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審決分類 審判 全部申立て  登録を維持 W37
審判 全部申立て  登録を維持 W37
審判 全部申立て  登録を維持 W37
審判 全部申立て  登録を維持 W37
管理番号 1322494 
異議申立番号 異議2016-900117 
総通号数 205 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標決定公報 
発行日 2017-01-27 
種別 異議の決定 
異議申立日 2016-05-09 
確定日 2016-11-08 
異議申立件数
事件の表示 登録第5836144号商標の商標登録に対する登録異議の申立てについて、次のとおり決定する。 
結論 登録第5836144号商標の商標登録を維持する。
理由 第1 本件商標
本件登録第5836144号商標(以下「本件商標」という。)は、「べっぴんハウス」の文字を標準文字により表してなり、平成27年10月14日に登録出願され、第37類「建設工事,建築工事に関する助言,ウェブサイトによる建築物の建設工事に関する情報の提供」を指定役務として、同28年2月16日に登録査定、同年3月25日に設定登録されたものである。

第2 引用商標
登録第5275341号商標(以下「引用商標」という。)は、「まるで新築 べっぴんさんリフォーム」の文字を標準文字により表してなり、平成20年9月16日に登録出願され、第37類「建設工事,建築工事に関する助言,錠前の取付け又は修理,建築物の外壁の清掃,床磨」及び第42類「建設物の設計,測量,デザインの考案」を指定役務として、同21年10月23日に設定登録されたものであり、現に有効に存続しているものである。

第3 登録異議の申立ての理由(要旨)
登録異議申立人(以下「申立人」という。)は、本件商標は、商標法第4条第1項第11号及び同第15号に該当するから、同法第43条の2第1号により、その登録は取り消されるべきであると申立て、その理由を要旨以下のように述べ、証拠方法として、甲第1号証ないし甲第5号証を提出した。
1 商標法第4条第1項第11号について
本件商標は、要部を「べっぴん」の称呼、概念を生ずるものである。
本件商標と引用商標とは、共に「べっぴん」の称呼、概念を共通にする類似のものである。また、指定役務も互いに抵触するものである。
2 商標法第4条第1項第15号について
引用商標は、申立人ならびに、その関連会社である「考える巧房株式会社」の商標として、広く一般に知られている(甲2及び甲3)から、これと類似する本件商標が、その指定役務に指定された場合、需要者が役務の出所について混同を生ずるおそれがある。
3 具体的理由
(1)本件商標について
本件商標は、「べっぴんハウス」の文字からなるところ、その構成中「ハウス」の部分は、慣用的に役務を表す普通名詞であるため、要部となる部分は「べっぴん」である。
(2)引用商標について
引用商標の構成は、「まるで」(副詞)+「新築」(名詞)+スペース+「べっぴん」(名詞)+さん(接尾敬称)+「リフォーム」(名詞)である。
「まるで」に続く「新築」が名詞であり、その後がスペースで区切られるため、「まるで」は、連体詞のようにも思われるが、連用修飾語であり、「新築のようだ」の省略されている「ようだ」の部分を修飾する単語であると解される。
「べっぴんさん」は、要部となる部分であるが、「さん」は、接尾敬称であり、特段に識別力はない。また、「リフォーム」は、役務を表す普通名詞である。
(3)商標法第4条第1項第11号、商標法第4条第1項第15号について
ア 形容詞的文字(商品の品質、原料、材料等を表示する文字)を有する結合商標における類似判定
引用商標における「まるで新築」の部分は、「べっぴんさんリフォーム」を修飾する「形容詞的文字」の性格を有し、後に続く「べっぴんさんリフォーム」が、新築と比べて遜色が無いことを形容している。「新築と比較して、同等の外観を形成する(ような)」というおまけの修飾がなくても「べっぴんさんリフォーム」は自他役務識別機能を果たし、需要者、取引者は、申立人の役務として認識する。
実際に、関連会社に使用許可を与えて作成したチラシにおいても、「まるで新築」は、「形容詞的文字」の位置関係で、控えめに表記されていることが確認できる(甲3)。
「形容詞的文字」が、付加結合されていない商標と類似判定がされる必要があるので、引用商標と本件商標との比較は、「べっぴんさんリフォーム」と「べっぴんハウス」において判断される必要がある。
イ 著しく離れた文字の部分からなる商標における類似判定
引用商標は、「まるで新築」と「べっぴんさんリフォーム」をスペースによって明白に区切っている。分離して認識されることとなるので、離れたそれぞれの部分のみからなる商標と類似判定すべき位置関係にあると判断できる。この観点からも引用商標と本件商標との類似比較は、「べっぴんさんリフォーム」と「べっぴんハウス」において判断される必要がある。
ウ 長い称呼を有するため、その一部分によって簡略化される可能性がある商標における類似判定
引用商標の構成文字全体から生ずる「マルデシンチク ベッピンサンリフォーム」の称呼は、17音と冗長なものであることから、よどみなく一連に称呼し得るものとはいい難いものである。これを需要者、取引者が簡略に表現した場合でも、「『まるで新築』にしてくれ」と略して取り扱われた例はない。その一方で「『べっぴんさんリフォーム』をお願いします」といった表現は、多用されている。修飾的な形容詞的文字を省略する傾向は否定できない。また、「副詞+体言」という構成には発音するやりにくさもある。「新築」と間違われないような配慮も働くので、引用商標について、簡略化される可能性があるとしたら、「べっぴんさんリフォーム」として取り扱われることは間違いない。
エ 指定役務について慣用される文字と他の文字とを結合した商標における類似判定
引用商標における、第37類の指定役務について慣用される文字は、「リフォーム」である。同様に、本件商標における指定役務について慣用される文字は、「ハウス」と判断される。この観点から、引用商標と本件商標との類似比較は、「べっぴんさん」と「べっぴん」において判断される必要がある。
「リフォーム」に係る役務も「ハウス」にかかる役務も「一般建設業」や「特定建設業」の許可を受けているものが多いという事実が認められることは明白であるので、同一の営業主から出たものであると需要者に誤認されるおそれがあると解される。
また、本件商標に係る指定役務は「建設工事,建築工事に関する助言,ウェブサイトによる建築物の建設工事に関する情報の提供」であり、引用商標の指定役務「建設工事,建築工事に関する助言,錠前の取付け又は修理,建築物の外壁の清掃,床磨」と類似群コードを共通にし、同一の事業者によって請負されることが多く、需要者が「一般消費者」であることを共通にするものといえるので、両者が同一又は類似の商標を使用するときは、それらの商品が同一営業主の製造又は販売に係る商品と誤認されるおそれがあるものと判断するのが相当である。
結合商標における接尾敬称の言葉の性質について
「べっぴんさん」とは、美人のことを意味する。「器量が良い女性」というイメージは、「べっぴん」に「さん」があろうがなかろうが観念は変わらない。言葉が丁寧か否かの問題であり、擬人化されるような観念上の変化は発生しないものである。その構成において、需要者が最も注意を引かれる要部は『べっぴん』部分となることは明らかである。
上述のように、本件商標と引用商標は、「べっぴん(さん)」部分において、観念が一致する蓋然性が高いものである。
カ 「ハウス」と「リフォーム」について
「ハウス」は、片仮名ではあるが、語源は英語の「house」であることを看取させる単語である。【名詞】として、[建物としての]家、住宅、家屋、家族、家庭、所帯、一家、一族、[野生動物の]巣穴、[飼育動物の]小屋、[居住用の]会館、[公共の]宿舎、劇場、公演会場、・・・などの意味もあるが、【他動詞】として、(人)を家に住まわせる、(人)に家を提供する、(人)を泊まらせる、(人)に宿を提供する、[物を]保管する、収納する、といった意味もある。
大手住宅会社が、「積水ハウス」、「大和ハウス」という商号で、住宅建築を請け負っているが、「house builder」の「builder」部分を省略しており、ハウスメーカーの多くが、「○○ハウス」や「○○ホーム」、「○○の家」といった規格住宅のシリーズを販売していることから、需要者は通常、慣用的に「建築工事」を意味するものと捉える。
「リフォーム」は、同じく片仮名ではあるが、やはり語源が英語の「reform」であることが明らかで、【名詞】として、[組織などの]改革、刷新文例、[制度などの]修正、訂正、[人の]矯正、改心、などの意味を、【自動詞】として、[人が]改心する、生活を改める、【他動詞】として、[組織などを]改革する、刷新する、[誤りなどを]正す、修正する、[人を]矯正する、改心させる、といった意味を持つ単語である。この単語は、和製英語として使われることが多く、衣服のリフォーム(標準英語で、alteration)、建物のリフォーム(標準英語で、renovation)の意味合いにて理解されるのが実態である。建物の分野における「リフォーム」という名称は、ハウスメーカーや工務店のサービスとして、慣用的に住宅の「増改築」などの『建築工事』の請負として理解されている。
(4)まとめ
したがって、本件商標は、引用商標と同一の観念を生ずるのは、疑念のない事実であり、商標法第4条第1項第11号及び同法第4条第1項第15号に該当するものである。

第4 当審の判断
1 商標法第4条第1項第11号について
本件商標は、前記第1のとおり、「べっぴんハウス」の文字よりなるところ、これを構成する各文字は、同書、同大に外観上まとまりよく一体的に表されているものであって、これより生ずる「ベッピンハウス」の称呼も、格別冗長というべきものではなく、無理なく一連に称呼できるものである。
また、その構成中、後半部の「ハウス」の文字が「家。住宅。」等(株式会社岩波書店 広辞苑第六版)の意味合いを認識させることがあるとしても、かかる構成においては直ちに役務の質を表すものとして理解し得るものともいい難いから、本件商標は、その構成全体をもって一体不可分の造語として認識し把握されるとみるのが相当である。
さらに、本件商標は、「ハウス」の文字部分を捨象し、前半部の「べっぴん」の文字部分のみをもって取引に資されるとみるべき特段の事情も見いだし得ない。
してみれば、本件商標は、その構成文字に相応して「ベッピンハウス」の称呼のみを生ずるものであり、特定の観念を生じないものである。
他方、引用商標は、前記第2のとおり、「まるで新築 べっぴんさんリフォーム」の文字からなるところ、「まるで新築」と「べっぴんさんリフォーム」の間には1文字分程度の間隔があり、かつ、構成文字全体から生ずる「マルデシンチクベッピンサンリフォーム 」の称呼は、極めて冗長であって、観念においても一連一体の熟語を形成するものではなく、「まるで新築」と「べっぴんさんリフォーム」を常に一体不可分のものとして把握しなければならない格別の事情も見い出せないものである。
また、引用商標の構成中前半部の「まるで新築」の文字部分は、「あたかも新築したような」程の意味合いを理解させるものであり、その指定役務との関係においては自他役務の識別力が特に強いというようなものでもないことからすると、後半部の「べっぴんさんリフォーム」の文字部分が強く印象に残るものである。
そうすると、引用商標は、これに接する取引者、需要者が「べっぴんさんリフォーム」の文字部分に着目して取引に当たる場合も決して少なくないものといえるが、「リフォーム」の文字は、「建物の改築・改装」等(株式会社岩波書店 広辞苑第六版)の意味をもって一般に親しまれている語であり、指定役務との関係においては役務の質を表示するものとして認識され得るものであることからすると、引用商標は、その構成中の「べっぴんさん」の文字が、自他役務を識別する機能を有する要部として認識されるとみるのが相当であるから、該文字部分に相応して「ベッピンサン」の称呼をも生じ、「とりわけ美しい女。美人。」の観念を生ずるものである。
そこで、本件商標と引用商標を比較するに、両商標は、外観が明らかに相違するものであり、また、本件商標から生ずる「ベッピンハウス」の称呼と引用商標の構成中、要部として認識される「べっぴんさん」の文字部分より生ずる「ベッピンサン」の称呼とは、その構成音、構成音数が明らかに相違するものであるから、両者をそれぞれ一連に称呼しても、相紛れるおれはないものである。
そして、本件商標と引用商標は、観念においては比較することができない。
してみれば、本件商標と引用商標とは、観念において比較することができないとしても、外観及び称呼において、明らかに区別できるものであり、これらを総合して判断すれば、両商標は、互いに相紛れるおそれのない、非類似の商標である。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に該当しない。
2 商標法第4条第1項第15号について
(1)前記1のとおり、本件商標と引用商標とは、相紛れるおそれのない非類似の別異の商標と認められるものである。
(2)申立人の主張によれば、引用商標は、申立人ならびに、その関連会社である「考える巧房株式会社」の商標として、広く一般に知られている旨述べているが、その周知・著名性を立証する証拠として提出されたのは、甲第2号証の「引用商標の商標登録証の写し」と甲第3号証1及び2の「引用商標を利用した広告新聞折込用のチラシ」2枚のみであり、このチラシにしても、その配布日、配布部数、配布範囲等は不明である。
また、その他、引用商標の使用時期、範囲、営業の規模、売上高及び広告宣伝回数など、その使用の事実を量的に把握することができる資料は提出されていない。
そのため、申立人提出の証拠をもってしては、引用商標が本件商標の登録出願時及び登録査定時において周知、著名であったとは認められない。
(3)そうすると、本件商標をその指定役務に使用しても、これより直ちに、引用商標を連想、想起させるものとはいえないから、需要者をして、申立人又は申立人と経済的又は組織的に何らかの関係を有する者の業務に係る役務であるかのごとく、その役務の出所について誤認を生じさせるおそれはないものといわなければならない。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第15号に該当しない。
3 むすび
以上のとおり、本件商標の登録は、商標法第4条第1項第11号及び同第15号に違反してされたものではないから、同法第43条の3第4項の規定により、その登録を維持すべきである。
よって、結論のとおり決定する。
異議決定日 2016-10-28 
出願番号 商願2015-99082(T2015-99082) 
審決分類 T 1 651・ 263- Y (W37)
T 1 651・ 261- Y (W37)
T 1 651・ 271- Y (W37)
T 1 651・ 262- Y (W37)
最終処分 維持 
前審関与審査官 安達 輝幸 
特許庁審判長 井出 英一郎
特許庁審判官 榎本 政実
山田 正樹
登録日 2016-03-25 
登録番号 商標登録第5836144号(T5836144) 
権利者 アトピッコハウス株式会社
商標の称呼 ベッピンハウス、ベッピン 
代理人 丹羽 宏之 
代理人 梶 俊和 
代理人 中村 英子 
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