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審決分類 審判 査定不服 商3条1項3号 産地、販売地、品質、原材料など 登録しない W32
管理番号 1322437 
審判番号 不服2015-650014 
総通号数 205 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標審決公報 
発行日 2017-01-27 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2015-02-27 
確定日 2016-09-08 
事件の表示 国際登録第1153535号に係る国際商標登録出願の拒絶査定に対する審判事件について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。
理由 1 本願商標
本願商標は、「NIAGARA」の欧文字を横書きしてなり、第32類「Bottled drinking water;bottled water;distilled drinking water;drinking water;drinking water with vitamins;drinking waters;flavored bottled water;flavored enhanced water;flavored waters;purified bottled drinking water;spring water;still water;table water;water beverages.」を指定商品として、2013年(平成25年)1月21日に国際商標登録出願されたものである。
2 原査定の拒絶の理由の要点
原査定は、「本願商標は、『ナイアガラ川、ナイアガラの滝』の意味を有する語として、一般に広く知られている『NIAGARA』の文字を普通に用いられる方法で表示してなるものであるところ、『ナイアガラの滝』は、誰もが知る世界有数の観光地であり、我が国においても観光地として広く知られているものといえる。そうすると、本願商標に接する需要者、取引者は、『ナイアガラ川』若しくは『ナイアガラの滝』を容易に認識するものといえ、これをその指定商品に使用した場合には、『ナイアガラ川』、『ナイアガラの滝』若しくはその流域で製造、販売されたものと認識すると判断するのが相当である。してみれば、本願商標は、これをその指定商品に使用するときは、商品の産地、販売地を表示するにすぎないものであり、また、『ナイアガラ川』、『ナイアガラの滝』若しくはその流域で製造、販売された商品以外の商品に使用するときは、商品の品質の誤認を生ずるおそれがあるものといわざるを得ない。したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に該当する。」旨、認定、判断し、本願を拒絶したものである。
3 当審においてした証拠調べ通知
当審において、本願商標が商標法第3条第1項第3号に該当するか否かについて、職権に基づく証拠調べをした結果、以下に示す事実を発見したので、同法第56条第1項で準用する特許法第150条第5項の規定に基づき、請求人に対して、平成27年10月8日付け証拠調べ通知書を通知し、期間を指定して、意見を述べる機会を与えた。
<証拠調べ通知書の内容>
本願商標は、「NIAGARA」の文字を普通に用いられる方法で横書きに書してなるものである。そして、「NIAGARA」の文字が、著名な観光地を表す語であること及び、観光地として土産物などの商品が生産・販売されていることを示す実情については、以下の事実が認められる。
(1)「ベーシックジーニアス英和辞典(株式会社大修館書店)」の936頁に、「Niagara」の意味として、「ナイアガラの滝(Niagara Falls)、ナイアガラ川」の記載がある。
(2)「コンサイスカタカナ語辞典第4版(株式会社三省堂)」の745頁に、「ナイアガラ[Niagara Falls]」の意味として、「北米のエリー湖からオンタリオ湖に流れているナイアガラ川中流にある滝.世界的な観光地.」の記載がある。
(3)2003年1月14日付け産経新聞東京朝刊13頁に、「『ただいま』と言いたくなる旅に、出かけませんか。カナダ・オンタリオ州春の旅」の見出しのもと、「□ナイアガラ Niagara 世界でもっとも有名な観光名所、ナイアガラの滝の迫力を堪能したら、周辺の街まで足をのばしたい。ナイアガラオンザレイクは、アッパーカナダ時代の州都。・・・ 滝周辺には、ワイナリーが多い。日本ではあまり知られていないが、カナダワインの8割はナイアガラで生産されているそうだ。ナイアガラワインの名を広めたのは、アイスワインと呼ばれる甘いデザートワイン。」の記載がある。
(4)2005年2月4日付け中国新聞朝刊16頁に、「冬場も輝く ナイアガラ 滝と氷のハーモニー 味を競うアイスワイン」の見出しのもと、「数々の映画の舞台となり、世界的観光地のナイアガラの滝。・・・夏にはないナイアガラの魅力を探った。・・・《メモ》ナイアガラへは、カナダのトロントから入るのが便利。」の記載がある。
(5)2013年8月15日付け静岡新聞夕刊6頁に、「美しい水、豊かな緑 芳醇な香りのアイスワイン-カナダ・オンタリオ州」の見出しのもと、「ナイアガラから首都オタワへと旅した。世界三大瀑布[ばくふ]の一つ、ナイアガラの滝はエリー湖からオンタリオ湖に流れ込むナイアガラ川の途中、米加国境にある。・・・ナイアガラ・ワインは、冬に収穫された凍ったブドウを使って造る甘く芳醇[ほうじゅん]な香りのアイスワインが有名だが、いろいろなワインを試飲、購入できる。」の記載がある。
(6)「ナイアガラ観光局公式」のウェブサイトにおいて、「世界に稀に見る壮大な不思議を体験するために、毎年1400万人が訪れるナイアガラ。大自然のみが創造できる力強さと美しさ。それがナイアガラの滝なのです。きっと訪問者の生涯の思い出に残る旅となるのは、巨大な滝だけが理由ではありません。世界一流のホテル。受賞歴に輝くワイン生産地。すばらしいショッピング体験。」の記載及び「tempting」の見出しのもと、「地元のショッピング・アドベンチャー ナイアガラの滝、クリフトンヒル、フォールズアベニュー・ブルバードといった人気の観光地エリアを飾る、ナイアガラらしい土産店や専門店もお気に入りいただけるでしょう。有名なスーベニア・シティー・プラザは、地元の人気商品から豪華な記念品まで、あらゆる品を取り揃えています。」の記載がある。
(http://www.niagarajapan.com/)
(http://www.niagarajapan.com/tempting/)
(7)「カナダの総合情報サイト『カナダマニュアル』」のウェブサイトにおいて、「ナイアガラフォールズの観光スポット」の見出しのもと、「クリフトン・ヒル アメリカ滝正面付近のナイアガラ・パークウェイからビクトリア通り(Victoria Ave.)まで続く坂道、クリフトン・ヒルは、ナイアガラきっての繁華街。500mもない短い通りの両側に、お化け屋敷やロウ人形館など雑多なアミューズメント施設とモーテル、レストラン、みやげ物店がびっしり並んでいる。」の記載がある。
(http://www.canadamanual.com/niagara/sightseeing.htm)
(8)「日本旅行」のウェブサイトにおいて、「ナイアガラ・フォールズの基本情報」の見出しのもと、「世界三大瀑布の一つで、その存在はあまりに有名。常に行ってみたい観光地ベスト5にランクされるほどの人気を誇る。」の記載及び「ナイアガラはレインボーブリッジのたもとにあるクリフトンヒルと、フォールズビューカジノを中心としたエリアの2つの場所に分けられる。」の記載がある。
(http://www.ntacanada.com/info/destination/12nia/info.php)
(9)「ONTARIO style」のウェブサイトにおいて、「世界が注目する美酒、ナイアガラのワインを味わう旅」の見出しのもと、「カナダきっての観光スポット、ナイアガラの滝から車で30分。・・・『ナイアガラ半島』と総称されるこのエリアは、広大なブドウ畑で埋め尽くされ、60以上のワイナリーが点在。」の記載及び「まるで“飲む宝石“名産のアイスワイン」の見出しのもと「ナイアガラでは、ほとんどすべてのワイナリーで独自のアイスワインが作られています。・・・350mlボトルで3,000円以上と、ちょっと高価ですが、旅の思い出に、あるいは大切な人へのお土産に、価値ある一本です。」の記載がある。
(http://www.ontariostyle.com/niagara/01.html)
(10)「エイビーロード」のウェブサイトにおいて、「ナイアガラ(USA)のショッピング情報」の見出しのもと、「ナイアガラは、ワインの産地でワイナリーがたくさん点在しているのでお好みのワインをお土産に探してみはどうでしょうか。ショッピングには、アウトレットモールがあり、たくさんのブランドからお買い物できます。」の記載がある。
(http://www.ab-road.net/north_america/usa/niagara_falls/shopping/)
(11)「ルックツアーネット」のウェブサイトにおいて、「ナイアガラのお土産の人気ランキング ナイアガラ随一の『斉藤ギフト店』と『瀧レストラン』」の見出しのもと、「カナダのお土産といえば、まずはメイプルシロップ、サーモン、アイスワインなどが思い浮かびますよね!・・・メイプルシロップはいろんな種類がありますがカエデの形をしたビンに入ったのが一番人気!だそうです。」の記載がある。
(http://blog.looktour.net/22/%E3%83%8A%E3%82%A4%E3%82%A2%E3%82%AC%E3%83%A9%E3%81%AE%E3%81%8A%E5%9C%9F%E7%94%A3%E3%81%AE%E4%BA%BA%E6%B0%97%E3%83%A9%E3%83%B3%E3%82%AD%E3%83%B3%E3%82%B0%E3%80%80%E3%83%8A%E3%82%A4%E3%82%A2%E3%82%AC)
4 証拠調べに対する請求人の意見
請求人は、前記3の証拠調べに対して、平成28年2月17日付け意見書において、要旨以下のように主張した。
(1)証拠調べで挙げられた前記3に記載の証拠は、いずれも、本願の指定商品である飲料水についての記述、または飲料水等を想起させる記述がない。これらは、「NIAGARA/ナイアガラ」の語がナイアガラの滝、ナイアガラ川もしくはその周辺を含む観光地を示す語であること、また、同地域で生産されるアイスワインの生産地であることを示すものにすぎず、本願指定商品である飲料水との関連を示すものは一切発見されなかったといえる。
(2)証拠調べで挙げられた前記3(3)ないし(5)は新聞記事であるが、そのうちの(3)及び(4)は、2003年、2005年付けの新聞記事であり、近年の新聞記事は(5)のみである。また、これらの新聞記事は、それぞれ、東京、広島等の中国地方、静岡を中心とした限られた地方において限定された読者層に購読されている地方新聞であるため、これらが日本の取引者、需要者の認識、理解を直ちに示すものではない。
(3)本願商標「NIAGARA」は、多数の国、エリアにおいて保護を受けており、識別力を欠き、また、品質誤認が生ずるという理由によって登録性は否定されていない。
(4)飲料水の商標を「NIAGARA」としても、その飲料水の採水地がナイアガラ川やナイアガラの滝であると考える日本人取引者、需要者は存在しないと思われる。
(5)以上のとおり、本願商標は、自他商品の識別力を有し、商品の品質の誤認を生じさせるものでないことが明らかであるから、商標法第3条第1項第3号及び第4条第1項第16号に該当するものではない。
5 当審の判断
(1)商標法第3条第1項第3号該当性について
本願商標は、前記1のとおり、「NIAGARA」の文字からなるところ、該文字は、「ナイアガラの滝、ナイアガラ川、またはその周辺の地域」を指称するものとして一般に広く認識されているといい得るものであって、世界的に有名な観光地として広く知られているものである。
そして、一般に観光地においては、観光名所等の名称やその地理的な名称を付した飲料や食品、雑貨などの土産物が、製造、販売されている実情にあり、また、ナイアガラの滝の周辺地域において、土産物が販売されていることは、上記3のとおり、インターネット情報で明らかである。
そうすると、「NIAGARA」の文字からなる本願商標を、その指定商品に使用するときは、これに接する取引者、需要者は、その商品が一般に広く認識されている観光地の一である「NIAGARA」で生産又は販売される飲料水であること、すなわち、商品の産地又は販売地を表示するものと理解、認識するにとどまるというのが相当であり、ほかに、これを覆すに足る特段の事情は見当たらない。
したがって、本願商標は、商品の産地、販売地を普通に用いられる方法で表示する標章のみからなるものであるから、商標法第3条第1項第3号に該当する。
(2)請求人の主張について
ア 請求人は、「NIAGARA」の文字が、本願の指定商品である飲料水の分野において、商品の産地等を表示するものとして取引上一般に使用されている事実は見当たらないとして、本願商標は自他商品の識別標識としての機能を果たし得る旨主張する。
しかしながら、「商標法第3条第1項第3号にいう『商品の産地又は販売地を普通に用いられる方法で表示する標章のみからなる商標』に該当するというためには、必ずしも当該指定商品が当該商標の表示する土地において現実に生産され又は販売されていることを要せず、需要者又は取引者によって、当該指定商品が当該商標の表示する土地において生産され又は販売されているであろうと一般に認識されることをもって足りる。」(最高裁昭和60年(行ツ)第68号 昭和61年1月23日判決言渡)と判示されていることからすれば、本願商標の「NIAGARA」の文字については、上記(1)で認定、判断したとおり、著名な観光地である「ナイアガラの滝」及びその周辺地域を表したものとして理解されるというべきであって、その指定商品に係る取引者、需要者をして、商品の産地又は販売地を表示するものとして理解、認識するにとどまるものである。
よって、請求人の主張は、採用することができない。
イ 請求人は、飲料水の商標を「NIAGARA」としても、その飲料水の採水地がナイアガラ川やナイアガラの滝であると考える日本人取引者、需要者は存在しないと思われる旨主張する。
しかしながら、観光地において、一般に、観光客向けに土産用等の用途で飲料水や清涼飲料水等の飲料が販売されていることからすれば、本願商標は、これをその指定商品に使用した場合、たとえ「NIAGARA」の文字から、ナイアガラ川やナイアガラの滝が飲料水の採水地(産地)であると理解されないとしても、「NIAGARA」において販売されている飲料水であること、すなわち、商品の販売地を表示するものと理解されるものというのが相当であり、自他商品の識別標識としては機能しないものである。
よって、請求人の主張は、採用することができない。
(3)まとめ
以上のとおり、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当するものであるから、登録することができない。
よって、結論のとおり審決する。
審理終結日 2016-03-31 
結審通知日 2016-04-08 
審決日 2016-04-21 
国際登録番号 1153535 
審決分類 T 1 8・ 13- Z (W32)
最終処分 不成立 
前審関与審査官 薩摩 純一高野 和行 
特許庁審判長 井出 英一郎
特許庁審判官 清棲 保美
田中 亨子
商標の称呼 ナイアガラ 
代理人 特許業務法人川口國際特許事務所 
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