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審決分類 審判 一部申立て  登録を維持 W3541
審判 一部申立て  登録を維持 W3541
管理番号 1321435 
異議申立番号 異議2016-900096 
総通号数 204 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標決定公報 
発行日 2016-12-22 
種別 異議の決定 
異議申立日 2016-04-18 
確定日 2016-10-22 
異議申立件数
事件の表示 登録第5821241号商標の商標登録に対する登録異議の申立てについて、次のとおり決定する。 
結論 登録第5821241号商標の商標登録を維持する。
理由 1 本件商標
本件登録第5821241号商標(以下「本件商標」という。)は、「KRC」の文字を標準文字で表してなり、平成27年5月11日に登録出願、第35類「市場調査又は分析,土木・都市計画又は建築に関する市場調査・アンケート調査又は分析,経営の診断又は経営に関する助言,職業のあっせん,建築又は土木の技術者の派遣,建築物における来訪者の受付及び案内,求人情報の提供,広告業」、第41類「セミナーの企画・運営又は開催,土木・都市計画又は建築に関するセミナー及び講習会の企画・運営又は開催,技芸・スポーツ又は知識の教授,土木の教授,建築の教授,書籍の制作,パンフレットの制作,写真の撮影,電子出版物の提供,教育・文化・娯楽・スポーツ用ビデオの制作(映画・放送番組・広告用のものを除く。)」のほか、第37類及び第42類に属する商標登録原簿に記載の役務を指定役務として、同年12月24日に登録査定され、同28年1月22日に設定登録されたものである。

2 登録異議の申立ての理由
登録異議申立人(以下「申立人」という。)は、本件商標はその指定役務中、第35類「市場調査又は分析,土木・都市計画又は建築に関する市場調査・アンケート調査又は分析,経営の診断又は経営に関する助言,職業のあっせん,建築又は土木の技術者の派遣,建築物における来訪者の受付及び案内,求人情報の提供,広告業」及び第41類「セミナーの企画・運営又は開催,土木・都市計画又は建築に関するセミナー及び講習会の企画・運営又は開催,技芸・スポーツ又は知識の教授,土木の教授,建築の教授,書籍の制作,パンフレットの制作,写真の撮影,電子出版物の提供,教育・文化・娯楽・スポーツ用ビデオの制作(映画・放送番組・広告用のものを除く。)」について、商標法第4条第1項第10号及び同項第15号に該当するものであるから、その登録は同法第43条の2第1号により取り消されるべきものであるとして、その理由を要旨次のように述べ、証拠方法として甲第1号証ないし甲第19号証を提出した。
(1)商標法第4条第1項第10号について
ア 申立人が使用する商標
申立人が、本件商標の出願日前から使用している「KRC」の文字からなる商標及び別掲のとおりの構成からなる商標(以下、前者を「使用商標1」、後者を「使用商標2」といい、両者をあわせて「使用商標」という。)は、申立人の「保険に関する役務の提供促進のための企画及び運営、損害保険などの代理店経営に係る情報の提供、保険会社に関する企業情報の提供、保険会社の経営に関する情報の提供、保険代理店に対する経営の指導、不動産・金融・保険・年金・税務に基づいた生活設計に関するセミナーの企画・運営・開催、保険業務知識研修会の企画・運営・開催」の業務(以下「申立人業務」という。)に使用するものである。
イ 申立人について
申立人は、平成14年4月に九州リスクマネジメント株式会社として設立され、損害保険代理事業及び生命保険募集業務を主な事業内容として事業活動を継続的に行っている法人である。なお、平成17年12月に会社名称変更を行い、現在の名称となった。
申立人は、保険代理事業に伴い、申立人業務について使用商標を平成14年頃から使用している。申立人は、継続的に事業を行いながら順調に業績を伸ばし、売上高、支社数、従業員数を増やして業務規模を拡大させ、平成28年1月時点において従業員数は530名に達し、支社店舗は九州地区を中心に全国各地に、平成28年4月末時点において92店舗に至っており、申立人の保険代理事業による売上高は、平成28年3月末時点にて、約39億円に到達している(甲2?甲5)。また、申立人が取り扱う取扱保険会社の数は、損害保険会社18社、生命保険会社17社、共済1社及び少額短期保険8社であり、国内外を問わず、多数の保険会社の保険商品の取り扱いを行っている(甲2)。更に、各支社では、1つの支社につき、最低1店?5店以上の保険代理店を管理しており、本社、支社及び代理店を介して、全国各地に広範囲な事業のネットワークを構築している。
ウ 使用商標の周知著名性について
本号にいう周知性とは、「最終消費者まで広く認識されている商標のみならず、取引者の間に広く認識されている商標を含み、また、全国的に認識されている商標のみならず、ある一地方で広く認識されている商標をも含む。」と解されている(商標審査基準)。
かかる観点を踏まえ、提出する証拠を元に、使用商標が申立人の業務に係る役務を表示するものとして周知著名なものであることを説明する。
上記イのとおり、申立人は、使用商標を使用しながら長年継続して事業を行い、設立当初より着実に事業規模を拡大してきたものである。以下、本社及び各支社での具体的な業務への使用商標の使用実績を述べる。
(ア)各支社では、保険会社が提供する保険商品に関する情報を顧客に提供するが、この際、保険商品パンフレット(甲6)を店舗に設置して顧客向けに配布を行っている。これには、保険会社の表記とは別途、商品情報の問い合わせ先として、裏表紙に、各支店の店舗名称、住所、電話番号、FAX番号を記載しており、使用商標1の「KRC」の文字が、前後にスペースを開けたり、フォントを変えたりして、「KRC」の文字を明確に認識しうる態様で表示されている。提出した資料の他にも全92店舗の支社や、その管理下にある代理店で同様の保険商品パンフレットの配布を行っているが、その全てを提出することは枚挙に暇がないため、提出を省略している。なお、申立人が国内外問わず、多数の保険会社の保険商品を取り扱っている点は既に述べたとおりである。
このように、申立人は、使用商標1を保険商品パンフレットに付して配布することで、顧客に対して使用商標1を、申立人の「保険会社に関する企業情報の提供」の業務に係るものとして広めてきた実績が存在する。
なお、保険商品パンフレットへの使用商標1の使用は、「保険会社に関する企業情報の提供」の業務に係るものであり、類似群コードで言えば「35B01」が付与されて、この役務の範囲において本件商標の指定役務と重複するものである。
(イ)保険に関するセミナーについて
申立人は、保険代理店及び保険代理店としての加入を検討している事業者に対して、保険に関する役務の提供促進や、保険代理店の代理店経営に係る情報の提供を主としたセミナーの運営や企画及び開催の業務を行っており、これについて継続的に使用商標を使用している(甲7、甲8)。
平成20年以降、申立人による保険代理店業務の推進に関するセミナーは、毎年開催されており、開催地は九州各県のみならず、岐阜、広島、愛媛、大阪、愛知等、全国各地で行われた実績がある。セミナー開催の案内資料は、セミナーの開催前に各地の代理店登録者に向けて、約200枚がダイレクトメールで発送される。
このように、申立人にかかる使用商標1は、保険代理店の業界において、申立人の業務に係るものとして、継続的に広められてきたものとなっている。
また、他社主催のセミナーにおいて、申立人の代表者が講演を行うケースもあり、このような講演を行うことで、申立人の業務に係る名称として使用商標1が保険代理店業界において広まっている事実が確認できる。この点を示す資料としてブログ記事を提出する(甲14)。
(ウ)申立人の周知性を示す資料として、googleやYahoo!JAPAN等の検索エンジンにおいて、「KRC」の文字表記(使用商標1)を検索した結果を提出する(甲15)。いずれの検索エンジンにおいても、960万件以上の検索件数の中で、最初のトップページに表示される検索結果の10件中の上位9件に、申立人の本社及び支社の会社ホームページがヒットして掲載されるものとなっている。検索語のページには、使用商標1と共に「総合保険代理店」の表記が確認される。このように検索エンジンにおける結果によっても、使用商標1が申立人の業務を示すものとしてインターネット上で定着している事実を確認することができる。
(エ)申立人の本社及び各支社では、一般顧客に向けて、広告やアンケートを作成して配布している(甲9)。これらには、申立人の名称、業務内容などと共に、使用商標が明記されている。一部の支社の広告等を提出しているが、その他の支社においても同様に広告やアンケートを使用している実績が存在する。
(オ)申立人の本社及び各支社では、店舗の店頭に使用商標を含む看板を掲げて営業を行っている(甲19)。店舗の中には、屋外から容易に使用商標が確認できるように大型の看板を掲げて営業を行っている所もあり、目につきやすい態様での使用が行われている。
(カ)申立人は、保険に係る業務についての顧客や保険会社等の外部に向けて郵送する書類等についても、長年、使用商標を使用しており(甲10?甲12)、これらの書類等は、日常的に大量に使用されているものであり、これまでの使用期間と支社の店舗数を考慮すると、膨大な量の書類等が顧客や保険会社に配布され、その中で使用商標が、申立人の保険に関する業務に係るものとして、多数の人の目に触れてきた実績があることが明らかである。
(キ)申立人は顧客向けに、タオルやボールペン、メモ帳、証券ホルダー、マグネット、カレンダー、クリアファイル等の販促物の作成、配布を行っている(甲13)。これらには、いずれも使用商標が付されており、保険商品の説明の際や、店舗来店時、書類の送付時等に、手渡しや郵送で配布されるものとなっている。販促物の種類や配布する数は支社によって異なるが、定期的に補充され、継続的に配布がなされているため、販促物によっても、使用商標の周知性が高められている。
(ク)申立人の保険商品の販売実績が年々順調に増加している点は既に述べたが、これに伴い、保険会社から業績を認められて表彰状を受領している実績が存在する(甲16)。多くの保険代理店が存在する中で、申立人が継続的に実績を伸ばし、保険会社に対しても「KRC」なる使用商標1の文字が申立人を示すものとして、充分に認識されるに至っていることを示している。
(ケ)申立人はスポーツイベントへの協賛や、地域行事への参加を通じた広報活動にも注力しており、その活動の中で、使用商標の認知度を向上させてきた(甲17)。申立人の支社の存在する地域に密着した公報活動を通して、使用商標の認知度を高めてきた。
(コ)申立人は、支社のある地域の新聞や会報誌等にも広告を掲載しており、広告中で使用商標を使用している(甲18)。支社のある地域の媒体を介しても宣伝広告活動を行っており、使用商標の認知度を高めてきた。
(サ)以上のように、申立人は、保険代理事業や、これに伴う申立人業務を行い、その業務活動の中で使用商標の表示を用いた営業活動、宣伝広告活動を継続的かつ広範囲に行っており、これを見た需要者層に対して、申立人にかかる使用商標の印象を強く与えている。よって、使用商標が周知商標であることは疑いのない事実である。
エ 商標の類似
本件商標は「KRC」を標準文字で表してなるものである。一方、使用商標1は「KRC」のアルファベット3文字で構成されており、本件商標と同一の文字となっている。したがって、本件商標と使用商標1は同一又は類似の関係にあるものである。
また、使用商標2は、そのほぼ中央の「KRC」の文字を独立して看取しうる商標である。この「KRC」の文字部分に着目した場合、同部分が本件商標と同一の文字となっており、両商標は、称呼及び外観において類似している。したがって、本件商標と使用商標2は同一又は類似の関係にあるものである。
オ 商品・役務の類似
本件商標の指定役務中「第35類 市場調査又は分析,土木・都市計画又は建築に関する市場調査・アンケート調査又は分析,経営の診断又は経営に関する助言」及び「第41類 セミナーの企画・運営又は開催,土木・都市計画又は建築に関するセミナー及び講習会の企画・運営又は開催」は、使用商標が使用される申立人業務に係る役務と、同一又は類似の関係にあるものである。
カ 小括
以上のとおり、申立人が本件商標の出願日より前から使用している使用商標は、申立人業務に係る役務を表示するものとして需要者の間に広く認識されている商標である。また、本件商標と使用商標は同一又は類似の関係にあり、本件商標の指定役務は使用商標に係る役務と同一又は類似の関係にあるものである。
したがって、本件商標は商標法第4条第1項第10号に該当するものである。
(2)商標法第4条第1項第15号について
上記(1)のとおり、本件商標は商標法第4条第1項第10号に該当するものと考えられるが、使用商標が申立人に係る業務を表示するものとして周知著名なものであることから、本件商標は、他人の業務に係る商品又は役務と混同を生ずるおそれがある商標に該当するものと考えられる。
以下、商標法第4条第1項第15号に該当する点について説明する。
ア 使用商標の周知著名性について
使用商標が申立人の業務に係る役務を表示するものとして需要者の間に広く認識されている商標であることは、既に述べたとおりである。
イ 本件商標と使用商標の間に混同が生じるかについて
まず、本件商標は使用商標1と同一の商標であり、また、使用商標2についても「KRC」の文字部分に着目した場合、同部分が本件商標と同一の文字となっており、本件商標と使用商標2は称呼及び外観上類似しており、本件商標をその指定役務「第35類 市場調査又は分析,土木・都市計画又は建築に関する市場調査・アンケート調査又は分析,経営の診断又は経営に関する助言」及び「第41類 セミナーの企画・運営又は開催,土木・都市計画又は建築に関するセミナー及び講習会の企画・運営又は開催」に使用すれば、使用商標を連想し、想起するものということはできる。
上述したとおり、申立人による継続的な事業活動と、事業の拡大に伴い申立人の業務に係るものとして使用商標を使用して周知著名性を獲得してきた取引の実情に照らし、本件商標の指定役務の取引者及び需要者において普通に払われる注意力を基準として総合的に判断した場合、本件商標に接した取引者・需要者は、本件商標の商標権者と申立人とが、何等かの関係がある者の業務に係る役務であるかのごとく、役務の出所について混同を生ずるおそれがあることは明白である。
ウ 小括
よって、本件商標は商標法第4条第1項第15号に該当するものである。
(3)結び
以上のとおり、本件商標は、商標法第4条第1項第10号及び同項第15号に該当するものであるから、同法第43条の2第1号により、取り消されるべきものである。

3 当審の判断
(1)使用商標の周知性について
ア 申立人提出の甲各号証、同人の主張及び職権調査(インターネット検索など)によれば、次の事実を認めることができる。
(ア)申立人は、平成14年4月に設立され、平成17年12月に現在の名称に名称変更した株式会社であり、損害保険代理事業及び生命保険募集業務を主な事業内容とし、平成28年5月現在、東北地方から九州地方に92の支社を有している(甲2、甲3)。
(イ)申立人が取り扱う取扱保険会社は、平成28年1月現在、損害保険会社18社、生命保険会社17社、共済1社及び少額短期保険8社である(甲2)。
(ウ)申立人は、同人の業務について「KRC」の文字からなる商標(使用商標1)及び別掲のとおりの構成からなる商標(使用商標2)を、保険商品パンフレット、セミナーの案内、各種書類、封筒、販促物等に表示するなどして、遅くとも平成20年頃から現在まで継続して使用していることが推認できる(甲7、甲10ほか)。
また、申立人は、新聞及び地域行事の開催要領などに使用商標とともに自社の広告を掲載したほか、使用商標を支店の看板に表示していた(甲17?甲19)。
イ 上記アの事実からすれば、申立人は、いわゆる保険代理店業務及び同業務に関連するセミナーについて、遅くとも平成20年頃から現在まで継続して使用商標を使用していたことが認められる。
しかしながら、「保険に関する役務の提供促進のための企画及び運営」などの申立人業務に係る売上額、情報の提供件数、セミナー受講者数など事業実績を示す証左は見いだせないから、使用商標は、本件商標の登録出願の日前ないし登録査定時において、他人(申立人)の業務に係る役務(申立人業務)であることを表示するものとして需要者の間に広く認識されているものと認めることはできない。
なお、いわゆる保険代理店業務についても、その契約件数を示す証左や申立人業務に係る事業実績は見いだせないし、かつ、仮に申立人が主張する保険代理事業による売上高(甲4)が事実であるとしても、その額(本件商標の登録出願前である平成26年度以前のもの)が使用商標の周知性を基礎付けるに十分な額と認めるに足る事情も見いだせないから、使用商標は、本件商標の登録出願の日前ないし登録査定時において、申立人の業務に係る役務(保険代理店業務)であることを表示するものとしても、需要者の間に広く認識されているものと認めることはできない。
(2)商標法第4条第1項第10号及び同項第15号について
使用商標は、上記(1)のとおり本件商標の登録出願の日前ないし登録査定時において、申立人の業務に係る役務であることを表示するものとして需要者の間に広く認識されているものと認めることはできないものである。
そうすると、本件商標と使用商標とが類似するとしても、本件商標は、これに接する取引者、需要者が、使用商標を連想又は想起するものということはできない。
してみれば、本件商標は、商標権者がこれを本件登録異議の申立てに係る指定役務について使用しても、取引者、需要者をして使用商標を連想又は想起させることはなく、その役務が他人(申立人)あるいは同人と経済的若しくは組織的に何らかの関係を有する者の業務に係るものであるかのように、その役務の出所について混同を生ずるおそれはないものというべきである。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第10号及び同項第15号に該当するものといえない。
(3)むすび
以上のとおり、本件商標の登録は、商標法第4条第1項第10号及び同項第15号のいずれにも違反してされたものとはいえないから、同法第43条の3第4項の規定により、維持すべきである。
よって、結論のとおり決定する。
別掲 別掲(使用商標2)



異議決定日 2016-10-14 
出願番号 商願2015-43943(T2015-43943) 
審決分類 T 1 652・ 271- Y (W3541)
T 1 652・ 25- Y (W3541)
最終処分 維持 
前審関与審査官 飯田 亜紀 
特許庁審判長 今田 三男
特許庁審判官 田中 幸一
小松 里美
登録日 2016-01-22 
登録番号 商標登録第5821241号(T5821241) 
権利者 株式会社KRC
商標の称呼 ケイアアルシイ 
代理人 有吉 修一朗 
代理人 筒井 宣圭 
代理人 小林 庸悟 
代理人 森田 靖之 
代理人 遠藤 聡子 
代理人 梶原 圭太 
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