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審決分類 審判 全部取消 商50条不使用による取り消し 無効としない Y18
管理番号 1323602 
審判番号 取消2015-300843 
総通号数 206 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標審決公報 
発行日 2017-02-24 
種別 商標取消の審決 
審判請求日 2015-11-26 
確定日 2016-12-07 
事件の表示 上記当事者間の登録第4820727号商標の登録取消審判事件について,次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は,成り立たない。 審判費用は,請求人の負担とする。
理由 第1 本件商標
本件登録第4820727号商標(以下「本件商標」という。)は,「majestic」の欧文字を標準文字で表してなり,平成16年4月15日に登録出願,第18類「かばん類,袋物」を指定商品として,同16年11月26日に設定登録されたものである。
そして,本件審判の請求の登録(予告登録)の日は,平成27年12月9日である。

第2 請求人の主張
請求人は,商標法第50条第1項の規定により,本件商標の登録を取り消す,審判費用は被請求人の負担とする,との審決を求め,その理由を以下のように述べ,証拠方法として甲第1号証ないし甲第5号証を提出した。
以下,甲各号証及び乙各号証については,「甲1」,「乙1」のように略す場合がある。
1 請求の理由
本件商標の指定商品である第18類「かばん類,袋物」について,本件商標は,継続して3年以上日本国内において,商標権者,専用使用権者又は通常使用権者のいずれにも使用された事実が存しないから,商標法第50条第1項の規定により,その登録は取り消されるべきものである。
2 答弁に対する弁駁
(1)「MJ19」の品番に相当する商品について
被請求人は,「MJ19」の品番に相当する商品は「ボストンバッグ」であると主張するが,以下のアないしオからすれば,乙1の1及び乙1の2(納品書(控))の「MJ19」が具体的にどのような商品であるか不明であり,また,その取引に関して,乙1の1及び乙1の2が本件審判の請求の登録前3年(以下「要証期間」という。)内に使用されたとも認められない。
ア 被請求人は,「MJ19」の品番に相当する商品について,2013年11月1日に輸入が許可され,その輸入の際に商品を入れた段ボールの外面に「MAJESTIC」等の文字が印刷されていると主張するが,被請求人の指摘する段ボールの写真は存在せず,その外面にどのような記載がされているかを確認することはできない。
イ 以下の(ア)ないし(カ)に照らせば,乙16(輸入通関書類)の信憑性には疑問があり,乙16から「MJ19」の品番に相当する商品が「バッグ」つまり「かばん類,袋物」に該当する商品であると認めることはできない。
(ア)乙16については,これが税関に提出した書類そのものであるかを確認できない。
(イ)乙1の1,乙1の2及び乙2(売上データ)では,「MJ19」について「色」の記載がなく,「MJ19」は取引上色を特定する必要のない商品として記載されているが,乙16の16葉目の「PACKING LIST」では,「COLOR」(色)として,「WINE」(ワイン色),「BROWN」(茶色)などが記載されていることから,色により区別される商品として記載されているものであり,両者は異なっている。
また,乙1の1,乙1の2及び乙2では,他の商品については,色の記載があるのに対し,「MJ19」については色の記載がなく,「MJ19」に関する記載の特異さが目立っている。色の記載がなければ,商品や商品売上の管理はできず,色の記載がないことは商品管理の手法として極めて不自然である。
(ウ)乙16によれば,被請求人は2013年11月に「MJ19」を1,744個輸入したとされているのに対し,乙2の3葉目の売上データによれば,被請求人における「MJ19」の販売数は25個にすぎず,乙16の輸入数に対して乙2の販売数が不自然に少ない。
また,乙16の輸入時期と乙2の商品販売時期は大きく異なり,乙16記載の「MJ19」なる品番の商品と乙2記載の「MJ19」なる商品の品番の商品が同一のものであることを示す客観的な証拠も提出されていない。
そして,これら商品が現に存在したことや,どのように本件商標が使用されていたかも明らかにされていない。
なお,被請求人は乙16の17葉目に図面を添付しているが,このような図面の提出のみをもって,ここに記載されたボストンバックが現に輸入され,これに本件商標が使用されていたことを示すものとは到底いえるものではない。
(エ)乙16の15葉目「COMMERCIAL INVOICE」によれば,「MJ19」の単価は,$14.57(乙16の1葉目に記載の為替レートによれば,約1,435円)であり,被請求人はこれに,銀行手数料,保険料,運賃,関税,消費税等の費用・税を輸入にあたり負担していることとなる。乙16の2葉目によれば,「MJ19」1つあたりの調達コストは,1,598円である。これに対し,乙1の1,乙1の2及び乙2によれば,「MJ19」は1,100円又は1,200円でイオンリテール株式会社(以下「イオン」という。)に対して販売されていることとなる。
1,598円で調達したものを1,100円又は1,200円で売却するのではビジネスとして成り立たず,金額の点でも,乙1の1及び乙1の2の「MJ19」と乙16の「MJ19」の同一性には疑問がある。少なくとも,被請求人の提出した「MJ19」に関する証拠(乙1の1,乙1の2及び乙2)は,ビジネスの根底部分の証拠が欠落しているのであって,信憑性がない。
(オ)乙2によると,被請求人は,イオンに対しては,ほぼ同時期に「MJ19」を1,100円,1,200円,1,800円の異なる金額で販売している。同じイオンに対して販売する同一商品について,「一介の取引業者」(被請求人提出の平成28年8月11付け上申書7頁11?13行)にすぎない被請求人が,異なる単価を付けられるのは不自然である。
また,乙2では「MJ19」について,「受数」の記載があるものとないものがあり,「受数10」に対し「出数3」などの不自然な数字が記載されている。
(カ)乙16の17葉目の図によれば,「MJ18」のサイズは,「21×26×6.5cm」であるのに対し,「MJ19」のサイズは,「45×28×18cm」であり,大きく異なっている(3倍程度の体積差)にもかかわらず,乙16の16葉目「PACKING LIST」では,両者はほぼ同じ大きさの段ボールに同数(20個)が詰められたことになっており,不自然である。
なお,通常,輸入する際は輸入コストを抑えるため,できるだけ多くの商品を一つの段ボールに詰め込むのが通常であり,大きさの異なる商品を段ボールごとに同じ数だけ入れるというのは余りに不自然である。
ウ 乙2は,被請求人の内部データであり,乙17(支払明細書)も被請求人の手元にあるデータ(イオンのデータであることを示す証拠はない。)であるから,いずれも客観性がない。
また,乙17は,乙1の1及び乙1の2の「MJ19」が具体的にどのような商品であるかを示すものではない。
加えて,被請求人は,乙1の1の支払いについては資料を提出していないが,乙1の2の支払いは乙17に反映され,乙1の1の支払いについては,データとして反映されたものがないというのもおかしな話である。
被請求人は,乙1の1及び乙1の2に係るイオンの筑紫野ビブレ店(以下「筑紫野ビブレ」という。)との取引(「MJ19」の品番に相当するもの)について,乙17が支払明細書等の取引書類であると述べているが,被請求人の主張を前提にすれば,筑紫野ビブレとの取引では,イオンから受領した支払明細書等の(紙媒体の)取引書類が存在するはずなのに,そのような書類の提出はない。
エ 乙21(事実確認書)については,多数の商品を取り扱うビブレ店の店長が,個々の商品を具体的に覚えているのが不自然というほかなく,乙21に基づく被請求人の主張はすべて理由がない。なお,乙21に記載されたイオンモール筑紫野のビブレジーン筑紫野には,「マジェスティック」の店舗は存在しない(甲4(ビブレジーンの取扱いブランドリスト))。
オ 被請求人は,通常存在する取引書類が存在しない理由として,乙2の3葉目に係る「MJ19」の取引の特殊性を強弁するだけで,その裏付けとなる資料を提出していない。しかも,乙2の「MJ19」の取引の特殊性についての被請求人の主張を前提としても,乙2以外の取引に関して通常存在する取引書類を提出できない理由になっていない。
(2)「MJ31」及び「MJ32」の品番に相当する商品について
被請求人は,「MJ31」及び「MJ32」の品番に相当する商品は,それぞれ,「デイパック」及び「カブセリュック」であると主張するが,以下のアないしケからすれば,乙1の3及び乙2の「MJ31」及び「MJ32」が具体的にどのような商品であるか不明であり,また,その取引に関して,乙1の3及び乙2が要証期間内に使用されたとも認められない。
ア 乙1の3(納品書(控))は,被請求人も認めるとおり,要証期間内に作成された文書ではないから,要証期間内の商標の使用とはならない。
イ 乙2(売上データ)の4葉目において,日付「20151118」と記載された取引が,具体的に何の商品を対象としたものであるかは確認できないし,「MJ31」と「MJ32」についてのみ「受数」の記載がなく,不自然である。
ウ 乙1の3と乙2の4葉目は,伝票番号が一致しておらず,信憑性がない。
エ 乙1の3と乙4(売場写真)とでは商品が異なっており,いずれも信憑性がない。乙4の写真からは,その撮影日時や撮影場所が不明である。乙4の写真に写っているものと,乙15の1ないし乙15の10(デイパックとカブセリュックの写真)に写っているものが同一であることは確認できない。
なお,請求人は,乙1の3と乙4とで商品の色が異なっていることについて,「営業担当者から総務に伝達する際に,カラーを誤って伝えてしまった。」と主張するが,乙1の3と乙4とが客観的証拠として合致しないことは被請求人も自認するとおりであって,当該伝達に係る事実を裏付ける資料もない。
オ 乙18(受領明細データ)は,被請求人の手元にあるデータ(イオンのデータであることは確認できない)であり,客観性がない。
カ 被請求人の主張によれば,被請求人は,「MJ31」3個と「MJ32」3個を「正規の通関手続きを経ない国際郵便によって輸入し」,同年11月17日にイオンモール常滑店(以下「イオン常滑」という。)に出荷した,とのことである一方で,これらの取引に係る取引書類(納品書等)が存在しない理由について,「イオンリテールとは全て伝票レスでのやり取りとなっており,オンラインで受注したデータを紙媒体に出力することは一切ありません。例外となるのが,販売期間を過ぎたものや,イオンリテール本部に登録されていない商品が店舗などから直接発注される場合,急を要する客注品及び修理代金の請求です。この場合では,イオンリテールの本部からオンラインデータとして発注されないため,発注内容を全て手入力で打ち込んだ上で,紙媒体に出力して納品する必要があります。」などと説明している。
しかしながら,東京証券取引所の上場企業であり,コンプライアンスに厳しいイオンが,「正規の通関手続きを経ない国際郵便によって輸入し」(被請求人提出の平成28年8月11付け上申書9頁15?19行)た物品(「MJ31」及び「MJ32」)(いわゆる密輸品であり,関税法違反行為の組成物にあたる。)を受け入れるはずはないし,ましてや,納前サンプルの輸入(乙11(輸入通関書類(通関日:2015年11月24日)))やイオンへの引き渡しも済んでいない時期に,そのような物品が「イオンリテール本部に登録されて」いるというのは不自然極まりないことである。
また,被請求人の主張を前提にすると,乙4の撮影日とされる2015年11月24日は,納前サンプルの輸入(乙11)やイオンへの引き渡しも済んでいない時期であり,そのような段階において,イオンが前倒しでの納入(展示)を求めたり,被請求人から上記商品を受領し展示したというのであれば,イオン側には「正規の関税手続きを経ない」輸入につき,少なくとも未必の故意があったと言わざるを得ないが,そのようなことが事実であるかは極めて疑わしいし,イオンがそのような行為を唆したことについても,そのような物件を受け入れたことについても,何ら裏付けがない。
なお,被請求人は上記の国際郵便による輸入行為について,「国際郵便における『簡易通関』を経て輸入したものであり,決して密輸入ではない」と主張するが,「簡易通関」を経て輸入したというのであれば,「簡易通関」に関する書類が存在するはずであって(甲5),被請求人の主張は,通常存在する取引書類を提出できないことの何の言い訳にもなっていない。
キ 被請求人は,乙5(イオン社員の証言)の成立の真正及びその信憑性を,乙13(被請求人従業員の陳述書)で補おうとしているが,陳述者は被請求人の従業員であるから,その性質上,乙13の信憑性が疑われるのは当然である。
また,その内容をみても,陳述者は乙13で,あたかも,乙5の証明書の文面は,証明者が自ら記載したものであるかのように述べる一方で,被請求人は,署名日の筆跡と陳列日の筆跡が異なることについて何ら反論していないものであって,乙5は,その成立の真正が疑わしく,信憑性がない。
ク 乙2によれば,被請求人とイオンとの「マジェスティック」のカバンの過去の取引は極めてわずかであったにもかかわらず,イオン常滑のオープン時に,「イオンリテール側から非常に期待を寄せ」られたというのは,いかにも唐突な話である。
また,乙4の陳列が,「問屋数社の人間とイオンリテール本社の方々も一緒に」行われたものであり,被請求人従業員が社内報告のために乙4の写真を撮影したというのであれば,乙4のほかに,当日の陳列現場の状況を写す写真が多数存在するはずであるが,そのような写真の提出はなく,被請求人従業員の撮影した写真が現場の状況の分からない乙4のみであるとすれば極めて不自然である。
なお,上記について,「陳列の応援は年に何度も行くものであり,珍しいことではないため,その都度写真を撮影して報告することはない」という被請求人の主張は,行き当たりばったりの言い訳であるというほかはない。
ケ 以上のとおり,乙4,乙5,乙13等に基づいて,要証期間内に被請求人が「MJ31」3個と「MJ32」3個に本件商標を付して譲渡し,また譲渡のために販売したとは認められない。
(3)商標法第2条第3項第8号について
被請求人は,請求人が指摘した知財高裁判決平成22年(行ケ)第10012号は,「広告」に関するものであるから,同判決の説示部分は,「広告」には当てはまっても,「取引書類」には当てはまらない旨主張する。
しかしながら,同判決は,「商標法2条3項8号所定の標章を付した広告等」の「頒布」の意味について説示しており,当該説示は「広告」に限定されていない。むしろ,商標法第2条第3項第8号は,「頒布」の対象として,「広告等」の「等」が,同号の規定対象で広告以外のもの,すなわち,「価格表」及び「取引書類」を指していることは明らかである。もとより,法律の用語の意味は統一的に理解されなければならないのは当然であり,商標法第2条第3項第8号の意味が場合によってことなるという被請求人の主張は,自分勝手な主張であるというほかない。

第3 被請求人の主張
被請求人は,結論同旨の審決を求めると答弁し,その理由を要旨次のように述べ,証拠方法として乙第1号証ないし乙第25号証(枝番号を含む。乙3,乙6及び乙7は欠号。)を提出した。
1 理由の要旨
本件商標は,本件商標の指定商品について,日本国内において,要証期間内に,商標権者により使用された。
2 具体的な理由
(1)品番「MJ19」に係る商品「マジェスティックボストン13」について
ア 乙1の1,乙1の2(納品書(控))及び乙2(売上データ)の3葉目に記載の「MJ19」は,「MJ」がその商品の商標が「MAJESTIC(マジェスティック)」であること,「19」がその商品が「ボストンバッグ」であることを表しており,「マジェスティックボストン13」は,商品が「ボストンバッグ」,商標が「マジェスティック」であって,「13」は,2013年に販売した商品であることを表している。
イ 乙1の1及び乙1の2は,被請求人が,本件商標を付したカバン(「MJ19 マジェスティックボストン13」)を筑紫野ビブレに納品した際の納品書(控)であるが,かかる納品書(控)に記載された商品の納品を筑紫野ビブレが受けていることその他について,被請求人は筑紫野ビブレの店長が作成した事実証明を提出する(乙21(事実確認書))。
かかる文書により,乙1の1及び乙1の2に記載された「MJ19 マジェスティックボストン13」の「マジェスティック」は,被請求人が筑紫野ビブレに卸しているカバン類のブランドで,「ボストン」はボストンバッグの意味であること,筑紫野ビブレは,「マジェスティック」ブランドのボストンバッグを,平成27年3月23日に5個,同年6月16日に2個仕入れていること,同商品は乙21の別紙3の絵型の右側に記載されたものであること,ボストンバッグの本体正面右側のピスネーム(小さな四角形をした布片でブランド名が記載されたもの)には「Majestic」と記載されていたこと,筑紫野ビブレは同商品を,納品を受けた頃に販売のために展示し,既に売却済みであることがわかる。
したがって,乙1の1,乙1の2及び乙21から,本件商標の指定商品である「MJ19 マジェスティックボストン13」に,本件商標を付して譲渡し,また譲渡のために販売したことは明らかである。
ウ 「MJ19」は,中国で製造されたものであり,2013年11月1月に大阪税関(南港)にて通関している。通関時に業者を通じて税関に提出した乙16(輸入通関書類(通関日:2013年11月1日)には,商標が「MAJESTIC」,商品が「バッグ」であることが記載されている。
乙16の8葉目が2013年11月1日に許可された輸入許可通知書であり,11葉目の中段左側には,「MAJESTIC」,「OSAKA,JAPAN」,「STYLE NO:」,「COLOR:」,「Q’TY」,「C/T NO:」及び「MADE IN CHINA」の文字が7行に分けて記載され,この部分がケースマークといわれているものであり,この文字が7行にわたって輸入する際に商品を入れた段ボールの外側に印刷されている。
そして,この商標「MAJESTIC」が表示されている段ボールのまま被請求人の会社に輸送される。これは,商品の包装に標章を付する行為である。
また,乙16の11葉目の中段には,商品を表している「NYLONBAG」,STYLE NO:として「MJ19」の文字が記載され,乙16の15葉目及び16葉目にも「MAJESTIC」,「NYLON-BAG」,「MJ19」の文字が記載されている。
乙16の17葉目には絵型が記載されており,絵型の下方には商品名である「ボストンバッグ」と品番の「MJ19」が記載され,この商品の商標が「Majestic」であることが記載されている。
以上のとおり,乙16からすれば,「MJ19」の品番に相当する商品は,「バッグ」つまり「かばん類,袋物」に該当する商品である。
エ 乙17は,イオンの被請求人への支払い明細を表しており,黄色く着色している部分において,乙1の2の伝票番号「108907」の金額の合計「9900円」と合致していること,乙1の2について,乙17により,イオンから支払われていることがわかる。
オ 乙16の輸入許可通知証で輸入された「MJ19」が1,744個であるのに対し,乙2の3葉目に記載の「MJ19」の出荷数の合計が25個であることについては,「MJ19」は,イオンに向けて奉仕特価(セール)商品として企画製造されたものであり,販売時には,他の奉仕特価商品と合わせて,「MJ〇〇」などの個々の品番がつかない「統一品番」として販売したものであるところ,その時の残りの商品が25個であり,これを筑紫野ビブレその他に販売したため,不自然はない。
また,上記「MJ19」の25個は余剰商品であるため,更に安価な特価商品として筑紫野ビブレその他に処分販売したものであり,営業担当者が販売先の店舗との交渉で価格を決めたものであるため,それぞれの金額は異なっている。
さらに,大きさの異なる商品(MJ18,MJ19)が,それほど大きさの変わらない段ボールに20個詰められている点については,鞄を輸送する際は,型崩れを防ぐために「アンコ」と言われる半紙のような柔らかい紙を丸めて中いっぱいに詰める方法があり,「MJ18」など比較的小さな鞄は,アンコを詰めた状態で段ボールに梱包されるが,「MJ19」など大きなものは,アンコを詰めると容量が大きくなりすぎるため,中身を詰めずに畳まれた状態で梱包されることから,乙16においては,大きさの異なる両者が,同じ数量詰められている。
カ 甲4のビブレジーン筑紫野の「取扱いブランドリスト」に「Majestic」が掲載されていないことについては,「Majestic」の商品が販売されたのは2015年であり,乙21の証言のとおり,既に売却され,その後は販売していないからリストに掲載されていないのは当然といえるし,また,ビブレジーン筑紫野は非常に多くのブランドを扱っており,取り扱いブランドリストにその全てのブランドが掲載されるわけではなく,広告も兼ねていることから,ある程度著名なブランドのみをピックアップして掲載しているところ,「Majestic」は被請求人のオリジナルブランドであり,知名度もさほど高いとはいえないので,掲載されていなくとも何ら不思議はない。
キ 以上のとおり,「MJ19」は,2013年11月1日に輸入許可が降り,その日以降に輸入を行っているから,譲渡・引き渡しのための輸入等に本件商標を使用した。
また,上記輸入をする際に商品を入れた段ボールの外側には「MAJESTIC」等の文字が印刷されており,その段ボールのまま被請求人の会社に輸送されるから,これは商品の包装に標章を付する行為である。
そして,乙1の1では,納品書の発行日が「2015年3月23日」で,乙1の2では,納品書の発行日が「2015年6月16日」であり,これらにより本件商標をその指定商品に付して譲渡し,また譲渡のために販売した。
したがって,本件商標は,要証期間内に使用している。
(2)品番「MJ31」に係る商品「マジェスティクデイパック」及び品番「MJ32」に係る商品「マジェスティックカブセリュック」について
ア 乙1の3(納品書(控))は,乙2(売上データ)の4葉目のデータを紙伝票に印字したものであり,乙18(受領明細データ)は,「MJ31」及び「MJ32」の「取引書類を内容とする情報の電磁的提供」である受領明細データであって,乙2の4葉目の伝票番号「647509」は,乙18の3葉目の黄色く着色している部分の伝票番号「6475092」(末尾の「2」はチェックデジット)に対応し,両者は,単価の金額(4900)及び合計金額(24000)において対応しているから,乙1の3は乙18により,取引書類を内容とする情報の電磁的提供により使用されたものである。
イ 乙4(売場写真)は,被請求人従業員が2015年11月24日にイオン常滑で撮影したものであって,同店の商品棚に販売のために展示された被請求人商品の「MJ31」と「MJ32」である。被請求人従業員は,被請求人の社内では主にイオン向け営業を担当しており,同人がイオン社員に営業活動した結果,イオン常滑がオープンする際に,被請求人のカバンを顧客の目にとまりやすいような形で陳列してもらうようになったため,被請求人は,2015年12月に発売予定であった「MJ31」3個と「MJ32」3個を正規の通関手続を経ない国際郵便によって事前に輸入し,同年11月17日にイオン常滑に出荷した(乙2の4葉目)。乙4は,その展示における写真であり,被請求人従業員が社内の報告資料として撮影したものである(乙13)。展示されている「MJ31」は乙15の1の写真のもの,「MJ32」は乙15の6の写真のものであり,いずれもカバン本体に「Majestic」の商標が付されたプレートが縫い付けられており,「Majestic」の商標が付されたブランドタグ(つり札)も取り付けられている(乙15の1?10)。
なお,上記事前輸入は,国際郵便における「簡易通関」を経て輸入したものであり,決して密輸品ではない。簡易通関とは,少額輸入貨物について,一般輸入貨物に比べて簡易な手続を行うことにより,迅速な通関を図ろうとする制度であって,国際郵便貨物業者によって簡易通関を経て輸入することは,コストこそかかるものの全く問題のある方法ではない。
また,陳列の応援は,年に何度も行くものであり,珍しいことではないため,その都度写真を撮影して報告することはなく,被請求人従業員は,当時あくまでも「当社のMajestic商品のために大きな場所を割いていただき,キレイに陳列させていただいた」ということを社内報告するために写真を撮影したものである。
ウ 乙4の写真と乙1の3とで,商品の色が異なっていることについては,イオン常滑の新店オープンに間に合うよう前倒しでの納入をイオン側より要請され,急きょ決定した依頼であったため,先方からは,仮の統一番号(MJ001)×6本という形で発注が出たものであるが,仮の統一品番であっても,もちろんそれがマジェスティックであるということは両者間の商談において決定済みである。被請求人は,その要請に基づき,本来であれば船で輸送される商品の一部を国際クーリエ便を使用して取り寄せ,写真にあるとおり6本の商品「MJ31」(デイパック:クロ・コン・グレー),「MJ32」(カブセリュック:クロ・グレー・マスタード)を納品した。社内処理としては,統一品番ではなく,正確な品番にて売上を計上する必要があるところ,営業担当者から総務に伝達する際に,カラーを誤って伝えてしまったため,売上データが実際に納品した商品(写真)とは相違してしまったものである。
エ 乙5(イオン社員の証言)の作成者は,イオンの担当者であり,同人が被請求人商品の販売活動をしていたときの取引担当者である。乙14(イオン担当者の名刺(写し))は,被請求人従業員が販売活動をしていたときにイオン担当者から受け取った名刺である。同担当者は当時衣料商品企画本部メンズ商品部メンズビジネスグループ紳士服飾ディストリビューターという肩書であった。乙5は被請求人が本件商標の取消審判請求を受けたことから,実際に「マジェスティック」の商標をカバンに使用し,商品として展示してもらっていたことを証明するために,被請求人従業員がイオン担当者に頼んで作ってもらった証明文書である。したがって,乙5の署名・押印も同人が自著・押印したものである(乙13)。
オ 以上の事実や証拠等から,要証期間内に被請求人が「MJ31」3個と「MJ32」3個の本件指定商品に本件商標を付して譲渡し,また譲渡のために販売したことが明らかである。
(3)平成28年9月30日付け上申書による主張立証(乙22?乙25)
「MJ31」及び「MJ32」についてした,上記(2)イにおける「正規の通関手続を経ない国際郵便」による輸入は,事後に関税を支払っているものであり,その旨税関にも説明済みであって,請求人の主張するような脱税行為(関税法違反)ではない。
(4)商標法第2条第3項第8号について
請求人は,知財高裁判決平成22年(行ケ)第10012号判決を挙げて,「展示」,「頒布」とは「一般公衆による閲覧可能な状態に置かれていること」を要するとし,被請求人が提出している取引書類(乙1及び乙2)は,そのような状態に置かれたものとはいえないとして,商標法第2条第3項第8号の使用に該当しないと主張している。
しかしながら,上記判決で具体的に対象となっているのは「広告」であって,取引書類は取り上げられていない。「広告」は不特定多数に告知することが前提となっているところ,取引書類はその取引をする当事者間において取り交わすものであって,一般公衆に閲覧可能な状態に置かれることを予定していないから,上記判決の説示部分は「広告」に当てはまっても,「取引書類」には当てはまらない。

第4 当審の判断
1 後掲の証拠及び被請求人の主張(審判事件答弁書,平成28年6月24日付け口頭審理陳述要領書,同年8月11日付け及び同年9月12日付け上申書によるもの。)によれば,以下の事実が認められる。
(1)乙1の1は,「納品書(控)」の写しであり,納品先の社名欄に「イオンリテール(株)」,同店名欄に「筑紫野ビブレ」,社・店コード欄に「5594」,伝票番号に「1077952」,当該納品書の作成者である取引先名欄に「大阪市中央区南久宝寺1-6-8 大忠株式会社」,作成の年月日に「15 03 23」の記載があり,また,納品対象の商品等の記載欄の1行目には,品名・規格欄に「MJ19」及び「マジェスティックボストン13」,数量欄に「5」,原単価(円)欄に「1200」,原価金額(円)欄に「6000」,売単価(円)欄に「2160」,備考(売価金額)欄に「10800」の記載がある。
(2)乙1の2は,「納品書(控)」の写しであり,納品先の社名欄に「イオンリテール(株)」,同店名欄に「筑紫野ビブレ」,社・店コード欄に「5594」,伝票番号に「1089071」,当該納品書の作成者である取引先名欄に「大阪市中央区南久宝寺1-6-8 大忠株式会社」,作成の年月日に「15 06 16」の記載があり,また,納品対象の商品等の記載欄の4行目には,品名・規格欄に「MJ19」及び「マジェスティックボストン13」,数量欄に「2」,原単価(円)欄に「1100」,原価金額(円)欄に「2200」,売単価(円)欄に「2160」,備考(売価金額)欄に「4320」の記載がある。
(3)乙2は,商標権者の売上データのリストであり,3葉目には,リスト左上に「[売上データ 14.09]?15.08」(「?15.08」は手書き)の記載があり,リストの2行目には,日付欄に「20150323」,法人・店CD欄に「400105594」,法人名欄に「イオンリテール(株)」,店名欄に「筑紫野ビブレ」,伝票NO.欄に「107795」,品番欄に「MJ19」,品名欄に「マジェスティックボストン13」,出数欄に「5」,売単価欄に「1200」,売価金額欄に「6000」,上代欄に「2000」,出荷日欄に「150323」の記載がある。
(4)乙2の3葉目のリストの6行目には,日付欄に「20150616」,法人・店CD欄に「400105594」,法人名欄に「イオンリテール(株)」,店名欄に「筑紫野ビブレ」,伝票NO.欄に「108907」,品番欄に「MJ19」,品名欄に「マジェスティックボストン13」,出数欄に「2」,売単価欄に「1100」,売価金額欄に「2200」,上代欄に「2000」,出荷日欄に「150615」の記載がある。
(5)乙16の8葉目は,大阪税関の輸入許可通知書であり,輸入者として「DAICHU CO.,LTD」,その住所として「OSAKA FU OSAKA SHI CHUO KU MINAMIKYUHOJIMACHI 1-6-8」,輸入取引者として「YOU JIN FIRST CO.,LTD」,その住所として「8,YANGCHEON-RO 63-GIL,GANGSEO-GU,SEOUL KOREA」,貨物個数として「176CT」,貨物重量として「2,251,000KGM」,仕入書番号として「EH-25」,数量(1)として「3,488 NO」及び輸入許可日として「2013/11/01」の記載がある。
(6)乙16の15葉目は,「COMMERCIAL INVOICE」(商業仕入状)であり,「Shipper/Exporter」(輸出者)として「YOU JIN FIRST CO.,LTD 8,YANGCHEON-RO 63-GIL,GANGSEO-GU,SEOUL KOREA.157-861」,「For Account & Risk of Messrs」(勘定,リスク先)として「DAICHU CO.,LTD 6-8 1-CHOME MINAMIKYUHOJI-MACHI,CHUO-KU OSAKA JAPAN」,「No & date of invoice」(仕入状の番号及び日付)の欄に「EH-25 SEOUL OCT.23,2013.」,「Marks and number」(荷印及び荷番号)の欄に「MAJESTIC」,「OSAKA.JAPAN」,「STYLE NO:」,「COLOR:」,「Q’TY」,「C/T NO:」及び「MADE IN CHINA」等,「NYLON-BAG」(ナイロン製バッグ)の欄に「STYLE NO.」(型番)が「MJ18」の「QUANTITY」(数量)として「1,744 PCS」,「STYLE NO.」が「MJ19」の「QUANTITY」として「1,744 PCS」,「TOTAL」(合計)の「QUANTITY」として「3,488 PCS」及び「GROSS WEIGHT」(総重量)として「2,251.- KGS」の記載がある。
(7)乙16の16葉目は,「PACKING LIST」(包装明細書)であり,「Shipper/Exporter」(輸出者)として「YOU JIN FIRST CO.,LTD 8,YANGCHEON-RO 63-GIL,GANGSEO-GU,SEOUL KOREA.157-861」,「For Account & Risk of Messrs」(勘定,リスク先)として「DAICHU CO.,LTD 6-8 1-CHOME MINAMIKYUHOJI-MACHI,CHUO-KU OSAKA JAPAN」,「No & date of invoice」(仕入状の番号及び日付)の欄に「EH-25 SEOUL OCT.23,2013.」,「Marks and number」(荷印及び荷番号)の欄に,「MAJESTIC」,「OSAKA.JAPAN」,「STYLE NO:」,「COLOR:」,「Q’TY」,「C/T NO:」及び「MADE IN CHINA」等の記載があり,さらに,「NYLON-BAG」(ナイロン製バッグ)の欄に「STYLE NO.」(型番)が「MJ18」のCOLORが異なる12種類の商品についての「C/T NO」(カートン番号)及び「QUANTITY」(数量)等,「STYLE NO.」(型番)が「MJ19」のCOLOR(色)が異なる12種類の商品についての「C/T NO」(カートン番号)及び「QUANTITY」(数量)等,「TOTAL」(合計)の「QUANTITY」として「3,488 PCS」及び「GROSS WEIGHT」(総重量)として「2,251.- KGS」がまとめられた表の記載がある。
なお,上記書類(PACKING LIST)における「MJ18」の「QUANTITY」の合計は1,744及び「MJ19」の「QUANTITY」の合計は1,744である。
(8)乙16の17葉目は,通関時に大阪税関に提出した絵型と称する書類であり,書面の左上に「Majestic」及び「素材:ナイロン×合皮」の記載があり,その下に2つのバッグの絵型があり,右の絵型は,ボストンバッグの形状(底は長方形で中ほどのふくらんだ旅行用手提げ鞄の形状)からなり,その絵型の下に,「ボストンバッグ」及び「品番:MJ19」の記載がある。
(9)乙21は,「イオンリテール筑紫野2F ビブレジーン筑紫野」の「ショップ長」の署名捺印のある平成28年8月7日付け「事実確認書」であり,筑紫野ビブレ(なお,職権調査によれば,「筑紫野ビブレ」は,2015年12月9日に店舗がリニューアルされるとともに名称が変更され,「ビブレジーン筑紫野」となった。)が,乙1の1及び乙1の2(納品書(控))と同内容の納品書を,2015年(平成27年)3月24日頃と同年6月17日頃に被請求人から受け取っていること,当該納品書(控)に記載されている商品(「マジェスティック」ブランドのボストンバッグ)を販売用に仕入れ,同年3月24日頃に5個,6月17日頃に2個受け取っていること,当該納品書(控)に記載された「MJ19 マジェスティックボストン13」の「マジェスティック」は被請求人のカバン類のブランドで,「ボストン」はボストンバッグという意味であること,同商品は乙21の別紙3(乙16の17葉目と同じ書面に手書きで「ピスネーム」の記載がある)の絵型の右側に記載されたもので,ボストンバッグの本体正面右側のピスネーム(小さな四角形をした布片でブランド名が記載されたもの)に「MAJESTIC」と記載されていたこと,及び筑紫野ビブレが同商品の納品を受けた後に販売のために展示し,既に売却済みであることが記載されている。
2 上記1によれば,次のように認めることができる。
(1)商標権者による商品の輸入について
商標権者は,2013年(平成25年)11月1日に,大阪府大阪市に所在する商標権者を輸入者,韓国に所在する「YOU JIN FIRST CO.,LTD」を輸入取引者,仕入状の番号を「EH-25」として,商品「ナイロン製のバッグ」を,貨物個数を176箱,貨物重量を2,251kg,数量を3,488個について,大阪税関を通関し輸入したことが認められる(乙16の8葉目)。そして,上記で輸入された商品のうち,品番(型番)を「MJ19」とする商品は,1,744個であり(乙16の15葉目及び16葉目),ナイロンと合皮からなる「ボストンバッグ」であると認められる(乙16の17葉目)。
そして,当該輸入に関する「PACKING LIST」(包装明細書。乙16の16葉目)には,「Marks and number」(荷印及び荷番号)の欄に,上から順に「MAJESTIC」,「OSAKA.JAPAN」,「STYLE NO:」,「COLOR:」,「Q’TY」,「C/T NO:」及び「MADE IN CHINA」等の記載があるとともに,当該「ナイロン製のバッグ」の明細内訳として,「STYLE NO.」(型番)の欄に,「MJ18」及び「MJ19」の各記載があり,これらの型番別に,それぞれ,「COLOR」(色),「C/T NO」(カートン番号)及び「QUANTITY」(数量)等の情報が表にまとめられていることからすれば,当該「ナイロン製のバッグ」の輸入に係る包装箱の見やすい場所には,「Marks」(荷印)として「MAJESTIC」の標章が付されていたと優に推認できる。
(2)商標権者の国内における商品の取引について
商標権者から筑紫野ビブレに宛てた納品書(控)及び商標権者の売上データのリスト(乙1の1,乙1の2及び乙2の3葉目)並びに平成28年8月7日付け「事実確認書」(乙21)によれば,商標権者は,2015年3月23日付けで「MJ19 マジェスティックボストン13」を5個,同年6月16日付けで「MJ19 マジェスティックボストン13」を2個,それぞれ,筑紫野ビブレに納品したことが認められる。
そして,当該事実確認書(乙21)によれば,当該納品書を受け取った取引先であるビブレ筑紫野(ビブレジーン筑紫野)のショップ長は,当該納品書の品名・規格欄にある「MJ19 マジェスティックボストン13」との記載について,「マジェスティック」が商標権者のカバン類のブランドを,「ボストン」がボストンバッグを表したものであると認識していたことが認められる。なお,被請求人は,上記納品書控中の「13」の数字について,「MJ19」の年式(2013年に発売されたこと)を表示したものであると説明しており,これは,上記(1)の輸入許可日との関係に整合する。
そうすると,商標権者は,上記納品書(取引書類)において,「マジェスティック」の標章を使用したものと認めて差し支えない。
(3)小括
以上よりすれば,商標権者は,要証期間内に,商品「ボストンバッグ」の包装に「MAJESTIC」の標章を付したものを日本に輸入し,また,日本国内において要証期間内に発行した商品「ボストンバッグ」を納品する際に取引先に渡した納品書(取引書類)に,「マジェスティック」の標章を使用したことが認められる(以下,上記「MAJESTIC」の標章及び「マジェスティック」の標章を「本件使用商標」という。)。
以上を前提にさらに検討する。
3 判断
本件使用商標中,欧文字「MAJESTIC」の標章と本件商標とは,その綴りを同じくする社会通念上同一と認められる商標であって,また,片仮名「マジェスティック」の標章と本件商標とは,片仮名とローマ字の表示を相互に変更するものであって,同一の称呼を生じる社会通念上同一と認められる商標である。
そして,本件使用商標を使用した商品「ボストンバッグ」(MJ19)は,本件審判請求に係る指定商品「かばん類,袋物」の範ちゅうに含まれる商品である。
したがって,商標権者は,要証期間内に,その請求に係る指定商品「かばん類,袋物」の範ちゅうに属する商品について,その包装に本件商標(社会通念上同一と認められる商標を含む。)を付したものを日本に輸入(商標法第2条第3項第2号)し,日本国内において,同商品の取引書類に,本件商標(社会通念上同一と認められる商標を含む。)を付して頒布した(同項第8号)ということができる。
4 請求人の主張
(1)請求人は,「MJ19」について,2013年11月1日に輸入した際の段ボールの写真は存在せず,その外面に「MAJESTIC」等の文字が付されていることを確認することはできないと主張する。
しかしながら,輸入に用いる包装箱について,中身を外から判断できるようにし,仕分けを容易にするために,「PACKING LIST」等の記載と整合する商品名を付すことは一般的に行われていることであって,本件については,その「Marks and number」(荷印及び荷番号)欄に,「Marks」(荷印)として「MAJESTIC」の標章が付されていたと優に推認できることは,上記2(1)のとおりである。
(2)請求人は,乙16について,これが税関に提出した書類そのものであるかを確認できない旨主張する。
しかしながら,通関の際にその依頼者は,通関業者に対して商業仕入状及び包装明細書等を提出するのが一般的であるから,大阪税関の輸入許可証(乙16の8葉目)と輸入者,輸入取引者,仕入書番号,数量及び貨物重量の記載が合致する「COMMERCIAL INVOICE」(商業仕入状,乙16の15葉目)及び「PACKING LIST」(包装明細書,乙16の16葉目)は,その輸入手続きに当たって大阪税関に提出されたものと認めることができる。
(3)請求人は,(ア)乙1の1,乙1の2及び乙2では,「MJ19」に「色」の記載がないが,乙16の16葉目では,色により区別される商品として記載されていること,(イ)乙16の輸入数に対して乙2の販売数が不自然に少ないこと,(ウ)乙16の輸入時期と乙2の商品販売時期は大きく異なること,(エ)金額の点でも,乙1の1及び乙1の2の「MJ19」と乙16の「MJ19」の同一性には疑問があること,(オ)乙16の17葉目によれば,「MJ18」と「MJ19」のサイズは,大きく異なっているのに対し,乙16の16葉目では,両者はほぼ同じ大きさの段ボールに同数が詰められたことになっていることなどから,乙16の信憑性には疑問があり,乙16から「MJ19」の品番に相当する商品が「バッグ」つまり「かばん類,袋物」に該当する商品であると認めることはできないと主張する。
しかしながら,輸入関連書類及びイオンとの取引に係る書類において,商品の色彩表示の有無,販売数が少ないこと,価格の差があること,輸入と販売まで2年程度の期間があることは,残り僅かとなった「MJ19」が特価(セール)商品としてイオンに販売されたとすれば,いずれも不自然であるとまではいえない。また,輸入にあたって,サイズの小さい「MJ18」が型崩れを防ぐためにアンコを詰めた状態で段ボールに梱包され,サイズの大きい「MJ19」には容量が大きしないためアンコが詰められていなかったとすれば,両者の包装箱が同じサイズになることにも疑義は生じない。
(4)請求人は,(a)乙2は,被請求人の内部データであること,(b)乙1の1及び乙1の2に係る取引について,イオンから受領した支払明細書等の(紙媒体の)取引書類が存在するはずであること,(c)多数の商品を取り扱うビブレ店の店長が,個々の商品を具体的に覚えているのが不自然というほかなく,乙21に基づく被請求人の主張はすべて理由がないこと,(d)ビブレジーン筑紫野(筑紫野ビブレ)には,「マジェスティック」の店舗は存在しないことなどから,乙1の1及び乙1の2における「MJ19」が具体的にどのような商品か不明であり,その取引が要証期間内に行われたと認めることができないと主張する。
しかしながら,乙21の証明書は,乙1の1及び乙1の2に係る取引について,その納品書を受け取った店舗のショップ長による証明であり,その内容に不自然な点はないし,ショッピングモール内に専門店を有している場合を除き,すべての取扱いブランドがウェブサイト等で紹介されているともいえず,「MJ19」が特価(セール)商品として単発的に販売されたものであれば,なおさらである。
(5)請求人は,商標法第2条第3項第8号における「展示」又は「頒布」とは,「一般公衆による閲覧可能な状態に置かれていること」を要するとし,被請求人が提出している取引書類(乙1及び乙2)は,そのような状態に置かれたものとはいえないとして,同号の使用に該当しないと主張する。
しかしながら,乙1の1及び乙1の2に係る納品書は,要証期間内において商標権者により発行され,その納品先である筑紫野ビブレが受け取っている以上,商標法第2条第3項第8号における頒布があったと認めることができる。
(6)よって,請求人の上記主張は,いずれも採用することができない。
5 まとめ
以上のとおり,被請求人は,商標権者が要証期間内に,日本国内において,本件審判請求に係る指定商品について,本件商標を使用していたことを証明したと認めることができる。
したがって,本件商標の登録は,その指定商品について,商標法第50条の規定により,取り消すことができない。
よって,結論のとおり審決する。
別掲 特許庁は,著作権法第42条第2項第1号(裁判手続等における複製)の規定により著作物の複製をしています。取扱いにあたっては,著作権侵害とならないよう十分にご注意ください。
審理終結日 2016-10-06 
結審通知日 2016-10-14 
審決日 2016-10-27 
出願番号 商願2004-35862(T2004-35862) 
審決分類 T 1 31・ 1- Y (Y18)
最終処分 不成立 
特許庁審判長 早川 文宏
特許庁審判官 田村 正明
根岸 克弘
登録日 2004-11-26 
登録番号 商標登録第4820727号(T4820727) 
商標の称呼 マジェスティック 
代理人 奥田 和雄 
代理人 堀籠 佳典 
代理人 釜田 佳孝 
代理人 一色国際特許業務法人 
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