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審決分類 審判 全部申立て  登録を維持 W18
審判 全部申立て  登録を維持 W18
審判 全部申立て  登録を維持 W18
管理番号 1321428 
異議申立番号 異議2016-900034 
総通号数 204 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標決定公報 
発行日 2016-12-22 
種別 異議の決定 
異議申立日 2016-02-12 
確定日 2016-10-22 
異議申立件数
事件の表示 登録第5805284号商標の商標登録に対する登録異議の申立てについて,次のとおり決定する。 
結論 登録第5805284号商標の商標登録を維持する。
理由 第1 本件商標
本件登録第5805284号商標(以下「本件商標」という。)は,「RED KAP」の欧文字を横書きした構成からなり,平成27年4月10日に登録出願され,第18類「皮革製包装用容器,愛玩動物用被服類,かばん類,袋物,携帯用化粧道具入れ,傘,ステッキ,つえ」を指定商品として,同年10月5日に登録査定,同年11月13日に設定登録されたものである。

第2 引用商標
登録異議申立人(以下「申立人」という。)が引用する登録商標は,以下のとおりである。
申立人が引用する登録第4727039号商標(以下「引用商標1」という。)は,「RED KAP」の欧文字を横書きした構成からなり,平成15年4月2日に登録出願され,第25類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として,同年11月14日に設定登録されたものである。
同じく,登録第4727040号商標(以下「引用商標2」という。)は,別掲(1)のとおり,「RED KAP」の欧文字及び図形を組み合わせた構成からなり,平成15年4月2日に登録出願され,第25類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として,同年11月14日に設定登録されたものである。
同じく,登録第5611706号商標(以下「引用商標3」という。)は,別掲(2)のとおり,「RED KAP」の欧文字及び図形を組み合わせた構成からなり,2013年4月18日にアメリカ合衆国においてした商標登録出願に基づきパリ条約第4条による優先権を主張し,平成25年5月16日に登録出願され,第25類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として,同年8月30日に設定登録されたものである。
以下,上記引用商標1ないし引用商標3をまとめていうときは「引用商標」という。

第3 登録異議の申立ての理由
申立人は,本件商標は商標法第4条第1項第15号,同項第19号及び同項第7号に該当し,商標登録を受けることができないものであるから,商標法第43条の2第1号の規定により取り消されるべきものである旨申立て,その理由を要旨以下のように述べ,証拠方法として甲第1号証ないし甲第34号証(枝番号を含む。)を提出した。
1 商標法第4条第1項第15号について
本件商標は,我が国において「被服」の出所を表示する申立人の商標として広く認識されている引用商標と同一又は類似であるから,少なくともその指定商品中「かばん類,袋物,携帯用化粧道具入れ,傘」などのいわゆるファッションアイテムの範疇に属する商品について使用した場合には,商品の出所について混同を生ずるおそれがある。
2 商標法第4条第1項第19号について
本件商標は,米国又は我が国において「被服」の出所を表示する申立人の商標として広く認識されている引用商標と同一又は類似であって,高額で買い取らせたり,申立人の国内参入を阻止するか,あるいは国内代理店契約を強制したり,または,出所表示機能を希釈化させたり,その名声を毀損させる等の目的で,先取り的に出願されたものである。
3 商標法第4条第1項第7号について
本件商標は,造語である「RED KAP」からなる又はこれを含む引用商標と同一又は類似であり,しかも,申立人が引用商標を我が国において第18類の商品について登録していないことを奇貨として,申立人の我が国市場への参入を阻止するか,または,申立人に法外な対価にて高く買い取らせるなどの目的で先取的に出願し権利化を図ったものと容易に推認できるものであるから,明らかに剽窃的な出願であり,公序良俗に反するものである。

第4 当審の判断
1 引用商標の周知著名性について
申立人が提出した証拠及びその主張によれば,「RED KAP」は,1923年,テネシー州ナッシュビル出身の二人の兄弟と従兄弟が,オーバーオールを製造・販売する会社として創業されたものであり,以来,現在も米国の作業着メーカーとして各分野において採用されているとされているものであり,現在,米国及び我が国において引用商標に係る被服が取り扱われていることを認めることができる(甲5,甲10?甲16,甲21?甲27等)。
しかしながら,我が国においては,マジェスティック・ジャパンが頒布したとする2013年から2015年の春・夏版及び秋・冬版のカタログ(甲10?甲15)並びにそのウェブサイト(甲16,甲28?甲30)によれば,2012年頃から,引用商標を使用したズボン,ジャケット,シャツ,帽子などの販売が開始されたこと,それらがいくつかの雑誌に掲載されたこと及び申立人が様々な国に引用商標に係る商標登録を行っていることを認めることができるが,マジェスティック・ジャパンが我が国において頒布したとするカタログ(甲10?甲15)について,その頒布方法,頒布先等は不明であり,雑誌に掲載された具体的な内容は確認できない。
また,申立人は,引用商標に係るブランドの売上高について,全世界における過去5年間は年間220億円?320億円であり,宣伝広告費も,年間約1.5億円?3億円に上り,我が国における2015年の売上高は,1.4億円である旨を述べるにとどまるものであり,その他,引用商標を使用した被服について,我が国及び米国において,本件商標の登録出願日前から,各種メディア等を通じて広く宣伝広告がされた事実を具体的に明らかにする証拠はなく(なお,2000年から米国におけるウェブサイトに引用商標が掲載されていることは確認することができる(甲21?甲27)。),引用商標を使用した商品の事業規模や市場占有率も明らかでない。
そして,引用商標に係る売上額は,上記のとおり確認することはできないが,申立人が主張するとおり,全世界合計で年間で220億円?320億円であるとしても,当該額が世界のアパレルブランドの市場規模においては,決して大きな額ということはできない。
してみると,申立人の提出した証拠をもってしては,引用商標が,申立人の業務に係る商品「被服」を表示するものとして,本件商標の登録出願日前から,米国及び我が国の需要者の間に広く認識されていたものと認めることはできない。
2 商標法第4条第1項第15号及び同項第19号該当性について
引用商標は,上記1のとおり,本件商標の登録出願の時及び登録査定時において,米国及び我が国における取引者,需要者の間で広く認識されて著名になっていたと認めることはできないものである。
そうすると,本件商標と引用商標における構成文字が同一であることにより,両者が同一又は類似するものであるとしても,本件商標をその指定商品に使用した場合,これに接する取引者,需要者が,該商品が申立人又は同人と経済的若しくは組織的に何らかの関係を有する者の業務に係る商品であるかのように誤認することはなく,その出所について混同を生じるおそれはないというべきであり,また,申立人の提出に係る証拠からは,商標権者が不正の目的をもって本件商標を出願し,登録を受けていると認めるに足る具体的事実を見いだすことができない。
したがって,本件商標は,商標法第4条第1項第15号及び同項第19号に該当しない。
なお,申立人は,最近のインターネット等の通信環境及び通信端末の急速な普及により,外国ブランドや外国における人気商品などを日本国内からでも誰でも容易に検索でき,また,必要な情報も瞬時に入手できる環境が整っていることにより,商標権者は,本件商標の登録出願前に,引用商標と同一商標の存在を容易に知り得る状況にあったことから,本件商標は,不正の目的をもって登録出願されたものである旨主張している。
しかし,申立人の提出にかかる証拠から,引用商標が本件商標の登録出願前から米国又は我が国の需要者の間に広く認識されていたものとはいうことはできず,他にこれを認めるに足る証拠はない。また,不正の目的をもって使用する商標というためには,インターネット等により知っていたというだけでは足りないというべきであり,本件において,商標権者が業務上の関係等により知り得た引用商標を剽窃し,不正の利益を得るなどの目的をもって登録出願したことを,具体的に認めることができる事情は見あたらず,本件商標の登録出願の経緯に著しい社会的妥当性を欠くものと認めることはできない。
よって,申立人の上記主張は採用できない。
3 商標法第4条第1項第7号該当性について
(1)商標法第4条第1項第7号でいう「公の秩序又は善良の風俗を害するおそれがある商標」には,(a)その構成自体が非道徳的,卑わい,差別的,矯激若しくは他人に不快な印象を与えるような文字又は図形である場合,(b)当該商標の構成自体がそのようなものでなくとも,指定商品又は指定役務について使用することが社会公共の利益に反し,社会の一般的道徳観念に反する場合,(c)他の法律によって,当該商標の使用等が禁止されている場合,(d)特定の国若しくはその国民を侮辱し,又は一般に国際信義に反する場合,(e)当該商標の登録出願の経緯に社会的相当性を欠くものがあり,登録を認めることが商標法の予定する秩序に反するものとして到底容認し得ないような場合,などが含まれるというべきである(知財高裁 平成17年(行ケ)第10349号 平成18年9月20日判決)。
(2)これを本件についてみると,本件商標は,「RED KAP」の文字により構成されているものであるから,前記(a)に該当しないことは明らかであり,(b)ないし(d)に該当するものとすべき事情も見あたらない。
そして,申立人は,「本件商標と引用商標は,偶然の一致とは到底認め難いものであり,むしろ,申立人が我が国において第18類の商品について商標登録を取得していないことを奇貨として,申立人の我が国市場への参入を阻止するか,または申立人に法外な対価にて高く買い取らせるなどの不正な目的で出願し権利化を図ったものと容易に推認できるものであるから,明らかに剽窃的な出願であり,公序良俗に反するものである。」旨主張しているが,引用商標は,上述のとおり,申立人の業務に係る商品を表示するものとして,我が国の需要者の間に広く認識されていたものということができない。また,申立人が提出した全証拠を勘案しても,本件商標が剽窃的に出願されたものであり,高額で買い取らせる等の目的など,本件商標の登録出願の経緯に社会的相当性を欠く,又は本件商標をその指定商品について使用することが,社会公共の利益に反し,社会の一般的道徳観念に反するものとすべき具体的事情等を見いだすことができない。
その他,本件商標が公序良俗に反するものというべき事情も見いだせない。
したがって,本件商標は,商標法第4条第1項第7号に該当しない。
4 まとめ
以上のとおり,本件商標は,商標法第4条第1項第15号,同項第19号及び同項第7号に該当するとは認められないから,同法第43条の3第4項に基づき,その登録を維持すべきである。
別掲 別掲(1) 引用商標2 (色彩は原本参照)


別掲(2) 引用商標3




異議決定日 2016-10-07 
出願番号 商願2015-40002(T2015-40002) 
審決分類 T 1 651・ 271- Y (W18)
T 1 651・ 222- Y (W18)
T 1 651・ 22- Y (W18)
最終処分 維持 
前審関与審査官 板谷 玲子小松 里美 
特許庁審判長 早川 文宏
特許庁審判官 小林 裕子
堀内 仁子
登録日 2015-11-13 
登録番号 商標登録第5805284号(T5805284) 
権利者 大泉 信一
商標の称呼 レッドカップ、カップ、ケイエイピイ 
代理人 中川 拓 
代理人 宮城 和浩 
代理人 和田 阿佐子 
代理人 新井 悟 
代理人 特許業務法人RIN IP Partners 
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