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審決分類 審判 一部申立て  登録を維持 W12
審判 一部申立て  登録を維持 W12
審判 一部申立て  登録を維持 W12
審判 一部申立て  登録を維持 W12
管理番号 1320407 
異議申立番号 異議2016-900058 
総通号数 203 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標決定公報 
発行日 2016-11-25 
種別 異議の決定 
異議申立日 2016-03-09 
確定日 2016-09-24 
異議申立件数
事件の表示 登録第5809991号商標の商標登録に対する登録異議の申立てについて、次のとおり決定する。 
結論 登録第5809991号商標の商標登録を維持する。
理由 1 本件商標
本件登録第5809991号商標(以下「本件商標」という。)は、「LAND WALKER」の文字を標準文字で表してなり、平成27年4月30日に登録出願、第12類「車いす,自動車並びにその部品及び附属品,二輪自動車・自転車並びにそれらの部品及び附属品,乳母車,人力車,そり,手押し車,荷車,馬車,リヤカー」を指定商品として、同年10月13日に登録査定され、同年12月4日に設定登録されたものである。

2 引用商標
登録異議申立人(以下「申立人」という。)が引用する商標は次の10件(以下、それらをまとめて「引用商標」という。)であり、いずれの商標権も現に有効に存続しているものである。
(1)登録第1371800号商標(以下「引用商標1」という。)
商標の態様 別掲1のとおり
指定商品 第12類に属する商標登録原簿に記載の商品
出願日 昭和46年6月28日
設定登録日 昭和54年2月22日
(2)登録第1371801号商標(以下「引用商標2」という。)
商標の態様 別掲2のとおり
指定商品 第12類に属する商標登録原簿に記載の商品
出願日 昭和46年6月28日
設定登録日 昭和54年2月22日
(3)登録第4078003号商標(以下「引用商標3」という。)
商標の態様 LAND ROVER
指定商品 第9類に属する商標登録原簿に記載の商品
出願日 平成8年5月10日
設定登録日 平成9年10月31日
(4)登録第4085102号商標(以下「引用商標4」という。)
商標の態様 別掲3のとおり
指定商品 第12類に属する商標登録原簿に記載の商品
出願日 平成8年5月9日
設定登録日 平成9年11月21日
(5)登録第4085104号商標(以下「引用商標5」という。)
商標の態様 LAND ROVER
指定商品 第12類に属する商標登録原簿に記載の商品
出願日 平成8年5月10日
設定登録日 平成9年11月21日
(6)登録第4263666号商標(以下「引用商標6」という。)
商標の態様 LAND ROVER
指定商品 第22類に属する商標登録原簿に記載の商品
出願日 平成8年5月10日
設定登録日 平成11年4月16日
(7)登録第4675541号商標(以下「引用商標7」という。)
商標の態様 LAND ROVER(標準文字)
指定商品 第12類に属する商標登録原簿に記載の商品
出願日 平成13年12月13日
設定登録日 平成15年5月23日
(8)登録第4690660号商標(以下「引用商標8」という。)
商標の態様 LAND ROVER
指定商品 第6類に属する商標登録原簿に記載の商品
出願日 平成8年5月10日
設定登録日 平成15年7月11日
(9)登録第4738641号商標(以下「引用商標9」という。)
商標の態様 別掲3のとおり
指定商品 第6類に属する商標登録原簿に記載の商品
出願日 平成8年5月9日
設定登録日 平成16年1月9日
(10)登録第5080366号商標(以下「引用商標10」という。)
商標の態様 別掲4のとおり
指定商品 第12類に属する商標登録原簿に記載の商品
出願日 平成19年1月9日
設定登録日 平成19年9月28日

3 登録異議の申立ての理由
申立人は、本件商標はその指定商品中、第12類「自動車並びにその部品及び附属品」について、商標法第4条第1項第11号及び同項第15号に該当し、その登録は同法第43条の2第1号により取り消されるべきものであるとして、その理由を要旨次のように述べ、証拠方法として甲第1号証ないし甲第17号証を提出した。
(1)具体的理由
ア 「Land Rover(ランド・ローバー)」の著名性について
「Land Rover」(以下「ランド・ローバー」という。)は、英国のRover Co.(以下「ローバー社」という。)によって、昭和23年(1948年)に最初に製造されたオフロード向け車両の名称である(甲12)。当時、ローバー社のオフロード車両を専門とする部門で製造が開始されたものである。ランド・ローバーは、第二次世界大戦中に使用された米国のジープにならって作られた四輪駆動車(4WD)であり、特に、最初に製造された同車は、農夫たちがその土地(land)をどこまでもくまなく進む(rove)ことができる、廉価で頑丈な乗り物を意図して設計され、販売開始から1年弱で同社の乗用車の売上を追い越すほどのヒット商品となった(甲13、甲14)。
すなわち、ランド・ローバーは、4WDといえば軍用車両が常識であった時代に、これを民生用として改良、製造されたものであって、その後、多用途の4WDとして「Land Rover SERIES I」などが発売された(甲15)。特に、国際的な評価を得た数少ない英国人カー・デザイナーであるDavid Bacheによって設計された「Land Rover 88-inch Hard Top」は、質実剛健の機能美の傑作といわれ、極めて高く評価されている(甲14)。
そして「Land Rover」は、その当時より引用商標1、2又は4にあるように、「Land」の文字をやや左上に、「Rover」をやや右下にそれぞれ配し、各文字が独立して看取されるような独特の図案化を施したエンブレムが長年に渡って採択されてきたものであり、取引者、需要者にとっても馴染み深いものとなっている。
現在、ランド・ローバーは、「Range Rover」を筆頭に、6つのラインで構成されており、その販売単価は、日本円にして千数百万円を下らず、4WDとしては異例の高級車として、取引者・需要者の間で認識されている。平成25年(2013年)の世界販売台数は348,338台であり、販売単価を考慮すると、その人気の高さを十分に窺い知ることができる。インターネット上でも、「・・・ランドといえばこのカラー。ディスカバリーといえばこの顔、この形でした。・・・」といったように、申立人のランド・ローバーを単に「ランド」と略称しているのが確認される(甲16)。
ランド・ローバーの日本国での周知著名性は、特許庁の登録実務においても認定されている(甲17)。
以上のとおり、ランド・ローバーは、日本国において、本件商標の出願時には、四輪駆動乗用車の名称として取引者及び需要者の間で広く知られた周知著名性を獲得していたものであり、現在も、その周知著名性は継続されている。
なお、ローバー社は、数度の変遷を経て経営母体が変わり、現在は申立人がこれを経営管理している。
イ 本件商標と引用商標の類否について
(ア)称呼について
本件商標は「LAND」と「WALKER」の欧文字を標準文字にて表してなるところ、構成文字に相応して「ランドウォーカー」の称呼が生ずるものである。
これに対して、引用商標は、いずれも「LAND ROVER」の欧文字からなる商標であり、商標全体として「ランドローバー」の称呼が生じる。
そこで、本件商標より生ずる「ランドウォーカー」と引用商標より生ずる「ランドローバー」の称呼とを比較するに、両者の差異は、わずかに中間音から語尾にかけて「ウォ」と「ロ」、「カ」と「バ」にあるが、中間音や語尾音は他の音の比べて明確さを欠く発声を以って発音されるのが通例であり、しかも「ウォ」と「ロ」、「カ」と「バ」はそれぞれ「ー(長音)」を伴う関係で柔らかに発音される弱い音となって、明確に聴取し難く、その差異は一層薄れがちとなる。
むしろ、両称呼は、称呼の識別上重要な要素を占める語頭部において「ランド」の音を共通にしており、しかもこれらの音は印象の薄い上記差異音とは異なって明瞭に強く発音されるので、両者をそれぞれ一連に称呼するときは、その語調、語感が極めて近似したものとなり、互いに聞き誤るおそれがある。
(イ)観念について
引用商標に係る「LAND ROVER」は、既述のとおり、申立人の業務に係る自動車「ランド・ローバー」として我が国において広く馴染まれて知られているので、「(著名ブランドとしての)ランド・ローバー」の観念を生じるものである。そして、引用商標1、2又は4等において、「LAND」の文字が外観上、特徴的な部分として看取される場合があることや、ランド・ローバーを単に「ランド」と略称される場合がある(甲16)ことからすれば、「LAND」(ランド)それ単体でランド・ローバーを想起させる場合も少なくない。
これに対して、本件商標を構成する「LAND WALKER」の文字は、これに相当する既成の語はないが、申立人のランド・ローバーを除けば、「land(LAND)」は、日本国では、自動車に関連するものとして一般に多く用いられている語ではないため、自動車について「land(LAND)」の欧文字を顕著に有する本件商標に接した場合、取引者及び需要者にあっては、「land(LAND)」の部分が強く印象付けられて、これに接する需要者・取引者の注意を特に強く惹き、「ランド・ローバー」を容易に想起させると考えられる。
(ウ)外観について
本件商標と引用商標は、その構成する文字において最も注意を惹く前半部の「LAND」において共通しており、わずかに後半部において別の文字が用いられているものの、外観の全体より受ける印象・連想は近似したものとなっている。
(エ)まとめ
そこで、異なる時間・場所を想定した隔離観察を行った場合、本件商標と引用商標は、称呼上・観念上のみならず、外観上も近似する場合があり、しかも、本件商標構成中の「LAND」の文字が、申立人の商標として著名である事実に鑑みれば、これに接する需要者・取引者をして「LAND」の文字が強く印象付けられ、需要者等の通常の注意力のみをもってしては、本件商標と引用商標とを区別することは必ずしも容易ではない。
以上を総合すると、本件商標と引用商標とは、彼此紛れるおそれの高い類似の商標である。
ウ 商標法第4条第1項第11号について
前記詳述したとおり、本件商標は、引用商標と類似する商標である。また、本件商標の指定商品は、引用商標1、2、4、5、7及び10の指定商品と同一又は類似のものである。
よって、本件商標は、これら引用商標との関係において、商標法第4条第1項第11号に該当する。
エ 商標法第4条第1項第15号について
本号に係る最高裁判決(平成10年(行ヒ)第85号)が示した基準に照らして考察すると、本件商標に接した取引者・需要者は、本件商標を使用した商品が、あたかも申立人の業務にかかる商品であるかのごとく、商品の出所について混同を生ずるおそれがあることは明らかである。
(ア)引用商標の著名性、本件商標と引用商標との類似性
前記ア及びイでそれぞれ詳述したとおりである。
(イ)引用商標の独創性の程度
引用商標の独創性の程度について、ランド・ローバーが英国で最初に製造販売された昭和23年(1948年)当時はもとより、日本国においても、引用商標の中で最も出願が早い引用商標1の出願当時、ランド・ローバーを知る者にとっては周知・著名な商標であり、ランド・ローバーを知らない者にとっても、「Land Rover」が当時の日本国でなじみの少ない外国語であったことは明らかである。
したがって、引用商標は、独創性にあふれた極めて斬新なものである。
(ウ)商品間の関連性、取引者・需要者の共通性
本件商標の指定商品と引用商標の指定商品は、自動車をはじめとする車両に関連した商品であり、同一又は類似するものである。また、いうまでもなく、引用商標が周知著名性を獲得した商品は、四輪駆動乗用車をはじめとする自動車ないし車両に関する商品である。これらの商品を製造販売する企業は取引者として、同商品を購入する顧客は需要者として、いずれも本件商標の取引者及び需要者と高い共通性を有する。
したがって、本件商標と引用商標は、取引者・需要者を共通にするものであることは明らかであるから、両商標の商品間の関連性、並びに取引者及び需要者の共通性は極めて高いものである。
(エ)本件商標の指定商品の需要者において普通に払われる注意力その他取引の実情
既述のとおり、「land(LAND)」は、日本国では、自動車に関連するものとして一般に多く用いられている語ではないため、多くの者にとって、「land(LAND)」の欧文字を顕著に有する本件商標は、ここからランド・ローバーを容易に想起させるものである。
したがって、本件商標は、引用商標とは、その指定商品(自動車関連商品)の分野における普通に払われる注意力や取引の実情として、出所混同のおそれを生じさせる可能性を有する取引の実情として、出所混同を生じさせるおそれを含むものである。
(オ)特許庁の審査基準
本号に関する商標審査基準では「他人の著名な商標と他の文字又は図形等と結合した商標は、その外観構成がまとまりよく一体に表されているもの又は観念上の繋がりがあるものなどを含め、原則として、商品又は役務の出所の混同を生ずるおそれがあるものと推認して取り扱うものとする」とされている。
「land(LAND)」が、日本国では、自動車に関連するものとして一般に多く用いられている語ではなく、「land(LAND)」の欧文字を顕著に有する本件商標は、ランド・ローバーを容易に想起させるものであるから、「land」を含む本件商標は、上記審査基準にいう「他人の著名な商標と他の文字又は図形を結合した商標」にあたるといえ、その外観構成がまとまりよく一体に表されていると否とにかかわらず、申立人の業務に係る商品と混同を生じるおそれがある商標として商標法第4条第1項第15号に該当するものと判断されるべきである。
(カ)まとめ
上記のとおり、引用商標は、申立人の業務にかかる商品であることを表す周知著名な商標であり、かかる周知著名性は、申立人らの永年の企業活動によって獲得したものである。かかる点から、本件商標と引用商標は、高い類似性を有することに加えて、引用商標の独創性や、本件商標の指定商品が、引用商標が周知著名性を獲得した商品と強い関連性を有するものであり、さらに、特許庁の商標審査基準に鑑みれば、本件商標をその指定商品に使用した場合には、その商品が、あたかも申立人が取り扱う業務に係る商品であるかのごとく認識され、その出所について混同を生ずるおそれがあることは明白である。
以上より、本件商標は、商標法第4条第1項第15号に該当する。
(2)結語
以上の理由により、本件商標は、商標法第4条第1項第11号及び同項第15号に該当し、同法第43条の2第1号により取り消されるべきものである。

4 当審の判断
(1)引用商標の周知性について
ア 申立人提出の甲各号証及び同人の主張によれば、次の事実を認めることができる。
(ア)「LAND ROVER」は、1948年(昭和23年)に英国の企業によって製造販売が開始され、現在は申立人の業務に係る四輪駆動乗用車(以下「申立人商品」という。)の名称である(甲13?甲15)。
(イ)申立人商品の2013年(平成25年)の世界販売台数は348,338台であった(甲15)。
(ウ)申立人商品は、我が国において昭和46年頃から現在まで継続して販売されていることが窺える(甲2?甲16)。
イ 上記アの事実によれば、申立人商品は、我が国において、本件商標の登録出願の日前ないし登録査定日の時点において自動車の取引者、需要者の間に広く認識されていることが窺える。
そうすると、申立人商品に使用されていると認められる引用商標1、引用商標2、引用商標4、引用商標5、引用商標7及び引用商標10は、申立人の業務に係る商品の出所を表示するものとして、自動車の取引者、需要者の間に広く認識されていたと認め得るものである。
(2)商標法第4条第1項第11号について
ア 本件商標は、上記1のとおり、「LAND WALKER」の文字を標準文字で表してなり、その構成文字は、同書、同大でまとまりよく一体的に表され、これから生じる「ランドウォーカー」の称呼も、冗長というべきものでなく、よどみなく一連に称呼し得るものである。
そして、本件商標は、「LAND」と「WALKER」の文字(語)を結合してなるものと容易に認識されるとしても、かかる構成及び称呼においては、「LAND」の文字部分が取引者、需要者に対し商品又は役務の出所識別標識として強く支配的な印象を与えるもの、又は、それ以外の部分から出所識別標識としての称呼、観念が生じないと認めるに足る事情は見いだせない。
そうすると、本件商標は、その構成文字全体をもって、「ランドウォーカー」のみの称呼を生じ、特定の観念を生じない一体不可分のものとして認識、把握されるものといわなければならない。
なお、申立人は、引用商標1、引用商標2及び引用商標4において「LAND」の文字部分が外観上特徴的な部分として看取される、申立人商品は「ランド」と略称される場合がある、あるいは「LAND」の文字が申立人の商標として著名であるなどとし、それゆえ、本件商標は、その構成中「LAND」の文字部分が強く印象付けられ、需要者、取引者の注意を強く惹く旨主張している。
しかしながら、本件商標は上記のとおり、その構成全体が一体不可分のものとして認識、把握されるものであるし、引用商標1、引用商標2、引用商標4の各構成中「LAND」の文字は、いずれも他の文字(ROVER)と比べ極めて大きく又は目立つ態様で表されているなど外観上特徴的な部分として看取されるものとはいえず、また、一つのウェブページ(甲16)で申立人商品を「ランド」といっていることのみをもって申立人商品が「ランド」と普通に略称されているということはできず、さらに、「LAND」の文字が申立人の業務に係る商品の出所を表示するものとして著名であると認め得る証左は見いだせないから、申立人のかかる主張は採用できない。
イ 引用商標は、いずれも各構成中の「LAND ROVER」の文字に相応し、「ランドローバー」の称呼を生じ、「(申立人商品のブランドとしての)ランドローバー」の観念を生じるものである。
ウ そこで、本件商標と引用商標の類否を検討すると、外観において、まず、本件商標と「LAND ROVER」の文字のみからなる引用商標3及び引用商標5ないし引用商標8とを比較すると、両者は、外観において、前半部の「LAND」の文字を共通にするものの、後半部に「WALKER」と「ROVER」との差異を有するから、この差異が両者の外観全体の視覚的印象に与える影響は大きく、相紛れるおそれのないものとみるのが相当である。
そうすると、本件商標と「LAND ROVER」の文字以外の構成要素を含む引用商標1、引用商標2、引用商標4、引用商標9及び引用商標10とは、外観上、より一層相紛れるおそれのないものといえる。
次に、称呼についてみると、本件商標から生じる「ランドウォーカー」と引用商標から生じる「ランドローバー」とを比較すると、両者は第4音において「ウォ」と「ロ」、第6音において「カ」と「バ」の差異を有し、該差異音はいずれも長音を伴って一音ごと明瞭に発音、聴取されるものであって、それらが共に7音という比較的短い音構成からなる両称呼全体に及ぼす影響は少なくなく、両者をそれぞれ一連に称呼しても、かれこれ聞き誤るおそれのないものと判断するのが相当である。
さらに、観念においては、本件商標は特定の観念を生じず、引用商標は「(自動車のブランドとしての)ランドローバー」の観念を生じるものであるから、相紛れるおそれのないものである。
そうとすれば、本件商標と引用商標は、外観、称呼及び観念のいずれの点からみても相紛れるおそれのない非類似の商標であって、別異の商標といわなければならない。
その他、両商標が類似するというべき事情も見いだせない。
したがって、本件商標の登録は、商標法第4条第1項第11号に該当するものとはいえない。
(3)商標法第4条第1項第15号について
上記(1)のとおり引用商標は、申立人の業務に係る商品であることを表示するものとして需要者の間に広く認識されているものと認め得るものであるが、上記(2)のとおり本件商標は、引用商標と外観、称呼及び観念のいずれの点においても相紛れるおそれのない非類似の商標であって、別異の商標というべきものである。
そうすると、本件商標は、商標権者がこれを本件申立てに係る指定商品について使用しても、取引者、需要者をして引用商標を連想又は想起させることはなく、その商品が他人(申立人)あるいは同人と経済的若しくは組織的に何らかの関係を有する者の業務に係るものであるかのように、その商品の出所について混同を生ずるおそれはないものというべきである。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第15号に該当するものといえない。
(4)むすび
以上のとおり、本件商標の登録は、商標法第4条第1項第11号及び同項第15号のいずれにも違反してされたものとはいえないから、同法第43条の3第4項の規定により、維持すべきである。
よって、結論のとおり決定する。
別掲 別掲1(引用商標1)


別掲2(引用商標2)


別掲3(引用商標4、引用商標9)


別掲4(引用商標10)


異議決定日 2016-09-13 
出願番号 商願2015-46655(T2015-46655) 
審決分類 T 1 652・ 263- Y (W12)
T 1 652・ 261- Y (W12)
T 1 652・ 271- Y (W12)
T 1 652・ 262- Y (W12)
最終処分 維持  
前審関与審査官 山田 忠司 
特許庁審判長 今田 三男
特許庁審判官 田中 幸一
小松 里美
登録日 2015-12-04 
登録番号 商標登録第5809991号(T5809991) 
権利者 吉川 初美
商標の称呼 ランドウオーカー、ランド、ウオーカー 
復代理人 石田 昌彦 
代理人 田中 克郎 
代理人 稲葉 良幸 
復代理人 右馬埜 大地 

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