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審決分類 |
審判 一部申立て 登録を維持 W030532 審判 一部申立て 登録を維持 W030532 |
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管理番号 | 1322516 |
異議申立番号 | 異議2016-900147 |
総通号数 | 205 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 商標決定公報 |
発行日 | 2017-01-27 |
種別 | 異議の決定 |
異議申立日 | 2016-06-09 |
確定日 | 2016-11-28 |
異議申立件数 | 1 |
事件の表示 | 登録第5833421号商標の商標登録に対する登録異議の申立てについて、次のとおり決定する。 |
結論 | 登録第5833421号商標の商標登録を維持する。 |
理由 |
第1 本件商標 本件登録第5833421号商標(以下「本件商標」という。)は、「HYDROPREMIUM」の欧文字及び「ハイドロプレミアム」の片仮名を上下2段に横書きしてなり、平成27年9月11日に登録出願、第3類「かつら装着用接着剤,洗濯用でん粉のり,洗濯用ふのり,つけまつ毛用接着剤,口臭用消臭剤,動物用防臭剤,せっけん類,歯磨き,化粧品,香料,つけづめ,つけまつ毛」のほか、第5類及び第32類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、同28年2月2日に登録査定、同年3月11日に設定登録されたものである。 第2 登録異議の申立ての理由 登録異議申立人(以下「申立人」という。)は、本件商標の指定商品中、第3類「全指定商品」(以下「申立商品」という。)について、本件商標は、商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に該当するものであるから、その登録は、同法第43条の2第1号によって取り消されるべきものであると申し立て、その理由を要旨以下のように述べ、証拠方法として甲第1号証ないし甲第44号証を提出した。 1 商標法第3条第1項第3号について 本件商標は、「HYDROPREMIUM」の欧文字と「ハイドロプレミアム」の片仮名を上下2段に書してなるところ、「水の、水素の」の意味を有する「HYDRO」の文字と、「上等な、上質な」の意味合いを有する「PREMIUM」の文字を結合したものと認められ、「ハイドロ」及び「プレミアム」の片仮名は、これらの語の表音を表記したものと認められる。 ここで、「HYDRO」及び「ハイドロ」の文字は、化粧品等を取り扱う業界において、「保湿効果のある、液状の」といった意味合いで普通に用いられている実情があり、また、「PREMIUM」及び「プレミアム」の語も、その商品が、高級な商品であること、あるいは、上等な原材料を使用していること等、商品の品質を誇称する語として普通に使用されている。 そして、前述のとおり「HYDRO」及び「ハイドロ」並びに「PREMIUM」及び「プレミアム」との商品の品質等を表示する語を組み合わせた「HYDROPREMIUM」及び「ハイドロプレミアム」の文字は、商標審査基準改訂第12版に示される運用によれば、「商品の特徴等を表示する2以上の標章からなる商標」に該当する。 このため、本件商標を申立商品に使用しても、これに接する取引者・需要者は、「保湿効果のある、液状のせっけん類・化粧品等の商品の品質を誇称したもの」程の意味合いを認識、理解するにすぎない。 よって、本件商標は、単に商品の品質・効能・原材料その他の特徴を表示するものであり、自他商品識別標識として認識し得ないため、商標法第3条第1項第3号に該当する。 2 商標法第4条第1項第16号について 本件商標は、前述のとおり、「保湿効果のある、液状のせっけん類・化粧品等の商品の品質を誇称したもの」程の意味合いを認識、理解するため、本件商標が「保湿効果のない、液状でない、高級とはいえない、あるいは、上等な原材料を使用しているといえない商品」に使用された場合、商品の品質の誤認を生じさせるおそれがある。 したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第16号に該当する。 第3 当審の判断 1 申立人が提出した証拠によれば、以下のとおりである。 (1)「HYDRO」及び「ハイドロ」の語に関する本件商標の登録査定日(平成28年2月2日)前の証拠について ア 「@cosme」のウェブサイト(発売日2013年(平成25年)9月12日:甲4)において、「ハイドロゲル アイパッチ」の商品説明に「潤いつくすハイドロゲルアイパッチはつけた瞬間、ピタッと密着。寒天(海藻)・美容液をもとに作られたハイドロゲルなのでプルプル。」の記載がある。 イ 花王株式会社のニュースリリース(発表資料2007年(平成19年)2月20日:甲20)において、「リフレッシュハイドロジェル」の商品説明に「『リフレッシュハイドロジェル』は、タウリン(うるおい成分)配合。肌に水分補給をするみずみずしいジェルで、ベタつきのないサラサラ肌を保ちます。」の記載がある。 ウ 「コリアデパート/KOREA DEPART」のウェブサイト(登録日平成25年2月26日:甲21)において、「シークレットキー[韓国コスメSecretKey]ゴールドラクーニー ハイドロ ゲル アイ アンド スポットパッチ」の商品説明に「ゲルと一緒にエッセンスが濃縮され、持続的に肌を保湿します。」の記載がある。 エ 小括 前記アないしウは、「ハイドロゲル(ジェル)」に関するものであって、これらの記載からは、本件商標の登録査定時において、「HYDRO」及び「ハイドロ」の語が「保湿効果のある」、「液状の」を表すものとして使用されていたとはいい難い。 (2)「PREMIUM」及び「プレミアム」の語について 申立人が提出した証拠において、甲第22号証ないし甲第36号証は、すべて本件商標の登録査定後の2016年5月27日に出力されたウェブサイトであり、該情報のウェブサイトへの掲載日が不明であるから、これらの証拠から、本件商標の登録査定時において、「PREMIUM」及び「プレミアム」の語が「高級な商品であること」、「上等な原材料を使用していること」を表すものとして使用されていたとはいえない。 2 商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号該当性について 本件商標は、前記第1のとおり、「HYDROPREMIUM」の欧文字及び「ハイドロプレミアム」の片仮名を上下2段に横書きしてなるところ、その構成態様は、それぞれ、同じ書体、同じ大きさ、等間隔で、外観上まとまりよく一体的に把握されるものであり、かつ、構成各文字は、辞書等に載録された成語ではない。 そして、その構成中、「HYDRO」及び「ハイドロ」の文字は、「水の、水素の」を意味する英語及びその読みとして、「PREMIUM」及び「プレミアム」の文字は、「賞金、割増し金、上等な、上質な」等の意味を有する英語及びその読みとして(いずれも「ジーニアス英和大辞典」株式会社大修館書店)、それぞれ一般的によく知られた語であることから、これらの意味を組み合わせた「水の上等な」程の意味合いを想起させることがあるとしても、該意味合いは、極めて漠然としており、それが申立商品との関係において、具体的にどのようなものを示すものであるかは明らかとはいえない。 また、当審において職権をもって調査するも、「HYDROPREMIUM」の欧文字及び「ハイドロプレミアム」の片仮名が、本件商標の申立商品を取り扱う業界において、商品の品質、効能、原材料等を表すものとして普通に用いられているという事実を発見することはできなかった。 以上からすると、申立人が提出した前記1において、化粧品やせっけん類にそれぞれ「HYDRO(ハイドロ)」及び「PREMIUM(プレミアム)」の語が使用されていることが認められるとしても、本件商標の登録査定時において、「HYDROPREMIUM」及び「ハイドロプレミアム」の各文字は、申立人主張の「保湿効果のある、液状のせっけん類・化粧品等の商品の品質を誇称したもの」の意味合いを認識させるとまではいい難く、商品の品質、効能、原材料等を具体的に表したものとはいえない。 そうすると、本件商標は、その申立商品について使用しても、その商品の品質、効能等を普通に用いられる方法で表示する標章のみからなる商標ということができず、かつ、その商品の品質、効能等を表示するものでない以上、商品の品質、効能等について誤認を生じさせるおそれもないものである。 したがって、本件商標は、商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に該当しない。 なお、提出に係るその他の証拠(本件商標の登録査定(平成28年2月2日)より後のもの又は日付が不明なもの)をみると、「HYDRO」及び「ハイドロ」の語については、「リップパック(ハイドロゲル)」(甲3)、「ハイドロ ゲル シートマスク」(甲5)、「ハイドロリキッド」(甲6)、「ハイドロゲルアイパッチ」(甲7)、「ハイドロシャンプー、ハイドロマスク、ハイドロエマルジョン」(甲8)、「ハイドロゲルマスク」(甲9ないし甲12)、「ハイドロインテンシブ ローション」(甲13)、「ハイドロクレンザー」(甲14)、「ハイドロ チューナー」(甲15)、「ハイドロ フィッティング スネール マスク」(甲16)、「ハイドロリップバーム」(甲17)、「ハイドロアクティベイティング バスオイル」(甲18)、「商品名中に『ハイドロ』の文字を含むもの」(甲19)の表示の使用例であるが、これらはいずれも、「ハイドロ」の語と他の語を結合した表示の例や単に商品名の一部に「ハイドロ」の文字が用いられているという例にすぎない。 また、「PREMIUM」及び「プレミアム」の語については、「コスメデコルテ ホワイトサイエンス プレミアム」(甲22)、「サムライ ウーマンプレミアム トリートメント」(甲23)、「オンリーミネラル プレミアムファンデーション」(甲24)、「サムライウーマン プレミアム ヘアオイルミスト」(甲25)、「サムライウーマン プレミアム ヘアケア」(甲26)、「コフレドール プレミアムシルキィ クリーミィファンデーション」(甲27)、「コスメデコルテ バイタルサイエンス プレミアム アイクリーム」(甲28)、「コスメデコルテ ホワイトサイエンス プレミアム レボリューション」(甲29)、「プレミアム レタス&キュウリ ウォータリー クリーム」(甲30)、「プレミアム レタス&キュウリ ウォータリー トナー」(甲31)、「プレミアム スーパー マジック BB クリーム」(甲32)、「プレミアム UV-AG 50」(甲33)、「プレミアム UV-AG 50 ヌード BBベース」(甲34)、「パールプレシャス プレミアム クリーム ファンデーション」(甲35)、「モルトベーネ ロレッタ プレミアムベースケアオイル」(甲36)の表示の使用例であり、なかには、その商品説明として、「贅沢保湿成分と香りを包みこむ贅沢トリートメント」(甲23)、「角層の深部から、上質な柔らかさ。」(甲29)、「皮膚保護や保湿のみならず優れたカバー力で・・・」(甲32)等の記載があるが、これらが特定の意味合いを示すものとすべき証拠とはいえない。 してみれば、これらで示されている「ハイドロ」及び「プレミアム」の使用例において、「HYDRO」及び「ハイドロ」の語が常に「保湿効果のある」、「液状の」の意味を、「PREMIUM」及び「プレミアム」の語が常に「高級な商品であること」、「上等な原材料を使用していること」を表すものとして使用されているとはいえないものである。 3 申立人の主張について 申立人は、「HYDRO(ハイドロ)」又は「PREMIUM(プレミアム)」の文字からなる、あるいは、これらの語と識別力のない文字とを結合させた文字からなる商標について、自他商品の識別標識としての機能を果たし得ないとする拒絶の例を示し、本件商標も同様に商標法第3条第1項第3号に該当する旨主張しているが、登録出願に係る商標が商標法第3条第1項第3号に該当するものであるか否かの判断は、当該商標登録出願の査定時又は審決時において、その指定商品又は指定役務との関係において、個別具体的に判断されるものであって、他の拒絶の例の存在によって、前記判断が左右されるものではない。 4 まとめ 以上のとおり、本件商標の登録は、その指定商品中、申立商品について、商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に違反してされたものではないから、同法第43条の3第4項の規定により、維持すべきである。 よって、結論のとおり決定する。 |
異議決定日 | 2016-11-17 |
出願番号 | 商願2015-88160(T2015-88160) |
審決分類 |
T
1
652・
272-
Y
(W030532)
T 1 652・ 13- Y (W030532) |
最終処分 | 維持 |
前審関与審査官 | 橋本 浩子 |
特許庁審判長 |
青木 博文 |
特許庁審判官 |
田中 亨子 豊泉 弘貴 |
登録日 | 2016-03-11 |
登録番号 | 商標登録第5833421号(T5833421) |
権利者 | エイベックス・グループ・ホールディングス株式会社 |
商標の称呼 | ハイドロプレミアム、ヒドロプレミアム、プレミアム |
代理人 | 中川 拓 |
代理人 | 新井 悟 |
代理人 | 宮城 和浩 |
代理人 | 特許業務法人RIN IP Partners |
代理人 | 宮田 佳代子 |
代理人 | 和田 阿佐子 |