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審決分類 審判 全部申立て  登録を維持 W03
審判 全部申立て  登録を維持 W03
審判 全部申立て  登録を維持 W03
審判 全部申立て  登録を維持 W03
管理番号 1322498 
異議申立番号 異議2016-900154 
総通号数 205 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標決定公報 
発行日 2017-01-27 
種別 異議の決定 
異議申立日 2016-06-10 
確定日 2016-11-04 
異議申立件数
事件の表示 登録第5833509号商標の商標登録に対する登録異議の申立てについて,次のとおり決定する。 
結論 登録第5833509号商標の商標登録を維持する。
理由 第1 本件商標
本件登録第5833509号商標(以下「本件商標」という。)は,「ノーノースメル」の片仮名と「NO NO SMELL」の欧文字を上下二段に横書きしてなり,平成27年10月8日に登録出願,第3類「口臭用消臭剤,動物用防臭剤,つや出し剤,せっけん類,歯磨き,化粧品,香料,薫料」を指定商品として,同28年2月22日に登録査定,同年3月11日に設定登録されたものである。

第2 引用商標
登録異議申立人(以下「申立人」という。)が本件登録異議の申立てにおいて引用する商標は,次のとおり(以下,これらをまとめて「引用商標」という。)であり,いずれも現に有効に存続しているものである。
1 登録第635439号商標(以下「引用商標1」という。)は,「ノンスメル」の片仮名を書してなり,昭和37年9月29日に登録出願,第1類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として,同39年1月24日に設定登録され,その後,平成15年11月19日に,指定商品を第1類ないし第5類,第8類ないし第10類,第16類,第19類,第21類及び第30類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品とする指定商品の書換登録がされ,さらに同26年1月28日にされた商標権の存続期間の更新登録において,第1類「化学品,のり及び接着剤(事務用又は家庭用のものを除く。),植物成長調整剤類」及び第5類「薬剤,医療用油紙,衛生マスク,オブラート,ガーゼ,カプセル,眼帯,耳帯,生理帯,生理用タンポン,生理用ナプキン,生理用パンティ,脱脂綿,ばんそうこう,包帯,包帯液,胸当てパッド,歯科用材料」について更新登録されたものである。
2 登録第802181号商標(以下「引用商標2」という。)は,別掲のとおりの構成からなり,昭和42年4月8日に登録出願,第1類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として,同43年12月23日に設定登録され,その後,平成21年4月1日に,指定商品を第1類「化学品,のり及び接着剤(事務用又は家庭用のものを除く。),植物成長調整剤類」,第3類「家庭用帯電防止剤,家庭用脱脂剤,さび除去剤,染み抜きベンジン,洗濯用柔軟剤,洗濯用漂白剤,かつら装着用接着剤,つけまつ毛用接着剤,洗濯用海草のり,洗濯用コンニャクのり,洗濯用でん粉のり,洗濯用ふのり」,第5類「薬剤,医療用油紙,衛生マスク,オブラート,ガーゼ,カプセル,眼帯,耳帯,生理帯,生理用タンポン,生理用ナプキン,生理用パンティ,脱脂綿,ばんそうこう,包帯,包帯液,胸当てパッド,歯科用材料」,第10類「おしゃぶり,氷まくら,三角きん,支持包帯,手術用キャットガット,吸い飲み,スポイト,乳首,氷のう,氷のうつり,ほ乳用具,魔法ほ乳器,綿棒,指サック,避妊用具,人工鼓膜用材料,補綴充てん用材料(歯科用のものを除く。)」及び第16類「事務用又は家庭用ののり及び接着剤」とする指定商品の書換登録がされたものである。
3 登録第1667571号商標(以下「引用商標3」という。)は,「ノンスメル」の片仮名を書してなり,昭和50年8月7日に登録出願,第4類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として,同59年3月22日に設定登録され,その後,平成16年8月18日に,指定商品を第3類「せっけん類,歯磨き,化粧品,植物性天然香料,動物性天然香料,合成香料,調合香料,精油からなる食品香料,薫料」とする指定商品の書換登録がされたものである。
4 登録第1744909号商標(以下「引用商標4」という。)は,「NONSMEL」の欧文字を書してなり,昭和57年6月16日に登録出願,第1類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として,同60年2月27日に設定登録され,その後,平成16年9月29日に,指定商品を第1類「化学品,のり及び接着剤(事務用又は家庭用のものを除く。),植物成長調整剤類」及び第5類「薬剤,医療用油紙,衛生マスク,オブラート,ガーゼ,カプセル,眼帯,耳帯,生理帯,生理用タンポン,生理用ナプキン,生理用パンティ,脱脂綿,ばんそうこう,包帯,包帯液,胸当てパッド,歯科用材料」とする指定商品の書換登録がされたものである。

第3 登録異議の申立ての理由
申立人は,本件商標は商標法第4条第1項第11号及び同項第15号に該当するものであるから,同法第43条の2第1号により,その登録は取り消されるべきであると申立て,その理由を要旨以下のように述べ,証拠方法として甲第1号証ないし甲第12号証を提出した。
1 商標法第4条第1項第11号について
本件商標は,「ノーノースメル」の片仮名と「NO NO SMELL」の欧文字の二段書きからなるものであるから,これより,「ノーノースメル」の称呼を生じること明らかである。
他方,引用商標1,引用商標2及び引用商標3は,「ノンスメル」の片仮名を横書きしてなるものであり,引用商標4は,「NONSMEL」の欧文字を横書きしてなるものであるから,いずれからも「ノンスメル」の称呼を生じるものである。
なお,本件商標からは,「ノーノースメル」の称呼が生じるが,「ノ」に伴う長音は,必ずしも明確に長音として聴取されないため「ノノスメル」と聞き誤るおそれがあり,さらに,「NONOSMEL」から「ノンオスメル」と聞き誤るおそれがある。
そうすると,「ノノスメル」と「ノンスメル」の称呼では,第二音目の「ノ」と「ン」の一音相違のみであり,両称呼をそれぞれ一連に称呼した場合,全体の語調,語感が近似したものとなり,相紛れるおそれがある。
また,「ノンオスメル」と「ノンスメル」の称呼では,「オ」の有無のみであり,両称呼をそれぞれ一連に称呼した場合,全体の語調,語感が近似したものとなり,相紛れるおそれがある。
したがって,本件商標と引用商標とは,称呼において類似の商標である。
そして,「ノンスメル」の語句は,英語の「ノン」+「スメル」の造語であるものの,造語のため特定の観念を生じないといえるが,「ノン」からは,「ない」,「しない」の意味,「スメル」からは,「臭い」の意味があり,「臭いがない」,「臭わない」の意味を示している。
一方,本件商標は,「ノー(NO)」と「スメル」を合わせた語で,引用商標と同様「臭いがない」,「臭わない」の意味を生じ,需要者にとって相紛れるおそれのある商標といえる。
さらに,本件商標の指定商品中,「口臭用消臭剤,動物用防臭剤」は,引用商標1,引用商標2及び引用商標4の指定商品中,第5類「薬剤」と類似し,本件商標の指定商品中,「せっけん類,歯磨き,化粧品,薫料」は,引用商標3の指定商品と同一であり,本件商標の指定商品中,「香料」は,引用商標3の指定商品中,第3類「植物性天然香料,動物性天然香料,合成香料,調合香料,精油からなる食品香料」と類似する。
よって,本件商標は,商標法第4条第1項第11号に違反して登録されたものである。
2 商標法第4条第1項第15号について
申立人は,2014年9月1日に株式会社白元(以下「白元社」という。)から主な事業を譲り受け,新たな会社として事業を開始した会社である。
白元社の時代から冷蔵庫用脱臭剤の商品名として「ノンスメル」を昭和38年(1963年)より使用し,少なくとも昭和57年(1982年)頃においては,需要者の間で広く認識されるに至っている(甲10ないし甲12)。
してみると,引用商標1ないし引用商標3の周知商標から生じる「ノンスメル」の称呼と本件商標から生じる「ノーノースメル」の称呼は,類似し,需要者に商品の出所について,誤認混同を生じさせるおそれがある。
よって,本件商標は,商標法第4条第1項第15号に違反して登録されたものである。

第4 当審の判断
1 商標法第4条第1項第11号該当性について
(1)本件商標は,前記第1のとおり,「ノーノースメル」の片仮名及び「NO NO SMELL」の欧文字を上下二段に書してなるところ,欧文字部分は,広く知られている英単語「NO」と「SMELL」とを並べて「NO NO SMELL」と表しているものの,全体としては,辞書に掲載された熟語等といえるものではなく,特定の意味合いを有しない一種の造語と理解,認識されるものである。
そして,一般に欧文字と片仮名を併記した構成からなる商標において,その片仮名部分が欧文字部分の称呼を特定すべき役割を果たすものと無理なく認識できるときは,片仮名部分より生じる称呼が,その商標より生じる自然の称呼とみるのが相当であるから,本件商標は,上段の「ノーノースメル」の片仮名部分が下段の欧文字部分の称呼を特定しているとみるのが自然である。
そうすると,本件商標は,特定の観念を生じるものではなく,また,その構成文字に相応して「ノーノースメル」の称呼を生じるといえる。
(2)引用商標1及び引用商標3は,「ノンスメル」の片仮名を横書きしてなり,引用商標2は,別掲のとおり,黒色半楕円形内に白抜きの「ノンスメル」の片仮名を横書きしてなるものである。また,引用商標4は,「NONSMEL」の欧文字を横書きしてなるものであるところ,上記片仮名及び欧文字は,いずれも辞書に掲載されていない文字であって,特定の意味合いを有しない造語といえるものであるから,特定の観念を生じるものではない。そして,これら引用商標からは,「ノンスメル」の称呼を生じるものである。
(3)そこで,本件商標と引用商標を対比すると,両者は,それぞれの構成に照らし,外観上,判然と区別し得る差異を有しており,称呼については,本件商標から生じる「ノーノースメル」の称呼と引用商標から生じる「ノンスメル」の称呼は,前半部における「ノーノー」と「ノン」の音の差異を有し,全体の音構成,音数を異にするものであるから,明瞭に聴別できるものである。
また,両者は,共に特定の観念を生じるものではないから,観念において比較することができない。
してみると,本件商標から「ノノスメル」や「ノンオスメル」の称呼を生じることを前提として,本件商標と引用商標とが称呼において類似の商標であるとする申立人の主張は,前提において誤りがあるというべきであり,採用することができない。
その他,本件商標と引用商標とが類似するとみるべき特段の理由は見いだせない。
そうすると,本件商標と引用商標は,観念において比較することができないとしても,外観及び称呼において明らかに区別し得るものであるから,互いに紛れるおそれのない非類似の商標というべきである。
したがって,本件商標は,商標法第4条第1項第11号に該当しない。
2 商標法第4条第1項第15号該当性について
(1)引用商標の周知性
申立人は,昭和57年7月5日付けの登録異議の申立てについての決定謄本(甲10),平成13年12月20日付けの拒絶理由通知書(甲11),AIPPI・JAPAN発行の日本有名商標集(2004年発行,甲12)を提出し,本件商標は,周知商標である引用商標と商品の出所について誤認混同を生じさせるおそれがあると,主張する。
確かに,申立人が主張するとおり,白元社の時代から冷蔵庫用脱臭剤の商品名とした「ノンスメル」が少なくとも昭和57年(1982年)頃においては,需要者の間で広く認識されるに至っていたと認め得るものである。
しかしながら,本件商標の登録出願時(平成27年10月8日)及び登録査定時(平成28年2月22日)において,引用商標が白元社から事業を譲り受けた申立人の商品を表示するものとして,広く知られているとする証拠の提出がない。
したがって,引用商標は,申立人の業務に係る商品を表示するものとして,本件商標の登録出願時及び登録査定時に,その取引者及び需要者の間に広く認識されていたものと認めることはできない。
(2)出所の混同のおそれについて
引用商標は,前記(1)のとおり,本件商標の登録出願時及び登録査定時に,申立人の業務に係る商品を表すものとして広く認識されていたということはできない。
また,前記1(3)のとおり,本件商標と引用商標とは,相紛れるおそれのない非類似の商標である。
してみれば,商標権者が本件商標をその指定商品に使用しても,取引者,需要者をして引用商標を連想し,又は想起させることはなく,その商品が申立人又は同人と経済的若しくは組織的に何らかの関係を有する者の業務に係る商品であるかのように誤認し,商品の出所について混同を生ずるおそれはないものというべきである。
したがって,本件商標は,商標法第4条第1項第15号に該当しない。
3 むすび
以上のとおり,本件商標の登録は,商標法第4条第1項第11号及び同項第15号に違反してされたものではないから,商標法第43条の3第4項の規定に基づき,維持すべきものである。
よって,結論のとおり決定する。
別掲 別掲(引用商標2)


異議決定日 2016-10-24 
出願番号 商願2015-97740(T2015-97740) 
審決分類 T 1 651・ 263- Y (W03)
T 1 651・ 271- Y (W03)
T 1 651・ 261- Y (W03)
T 1 651・ 262- Y (W03)
最終処分 維持  
前審関与審査官 小田 昌子 
特許庁審判長 酒井 福造
特許庁審判官 平澤 芳行
中束 としえ
登録日 2016-03-11 
登録番号 商標登録第5833509号(T5833509) 
権利者 株式会社北の達人コーポレーション
商標の称呼 ノーノースメル 
代理人 加藤 久 
代理人 加藤 久 
代理人 南瀬 透 
代理人 遠坂 啓太 
代理人 森 博 

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