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審決分類 審判 全部申立て  登録を維持 W35
審判 全部申立て  登録を維持 W35
審判 全部申立て  登録を維持 W35
管理番号 1323726 
異議申立番号 異議2016-900213 
総通号数 206 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標決定公報 
発行日 2017-02-24 
種別 異議の決定 
異議申立日 2016-08-01 
確定日 2017-01-08 
異議申立件数
事件の表示 登録第5856896号商標の商標登録に対する登録異議の申立てについて、次のとおり決定する。 
結論 登録第5856896号商標の商標登録を維持する。
理由 1 本件商標
本件登録第5856896号商標(以下「本件商標」という。)は、「Z-Tactical」の文字を標準文字で表してなり、平成27年11月13日に登録出願、第35類「広告業,経営の診断又は経営に関する助言,市場調査又は分析,商品の販売に関する情報の提供,ホテルの事業の管理,輸出入に関する事務の代理又は代行,コンピュータデータベースへの情報編集,広告用具の貸与,求人情報の提供,織物及び寝具類の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,被服の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,おむつの小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,履物の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,かばん類及び袋物の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,身の回り品の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,運動具の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,おもちや・人形及び娯楽用具の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供」を指定役務として、同28年5月18日に登録査定、同年6月10日に設定登録されたものである。

2 引用商標
登録異議申立人(以下「申立人」という。)が引用する商標は、次の(1)ないし(4)のとおりであり、いずれも米国の会社「Z-Tactical.Co.,Ltd」(以下「Ztactical社」という。)が、サバイバルゲーム等のジャンルのレプリカ商品について使用しているものである。
(1)「Z-Tactical」の文字からなる商標(以下「引用商標1」という。)
(2)「ZTactical」の文字からなる商標(以下「引用商標2」という。)
(3)「Z Tactical」の文字からなる商標(以下「引用商標3」という。)
(4)「Tactical」の文字からなる商標(Ztactical社がハウスマークとして使用しているとするもの。以下「引用商標4」という。)
以下、これらをまとめて「引用商標」という。

3 登録異議の申立ての理由
申立人は、本件商標は商標法第4条第1項第10号、同第15号又は同第19号に該当するから、その登録は同法第43条の2第1号により取り消されるべきであるとして、その理由を要旨次のように述べ、証拠方法として甲第1号証ないし甲第12号証(枝番号を含む。)を提出した。
(1)本件商標の内容
本件商標の構成文字中「Tactical」の語は、日本語の「戦術上の、戦術的な、駆け引きする、駆け引きのうまい」の意味に使用されており、その意味は、本件商標の指定役務と何ら関係がなく、当然ながら、「Tactical」は造語でもない。
さらに、本件商標の構成文字中「Z」及び「-」は、通常、記号として使用され、格別な意味を持たず、本件商標についても同様である。とくに、「Z」と「Tactical」を「-」、「・」又はスペースで接続して一体化する意味合いにも理由がなく、単に、記号を付したものである。
したがって、「Z-Tactical」は、本件商標の権利者(以下「商標権者」という。)独自の造語からなるものではなく、また、文字表現に構成上の顕著な特徴を有するものでもない。
(2)公知商標
ア 米国のZtactical社の商品は、日本国内の代理店を介して国内販売を行っており、「ミリタリー・トイガン、その他ホビー」といった人気ジャンル商品のみでも101種の商品(甲10)が、また「ホビー、家具・インテリア、オーディオ機器、家電」商品のみでも147種の商品(甲11)が流通している。
そして、ストアとして「Yahoo!ショッピング」、「楽天市場」、「Amazon」も使用している。
また、Ztactical社は、「サバゲー」等と呼称されている「サバイバルゲーム」、古くからいわれていたミリタリールック等のミリタリー、アーミールック等のアーミー、「戦争ごっこ」の武器等のレプリカ商品を、日本国内の当該ジャンルの顧客、代理店を介して注文を受け、生産し、販売している(甲10、甲11、甲6、甲7)。
したがって、Ztactical社の商標「Z-Tactical」は、自己の業務に係る商品又は役務を表示するものとして需要者の間に広く認識されている商標に該当する。
イ 具体的に説明すると、Ztactical社は、2012年12月11日時点において、日本国内の代理店としてキンワ株式会社、ANSCHLUSS、成福通商貿易有限会社、合資会社北川商店の4社と締結しており(甲1)、これら4社はZtactical社と個々に代理店契約を行っている。
Ztactical社が製造販売する商品は、サバイバルゲーム等で使用される商品のレプリカが主商品であり、当該レプリカの販売業務において顧客に対する便益の提供が行われてきた。
申立人の会社(ANSCHLUSS company)との代理店契約は、日本国内の一般的な代理店契約とは異なり、メイン商品毎に行うことになっている。添付の「日本でのZ 041-FGの独占販売契約書」(甲2)は、「Z 041」、すなわち、「Zタクティカル Comtac II タクティカルヘッドセット」の独占販売の契約書を意味する。なお、該契約書(甲2)、インターネットホームページのカタログ(甲3)及び商品の包装用箱に入れられる取扱説明書(甲4)には「Z 041」又は「Z-041」と記載され、画一的な統一記号表現がなされていない。
また、契約者当事者間の問題であるが、上記契約書(甲2)は、「独占販売権」と特定されているものの、現実には2012年4月8日の契約締結日以降も、2012年1月5日から2015年9月25日までの間、Ztactical社から入手した商品を、キンワ株式会社が大阪市内のジーリー株式会社に納品した事実がある(甲5)ように、他の代理店から販売されていた。
Ztactical社の商標については、引用商標1、2及び4が使用されている。
ウ 「過去のFacebook投稿内容」(甲6)からも、本件商標の出願日前からZtactical社の商品の小売又は卸売の業務において顧客に対する便益の提供が行われていたことが示される。
事実、申立人は、Ztactical社の各種商品を国内販売し、本件商標の出願日前から継続して小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供を行ってきた(甲7?甲9)。
Ztactical社の商標(引用商標)は、需要者の間に広く認識されている商標として、最終消費者に至るまで広く認識されている商標であり、かつ、取引者の間に広く認識されている商標である。同様に、日本国内においても、全国的に認識されている商標である。
エ Ztactical社は多種の商品を取り扱っており、それら商品の販売は、「おもちや・人形及び娯楽用具の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,身の回り品の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,かばん類及び袋物の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供」に該当する。
また、インターネット販売のデータを管理することにより「コンピュータデータベースへの情報編集」を、そして、インボイス(甲8)からも明確なように「輸出入に関する事務の代理又は代行」を行っている。加えて、Ztactical社の商品の販売に関する取扱説明書等の情報の提供をなしており、また、Ztactical社の商品の広告を業として行っている。
(3)商標法第4条第1項第19号違反
上記(2)のとおり、引用商標は、Ztactical社の業務に係る商品又は役務を表示するものとして需要者の間に広く認識されている商標であり、また本件商標と引用商標が同一又は類似であることは明らかであり、さらに、本件商標が著名な引用商標1ないし引用商標3と「Z-」、「Z」の記号までも同一であるのは明らかに不正の目的をもっての権利化である。
したがって、本件商標は商標法第4条第1項第19号に該当する。
(4)商標法第4条第1項第15号違反
上記(2)のとおり、引用商標は、Ztactical社の業務に係る商品又は役務を表示するものとして需要者の間に広く認識されている商標であり、また本件商標と引用商標が同一又は類似であることは明らかであり、さらに、Ztactical社は多種多様な商品を取り扱っており、Ztactical社の業務に係る商品若しくは役務と本件商標の指定役務は類似するもの又は関連性を有するものである。
なお、当然ながら、商標権者が本件商標を使用した場合、引用商標の出所表示機能を稀釈化させ、それに化体した信用、名声、顧客吸引力等を毀損させるおそれがある。
したがって、本件商標は商標法第4条第1項第15号に該当する。
(5)商標法第4条第1項第10号違反
上記(2)のとおり、引用商標は、Ztactical社の業務に係る商品又は役務を表示するものとして需要者の間に広く認識されている商標であり、また本件商標と引用商標が同一又は類似であることは明らかであり、さらに、Ztactical社の業務に係る商品又は役務と本件商標の指定役務中「広告業,商品の販売に関する情報の提供,輸出入に関する事務の代理又は代行,コンピュータデータベースへの情報編集,かばん類及び袋物の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,身の回り品の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,おもちや・人形及び娯楽用具の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供」とは類似するものである。
したがって、本件商標は商標法第4条第1項第10号に該当する。

4 当審の判断
(1)引用商標の周知性について
ア 申立人提出の甲各号証及び同人の主張によれば、以下のとおりである。
(ア)Ztactical社(社名は「Z TACTICAL社」「Z-Tactical社」などと表記されている(甲6、甲11)が、それらの表記は同一の社名を表すものと認められるので、ここではいずれも「Ztactical社」ということとする。)は、ヘッドセット、アンテナガイドなど、サバイバルゲーム等のジャンルの商品を多数取り扱っており(甲5?甲11)、同商品は遅くとも2011年(平成23年)頃から我が国において取引されている(甲6)。
(イ)申立人が代表者となっている「ANSCHLUSS company」は、2012年にZtactical社の商品「ヘッドセット」の販売に関する契約を結び代理店となった(甲1、甲2)。
(ウ)Ztactical社のサバイバルゲーム等のジャンルの商品がインターネットを介して取引され、また、該商品の説明などには「Z-Tactical」、「ZTactical」、「Z Tactical」の表記がなされている(甲6、甲7ほか)。
イ 上記アの事実からすれば、Ztactical社の商品が我が国において平成23年頃から販売等されていることや同商品の説明などで「Z-Tactical」、「ZTactical」及び「Z Tactical」(引用商標1?引用商標3)の表記がされていることは認められるものの、Ztactical社がどこの国のどのような会社等であるのか、また、同社の販売に係る商品の我が国及び外国における販売額、販売数量などの販売実績及び広告の実績等も確認できないから、引用商標1ないし引用商標3が、本件商標の登録出願日ないし登録査定時において、他人(Ztactical社及び申立人。以下「申立人ら」という。)の業務に係る商品であることを表示するものとして我が国又は外国の需要者の間に広く認識されているものと認めることはできない。
そして、提出された証拠において、「Tactical」(引用商標4)の表示をほとんど見いだすことができないから、引用商標4が、申立人らの業務に係る商品であることを表示するものとして我が国又は外国の需要者の間に広く認識されているものと認めることはできない。
さらに、申立人らが、商品の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供、コンピュータデータベースへの情報編集、輸出入に関する事務の代理又は代行及び商品の販売に関する取扱説明書等の情報の提供等の役務を提供していると認め得る証左は見いだせないから、引用商標は、申立人らの業務に係る役務であることを表示するものとして我が国又は外国の需要者の間に広く認識されているものと認めることもできない。
(2)本件商標と引用商標の類否
ア 本件商標
本件商標は、上記1のとおり「Z-Tactical」の文字からなるところ、該文字に相応し「ゼットタクティカル」の称呼を生じ、特定の観念を生じないものである。
なお、申立人は、本件商標中の「Z-」は記号を付したものである旨主張しているが、本件商標の構成文字は、同書、同大、同間隔で一体に表されており、それから生じる「ゼットタクティカル」の称呼も格別冗長というべきものではなく、よどみなく一連に称呼し得るものであるから、該「Z-」の文字部分は記号と認識されることなく、むしろ、「Z-Tactical」の構成文字全体をもって、特定の観念を生じない一体不可分の造語を表したものとして認識、把握されるとみるのが相当である。
よって、申立人の上記主張は、採用できない。
イ 引用商標
(ア)引用商標1ないし引用商標3は、それぞれ上記2(1)ないし(3)のとおり、「Z-Tactical」、「ZTactical」及び「Z Tactical」の文字からなるところ、該文字に相応し「ゼットタクティカル」の称呼を生じ、特定の観念を生じないものである。
(イ)引用商標4は、上記2(4)のとおり、「Tactical」の文字からなるところ、該文字に相応し「タクティカル」の称呼、及び「戦術的な」の観念を生じるものである。
ウ 本件商標と引用商標の類否
(ア)本件商標と引用商標1ないし引用商標3の類否
本件商標と引用商標1を比較すると、外観においては、全ての構成文字を、称呼においては、「ゼットタクティカル」の称呼を共通にするものであって、観念においては、両者は共に観念を生じないものであるから、比較できないものである。
また、本件商標と引用商標2及び引用商標3を比較すると、外観においては、「-」やスペースの有無に差異を有するものの、他の欧文字は並び順も含め共通にし、称呼においては、「ゼットタクティカル」の称呼を共通にするものであって、観念においては、両者は共に観念を生じないものであるから、比較できないものである。
そうすると、本件商標と引用商標1ないし引用商標3は、それぞれ、「Z」の文字と「Tactical」の文字を共通の構成とするものであって、両者は、外観上、近似した印象を看者に与えるものであり、また、その称呼は共通である。
したがって、本件商標と引用商標1ないし引用商標3は、その外観及び称呼によって取引者、需要者に与える印象、記憶、連想等を総合して全体的に考察すれば、両者は、相紛れるおそれのある類似の商標というべきものである。
(イ)本件商標と引用商標4の類否
本件商標と引用商標4を比較すると、外観においては、語頭における「Z-」の文字の有無という明らかな差異を有するものであって、称呼においては、語頭における「ゼット」の音の有無という明らかな差異を有するものであり、観念においては、本件商標は特定の観念を生じないのに対し、引用商標4は、「戦術的な」の観念を生じるものであるから、両者は、観念上、類似しないものである。
そうすると、本件商標と引用商標4は、その外観、称呼及び観念のいずれにおいても、相紛れるおそれのない非類似の商標である。
(3)商標法第4条第1項第10号及び同第15号該当性について
上記(2)のとおり、本件商標は、引用商標1ないし引用商標3とは類似する商標であり、引用商標4とは非類似の商標である。
そして、本件商標は、たとえ、引用商標1ないし引用商標3と類似するとしても、引用商標は、上記(1)のとおり、本件商標の登録出願時及び登録査定時において、申立人らの業務に係る商品又は役務であることを表示するものとして、我が国又は外国の需要者の間に広く認識されているものと認めることはできないものである。
そうすると、本件商標は、商標権者がこれをその指定役務について使用しても、これに接する取引者、需要者をして引用商標を連想、想起することはなく、該役務が申立人ら又は同人と組織的若しくは経済的に何らかの関係を有する者の業務に係る商品及び役務であるかのように、その役務の出所について混同を生ずるおそれはないものというべきである。
なお、申立人らの提出した証拠によっては、本件商標と引用商標とが取引者、需要者において現実に出所の混同を生じている事実を認め得る具体的、客観的証左は見いだせないものである。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第10号及び同第15号に
該当しない。
(4)商標法第4条第1項第19号該当性について
本件商標と引用商標1ないし引用商標3とは、同一又は類似の商標であるとしても、引用商標は、前記(1)のとおり、本件商標の登録出願時及び登録査定時において、申立人らの業務に係る商品又は役務を表示するものとして日本国内又は外国における需要者の間に広く認識されていたということはできないものである。
さらに、本件商標の登録出願時及び登録査定時において、商標権者が不正の目的を持って本件商標を使用するものであると認めるに足りる証拠は見いだせない。
そうすると、本件商標は、その登録出願の経緯に著しく社会的妥当性を欠くと認めるべき事情が存するものということはできず、かつ、引用商標の周知著名性へのただ乗りをする等、不正の目的をもって使用されるものであるということもできない。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第19号に該当しない。
(5)むすび
以上のとおり、本件商標の登録は、商標法第4条第1項第10号、同第15号、及び同第19号のいずれにも違反してされたものとはいえないから、同法第43条の3第4項の規定により、維持すべきである。
よって、結論のとおり決定する。
異議決定日 2016-12-27 
出願番号 商願2015-112054(T2015-112054) 
審決分類 T 1 651・ 25- Y (W35)
T 1 651・ 271- Y (W35)
T 1 651・ 222- Y (W35)
最終処分 維持 
前審関与審査官 安達 輝幸 
特許庁審判長 井出 英一郎
特許庁審判官 木住野 勝也
中束 としえ
登録日 2016-06-10 
登録番号 商標登録第5856896号(T5856896) 
権利者 高橋 英樹
商標の称呼 ゼットタクティカル、タクティカル 
代理人 特許業務法人 Vesta国際特許事務所 
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