、「リトルジェムズ(ス)インターナショナルスクール」の他に、「リトルジェムズ(ス)インターナショナル」、「リトルジェムズ(ス)」、「ジェムズ(ス)」及び「ジェムズ(ス)インターナショナルスクール」の称呼を生じる本件商標は、上記いずれかの称呼と同一の称呼を生じる引用商標と類似することは明らかである。なお、引用商標2は、その構成中の「EDUCATION」の語が本件役務の分野において識別力を欠く語であるから、「ジェムズ(ス)」の称呼をも生じるものである。 (ウ)本件商標と引用商標とはいずれも、構成文字の一部又は大部分について共通するため、外観上一定の類似性を有する。 申立人機関は、教育理念の一つに「地球市民であること」(Global citizenship)を掲げ(甲24、甲34の1)、また、「一人一人の子供は、個性的で大切にされるべき何かを秘めた貴重な宝石である」との理念をもって、「GEMS」、「GEMS EDUCATION」及びその他のGEMSの文字を含む商標並びに「GEMS(ロゴ)」の図形商標を使用するものである(甲34の2、3)。中でも、引用商標3及び4は、申立人機関のシカゴ校のホームページ中の「Little GEMS Internationalの子供は、個性的で大切にされるべき何かを秘めた貴重な宝石である。どんな子供も、(宝石のように)光輝く機会を与えられるべきである。」というメッセージ(甲34の3)にも見られるとおり、申立人機関の特に小さい子供(就学前児童)向けのインターナショナルスクール(プレスクール)であることを示すとともに、「小さな宝石」として子供一人一人の個性を尊重する教育方針をも表すものである。実際、申立人機関の使用するロゴの中には、宝石の図形を含むものもある。本件商標は、明らかに、申立人機関の名称の著名な略称及びその役務を表示するものとして認識されている引用商標1及び3ないし5と同一の文字列を含み、宝石と地球をデザイン化した図形を伴うことも相侯って、グローバルに事業を展開する国際的教育機関である申立人機関を直ちに想起させ、上記申立人機関の教育理念をも想起させるものであるから、本件商標は引用商標と観念上も類似する。 以上のとおり、本件商標は、引用商標と外観、観念、称呼のいずれの点においても、明らかに、出所の混同を生じる類似商標である。 ウ 本件商標が不正の目的をもって出願されたことについて 本件商標の権利者(以下「商標権者」という。)の住所地(大阪府)には「リトルジェムスインターナショナル」という名称のインターナショナルスクールが存在し(甲35の1、2)、商標権者は同スクールの関係者であると見られる。同名称の東京ベイ校、京都校、北九州校も存在すると見られる(甲35の3)。本件商標は、上記現に存在するインターナショナルスクールのロゴマークとして使用されている。 引用商標が世界的に周知・著名な、又は世界の複数の国において広く知られた商標であることは、上記ア(イ)に述べたとおりである。上記「リトルジェムスインターナショナル」の関係者、即ち、多種の教育関係事業の中でも、申立人機関の基幹事業とまさに同一のサービスである「インターナショナルスクールにおける教育」の関係者であると見られる商標権者は、当然に、本件商標の出願時に、既に世界的に周知・著名又は世界の複数の国において広く知られるものとなっていた引用商標を知っていたはずである。商標権者は、申立人機関が複数の国においてインターナショナルスクールを運営する世界最大の私立校グループで、近い将来日本においてインターナショナルスクールを開校する可能性も十分あり得ることも、認識していたはずである。そして、商標権者が、申立人機関が世界の複数の国において運営するスクールの名称である引用商標3並びに就学前児童向けの教育事業の名称若しくはこれにかかるスクール(プレスクール)の名称又は略称である引用商標4及び5と、完全に同一の文字を含み、申立人機関と同じ教育理念を暗示させる本件商標を選択し、商標登録を受けようとしたことは、決して偶然であろうはずがなく、本件商標の出願は不正の目的をもってなされたものであることが容易に推認される。 以上から、本件商標は、商標法第4条第1項第19号に違反して登録されたものである。 (2)商標法第4条第1項第8号について 本件商標は、申立人機関の名称「GEMS EDUCATION」の著名な略称「GEMS」を含むものであり、申立人機関が複数の国において運営するインターナショナルスクールの名称「GEMS International School」及びプレスクールの名称「Little GEMS International」を含むものである。申立人及び申立人機関のいずれも、商標権者が本件商標の登録を受けることにつき承諾を与えたことは一切ない。 したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第8号に違反して登録されたものである。 (3)商標法第4条第1項第10号について ア 引用商標の周知性 上記(1)アに詳述したとおり、引用商標が、本件商標の出願時より以前に既に、世界的に周知・著名、又は世界の複数の国の当業者、需要者に広く知られるものとなっていたこと、その周知性が現在まで継続していることは明らかである。 イ 商標及び役務の類似性 本件商標が引用商標と類似又は酷似することは、上記(1)イに述べたとおりである。 本件商標の指定役務中「幼児のための語学教育,その他幼児の教育,保育園における教育,保育園における知識の教授,学習塾における知識の教授,語学の教授,水泳の教授,ダンスの教授,その他の技芸・スポーツ又は知識の教授」(以下「幼児のための語学教育等役務」という。)は明らかに引用商標の使用役務と同一又は類似する。その他の役務「セミナーの企画・運営又は開催,電子出版物の提供,図書及び記録の供覧,図書の貸与,書籍の制作,教育・文化・娯楽・スポーツ用ビデオの制作(映画・放送番組・広告用のものを除く。),映画・演芸・演劇・音楽又は教育研修のための施設の提供,通訳,翻訳」(以下「セミナーの企画・運営又は開催等役務」という。)もまた、教育に深い関連性を有するサービスであり、教育関係者の事業者が提供する場合も多いことが何ら無理なく理解されるサービスであるから、引用商標の役務と類似すると考えられる。これらの役務について、需要者に広く認識されている引用商標と類似又は酷似する商標である本件商標が使用された場合には、出所の混同を生じる。 以上から、本件商標は、商標法第4条第1項第10号に違反して登録されたものである。 (4)商標法第4条第1項第15号について ア 引用商標の周知性 引用商標は、上記(1)アに述べたとおり、本件商標の出願時及び登録査定時において、申立人機関の業務に係る教育関係役務を表示するものとして世界的に周知・著名な、又は日本を含む世界の複数の国において広く知られた商標であったといえ、引用商標の自他役務識別力及び出所表示力は極めて強い。 イ 出所混同のおそれ 上記(1)イに述べたとおり、本件商標は、かかる極めて強い出所表示力を有する引用商標と類似又は酷似するものである。 本件商標は、商標の構成文字に「International School」の文字を含み、申立人機関の教育事業の核である「インターナショナルスクールにおける教育」を指定役務に包含するものである。そして、本件商標は当該事業分野において極めて強い識別力を有する「GEMS」と大文字か小文字かの相違はあるが実質同一の「gems」の文字を含むものであるから、本件商標に接した取引者、需要者は、申立人機関を想起し、役務の出所について混同を生じる(なお、本件商標の文字部分の構成各語を分離観察すれば、「gems」以外に明確な自他役務識別力を有する語は存しない。)。 加えて、本件商標は、申立人機関が複数の国において提供する教育事業の名称「Little GEMS」(引用商標4)と実質同一の「Little gems」の文字を含み、かつ、申立人機関が複数の国で運営するインターナショナルスクールの名称である引用商標3及び5と実質同一の文字を含むものである。仮に当該スクールの存在自体は知悉しない取引者、需要者がいたとしても、申立人機関の事業の核がインターナショナルスクールにおける教育であることは、申立人機関の名声を知る当業者、需要者にとっては自明のことであるから(甲24等)、「GEMS(gems) International School」の文字は直ちに申立人機関の一種のハウスマークと認識され得るものであり、また、引用商標3及び5が申立人機関の運営するスクールの名称である事実、引用商標4が申立人機関の就学前児童対象の教育サービスの名称である事実はインターネット検索により誰でも容易に知り得ることである。本件商標は申立人機関の著名な略称(引用商標1)のみならず、かかる引用商標3ないし5と実質同一の文字列をすべて含むものであり、申立人機関が上記(1)アに記載のとおり、精力的に、慈善事業を含む国際的な教育関係事業・活動に広く携わりつつ、基幹事業にも邁進し、新スクールの開校も続けている(甲24、甲36等)ことをも考慮すれば、本件商標をその指定役務中「幼児のための語学教育等役務」に使用するときは、これに接する取引者、需要者は、申立人機関又はその関係機関が日本において新たにスクールを開校したものと認識する可能性が極めて高いことに疑いの余地はない。 引用商標(決定注:「本件商標」の誤記と思われる。)の文字部分の上段に表された「Little gems」について、たとえこれらの2語が同書同大で近接して表されているとしても、「GEMS(gems)」の文字の教育の分野における識別力の高さ、及び上記(1)イに記載の「Little」の文字の識別力の低さ(甲33)に照らせば、仮に、申立人機関の名声は知るものの、その「Little GEMS」教育事業までは知悉しない取引者、需要者が本件商標に接した場合でも、申立人機関を想起し、混同を生じる可能性は極めて高いと解すべきである。 さらに、本件商標の上記以外の指定役務「セミナーの企画・運営又は開催等役務」についても、教育を提供する事業者が提供する場合があることが一般需要者にも何ら違和感なく理解されるものであるから、とりわけ、上記(1)アに記載のとおり、申立人機関が学校教育にとどまらず国際的に様々な教育関係事業・活動に携わるスケールの大きい組織であることが広く知られていることにも照らせば、本件商標をこれらの指定役務に使用するときは、これに接する取引者、需要者は、申立人機関又はその関係機関が、そのグローバルな事業・活動に関連して、日本においても新たに事業を開始したものと認識する可能性は極めて高いといえる。 したがって、本件商標をその指定役務に使用するときは、これに接する取引者、需要者は、当該役務が申立人機関又は同機関と組織的・経済的に何らかの関係を有する者の業務に係る役務であるかの如く出所の混同を生ずる蓋然性が極めて高い。 以上から、本件商標は、商標法第4条第1項第15号に違反して登録されたものである。 (5)商標法第4条第1項第7号について 本件商標は、当業界で世界的に周知著名な国際的教育機関である申立人機関の業務に係る役務を表示するものとして日本国内及び外国における当業者、需要者に広く認識されている引用商標と類似又は酷似するものであるから、公正な取引秩序を乱すおそれがあり、その登録を認めることは国際信義に反し、公の秩序を害するものである。 以上から、本件商標は、商標法第4条第1項第7号に違反して登録されたものである。 (6) むすび 以上のとおり、本件商標は商標法第4条第1項第19号、同第8号、同第10号、同第15号又は同第7号に違反して登録されたものであるから、同法第43条の2第1号によりその登録は取り消されるべきである。 4 当審の判断 (1)引用商標の周知性について ア 申立人提出の甲各号証及び同人の主張によれば、次のとおり認めることができる。 (ア)申立人は、「GEMS EDUCATION」(申立人機関)の使用する商標を保有・管理する企業の一つである(甲7)。 (イ)申立人機関は、アラブ首長国連邦ドバイに本拠を置く教育機関であって、2014年には、シンガポールにインターナショナルスクール「GEMS World Academy(Singapore)」を東南アジアで初の姉妹校として開校した(甲24)。 そして、申立人機関は、現在70校以上を運営しており、世界151カ国の系列校で、約14万人もの生徒たちが卒業している(甲25の1及び甲25の4)。 また、「ジェムズ・ワールド・アカデミー(GEMS World Academy)」は、対象年齢が3歳から18歳までであり、日本人の比率は、約10%である(甲25の2)。 なお、申立人機関のコンサルタントとして、元米国大統領であるビル・クリントン氏が2001年から2014年まで就任していた(甲28)。 (ウ)申立人機関は、2016年8月時点における自己のホームページ(英語で記載されている。)において、引用商標1ないし5を使用している(甲2及び甲8)。 (エ)申立人機関は、世界のリーダーが教育問題を討論する会議(教育のダボス会議)を2013年3月にUNESCO等と共催した。同会議では申立人機関の創設者Varkey氏のほか、元米国大統領、元英国首相などが講演した。また、そのことが日本語のウェブページでも相当数掲載された(甲32)。 (オ)申立人機関の慈善部門である「バーキーGEMS財団(Varkey GEMS Foundation)」の最高経営責任者のビカス・ポタ氏は、2013年に世界経済フォーラムの「ヤング・グローバル・リーダー(Young Global Leader)」に選ばれた。なお、同財団の名誉会長は元米国大統領であるビル・クリントン氏である(甲17)。 イ 上記アからすれば、申立人機関は、アラブ首長国連邦ドバイに本拠を置く教育機関であって、70校以上を運営し、世界151カ国の系列校で約14万人の卒業生を輩出しており、そして、シンガポールにおいて、東南アジアで初の姉妹校として、3歳から18歳までの生徒を対象としたスクールを運営するなどの教育事業を行っており、英語で記載されている自己のホームページにおいて、引用商標1ないし引用商標5を使用している。 そうすると、申立人機関は、教育に関する役務を行っており、自己の業務を表す表示として、引用商標を使用しているといい得るものである。 しかしながら、我が国には申立人機関のスクールが存在していないこと、申立人機関のホームページは日本語ではないこと、さらには我が国又は外国における申立人機関が運営する引用商標を使用したスクールにおける役務の提供実績を示す証拠が見いだせないことから、申立人機関の慈善事業活動、我が国における英語教育への関心の高まりなどを考慮しても、引用商標は、いずれも、本件商標の登録出願時ないし登録査定時はもとより現在においても、申立人機関の業務に係る役務を表示するものとして、我が国又はアラブ首長国連邦をはじめとする外国における需要者の間に広く認識されているものと認めることはできないと判断するのが相当である。 また、引用商標は、「GEMS」、「GEMS EDUCATION」、「GEMS International School」、「Little GEMS」及び「Little GEMS International」の文字からなるものであり、申立人による使用標章は統一されておらず、そのいずれか又はその全てが、申立人機関及び申立人機関が運営するスクールの略称として、著名なものとはいえないものである。 (2)本件商標について ア 本件商標は、別掲のとおり、青、赤、黄及び紫色の四色からなる八角形の中に、地球と思しき図を配した図形部分(以下「本件図形部分」という。)と、その右側に、「Little gems」と「International School」の文字を上下2段に書してなる構成からなるところ、その構成中「International School」の文字は、「多様な国籍・民族の子供を受け入れ、初等・中等教育を行う学校。」の意味(株式会社岩波書店「広辞苑第六版」)を有する語であり、教育を取り扱う業界においては、自他役務の識別標識として機能しない語といえるから、その構成中の図形部分及び「Little gems」の文字部分がそれぞれ需要者に対し役務の出所識別標識として強く支配的な印象を与えるものとみるが相当であり、図形部分からは、特定の称呼及び観念を生じないが、「Little gems」の文字部分からは、「リトルジェムズ」の称呼を生じ、「Little」の文字は、「小さい」の意味を、「gems」の語は、「宝石」の意味(いずれも「グランドセンチュリー英和辞典第2版」三省堂書店)を有する語であるから、「小さい宝石」の観念を生じるというのが相当である。 イ 申立人は、「little」の文字は識別力が弱く、「GEMS」及び「GEMS International School」が申立人機関を表すものとして著名である等として、本件商標はその構成中「gems」及び「gems International School」の文字部分に需要者が着目する可能性が極めて高い旨主張している。 しかしながら、本件商標の文字部分の構成は、上段に大きく、「Little gems」の文字が、同書同大で表され、後半の「gems」の語の「g」は、小文字で表されていることからも、まとまりよく一体的に表されており、そして、その下段に小さく「International School」の文字が表されているものである。 そして、「Little gems」の文字から生じる「リトルジェムズ」の称呼もよどみなく一連に称呼し得るものであること、及び、「小さい宝石」の意味合いを生じるものであり、さらに、上記(1)のとおり「GEMS」及び「GEMS International School」が申立人機関等を表すもの又は同機関の業務に係る役務を表示するものとして需要者の間に広く認識されているものと認められないものであることをあわせみれば、本件商標の構成中「Little gems」の文字部分は、一体のものとして認識されるものと判断するのが相当である。 そうすると、本件商標は、その構成中「gems」及び「gems International School」の文字部分に需要者が着目するということはできないから、申立人のかかる主張は採用できない。 (3)引用商標について ア 引用商標1は、「GEMS」の文字からなり、「ジェムズ」の称呼を生じ、「宝石」の観念が生じるものである。 イ 引用商標2は、「GEMS EDUCATION」の文字からなり、「ジェムズエデュケーション」の称呼を生じ、特定の観念を生じないものである。 ウ 引用商標3は、「GEMS International School」の文字からなるところ、「International School」の語は、上記(2)のとおり、自他役務の識別標識として機能しないから、引用商標3からは、全体として、「ジェムズインターナショナルスクール」の称呼を生じるほか、自他役務の識別標識としての機能を果たす「GEMS」の文字部分から、単に、「ジェムズ」の称呼をも生じ、「宝石」の観念を生じるものである。 エ 引用商標4は、「Little GEMS」の文字からなり、「リトルジェムズ」の称呼を生じ、「小さい宝石」の観念を生じるものである。 オ 引用商標5は、「Little GEMS International」の文字からなるところ、「International」の語は、「国際的」の意味を表すものとして、一般的に使用される語であって、自他役務の識別標識として機能しないから、引用商標5からは、全体として、「リトルジェムズインターナショナル」の称呼を生じるほか、自他役務の識別標識としての機能を果たす「Little GEMS」の文字部分から、「リトルジェムズ」の称呼をも生じ、「小さい宝石」の観念を生じるものである。 (4)本件商標と引用商標の類否について ア 本件商標と引用商標1及び3との類否 本件商標と引用商標1及び3を比較すると、上記(2)並びに(3)ア及びウのとおり、本件商標は、本件図形部分と、その右側に、「Little gems」と「International School」の文字を上下2段に書してなるのに対し、引用商標1は、「GEMS」の文字からなり、引用商標3は、「GEMS International School」の文字からなるものであるから、外観においては、それぞれの構成文字及び構成文字数が相違し、構成態様においても、両者は、明らかに相違するものであって、本件商標と引用商標1及び3とは、外観上、判然と区別し得るものである。 次に、称呼においては、本件商標から生じる「リトルジェムズ」の称呼と、引用商標1及び3から生じる「ジェムズ」の称呼並びに、引用商標3から生じる「ジェムズインターナショナルスクール」の称呼とは、その構成音、音数などが明らかに相違するものであるから、両者は、称呼上、明確に聴別できるものである。 また、観念においては、本件商標からは、「小さい宝石」の観念が生じるのに対し、引用商標1及び3からは、「宝石」の観念が生じ、両者は、観念上、相違するものである。 してみれば、本件商標と引用商標1及び3とは、外観、称呼及び観念のいずれの点においても相紛れるおそれのない非類似の商標であって、別異の商標というべきものである。 イ 本件商標と引用商標2との類否 本件商標と引用商標2を比較すると、上記(2)及び(3)イのとおり、本件商標は、本件図形部分と、その右側に、「Little gems」と「International School」の文字を上下2段に書してなるのに対し、引用商標2は、「GEMS EDUCATION」の文字からなるものであるから、外観においては、それぞれの構成文字及び構成文字数が相違し、構成態様においても、両者は明らかに相違するものであって、本件商標と引用商標2とは、外観上、判然と区別し得るものである。 次に、称呼においては、本件商標から生じる「リトルジェムズ」の称呼と、引用商標2から生じる「ジェムズエデュケーション」の称呼とは、その構成音、音数などが明らかに相違するものであるから、両者は、称呼上、明確に聴別できるものである。 また、観念においては、本件商標は、「小さい宝石」の観念が生じるのに対し、引用商標2は、特定の観念が生じないから、両者は、観念上、比較できないものである。 してみれば、本件商標と引用商標2とは、観念において比較できないとしても、外観及び称呼において相紛れるおそれのない非類似の商標であって、別異の商標というべきものである。 ウ 本件商標と引用商標4及び5との類否 本件商標と引用商標4及び5を比較すると、上記(2)並びに(3)エ及びオのとおり、本件商標は、本件図形部分と、その右側に、「Little gems」と「International School」の文字を上下2段に書してなるのに対し、引用商標4は、「Little GEMS」の文字からなり、引用商標5は、「Little GEMS International」の文字からなるものであって、全体の外観においては相違するものの、本件商標の要部である「Little gems」の文字と、引用商標4及び5の要部である「Little GEMS」の文字とは、一部に小文字と大文字の差異はあるものの綴り字を共通にするものであり、両者は、外観上、近似するものである。 そして、それぞれの要部における比較においては、両者は、「リトルジェムズ」の称呼及び「小さい宝石」の観念を共通にするものであり、本件商標と引用商標4及び5とは、その外観において近似するものであって、かつ、同一の称呼及び同一の観念を有する類似の商標といえる。 (5)商標法第4条第1項第19号該当性について 本件商標との類否において、引用商標1ないし3は、非類似の商標であり、引用商標4及び5は類似であるとしても、上記(1)のとおり、引用商標はいずれも、本件商標の登録出願時ないし登録査定時において、申立人機関の業務に係る役務を表示するものとして、我が国又は外国における需要者の間に広く認識されているものとは認められないものである。 そうすると、本件商標は商標権者がこれをその指定役務について使用しても、申立人商標の周知著名性へのただ乗り(フリーライド)をする等の不正の目的をもって、使用するものと認めることはできないものである。 その他、商標権者が不正の目的を持って本件商標を使用するものであることを認め得る証拠の提出はない。 したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第19号に該当しない。 (6)商標法第4条第1項第8号該当性について 上記(1)イのとおり、引用商標はいずれも申立人機関又は申立人機関が運営するスクールの略称として著名なものと認めることはできないものであるから、本件商標は、他人(申立人機関等)の著名な略称を含む商標とは認められない。 したがって、商標法第4条第1項第8号に該当しない。 (7)商標法第4条第1項第10号該当性について 本件商標との類否において、引用商標1ないし3は、非類似の商標であり、引用商標4及び5は類似の商標であるとしても、上記(1)のとおり、引用商標は、申立人機関の業務に係る役務であることを表示するものとして需要者の間に広く認識されているものと認められないものである。 したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第10号に該当しない。 (8)商標法第4条第1項第15号該当性について 本件商標との類否において、引用商標1ないし3は、非類似の商標であり、引用商標4及び5は類似の商標であるとしても、上記(1)のとおり引用商標は、申立人機関の業務に係る役務であることを表示するものとして需要者の間に広く認識されているものと認められないものである。 してみれば、本件商標は、商標権者がこれをその指定役務について使用しても、これに接する取引者、需要者が、引用商標を連想又は想起することはなく、その役務が他人(申立人機関)あるいは同人と経済的若しくは組織的に何らかの関係を有する者の業務に係るものであるかのように、その役務の出所について混同を生ずるおそれはないものというべきである。 したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第15号に該当しない。 (9)商標法第4条第1項第7号該当性について 申立人は、引用商標が申立人機関の業務に係る役務であることを表示するものとして我が国及び外国における需要者の間に広く認識されていることを前提として、本件商標が本号に該当する旨主張しているが、上記(1)のとおり引用商標は申立人機関の業務に係る役務であることを表示するものとして需要者の間に広く認識されているものと認められないものであるから、申立人の主張はその前提において理由がない。 また、他に本件商標が公序良俗を害するおそれがあるものというべき事情も見いだせない。 したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第7号に該当しない。 (10)むすび 以上のとおり、本件商標の登録は、商標法第4条第1項第7号、同第8号、同第10号、同第15号及び同第19号のいずれにも違反してされたものとはいえないから、同法第43条の3第4項の規定により、その登録を維持すべきである。 よって、結論のとおり決定する。 |
別掲 |
別掲(本件商標) (色彩は原本参照。) |
異議決定日 | 2016-12-14 |
出願番号 | 商願2015-59019(T2015-59019) |
審決分類 |
T
1
651・
271-
Y
(W41)
T 1 651・ 23- Y (W41) T 1 651・ 222- Y (W41) T 1 651・ 252- Y (W41) T 1 651・ 251- Y (W41) T 1 651・ 22- Y (W41) T 1 651・ 253- Y (W41) |
最終処分 | 維持 |
前審関与審査官 | 藤平 良二 |
特許庁審判長 |
山田 正樹 |
特許庁審判官 |
大井手 正雄 榎本 政実 |
登録日 | 2016-02-26 |
登録番号 | 商標登録第5829148号(T5829148) |
権利者 | 金城 太 |
商標の称呼 | リトルジェムズインターナショナルスクール、リトルジェムズインターナショナル、リトルジェムズ、リトル、ジェムズ、インターナショナルスクール、インターナショナル |
代理人 | 岩瀬 ひとみ |
代理人 | 真保 玉緒 |