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審決分類 審判 全部取消 商50条不使用による取り消し 無効としない X16
管理番号 1322481 
審判番号 取消2015-300243 
総通号数 205 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標審決公報 
発行日 2017-01-27 
種別 商標取消の審決 
審判請求日 2015-04-03 
確定日 2016-11-30 
事件の表示 上記当事者間の登録第2184622号商標の商標登録取消審判事件についてされた平成27年12月22日付け審決に対し、知的財産高等裁判所において審決取消しの判決(平成28年(行ケ)第10014号 平成28年5月18日判決言渡)があったので、さらに審理のうえ、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。 審判費用は、請求人の負担とする。
理由 第1 本件商標
本件登録第2184622号商標(以下「本件商標」という。)は、「猫めくり」の文字を横書きしてなり、昭和62年3月3日に登録出願され、第26類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、平成元年10月31日に設定登録されたものであり、その後、2回にわたり商標権の存続期間の更新登録がされ、さらに、その指定商品を第16類「印刷物,書画,写真」とする指定商品の書換登録が同22年4月21日にされたものである。
なお、本件審判の請求の登録は平成27年4月17日にされている。

第2 事件概要
1 請求人は、平成27年4月3日付けで本件商標の指定商品について登録を取り消す、審判費用は被請求人の負担とする、との審決を求め、不使用による取消審判(審判2015-300243号)を請求し、その理由として、本件商標は、継続して3年以上日本国内において商標権者、専用使用権者又は通常使用権者のいずれもが請求に係る商品についての登録商標の使用をしていないものであるから、商標法第50条第1項の規定により、その登録は取り消されるべきである旨主張した。
2 被請求人は、上記1の請求に対し、答弁しなかった。
3 当審は、平成27年12月22日付けで「被請求人は、本件審判の請求に対し、答弁していないから、本件商標の登録は、商標法第50条の規定により、その登録を取り消すべきものである」旨の審決をした。
4 被請求人は、平成27年12月22日付けの審決に対する審決取消請求事件(平成28年(行ケ)第10014号)において、被請求人は本件審判の請求の登録前3年以内に、日本国内において、本件商標の指定商品のうち「カレンダー」について、本件商標と社会通念上同一の商標を使用していると主張し証拠を提出した。
5 被請求人は、当審に対し平成28年8月5日付け回答書において、乙第1号証ないし乙第19号証(枝番号を含む。)を提出した(なお、被請求人は、これらの証拠について甲号証としているが乙号証に読み替えた。)。

第3 当審の判断
1 被請求人の主張及び提出した乙第1号証ないし乙第19号証(枝番号を含む。)によれば、以下の事実が認められる。
(1)乙第2号証は、本件商標の登録原簿謄本であり、商標権者については、株式会社カミンから平成27年8月13日受付の「特定承継による本権の移転」により「株式会社中央経済社」に移転され、その後、同28年1月22日受付の「登録名義人の表示の変更」により「株式会社中央経済社ホールディングス」に変更されている。
(2)乙第9号証は、インターネットアーカイブが保存している2013年(平成25年)7月27日付けの株式会社カミンのホームページの写しであり、「製品情報/カミン カレンダーシリーズ/猫めくり」の見出しの下、「スタンド付きパッケージ入り」の項には、「猫と出会える365日のキャッチフレーズで、1987年にスタートした猫の日めくりカレンダーの定番。」といった記載がある。
(3)乙第10号証は、「猫めくり2014 Cats Calendar」についての写真撮影報告書であり、これは、カレンダーの外箱の外観及びカレンダーの内容を撮影したものからなる11の写真により構成されており、そのカレンダーの外箱(【写真1】箱外観(表面))には、左上部に「COMIN」の文字、その下に大きく「猫めくり」の文字が縦書き記載されており、右下部には「2014」「Cats Calendar」の記載がある。また、カレンダー本体の写真(【写真4】カレンダー現物(台座付、正面))にも、「COMIN」の文字を除き、上記カレンダーの外箱と同様の記載がある。
さらに、カレンダーの最終頁(【写真11】カレンダー現物(最終頁))には、その左中央部に大きく黒字で「猫めくり」の文字があり、その下には、「2013年9月1日 発行」、「発行所 株式会社カミン」と表示されている。
(4)乙第13号証は、「紀伊國屋書店publine」(紀伊國屋書店チェーンの個別商品の売上げを確認できるサイト)の「商品指定在庫一覧結果表示」の写しであるところ、「商品指定在庫一覧」の見出しの下、「タイトル 巻号」の欄に「猫めくりカレンダー 2014」、「出版社」の欄に「カミン」、「出版年月」の欄に「201310」と、それぞれ記載され、その下の表には、「店舗名」及び「売上累計」等の項目があり、「店舗」の「合計」の欄には、「売上累計」は「482」であることが記載されている。
(5)乙第16号証の1は、「紀伊國屋書店ウェブストア」のウェブサイトの写しであり、乙第10号証のカレンダーの外箱及び本体の表紙の写真と同様の画像とともに、「[カレンダー]/猫めくりカレンダー<2014>」、「カミン(2013/10発売)」と記載されている。
2 判断
前記1で認定した事実によれば、以下のとおり判断するのが相当である。
(1)乙第10号証の「猫めくり2014 Cats Calendar」と題する「カレンダー」の最終頁に記載されている「発行所 株式会社カミン」、乙第13号証の「商品指定在庫一覧」の「出版社」の欄に記載されている「カミン」及び乙第16号証の1の「[カレンダー]/猫めくりカレンダー<2014>」の項に記載されている「カミン」は、その「カレンダー」の発行日当時の商標権者と同一人と認められる。
(2)本件商標は、「猫めくり」の文字を横書きしてなるところ、「猫めくり2014 Cats Calendar」と題する「カレンダー」に表示された縦書き又は横書きの「猫めくり」の文字は、本件商標とその構成文字を同じくするものであるから、社会通念上同一の商標と認められる。
(3)本件商標と社会通念上同一の商標を付した商品「カレンダー」は、2013年(平成25年)9月1日に発行され、紀伊國屋書店を介して同年10月から累計482冊を売り上げたものと認められる。
(4)本件商標を使用した商品「カレンダー」は、本件請求に係る指定商品中の「印刷物」に含まれる商品である。
(5)そうすると、本件商標を使用した商品の発行日当時の商標権者であった株式会社カミンは、要証期間内に、本件審判の請求に係る指定商品中の「印刷物」に含まれる商品「カレンダー」について、本件商標(社会通念上同一と認められる商標を含む。)を付したものを譲渡又は引き渡した(商標法第2条第3項第2号)と認められる。
3 まとめ
以上のとおりであるから、被請求人は、本件審判の請求の登録前3年以内に日本国内において、本件商標の当時の商標権者が、その請求に係る指定商品中の「カレンダー」について、本件商標と社会通念上同一の商標を使用していたことを証明したものということができる。
したがって、本件商標は、商標法第50条第1項の規定により、その請求に係る指定商品についての登録を取り消すべきではない。
よって、結論のとおり審決する。
審理終結日 2016-09-21 
結審通知日 2016-09-27 
審決日 2016-10-20 
出願番号 商願昭62-21208 
審決分類 T 1 31・ 1- Y (X16)
最終処分 不成立  
特許庁審判長 田中 幸一
特許庁審判官 藤田 和美
小松 里美
登録日 1989-10-31 
登録番号 商標登録第2184622号(T2184622) 
商標の称呼 ネコメクリ 
代理人 青木 博通 
代理人 鈴木 修 
代理人 西川 喜裕 

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