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審決分類 審判 一部申立て  登録を維持 W11
審判 一部申立て  登録を維持 W11
審判 一部申立て  登録を維持 W11
審判 一部申立て  登録を維持 W11
管理番号 1321438 
異議申立番号 異議2016-900142 
総通号数 204 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標決定公報 
発行日 2016-12-22 
種別 異議の決定 
異議申立日 2016-06-06 
確定日 2016-10-21 
異議申立件数
事件の表示 登録第5831352号商標の商標登録に対する登録異議の申立てについて、次のとおり決定する。 
結論 登録第5831352号商標の商標登録を維持する。
理由 第1 本件商標
本件登録第5831352号商標(以下「本件商標」という。)は、「Eyes」の欧文字を標準文字により表してなり、平成27年9月8日に登録出願、第11類「流し台用・洗面台用の水栓,水道用栓,電球類及び照明用器具,家庭用レンジフード,家庭用電磁調理器,家庭用電子レンジ,家庭用電気冷蔵庫,家庭用電気冷凍庫,家庭用電熱用品類(美容用又は衛生用のものを除く。),家庭用ガスこんろ,システムキッチン用家庭用ガスこんろ,システムキッチン用加熱器,加熱器,システムキッチン用調理台,調理台,システムキッチン用流し台,台所用流し台,流し台,家庭用浄水器,浴槽類,洗面台,洗面台(衛生設備用品の部品),洗面器(衛生設備用品の部品),洗面室ユニット,浴室ユニット,便所ユニット」及び第20類「洗面化粧台,鏡付洗面化粧台,洗髪洗面化粧台,洗面所用化粧台,洗面化粧台用鏡,システムキッチン用家具,台所用家具,台所用キャビネット,家具用キャビネット,食器戸棚,吊り戸棚,ソファー,家具,クッション,座布団,まくら,マットレス」を指定商品として、同28年1月19日に登録査定、同年3月4日に設定登録されたものである。

第2 引用商標
登録異議申立人(以下「申立人」という。)が引用する登録商標は、以下のとおりであり、いずれも現在有効に存続しているものである。
1 登録第426661号商標(以下「引用商標1」という。)は、「EYE」の欧文字を横書きしてなり、昭和27年6月23日に登録出願、第69類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、同28年6月22日に設定登録、その後、5回にわたり商標権の存続期間の更新登録がされ、さらに、平成17年3月16日に指定商品を第9類「変圧器,開閉器,電流制限器,抵抗器,真空管,X線管,電気測定器,蓄電器」及び第11類「白熱電球,アーク灯,電球類及び照明器具用の炭素棒」とする指定商品の書換登録がされたものである。
2 登録第534988号商標(以下「引用商標2」という。)は、別掲のとおり、上下対称の2つの円弧の両端を結合した輪郭図形内に「EYE」の欧文字を横書きしてなり、昭和33年4月15日に登録出願、第69類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、同34年3月26日に設定登録、その後、4回にわたり商標権の存続期間の更新登録がされ、さらに、平成21年6月17日に指定商品を第9類「配電用又は制御用の機械器具,電子応用機械器具及びその部品(「大規模集積回路,電子応用扉児童開閉装置,電子卓上計算機,ワードプロセッサ」を除く。),電気通信機械器具(コンパクトディスクプレーヤー・乗物用ナビゲーション装置・ビデオディスクプレーヤー・デジタルカメラ・DVDプレーヤー・DVDレコーダーを除く。)」及び第11類「電球類及び照明用器具」とする指定商品の書換登録がされたものである。
なお、引用商標1及び引用商標2をまとめていうときは、以下「引用商標」という。

第3 登録異議の申立ての理由
申立人は、本件商標は商標法第4条第1項第11号及び同第15号に該当するものであるから、同法第43条の2第1号に基づき、取り消されるべきものであると申立て、その理由を要旨以下のように述べ、証拠方法として甲第1号証ないし甲第5号証を提出した。
1 商標法第4条第1項第11号について
(1)本件商標と引用商標1の対比
本件商標は、「Eyes」の英文字を書してなるものであるが、英文字の場合、冒頭の文字のみを大文字で記載することは、しばしば用いられている。そのため、本件商標は、「目」を意味する英単語「eye」の複数形であると考えられ、また「アイズ」の称呼を生じることは明らかである。
他方、引用商標1は、「EYE」の英文字を書してなるから、「目」の観念を生じるとともに「アイ」の称呼を生じることは明らかである。
そこで、まず両者を外観上対比すると、本件商標は英文字4文字で構成されているが、大文字、小文字を参酌しない場合、その冒頭の3文字は引用商標1と同一である。なお、本件商標の末尾の文字は、英文字において複数形を表す場合に用いられることは日本国においても広く知られていることから、両者の1文字の相違は、本件商標は引用商標1の複数形の表記であるとの認識を与えるにとどまり、外観上、両者は類似するものといえる。
次に両者を称呼上対比すると、相違する1音は語尾のみとなっているが、英語の場合、語尾の有声音の発音は弱い音となる。
したがって、称呼上、両者は類似するものといえる。
最後に両者を観念上対比すると、前述のとおり共に「目」の観念を生じさせることから、観念上も、両者は類似するものといえる。
また、本件商標の指定商品のうち「電球類及び照明用器具」は、引用商標1の指定商品の「白熱電球,アーク灯」を含んでおり、引用商標1の指定商品と抵触する。
(2)本件商標と引用商標2の対比
本件商標は、上記(1)のとおり、「目」を意味する英単語「eye」の複数形であると考えられ、また「アイズ」の称呼を生じることは明らかである。
他方、引用商標2は、目を連想させる図形の中に「EYE」の英文字を書してなるから、「目」の観念を生じるとともに「アイ」の称呼を生じることは明らかである。
両者を称呼上対比すると、相違する1音は語尾のみとなっているが、英語の場合、語尾の有声音の発音は弱い音となる。したがって、称呼上、両者は類似するものといえる。
次に両者を観念上対比すると、前述のとおり共に「目」の観念を生じさせることから、観念上も、両者は類似するものといえる。
また、両者の指定商品のうち「電球類及び照明用器具」は、同一である。
(3)したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に違反して登録されたものである。
2 商標法第4条第1項第15号について
申立人は、昭和19年の設立以来、ランプ及び照明器具の製造及び販売を行っており、引用商標をこれらの製品に広く使用し今日に至っており、引用商標は、照明分野において広く知られている。
してみれば、本件商標の指定商品のうち「電球類及び照明用器具」にかかる商品の分野の需要者は、本件商標が「電球類及び照明用器具」について使用された場合、申立人の業務にかかる商品と出所の混同を生ずるおそれがあることは明らかである。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第15号に違反して登録されたものである。

第4 当審の判断
1 商標法第4条第1項第11号該当性について
(1)本件商標
本件商標は、「Eyes」の欧文字からなるものであり、該文字に相応して「アイズ」の称呼を生ずる。
また、本件商標「Eyes」は、「目」を意味する英単語「eye」の複数形である「eyes」と同じ綴りであり、英単語においては、第1文字目を大文字で表す方法は、よく用いられており、容易に「目」を意味する英単語であると認識されるというのが相当であるから、これより「目」の観念を生ずるものである。
(2)引用商標
引用商標1は、「EYE」の欧文字からなり、引用商標2は、上下対称の2つの円弧の両端を結合した輪郭図形内に「EYE」の欧文字を横書きした構成からなるものであるから、それぞれ、構成中の「EYE」の欧文字に相応して「イーワイイー」の称呼を生ずるものである。
また、引用商標を構成する「EYE」の欧文字は、たとえ「目」を意味する英単語と同じ綴りであるとしても、英単語を表示する際に、全て大文字で表示する方法は、英和辞典等の英単語の表示からしても、一般的な表示方法とはいい難く、これを直ちに「目」を意味する英単語を表したものと認識するというよりは、商標として採択されることの多い特定の意味合いを有しない欧文字3文字の一類型と理解し認識するとみるのが相当である。
してみれば、引用商標は、特定の観念を生じないというべきであり、引用商標2の輪郭図形からも特定の観念は生じない。
(3)本件商標と引用商標との類否
本件商標と引用商標は、それぞれ上記のとおりの構成よりなるものであるから、外観においては、明らかな差異を有するものであり、明確に区別し得るものである。
つぎに、称呼においては、本件商標から生ずる「アイズ」の称呼と、引用商標から生ずる「イーワイイー」の称呼とは、構成音が明らかに相違し、明確に聴別できるものである。なお、引用商標の構成中の「EYE」の欧文字が、「目」を意味する英単語の「eye」と同じ綴りからなることから、これより「アイ」の称呼が生じるとしても、本件商標から生じる「アイズ」の称呼との比較においては、語尾における「ズ」の音の有無に差異を有し、該「ズ」の音は、それ自体、重々しく響く濁音であり響きの強い音として明瞭に聴取され得るものであり、全体として3音対2音という短い音構成にあっては、該「ズ」の音の有無が両称呼に与える影響は決して小さいものとはいえず、これらをそれぞれ一連に称呼するときは、その称呼全体の語調、語感が相違したものとなるから、互いに聴き誤るおそれはないものというのが相当である。
また、観念においては、本件商標からは「目」の観念が生じるのに対し、引用商標からは特定の観念が生じないものであるから、観念上、類似するということはできない。
(4)小括
してみれば、本件商標と引用商標とは、外観、称呼及び観念のいずれの点からしても、類似するものとはいえないから、互いに紛れるおそれのない非類似の商標とみるのが相当である。
なお、引用商標の構成中の「EYE」の欧文字が、「目」を意味する英単語の「eye」と同じ綴りからなることから、仮に、引用商標から「目」の観念が生じるとした場合には、本件商標と同一の観念が生じることとなるが、本件商標と引用商標とは、上記(3)のとおり、その外観及び称呼において、明らかに区別できるものであるから、これらを総合して勘案すれば、互いに紛れるおそれのない非類似の商標であるとみるのが相当である。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に該当しない。
2 商標法第4条第1項第15号該当性について
申立人は、引用商標を「ランプ及び照明器具」に広く使用し、照明分野において広く知られている旨を主張しているが、その事実を証明するものとして、引用商標を使用した商品の販売期間、販売地域、販売数量、宣伝広告の実績等を何ら明らかにしていないものであるから、引用商標が、需要者の間に広く認識されているものと認めることができない。
また、本件商標と引用商標とは、上記1のとおり、非類似の商標である。
してみれば、本件商標を、その指定商品中「電球類及び照明用器具」に使用しても、これに接する取引者、需要者が、引用商標を連想、想起するということはできないから、本件商標は、その商品の出所について誤認混合を生ずるおそれがある商標とはいえない。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第15号に該当しない。
3 むすび
以上のとおり、本件商標の登録は、商標法第4条第1項第11号及び同第15号のいずれにも違反してされたものではないから、同法第43条の3第4項の規定により、その登録を維持すべきものである。
よって、結論のとおり決定する。
別掲 別掲(引用商標2)


異議決定日 2016-10-13 
出願番号 商願2015-86721(T2015-86721) 
審決分類 T 1 652・ 263- Y (W11)
T 1 652・ 261- Y (W11)
T 1 652・ 271- Y (W11)
T 1 652・ 262- Y (W11)
最終処分 維持  
前審関与審査官 山田 忠司 
特許庁審判長 井出 英一郎
特許庁審判官 中束 としえ
山田 正樹
登録日 2016-03-04 
登録番号 商標登録第5831352号(T5831352) 
権利者 株式会社トーヨーキッチンスタイル
商標の称呼 アイズ 
代理人 廣瀬 光司 

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