• ポートフォリオ機能


ポートフォリオを新規に作成して保存
既存のポートフォリオに追加保存

  • この表をプリントする
PDF PDFをダウンロード
審決分類 審判 査定不服 商3条1項3号 産地、販売地、品質、原材料など 登録しない W14
管理番号 1322425 
審判番号 不服2015-19776 
総通号数 205 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標審決公報 
発行日 2017-01-27 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2015-11-02 
確定日 2016-11-24 
事件の表示 商願2015-2408拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。
理由 1 本願商標
本願商標は,別掲1のとおりの構成からなり,第14類に属する願書記載のとおりの商品を指定商品として,平成27年1月13日に登録出願されたものである。
そして,その指定商品については,原審における平成27年6月5日付け並びに当審における同年11月2日付け及び同28年7月7日付けの手続補正書により補正された結果,第14類「身飾品」となったものである。

2 当審において通知した拒絶理由
審判長は,平成28年5月27日付けで,請求人に対し,次のとおりの拒絶理由通知書を発し,意見を述べる機会を与えた。
本願商標は,「Peach Gold」の欧文字をセリフ体(明朝体)調の書体で横書きしてなるところ,これを構成する「Peach」及び「Gold」の各欧文字は,それぞれ,「桃(の実),(果実の)ピーチ色,黄みがかった赤色」及び「金,金色」の意味を有する英語として,その読みを表す「ピーチ」及び「ゴールド」の片仮名とともに,我が国において広く親しまれた語といえるものである。
そして,当審における調査によれば,別掲2のとおり,本願の指定商品の取り扱いに係る業界において,本願商標の読みを片仮名で表した「ピーチゴールド」が,その商品の色彩が「ピーチ色(黄みがかった赤色)に近い色合いの金色」であることを表す語として取引上普通に採択,使用されている実情がうかがえる。
してみれば,本願商標は,これをその指定商品に使用しても,これに接する取引者,需要者においては,その商品が「ピーチ色に近い色合いの金色の商品」であることを理解するにとどまるというのが相当であるから,単に商品の品質(色彩)を普通に用いられる方法で表示するにすぎない商標である。
したがって,本願商標は,商標法第3条第1項第3号に該当する。

3 当審における拒絶理由に対する請求人の意見(要旨)
請求人は,前記2の拒絶理由通知に対し,意見書及び甲第1号証ないし甲第16号証を提出し,要旨以下のように主張した。
(1)「Peach」の文字は,単に果物の「桃」として良く知られている語であり,「Gold」の文字は,「金,金色,素晴らしいもの,金色の」の意味合いを有する言葉として,我が国において良く知られている語であって,「Peach Gold」の文字は,辞書や色事典にない色であるから,該文字から,抽象的に「ピーチ色(黄みがかった赤色)に近い色合いの金色」を観念することがあり得るとしても,これらの意味合いが直ちに本願の指定商品の品質を直接的かつ具体的に表示するものであるとまではいい得ない。
(2)本願商標を構成する「Peach Gold」及び「ピーチゴールド」は,請求人の創作に係る造語よりなる商標であり,商標全体から生ずる意味合いは抽象的なものであって,何ら特定の色彩を表すものではないし,平成28年5月27日付け拒絶理由通知で示された使用例1ないし11(別掲2(1)?(11))からも,「ピーチゴールド」の文字が色彩を直接的かつ具体的に表示したものとして,使用されているとはいえない。
(3)「GOLD」の文字を含む色彩を暗示させる言葉からなる商標の登録例(甲12?14)があり,また,何かしらの色彩を暗示するにすぎず,取引上普通に使用されている事実のないものは,一種の造語よりなるから識別力を有する商標と判断されている審決例(甲15,16)がある。

4 当審の判断
(1)商標法第3条第1項第3号について
本願商標は,「Peach Gold」の欧文字を横書きしてなるところ,前記2の拒絶理由通知のとおり,これをその指定商品に使用しても,これに接する取引者,需要者においては,その商品が「ピーチ色に近い色合いの金色の商品」であることを理解するにとどまるというのが相当であるから,単に商品の品質(色彩)を普通に用いられる方法で表示するにすぎない商標である。
したがって,本願商標は,商標法第3条第1項第3号に該当する。
(2)請求人の主張について
ア 請求人は,「Peach」の文字は,本願の指定商品「身飾品」において,登録商標「Peach」(甲1)があることからも,我が国においては,商品「身飾品」の色彩を表すというよりは,単に果物の「桃」として良く知られている語であり,「Gold」の文字は,「金,金色,素晴らしいもの,金色の」の意味合いを有する言葉として,我が国において良く知られている語であるから,「Peach Gold」からは,「モモの金(黄金)」,「桃の味を思わせる金(黄金)」,「桃の味を思わせる金色」などといったような抽象的かつ曖昧な意味合いしか生ぜず,本願の指定商品との関係においては,商品が有する一定の商品の品質を表示するものとして,一般需要者・取引者に認識・理解されるとはいい得ないし,また,「Peach Gold」の文字は,辞書や色事典にない色であり(甲2),抽象的に「ピーチ色(黄みがかった赤色)に近い色合いの金色」を観念することがあり得るとしても,抽象的かつ曖昧な意味合いでしか色彩を表しているにすぎず,具体的に明確な色彩を表現しているとはいい得ないから,本願商標から生ずる意味合いが本願の指定商品について何かしら抽象的な色合いを暗示させることがあり得るとしても,これらの意味合いが直ちに本願の指定商品の品質を直接的かつ具体的に表示するものであるとまではいい得ないと主張する。
しかしながら,前記2のとおりの「Peach」の文字と「Gold」の文字の語意からすれば,これを結合してなる「Peach Gold」からは,「ピーチ色(黄みがかった赤色)に近い色合いの金色」の意味合いが容易に想起されるというべきであって,現に,本願の指定商品「身飾品」やこれと同様に身体につけて使用する腕時計の取り扱いに係る業界において,「Peach Gold」の読みを片仮名で表した「ピーチゴールド」が,その商品の色彩が「ピーチ色(黄みがかった赤色)に近い色合いの金色」であることを表す語として取引上普通に採択,使用されている実情がある。
そうすると,本願商標をその指定商品に使用しても,これに接する取引者,需要者は,商品の品質(色彩)を表したものと認識するにとどまるというのが相当である。
イ 請求人は,本願商標を構成する「Peach Gold」及び「ピーチゴールド」は,「Peach(ピーチ)」の語と「Gold(ゴールド)」の語を結合した請求人の創作に係る造語よりなる商標であり,「Peach Gold」あるいは「ピーチゴールド」の商標全体から生ずる意味合いは抽象的なものであって,何ら特定の色彩を表すものではないし,拒絶理由通知で示された使用例は,店舗における使用状況が明らかでないもの(別掲2(7)),色彩を表していることは明らかではないもの(別掲2(6),(8)),別途,色彩表示がされているもの(別掲2(3),(10)),色彩を直接的かつ具体的に表示したものとはいえないもの(別掲2(4),(11))であるから,「ピーチゴールド」の文字が色彩を直接的かつ具体的に表示したものとして,使用されているとはいえないと主張する。
しかしながら,仮に,請求人が造語と認識して本願商標を採択したとしても,本願商標が商標法第3条第1項第3号に該当するか否かは,これに接する取引者,需要者の認識をもって判断すべきであるところ,前記2の拒絶理由通知で示したインターネット情報は,いずれも本願の指定商品「身飾品」やこれと同様に身体につけて使用する腕時計の取り扱いに係るウェブサイトにおいて,ピーチ色(黄みがかった赤色)に近い色合いの金色を有する商品について,「ピーチゴールド」の語が使用されていることを示すものであり,該語が商品の色彩を表す語として使用されていることは明らかである。
してみれば,本件審判の審決時において,「Peach Gold」の読みを片仮名で表した「ピーチゴールド」が,その商品の色彩を表す語として取引上普通に採択,使用されている実情を認めることができるものであって,このような実情を踏まえれば,本願商標は,これに接する取引者,需要者に指定商品の品質(色彩)を表したものと認識されるものというのが相当である。
ウ 請求人は,過去の登録例や審決例を挙げ,本願商標も登録されるべき旨主張しているが,商標が識別力を有するか否かの判断は,登録査定時又は審決時において,取引の実情を勘案し,その指定商品の取引者,需要者の認識を基準として,商標ごとに個別具体的に判断すべきであるところ,請求人が挙げた登録例等は,いずれも本願商標とは構成等を異にし,かつ,本件の審決時における取引の実情は前記のとおりである。
エ 前記のとおり,請求人の主張はいずれも採用することができない。
(3)まとめ
以上のとおり,本願商標は,商標法第3条第1項第3号に該当し,登録することができない。
よって,結論のとおり審決する。
別掲 別掲
1 本願商標


2 本願の指定商品の分野における「ピーチゴールド」の語の使用例(平成28年5月27日付け拒絶理由通知で示したもの(なお,(1)及び(2)は意見書における請求人の主張を踏まえ欠番とし,本件審決では採用しない。))
(3)「結婚指輪,婚約指輪のミツバチ」のウェブサイトにおいて,「イニシャルペンダント」の見出しの下,「ペンダントの素材」の項に,ピーチ色(黄みがかった赤色)に近い色合いの金色の商品(ペンダントトップ)の写真の掲載と「K10 ピーチゴールド」の記載があり,また,その写真又は文字をクリックすると表示される画面に,「K10 ピーチゴールド 日本人の肌に合うと評判の良いピーチゴールド。薄いピンクが大人っぽく女性に人気のカラーです。」の記載がある。
http://www.mitubaci.co.jp/initial-pendant/
(4)「green piercing」のウェブサイトにおいて,「ピーチゴールドフープピアス 甲丸タイプのピーチゴールドカラーのサージカルピアス。」の見出しの下,ピーチ色(黄みがかった赤色)に近い色合いの金色の商品(ピアス)の写真が掲載されている。
http://www.green-piercing.com/shop/g/gSHP-R-00110xx
(5)「minne」のウェブサイトにおいて,「ピ?チゴールド色ピアス」の見出しの下,ピーチ色(黄みがかった赤色)に近い色合いの金色の商品(ピアス)の写真が掲載されており,「薔薇の透かしモチーフとピンクのサンゴ天然石を使ったロングピアスです チェーンモチーフ共ピーチゴールド色でお作りしております。」の記載がある。
https://minne.com/items/2632873
(6)「Creema」のウェブサイトにおいて,「クリスタルドーム ピアス(ピーチゴールド)」の見出しの下,ピーチ色(黄みがかった赤色)近い色合いの金色を有する商品(ピアス)の写真が掲載されている。
http://www.creema.jp/exhibits/show/id/1888381
(7)「ダイヤネックレス・ピアスを気軽に」のウェブサイトにおいて,「2013-11-30 ピンクゴールドカラーのアクセで恋愛運アップ ジュエリーのお話」の見出しの下,ピーチ色(黄みがかった赤色)に近い色合いの金色を有する商品(指輪)の写真が掲載されており,「指輪でもピアスでもネックレスでもなんでもOKですが,地金がピンクゴールド(PG)カラーであることがポイント。(お店によってはローズゴールド,レッドゴールド,ピーチゴールドと呼ばれることも)」の記載がある。
http://chula-jw.hatenablog.jp/entry/2013/11/30/215416
(8)「楽天市場」のウェブサイトにおいて,「幸せになれる“ごほうび”ジュエリー&ウォッチ」の見出しの下,「SEIWADO」の商品紹介の項に,ピーチ色(黄みがかった赤色)に近い色合いの金色を有する商品(ピアス)の写真が掲載されており,「ピーチゴールド パールピアス 150,000円 女らしさが際立つフェミニンなピーチゴールドを組み合わせたパールピアス。定番のパールをよりスタイリッシュに。」の記載がある。
http://event.rakuten.co.jp/accessories/ginger_jewelry/
(9)「天然石・パールのビーズショップ ジェニュイン」のウェブサイトにおいて,「淡水パール ピーチゴールド(自然色)・・・」の見出しの下,ピーチ色(黄みがかった赤色)に近い色合いの金色の商品(真珠)の写真が掲載されており,「定番淡水パールに照りの美しいピーチゴールドカラーで,片穴ルースが新登場。・・・パールの片穴をイヤリングパーツやバチカンの芯立部分に接着すれば,高級感あふれるアクセサリーに」の記載がある。また,同ウェブサイトにおいて,「淡水パール オーロラ ピーチゴールドMIX(自然色)・・・」の見出しの下,ピーチ色(黄みがかった赤色)に近い色合いの金色の商品(真珠)の写真が掲載されており,「こちらのパールで特筆すべきは,なんといってもその色彩と照り。全体的にピーチ系カラーにゴールドがかかったような,なんともニュアンスのある色合いが美しく,ピンクゴールドよりのものから,オーロラピーチ,モカゴールド,シャンパンゴールドなど様々な色合いは,まさに自然が作る芸術です。」の記載がある。
http://www.j-genuine.jp/shopdetail/013028000020/
http://www.j-genuine.jp/shopdetail/000000014485/
(10)「宝石/ルース/裸石/天然石を海外タイで現地仕入れ・直接販売するジェムストーン専門店『タイに住んでる日本人の宝石屋』」のウェブサイトにおいて,「ナミビアピーチゴールドトルマリン 1.88ct」の見出しの下,ピーチ色(黄みがかった赤色)に近い色合いの金色の商品(トルマリン)の写真が掲載されており,「ピーチカラーに黄金色の雰囲気を混ぜ合わせたような,ちょっとゴージャスなピーチゴールドカラーが煌くこちらのトルマリンもまた,非加熱未処理だからこその独特な色目を持っていました・・・落ち着いた大人の雰囲気を醸し出す色合い。カットが非常に丁寧に施されているため,この独特のピーチゴールドカラーがとってもテリよく煌いてくれます」の記載がある。
http://www.gemclub-th.com/75_4051.html
(11)「Wie geht’s?」のウェブサイトにおいて,「ピーチゴールドのビジュー 白肌にも焼けた肌にも映えるカラーです」の見出しの下,ピーチ色(黄みがかった赤色)に近い色合いの金色の商品(宝石)の写真が掲載されており,「ピンクような,ブロンズのような。でも,ピンクというほどかわいいに寄った色ではなく。だけど,ブロンズというほどの褐色でもなく。ピーチっぽいゴールド,かな・・・・・ピーチゴールド,です」の記載がある。
http://mahyamama.exblog.jp/22329801/
(12)「家電Fan マイナビニュース」のウェブサイトにおいて,「BASELWORLD 2016-カシオ,スマホ連携する女性用メタルウオッチ『SHEEN』 [2016/03/16]」の見出しの下,ピーチ色(黄みがかった赤色)に近い色合いの金色の商品(腕時計(SHB-100CG-4A))の写真が掲載されており,「上品さと落ち着いた華やかさを持つピーチゴールドのIPカラーを新たに開発し,ラインナップに投入(SHB-100CG-4A)。ピーチゴールドは,肌にのせると肌色を美しく引き立たせ,独特の存在感を放つとしている。」の記載があり。
http://news.mynavi.jp/news/2016/03/16/541/
(13)「Campus Magazine」のウェブサイトにおいて,「2015年5月28日更新 使いやすくて細見え☆メンズライクな『大ぶりウォッチ』6選」の見出しの下,「Rumba Time」の「ASOS(エイソス)」の項の,ピーチ色(黄みがかった赤色)に近い色合いの金色の商品(腕時計)の写真が掲載されており,「鏡のような文字盤が特徴のピーチゴールド色で,シンプルなアナログタイプ。」の記載がある。
http://magazine.campus-web.jp/archives/215515
(14)「BUYMA」のウェブサイトにおいて,「Vivienne Westwood アナログ腕時計」の見出しの下,ピーチ色(黄みがかった赤色)近い色合い金色を有する商品(腕時計)の写真が掲載されており,「文字盤にヴィヴィアンのロゴがデザインされており,シルバーとピーチゴールドのツートンカラーのストラップがとてもオシャレです」の記載がある。
http://www.buyma.com/item/12906418/


審理終結日 2016-09-14 
結審通知日 2016-09-20 
審決日 2016-10-06 
出願番号 商願2015-2408(T2015-2408) 
審決分類 T 1 8・ 13- Z (W14)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 小松 里美 
特許庁審判長 早川 文宏
特許庁審判官 根岸 克弘
平澤 芳行
商標の称呼 ピーチゴールド、ピーチ 
代理人 澤木 紀一 

プライバシーポリシー   セキュリティーポリシー   運営会社概要   サービスに関しての問い合わせ