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審決分類 審判 全部申立て  登録を維持 W052930
審判 全部申立て  登録を維持 W052930
審判 全部申立て  登録を維持 W052930
審判 全部申立て  登録を維持 W052930
管理番号 1323723 
異議申立番号 異議2016-900202 
総通号数 206 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標決定公報 
発行日 2017-02-24 
種別 異議の決定 
異議申立日 2016-07-27 
確定日 2016-12-15 
異議申立件数
事件の表示 登録第5847217号商標の商標登録に対する登録異議の申立てについて、次のとおり決定する。 
結論 登録第5847217号商標の商標登録を維持する。
理由 第1 本件商標
本件登録第5847217号商標(以下「本件商標」という。)は、「菌活サポート」の文字を標準文字で表してなり、平成27年11月30日に登録出願、第5類「サプリメント」、第29類「乳製品,肉製品,焼きのり,加工水産物,乾燥果実,加工野菜及び加工果実,油揚げ,凍り豆腐,こんにゃく,豆乳,豆腐,納豆,ハンバーグのもと,コーンポタージュスープ,即席ポタージュスープ,ポタージュスープのもと,即席スープ,即席みそ汁,カレー・シチュー又はスープのもと,お茶漬けのり,ふりかけ,おからを使用したなめ物,こんにゃくを使用したなめ物,なめ物」及び第30類「粉末茶,茶,コーヒー粉,コーヒー,粉末ココア,ココア,菓子,パン,サンドイッチ,中華まんじゅう,ハンバーガー,ピザ,ホットドッグ,ミートパイ,みそ,調味料,即席麺,穀物の加工品,即席菓子のもと,くず粉,食用粉類」を指定商品として、同28年4月13日に登録査定、同月28日に設定登録されたものである。

第2 引用商標
登録異議申立人(以下「申立人」という。)が本件登録異議の申立てにおいて引用する商標は、以下の登録商標(以下、これらをまとめていうときは「引用商標」という。)であって、いずれも現に有効に存続しているものである。
1 登録第5653813号商標(以下「引用商標1」という。)は、「菌活」の文字を横書きしてなり、平成25年5月24日に登録出願、第5類「乳幼児用粉乳,サプリメント(ビタミン剤・アミノ酸剤・滋養強壮変質剤に類似するものを除く。),乳幼児用飲料,乳幼児用食品,栄養補助用飼料添加物(薬剤に属するものを除く。)」を指定商品として、同26年3月7日に設定登録されたものである。
2 登録第5639700号商標(以下「引用商標2」という。)は、「菌活」の文字を標準文字で表してなり、平成25年2月8日に登録出願、第29類「加工きのこ,乾燥きのこ,粉末きのこ,調理用きのこジュース,きのこの缶詰及び瓶詰,きのこの漬け物,冷凍きのこ,きのこ入りカレー,きのこ入りシチュー又はスープのもと,きのこ入り即席カレー,きのこ入り即席シチュー,きのこ入り即席スープ,きのこ入り即席みそ汁,きのこ入りうどんの具,きのこ入りそばの具,きのこを主材とした惣菜,きのこ入りソーセージ,きのこ入りコロッケ,きのこ入りスパゲッティの具,きのこ入りラーメンの具」、第30類「粉末きのこを含む食用粉類,きのこ入り餃子,きのこ入りサンドイッチ,きのこ入りしゅうまい,きのこを使用したすし,きのこ入りたこ焼,きのこ入り肉まんじゅう,きのこ入りハンバーガー,きのこ入りピザ,きのこ入りべんとう,きのこ入りホットドック,きのこ入りミートパイ,きのこ入りラビオリ,きのこ入りパン,きのこを使用したおにぎり,きのこ入り調味料,きのこ入り化学調味料」、第31類「きのこ,エリンギ,ぶなしめじ,まいたけ,ほんしめじ,しいたけ,やまぶしたけ,ひめまつたけ,マッシュルーム,冬虫夏草,ひらたけ,種菌」及び第32類「きのこ入りビール,きのこ入り合成ビール,きのこ入りスタウト,きのこ入りラガービール,きのこを使用した清涼飲料,飲料用きのこジュース」を指定商品として、同年12月27日に設定登録されたものである。
3 登録第5727714号商標(以下「引用商標3」という。)は、「菌活」の文字を標準文字で表してなり、平成26年2月28日に登録出願、第29類「きのこ入り加工水産物,きのこ入り納豆,きのこ入りふりかけ,きのこを使った野菜の漬け物,きのこ入りハンバーグ及びその他のきのこ入り肉加工品,きのこ入りジャム,きのこ入り炊き込みご飯のもと,きのこ入りお茶づけのり」、第30類「きのこ入り菓子,きのこを使用したスナック菓子,きのこ入り香辛料,きのこ入りこうじ,きのこ入りドーナッツ,きのこ入りドレッシング,きのこを使ったハンバーグ用ソース,きのこ入りうどんの麺,きのこ入りパスタの麺,きのこ入りそうめんの麺,きのこ入りそばの麺,きのこ入り中華そばの麺,きのこ入り春雨,きのこ入り雑炊」、第31類「えのきたけ」及び第33類「きのこ入り日本酒,きのこ入り果実酒,きのこ入り酎ハイ,きのこ入り中国酒,きのこ入り薬味酒,きのこ入り洋酒」を指定商品として、同年12月19日に設定登録されたものである。
4 登録第5844160号商標(以下「引用商標4」という。)は、「筋活サプリ」の文字を標準文字で表してなり、平成27年8月6日に登録出願、第5類「サプリメント」を指定商品として、同28年4月22日に設定登録されたものである。

第3 登録異議の申立ての理由
申立人は、本件商標について、商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第11号に該当するものであるから、その登録は、同法第43条の2第1号によって取り消されるべきであると申立て、その理由を要旨以下のように述べ、証拠方法として甲第1号証ないし甲第9号証を提出した。
1 商標法第3条第1項第3号について
本件商標の登録出願日前のWebサイトの情報によれば、「菌活」に関する情報が存在(甲6及び甲7)し、サプリメント及び飲食品類を取り扱う業界において、「菌活」は、商品の摂取目的や機能性等を表す慣用語として使用され、また、サプリメントの「菌活スルリッチ」が「スマート乳酸菌とビフィズス菌により菌活をサポートする」旨の記載がある。
そうすると、本件商標は、「腸内環境を良好に保つこと」を意味する「菌活」の文字と「支援すること」を意味する「サポート」の文字とを組み合わせて、「菌活サポート」と標準文字で表してなるから、これをその指定商品に使用するときは、その商品が「腸内環境を良好に保つ機能性を有する、あるいは当該機能性の発現に役立つ商品」等であることを取引者又は需要者に認識させるにとどまり、商品の品質・性状・効能を普通に用いられる方法で表示するにすぎない。
したがって、本件商標の登録は、商標法第3条第1項第3号に違反してなされたものである。
2 商標法第4条第1項第11号について
(1)本件商標と引用商標との類否について
ア 本件商標
本件商標は、「菌活サポート」の漢字及び片仮名を横書きしてなり、これより「キンカツサポート」の称呼を生じること明らかである。
また、本件商標の構成中後半の「サポート」の文字部分は、「支持すること、支援、助け」等の意味(広辞苑第五版)を持つことから、本件商標を「サプリメント」に使用した場合、取引者及び需要者は、該文字部分は、その商品の使用の方法、品質又は効能を普通に用いられる方法で表示するものと認識し、「菌活」の部分を自他商品の識別機能を果たすものと解され、要部は、「菌活」の部分にあると解される。
イ 本件商標と引用商標1ないし3との対比
引用商標1ないし3は、「菌活」の文字を横書きしてなるところ、該構成文字に相応する「キンカツ」の称呼を生じ、「菌活」の文字のみからなるものであるから、本件商標の要部である「菌活」と対比すると、称呼、外観において同一である。
また、指定商品を飲食品とする場合は、いずれも、身体に良い菌を積極的に摂取して健康や美容に活かそうとする観念を生じさせると認められる(甲6及び甲7)。
本件商標と引用商標1ないし3とは、共通する指定商品に使用する場合、称呼、外観、観念において、同一又は類似の関係にあり、取引者及び需要者が両商品を見誤る可能性は否定できない。
ウ 本件商標と引用商標4との対比
引用商標4は、「筋活サプリ」の漢字と片仮名を横書きしてなり、該文字に相応して「キンカツサプリ」の称呼を生じ、その構成中後半の「サプリ」の文字部分は、「サプリメント」の略称と理解される蓋然性が高く、その指定商品に接する取引者及び需要者は、商品の用途・品質・形態を普通に用いられる方法で表示するものと認識し、識別力はなく、「筋活」の部分が自他商品の識別機能を果たすものと解され、該文字に相応して「キンカツ」の称呼を生じるから、本件商標と同一の称呼を生じる。
観念については、本件商標は、身体に良い菌を積極的に摂取して健康や美容に活かそうとする観念を生じさせ、引用商標4の「筋活」は、身体の一部である筋肉に対して作用し健康に活かそうとする観念を有し、両商標ともに、人の健康に資する商品の標章である点で共通する観念を有している。
外観については、両商標とも「活」の文字が同一であり、実質的に相違する点は、一文字「菌」、「筋」にすぎない。
これらの比較から、本件商標と引用商標4とは、指定商品「サプリメント」に使用する場合、称呼、外観、観念において、同一又は類似の関係にあり、取引者及び需要者が商標の商品を誤認するおそれを否定できない。
そうすると、本件商標と引用商標4は類似するものである。
(2)まとめ
したがって、本件商標の登録は、商標法第4条第1項第11号に違反してされたものである。

第4 当審の判断
1 「菌活サポート」の文字について
(1)「菌活」及び「菌活サポート」の文字について、申立人が提出した甲第6号証及び甲第7号証によれば、本件商標の登録査定前において、以下のとおりである。
ア 「マイナビ出版の雑誌・書籍の紹介サイト」と表示されたウェブサイトには、「一生医者いらずの菌活のはじめ方」という書籍の題号の内容紹介欄に「がん・高血圧予防、免疫力アップ、ダイエット、美肌効果、アレルギー症状改善、便秘予防・解消、コレステロール値の低下、血糖値の上昇抑制など、これらすべては、“菌活”がかなえてくれます。」の記載があり、目次の欄に、「第4章 ?善玉菌を増やせ!? 腸内環境を整える菌活メソッド 1 菌活の究極の目的は『バナナうんち』を出すこと・・・7 菌活をサポートする賢いヨーグルトの摂り方」の記載がある(甲6)。
イ 「株式会社メタボリック」のウェブサイトには、「菌活スルリッチ」の見出しの下、商品特徴として「・『菌活スルリッチ』は、スマート乳酸菌(R)とビフィズス菌を中心にかしこい菌活をサポートする商品です。・・・・『ぽかぽか』『スムーズ』『スリム』のスリムメソッドでかしこい菌活とダイエットをサポートします。」の記載とサプリメント商品の写真が掲載されている(甲7)。
(2)前記(1)のウェブサイトの情報によれば、本件商標の登録査定時において、「菌活」の語が、それぞれ、「善玉菌により腸内環境を整える」又は「乳酸菌等の活動」といった漠然とした意味合いで使用されていることはうかがえるものの、これらの証左のみで「菌活」が本件商標に係る商品を取り扱う業界において特定の意味合いで使用され、認識されているということはできず、ましてや「菌活サポート」の語の使用や意味合いについての証左もないことから、申立人が主張するように、「菌活サポート」の語が、本件商標の指定商品において、「腸内環境を良好に保つ機能性を有する、あるいは当該機能性の発現に役立つ商品」程の意味合いで多数使用されているということはできない。
そして、当審で職権をもって調査するも、「菌活サポート」の語が、申立人が主張する意味合いとして、すなわち、商品の品質・効能等を示すものとして、一般に使用されている事実を発見することができなかった。
2 商標法第3条第1項第3号該当性について
本件商標は、前記第1のとおり、「菌活サポート」の文字を標準文字で表してなるところ、その構成文字は同書、同大、等間隔で、まとまりよく一体に表され、これから生じる「キンカツサポート」の称呼も、無理なく一連に称呼し得るものである。
そして、本件商標は、その構成中の「サポート」の文字は、「支えること。支援。」の意味を有する語である(広辞苑第六版)一方、「菌活」の文字は、辞書等に掲載されている成語ではない。また、「菌活」の語が、前記1(2)に記載のとおり使用されているとしても、これらを結合した「菌活サポート」の文字は、特定の意味を認識されることのない一種の造語を表したものとして認識、把握されるとみるのが自然である。
そうすると、本件商標は、その指定商品の品質・効能等を普通に用いられる方法で表示する標章のみからなる商標ということはできない。
したがって、本件商標は、商標法第3条第1項第3号に該当しない。
3 商標法第4条第1項第11号該当性について
(1)本件商標について
本件商標は、「菌活サポート」の文字を標準文字で表してなるものであって、これより「キンカツサポート」の称呼が生じるものである。
そして、前記2のとおり、「菌活サポート」の文字は、特定の意味を有しない、一種の造語を表したものといえるから、特定の観念を生じないものである。
(2)引用商標1ないし3について
引用商標1ないし3は、「菌活」の文字よりなるものであり、これより「キンカツ」の称呼が生じるものである。
そして、前記1及び2のとおり、「菌活」の文字は、「善玉菌により腸内環境を整える」又は「乳酸菌等の活動」といった漠然とした意味合いでウェブ記事等で使用されている実態があるとしても、これが、通常、取引者、需要者において特定の観念を生じるというほどに、一般的に使用、認識されているということはできないものであるから、該文字は特段の観念を生じないというべきである。
(3)引用商標4について
引用商標4は、「筋括サプリ」の文字よりなるものであって、これより「キンカツサプリ」の称呼が生じるものである。
また、その構成中の「サプリ」の文字は、「サプリメントの略。」を意味する語(広辞苑第六版)であり、その指定商品を表示するものと理解されるから、引用商標4の自他商品識別機能を有する部分は、「筋活」の文字であり、その文字に相応して、「キンカツ」の称呼をも生じるものである。
そして、「筋活」の文字は辞書等に掲載されている成語ではないから、「筋活サプリ」の文字は、特定の意味を認識されることのない一種の造語を表したものとして認識、把握されるとみるのが自然であり、引用商標4は、特定の観念を生じないものである。
(4)本件商標と引用商標との類否について
ア 本件商標と引用商標1ないし3との対比
本件商標と引用商標1ないし3の類否を検討するに、両者は、「サポート」の文字の有無により、外観上、相紛れるおそれはない。
また、本件商標から生じる「キンカツサポート」の称呼と、引用商標1ないし3から生じる「キンカツ」の称呼とは、「サポート」の音の有無という、明確な差異を有するものであるから、称呼上、相紛れるおそれはない。
そして、本件商標と引用商標1ないし3は、共に特定の観念を有しない造語というべきものであるから、観念上、相紛れるおそれはない。
そうすると、本件商標と引用商標1ないし3とは、その外観、称呼及び観念のいずれからみても、相紛れるおそれのない、非類似の商標である。
イ 本件商標と引用商標4との対比
本件商標の「菌活サポート」と引用商標4の「筋活サプリ」及びその自他商品識別機能を有する部分である「筋活」とは、それぞれ、その構成文字が相違するものであるから、外観上、明確に区別できるものである。
また、本件商標から生じる「キンカツサポート」の称呼と、引用商標4から生じる「キンカツサプリ」又は「キンカツ」の称呼とは、後半部分の「サポート」と「サプリ」の音の相違又は「サポート」の音の有無が称呼全体に与える影響は大きく、明確な差異を有するものであるから、称呼上、相紛れるおそれはない。
そして、本件商標と引用商標4は、共に特定の観念を有しない造語というべきものであるから、観念上、相紛れるおそれはない。
そうすると、本件商標と引用商標4とは、その外観、称呼及び観念のいずれからみても、相紛れるおそれのない、非類似の商標である。
(5)小括
したがって、本件商標と引用商標とは、非類似の商標であるから、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に該当しない。
4 まとめ
以上のとおり、本件商標の登録は、商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第11号のいずれにも違反してされたものとは認められないから、同法第43条の3第4項に基づき、その登録を維持すべきである。
よって、結論のとおり決定する。
異議決定日 2016-12-05 
出願番号 商願2015-117492(T2015-117492) 
審決分類 T 1 651・ 263- Y (W052930)
T 1 651・ 13- Y (W052930)
T 1 651・ 261- Y (W052930)
T 1 651・ 262- Y (W052930)
最終処分 維持  
前審関与審査官 小川 敏 
特許庁審判長 青木 博文
特許庁審判官 原田 信彦
田中 亨子
登録日 2016-04-28 
登録番号 商標登録第5847217号(T5847217) 
権利者 ニチモウ株式会社
商標の称呼 キンカツサポート、キンカツ、サポート 

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