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審決分類 審判 全部申立て  登録を維持 W33
審判 全部申立て  登録を維持 W33
審判 全部申立て  登録を維持 W33
審判 全部申立て  登録を維持 W33
管理番号 1323736 
異議申立番号 異議2016-900275 
総通号数 206 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標決定公報 
発行日 2017-02-24 
種別 異議の決定 
異議申立日 2016-09-02 
確定日 2017-01-05 
異議申立件数
事件の表示 登録第5856894号商標の商標登録に対する登録異議の申立てについて、次のとおり決定する。 
結論 登録第5856894号商標の商標登録を維持する。
理由 第1 本件商標
本件登録第5856894号商標(以下「本件商標」という。)は、「かわいいお酒」の文字を標準文字により表してなり、平成27年11月4日に登録出願、第33類「泡盛,合成清酒,焼酎,白酒,清酒,直し,みりん,にごり酒,濁酒,柳陰,発泡性清酒,発泡性焼酎,発泡性濁酒,洋酒,果実酒,酎ハイ,中国酒,薬味酒」を指定商品として、同28年5月16日に登録査定、同年6月10日に設定登録されたものである。

第2 引用商標
登録異議申立人(以下「申立人」という。)が引用する登録第5384915号商標(以下「引用商標」という。)は、「可愛い」の文字を標準文字により表してなり、平成22年5月20日に登録出願、第33類「日本酒,洋酒,果実酒,中国酒,薬味酒」を指定商品として、同23年1月21日に設定登録され、現に有効に存続しているものである。

第3 登録異議の申立ての理由
申立人は、本件商標は商標法第4条第1項第11号及び同第15号に該当するものであるから、同法第43条の2第1号により、その登録は取り消されるべきであると申立て、その理由を要旨以下のように述べ、証拠方法として甲第1号証ないし甲第24号証(枝番を含む。)を提出した。
1 商標法第4条第1項第11号について
(1)本件商標の指定商品と引用商標の指定商品とは、抵触している。
(2)本件商標は、「かわいい」と「お酒」との結合商標である。後者は、「アルコール分を含み、飲むと酔う飲料の総称」である「酒」の語の丁寧な言い方を示す接頭語「お」を付して「お酒」としたものであるから(甲6)、本件商標の「指定商品の総称(商品を示す普通名称)」である。
(3)本件商標が取引上不自然であるほど不可分的に結合しているかについて
形容詞「かわいい」には、「小さい」の語義が内包されているため、修飾する名詞は「大きさ」の概念が認められる物、すなわち、固体の物に限定されている。大きさの概念が認められず、「多量、少量」といった「量」の概念しかない「気体の物」や「液体の物」については、「かわいい」を用いて修飾することはあり得ない。
よって、取引者、需要者は、「かわいい」が「お酒」を修飾していて、全体として一体不可分に結合しているとも理解することもなく、「かわいい」と「お酒」とに分離、分断して把握するものである。
(4)本件商標は、「かわいい」と「指定商品の総称(商品を示す普通名称)」に該当する結合商標であるところ、一般論として、取引者、需要者は、商品に当該商品の普通名称が付されていても、これを製造元・販売元を知る手掛かりとすることはできない。すなわち、「商品を示す普通名詞」の部分は、出所識別標識としての称呼、観念が生じない部分である。
そうすると、本件商標のうち、「お酒」は、出所識別標識としての称呼、観念が生じない部分であり、取引者、需要者に対し商品の出所識別標識として強く支配的な印象を与える部分は、「かわいい」の部分となり、引用商標「可愛い」を平仮名にしたものであって、引用商標と、称呼、観念が同一であり、本件商標と引用商標は、称呼「カワイイ」及び観念「小さくて美しい」を共通にする酷似する商標となる。
2 商標法第4条第1項第15号について
一般論として、文字商標を登録し使用する場合、登録した文字商標をそのまま使用する場合と、登録した文字商標の後に商品の普通名称を付して使用する場合とがあり、両者とも世間一般に広く行われている商慣行である。
かかる商慣行が存在することは、商標法第50条の取消審判において、登録した文字商標の後に商品名そのものを付した場合、社会通念上同一の商標と認定している審決例がある(甲18ないし甲24)。
これを前提にすると、申立人は、自己の所有する引用商標に「酒」、「お酒」を付して使用したとしても、かかる使用標章は、引用商標と社会通念上同一の商標となり、「可愛い」に「酒」、「お酒」を付して使用することは、商標権の権利行使の範囲内である。
そこで、申立人が引用商標を使用することが可能な「可愛い酒」、「可愛いお酒」等と比べて、思い違えてしまう本件商標がその指定商品に関し使用されると想定してみると、その出所について、誤認、混同が生じるおそれが多大に存在する。
よって、引用商標の社会通念上同一と認められる本件商標まで商標権の権利行使が及ぶことに鑑みれば、商標法第4条第1項第15号に該当する。

第4 当審の判断
1 商標法第4条第1項第11号該当性について
(1)本件商標
本件商標は、前記第1のとおり、「かわいいお酒」の文字からなるところ、「かわいい」の文字と「お酒」の文字を、同書、同大、等間隔でまとまりよく表してなるところ、その構成文字全体から生じる「カワイイオサケ」の称呼も淀みなく一連に称呼し得るものである。
また、本件商標を構成する「かわいい」の文字は、「小さくて美しい。」等の意味(株式会社岩波書店「広辞苑第六版」)を有するごく親しまれている語といえるものであるところ、近年においては、「(若者のことばの解説として)すてき、カッコいい。人にも物にも使う。ほめ言葉。」(自由国民社「現代用語の基礎知識2016」)の意味を表す語としても使用されている。
そして、本件商標の構成中、「お酒」の文字は、「アルコール飲料の総称」の「酒」に、丁寧語の接頭語である「お」を付したものである。
そうすると、本件商標の構成中の「かわいい」の文字は、ごく親しまれた一種のほめ言葉として、人にも物にも使用されるものであって、「お酒」の文字を修飾するものと無理なく看取、把握されるものといえるから、本件商標は、一体不可分のものとして認識されるというのが相当であり、「かわいい」の文字が強く支配的な印象を与えるとはいえない。
してみれば、本件商標は、構成全体として一体不可分のものと看取され、構成文字全体に相応して、「カワイイオサケ」の称呼のみが生じ、上記した近年における「かわいい」の用例に当てはめれば、「すてきな酒」程の意味合いを想起されるとしても、該文字全体からは、一つの語意を特定し得ないものであるから、本件商標は、特定の観念を生じないものとういうのが相当である。
(2)引用商標
引用商標は、前記第2のとおり、「可愛い」の文字からなるところ、該構成文字に相応して「カワイイ」の称呼を生じ、「小さくて美しい」等の観念(前出「広辞苑第六版」)を生じるものである。
(3)本件商標と引用商標の類否
本件商標と引用商標とは、それぞれ上記のとおり、本件商標は、「かわいいお酒」の文字からなり、引用商標は、「可愛い」の文字からなるものであるから、その外観において、構成文字、構成文字数に明瞭な差異を有しており、外観上、相紛れるおそれはない。
次に、称呼においては、本件商標から生じる「カワイイオサケ」の称呼と引用商標から生じる「カワイイ」の称呼とを比較すると、「オサケ」の音の有無という明らかな差異を有するものであるから、それぞれを一連に称呼した場合、互いに聞き誤るおそれはなく、両者は,称呼上、明確に聴別することができるものである。
さらに、本件商標は、特定の観念を生じないものであるのに対し、引用商標は、「小さくて美しい」等の観念を生じるものといえるから、観念において、両者は、比較できないとしても、類似するものとはいえない。
してみれば、本件商標と引用商標とは、外観及び称呼においては、明確に区別できる差異を有しており、観念においては、類似するものではないから、これらを総合して考慮すれば、本件商標と引用商標とは、互いに紛れるおそれのない非類似の商標というべきである。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に該当しない。
2 商標法第4条第1項第15号該当性について
申立人は、引用商標が、取引者、需要者の間において広く知られているとする証拠の提出をしていない。
また、職権において調査しても、引用商標が本件商標の登録出願時及び登録査定時において周知、著名であったことを認め得る事実は発見できなかった。
そして、本件商標と引用商標とは、上記1のとおり、非類似の別異の商標であると認められる。
そうすれば、商標権者が本件商標をその指定商品に使用しても、これに接する取引者、需要者は、引用商標を連想又は想起することはなく、その商品が申立人又は同人と経済的若しくは組織的に何らかの関係を有する者の業務に係る商品であるかのように、その商品の出所について混同を生じさせるおそれはないものである。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第15号に該当しない。
3 むすび
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第11号及び同第15号に違反してされたものではないから、商標法第43条の3第4項の規定に基づき、その登録を維持すべきものである。
よって、結論のとおり決定する。
異議決定日 2016-12-22 
出願番号 商願2015-107406(T2015-107406) 
審決分類 T 1 651・ 263- Y (W33)
T 1 651・ 271- Y (W33)
T 1 651・ 262- Y (W33)
T 1 651・ 261- Y (W33)
最終処分 維持 
前審関与審査官 蛭川 一治 
特許庁審判長 山田 正樹
特許庁審判官 榎本 政実
大井手 正雄
登録日 2016-06-10 
登録番号 商標登録第5856894号(T5856894) 
権利者 宝ホールディングス株式会社
商標の称呼 カワイイオサケ、カワイーオサケ、カワイイ、カワイー 
代理人 吉村 仁 
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