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審決分類 |
審判 全部申立て 登録を維持 W36 審判 全部申立て 登録を維持 W36 審判 全部申立て 登録を維持 W36 |
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管理番号 | 1321436 |
異議申立番号 | 異議2016-900109 |
総通号数 | 204 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 商標決定公報 |
発行日 | 2016-12-22 |
種別 | 異議の決定 |
異議申立日 | 2016-05-02 |
確定日 | 2016-10-21 |
異議申立件数 | 1 |
事件の表示 | 登録第5823277号商標の商標登録に対する登録異議の申立てについて、次のとおり決定する。 |
結論 | 登録第5823277号商標の商標登録を維持する。 |
理由 |
1 本件商標 本件登録第5823277号商標(以下「本件商標」という。)は、「IIG」の文字を標準文字で表してなり、平成27年7月1日に登録出願、第36類に属する商標登録原簿に記載のとおりの役務(別掲1)を指定役務として、同28年1月19日に登録査定、同月29日に設定登録されたものである。 2 引用商標 登録異議申立人(以下「申立人」という。)が本件登録異議の申立てに引用する国際登録第1142992号商標(以下「引用商標」という。)は、別掲2のとおりの構成からなり、2012年5月2日にUnited Kingdomにおいてした商標登録出願に基づきパリ条約第4条による優先権を主張して、2012年(平成24年)10月24日に国際商標登録出願、第9類及び第36類に属する国際登録に基づく商標権に係る商標登録原簿に記載のとおりの商品及び役務(別掲3)を指定商品及び指定役務として、平成26年12月5日に設定登録され、現に有効に存続しているものである。 3 登録異議申立ての理由 (1)商標の類似について 本件商標は、その構成文字に相応して、「イーグ」又は「アイアイジー」の称呼を生じる。 これに対し、引用商標は、その構成文字に相応して、「イグ」又は「アイジー」の称呼を生じる。 そして、本件商標から生じる「イーグ」の称呼と引用商標から生じる「イグ」の称呼は、中間における長音の差異を有するにすぎないから、紛らわしいものである。 また、本件商標は、申立人を表示するものとして認識されている「IG」を含み、その前に識別力のない数字又は欧文字「I」を結合したにすぎないものであるから、両商標は、外観上紛らわしい。 さらに、引用商標は、申立人を想起させるものであり、本件商標は、引用商標と同一の文字を含むから、引用商標と同様、申立人を想起させるものである。 したがって、両商標は、観念において類似する。 よって、本件商標と引用商標は、称呼、外観及び観念において類似する商標である。 (2)役務の類似について 本件商標の指定役務と引用商標の指定役務は、同ー又は類似する。 (3)むすび 以上のとおり、本件商標の登録は、商標法第4条第1項第11号に違反してされたものであるから、取り消されるべきである。 4 当審の判断 (1)本件商標と引用商標との類否について ア 本件商標 本件商標は、前記1のとおり、「IIG」の文字を標準文字で表してなるところ、該文字は、同一の書体・大きさ・間隔で、外観上まとまりよく表されているものであるから、本件商標に接する取引者・需要者は、そのうちの「IG」の文字部分のみに印象付けられるとはいえず、欧文字の3文字を表示したものと認識するというべきである。 そして、本件商標は、我が国において親しまれた成語又は略語ではないから、構成全体をもって、一体不可分の造語を表したと認識され、少ない文字数の欧文字を称呼する場合は、アルファベット読みにした「アイアイジー」の称呼をもって、役務の取引に当たる場合が多いとみるのが相当である。 したがって、本件商標は、これから生じる自然の称呼は、「アイアイジー」であって、特定の観念を生じないものといえる。 イ 引用商標 引用商標は、別掲2のとおり、やや図案化した肉太の「IG」の文字がまとまりよく表されているものであるから、その構成全体の特異性をもって把握・認識されるといえ、また、引用商標は、本件商標と同様、我が国において親しまれた成語又は略語ではないから、少ない文字数の欧文字を称呼する場合は、アルファベット読みにした「アイジー」の称呼をもって、商品・役務の取引に当たる場合が多いとみるのが相当である。 したがって、引用商標は、これから生じる自然の称呼は、「アイジー」であって、特定の観念を生じないものといえる。 ウ 本件商標と引用商標との対比 (ア)外観 本件商標は、前記アのとおり、欧文字の3文字を標準文字で表したものであるのに対し、引用商標は、別掲のとおり、欧文字の2文字をやや図案化した肉太の文字で表したものであるから、その構成態様は、著しく異なるばかりでなく、いずれも簡潔な構成からなるものであるから、「I」の文字の有無の差異は、本件商標及び引用商標の指定役務の需要者が通常有する注意力をもってすれば、これらを互いに見誤るおそれはなく、このことは、両商標を時と所を異にして離隔的に観察した場合においても同様といえる。 したがって、本件商標と引用商標は、外観上相紛れるおそれはない。 (イ)称呼 本件商標から生じる「アイアイジー」の称呼と引用商標から生じる「アイジー」の称呼は、前者が6音、後者が4音からなるものであって、「アイ」の音の有無の差異を有するものである。そして、該差異音は、前者において、「アイアイ」と繰り返される音のうちの「アイ」であるところ、「ア」及び「イ」の音は、いずれも明瞭に発音され聴取される音であり、「アイアイ」と繰り返し称呼されるか否かは、比較的短い音構成からなる両称呼全体に及ぼす影響は大きいといえる。 そうすると、両称呼は、これらを一連に称呼した場合には、称呼全体の語調、語感が著しく相違したものとなるから、本件商標と引用商標は、称呼上、相紛れるおそれはない。 (ウ)観念 本件商標と引用商標は、いずれも特定の観念を生じないから、観念において比較するに至らず、観念上相紛れるおそれはない。 (エ)以上によれば、本件商標と引用商標は、外観、称呼及び観念のいずれにおいても、相紛れるおそれのない非類似の商標というべきである。 したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に該当しない。 (2)申立人の主張について ア 申立人は、本件商標から「イーグ」の称呼が生じ、引用商標から「イグ」の称呼が生じ、これらの称呼は、中間における長音の有無の差異にすぎないから、相紛らわしい旨主張する。 しかしながら、前記認定のとおり、本件商標及び引用商標から生じる自然の称呼は、「アイアイジー」及び「アイジー」であるというべきである。仮に本件商標を「イーグ」と称呼し、引用商標を「イグ」と称呼する場合があるとしても、両称呼における長音の有無の差異は、2音ないし3音といった極めて短い音構成からなる両称呼全体に及ぼす影響は決して小さいものとはいえず、これらを全体として称呼した場合においても、その語調、語感が著しく相違したものとなるから、両商標は、称呼上相紛れるおそれはない。 イ 申立人は、引用商標は、申立人を想起させるものであるから、「IG」を含む本件商標は、引用商標とは、外観及び観念において類似する旨主張する。 しかながら、前記認定のとおり、本件商標は、構成全体をもって、一種の造語を表したと認識されるものであり、その構成中の「IG」の文字部分のみが、その需要者に、役務の出所識別標識として強く支配的な印象を与えるものと認めることはできないばかりか、引用商標が、これより直ちに申立人を想起させる程度に我が国の需要者の間に広く認識されているに至ったと認めるに足りる証拠の提出はない。 ウ 小括 上記ア及びイのとおり、申立人の主張はいずれも採用できない。 (3)むすび 以上のとおり、本件商標の登録は、商標法第4条第1項第11号に違反してされたものではないから、同法第43条の3第4項の規定に基づき、維持すべきものである。 よって、結論のとおり決定する。 |
別掲 |
別掲1(本件商標の指定役務) 第36類 金融又は財務並びに投資に関する助言・計画の立案・調査,民間投資資金の管理,専門投資家に対する金融又は財務取引,民間投資資金の貸付け,機関投資家及び個人投資家に代わって行う財政投資,投資,資金の管理及びそれに関する助言,投資に関する助言,民間投資信託,投資の管理,財務管理,金融ポートフォリオの管理,資産の運用・保護及び管理,金融又は財務並びに投資の分野における情報の提供及び助言,第三者の投資家に代わって行う投資資金の管理及び個人のクライアントの口座管理,預金の受入れ,投資信託・企業への株式又は金銭の投資,プライベートエクイティファンドに係る投資,ヘッジファンドの管理,ヘッジファンド投資,資産融資に基づく貿易上及び商業上の資金の貸付け,売掛債権の貸付け,輸出前の資金の貸付け,営業倉庫を利用した担保付資金の貸付,ワラント債(新株引受権)による担保付資金の貸付け及び運転資金の貸付け,信用状に関する業務,輸出に関する資金の貸付け,取引株式による担保付資金の貸付け,貿易上の資金の貸付け,ローン担保証券による担保付資金の貸付け 別掲2(引用商標) 別掲3(引用商標の指定商品及び指定役務) 第9類 Computer software, computer hardware; computer apparatus; data carriers: electronic publications (downloadable) provided on-line from a computer database and/or the Internet; encoded magnetic cards, all relating to financial services, gambling and gaming services. 第36類 Financial consultancy; financial evaluation [insurance, banking, real estate], financial management; insurance services; information, advisory and consultancy services relating to aforesaid services; trading in financial instruments, financial products and derivatives; all the aforesaid services also provided on-line from a computer database and/or the Internet. |
異議決定日 | 2016-10-13 |
出願番号 | 商願2015-62367(T2015-62367) |
審決分類 |
T
1
651・
263-
Y
(W36)
T 1 651・ 261- Y (W36) T 1 651・ 262- Y (W36) |
最終処分 | 維持 |
前審関与審査官 | 渡邉 あおい |
特許庁審判長 |
大森 健司 |
特許庁審判官 |
土井 敬子 原田 信彦 |
登録日 | 2016-01-29 |
登録番号 | 商標登録第5823277号(T5823277) |
権利者 | ザ インターナショナル インベストメント グループ エル.エル.シー. |
商標の称呼 | アイアイジイ |
代理人 | 河村 英文 |
代理人 | 小川 護晃 |
代理人 | 高橋 菜穂恵 |
代理人 | 奥山 尚一 |
代理人 | 松島 鉄男 |
代理人 | 樺澤 襄 |
代理人 | 樺澤 聡 |
代理人 | 山田 哲也 |
代理人 | 有原 幸一 |