ポートフォリオを新規に作成して保存 |
|
|
既存のポートフォリオに追加保存 |
|
PDFをダウンロード |
審決分類 |
審判 査定不服 商3条2項 使用による自他商品の識別力 登録しない W05 審判 査定不服 商3条1項3号 産地、販売地、品質、原材料など 登録しない W05 |
---|---|
管理番号 | 1322381 |
審判番号 | 不服2016-10450 |
総通号数 | 205 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 商標審決公報 |
発行日 | 2017-01-27 |
種別 | 拒絶査定不服の審決 |
審判請求日 | 2016-07-11 |
確定日 | 2016-11-11 |
事件の表示 | 商願2015-73189拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。 |
結論 | 本件審判の請求は、成り立たない。 |
理由 |
1 本願商標 本願商標は、「LADIES」、「PUERARIA」及び「99%」の文字を、3段に横書きしてなり、第5類「プエラリアミリフィカを含有するサプリメント」を指定商品として平成27年7月30日に登録出願されたものである。 2 原査定の拒絶の理由の要点 原査定は、「本願商標は、『LADIES』『PUERARIA』『99%』の文字を3段に普通に用いられる方法で書してなるところ、『LADIES』の文字は、『婦人,女性』等を意味する『LADY』の複数形として使用されている語であり、『PUERARIA』の文字は、学名を『Pueraria Mirifica(プエラリア ミリフィカ)』とするタイ国産のマメ科クズ属の植物で、近年は若い女性の生理不順、生理痛、肌荒れなどホルモン・バランスの崩れからくる症状の改善や、更年期障害症状の軽減のためのサプリメントとしても広く利用されているものである。また、『99%』は、指定商品との関係では成分が99%含まれていることを理解させるものである。そして、サプリメントを取り扱う業界において、女性向けのサプリメントを『レディースサプリメント』『レディースサプリ』と称しており、さらに、女性向けのサプリメントの原材料に上述のプエラリアミリフィカが使用されている実情もみられる。そうすると、本願商標をその指定商品に使用しても、『女性向けのプエラリア(プエラリアミリフィカ)という植物の成分が99%含まれている商品』等の意味合いを認識させるにとどまり、単に商品の品質を表示するにすぎないものと認められる。したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当する。また、提出された証拠を総合すると、本願の査定時においてもなお、本願商標は、その指定商品に使用された結果、需要者が何人かの業務に係る商品であることを認識することができるに至っている商標とは認めることができず、商標法第3条第2項に該当するとはいえない。」旨認定、判断し、本願を拒絶したものである。 3 当審の判断 (1)商標法第3条第1項第3号該当性について 本願商標は、「LADIES」、「PUERARIA」及び「99%」の文字を、3段書きしてなるところ、本願の指定商品を取り扱う業界においては、その構成中、「LADIES」の文字は、「婦人向け商品や女性向け商品」等を表す語として使用されており、「PUERARIA」の文字は、マメ科の植物である「プエラリア・ミリフィカ」の略称として、使用されている語であり、「99%」の文字は、原材料に含まれる成分の含有率や、成分の純度が99%であることを表す語として使用されているものである。 そうすると、本願商標は、「女性用」の「プエラリア・ミリフィカを99%原材料とする商品」程の意味合いを容易に理解させるものであるから、本願の指定商品に使用しても、これに接する取引者、需要者は、単に、商品の品質、原材料及び用途等を普通に用いられる方法で表示したものと認識するにすぎず、自他商品の識別標識としての機能を果たし得ないものと認められる。 したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当するものである。 (2)商標法第3条第2項該当性について 請求人は、本願商標は、請求人が販売する「プエラリア・ミリフィカを含有するサプリメント」に、2000年(平成12年)から係属して使用されており、その結果、現在において、需要者が、請求人の業務に係る商品であることを認識することができるに至ったものと認められるから、本願商標は、商標法第3条第2項に規定する要件を満たしている旨主張し、証拠方法として、甲各号証を提出している。 そこで以下検討する。 ア 実際に使用している商標について 甲第1号証によれば、商品パッケージの表面及び裏面の写真であるところ、その前面には、左上方に、「LADIES」、「PUERARIA」及び「99%」の文字が3段書きに配され、他に表示された文字等から独立して表示されており、使用商標は、本願商標と同一のものといえる。 イ 商標の使用開始時期、使用期間、使用地域について 請求人は、商標の使用開始時期は、2000年(平成12年)7月頃であり、現在も継続して使用されている。そして、使用地域は、日本国内47都道府県及び外国の販売実績国は、24ヶ国に及ぶと主張する。 販売開始時期及び使用期間については、2000年(平成12年)7月頃から、現在まで継続して使用されているとする該主張は認め得るものの(甲2、甲279等)、使用地域については、インターネットのウェブサイトにおける広告により、広い地域の需要者から閲覧できる状態であったとはいえるが、実際にどの程度の需要者が目にしたかは明らかでなく、提出された証拠は、本願商標の広告に関することのみで、商品の受発注伝票等の取引書類の証拠の提出がなく、実際に、全国的に取引されていたかも明らかではない。 ウ 生産、証明若しくは譲渡の数量又は営業の規模(店舗数、営業地域、売上高等)について インターネット販売、テレビとラジオによる販売及び実店舗による販売を行っていることがうかがえるものの(甲2ないし甲12)、売上高や店舗数等を証する証拠の提出はない。また、楽天市場による売上ランキングにおいて、2010年度から2016年度までの間で、入賞実績が相当回数あるものの(甲200ないし甲275)、該ランキングがどのような基準によるものかが明らかでないばかりか、プエラリア配合の商品に限定されており、極めて狭い商品範囲におけるランキングであって、これをもって、需要者の間に広く認識されているとはいい難い。 エ 広告宣伝の方法、期間、地域及び規模について 雑誌、新聞、テレビ及びラジオ並びにチラシ、パンフレット及びダイレクトメール等により、2000年から2016年の間に、本願商標に関する広告を行っていることはうかがえるものの(甲13ないし甲199、甲276ないし甲279)、雑誌、新聞においては、2000年から20016年までの17年の間で、掲載された回数は、100回であり、1年間にしてみれば10回もなく、決して多いとはいえない。 また、テレビにおいては、2003年1月から2005年9月までの3年の間で、48回であり、その放送回数は、決して多いとはいえず、また、最後に放送されたのは10年以上前である。 さらに、ラジオにおいては、放送された内容が不明である上、2000年7月から2007年7月までの7年の間で、21回であり、その放送回数は、決して多いものとはいえず、また、最後に放送されたのは9年以上前である。 加えて、本願商標が掲載されたチラシ、パンフレット及びダイレクトメール等は、これらが頒布された事実はうかがえるものの、その頒布された部数、頒布地域及び頒布の方法が不明であり、広告宣伝の地域、規模も明らかにされていないから、どのくらいの範囲の需要者の目にふれたのか不明である。 そうすると、これらの広告宣伝によって、本願商標の査定時及び審決時において、本願商標が、いまだに需要者の間に注目され、記憶に残っているとはいい難いものである。 オ 商標の周知性についての証明書等について 請求人が提出する20名による証明書は(甲280ないし甲298、甲383)、本願商標について、「・・・十分に広く需要者・取引者に認識され、商標登録が認められる程度にまで識別力を備えていることを証明します。」旨があらかじめ印刷されたものに、証明者が署名する方式のものであって、また、請求人が提出する99名による陳述書は(甲299ないし甲382、甲384ないし甲398)、本願商標について、「・・・一般需要者である私に認識され、商標登録が認められる程度にまで識別力を備えていることに相違ありません。」旨があらかじめ印刷されたものに、陳述者が署名する方式のものであり、如何なる具体的な事実のもとで、上記証明内容について証することができたのか定かではないといわざるを得ないから、その内容についての証明力は必ずしも高いものとみることはできず、該証明書及び陳述書をもって、本願商標が、請求人の商品を表示する商標として需要者の間に広く認識されるに至ったことを、ただちに認めることはできない。 カ 小括 上記アないしオのとおりであるから、これらの事実によっては、本願商標が、需要者の間において広く知られていると認めることはできないものである。 そうすれば、本願商標は、その指定商品を取り扱う業界において、これに接する需要者が、「女性用」の「プエラリアミリフィカを99%原材料とする商品」という商品の品質表示であるとの認識を上回って、使用された結果、需要者が何人かの業務に係る商品であることを認識することができるものに至ったとまではいえないものである。 してみれば、本願商標は、商標法第3条第2項の要件を具備するということはできない。 (3)まとめ 以上のとおり、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当し、かつ同条第2項の要件を具備するものではないから、これを登録することはできない。 よって、結論のとおり審決する。 |
審理終結日 | 2016-09-02 |
結審通知日 | 2016-09-05 |
審決日 | 2016-09-29 |
出願番号 | 商願2015-73189(T2015-73189) |
審決分類 |
T
1
8・
17-
Z
(W05)
T 1 8・ 13- Z (W05) |
最終処分 | 不成立 |
前審関与審査官 | 赤星 直昭、大橋 良成 |
特許庁審判長 |
山田 正樹 |
特許庁審判官 |
大井手 正雄 中束 としえ |
商標の称呼 | レディーズプエラリアキュージューキューパーセント、レディーズプエラリアキューキューパーセント、レディーズプエラリア、レディーズ |
代理人 | 特許業務法人 武政国際特許商標事務所 |