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審決分類 審判 査定不服 外観類似 登録しない W2425
管理番号 1320394 
審判番号 不服2015-14815 
総通号数 203 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標審決公報 
発行日 2016-11-25 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2015-07-22 
確定日 2016-10-05 
事件の表示 商願2013-99986拒絶査定不服審判事件について,次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は,成り立たない。
理由 1 本願商標
本願商標は,別掲1のとおりの構成よりなり,第24類「布製身の回り品,敷布,布団,布団カバー,まくらカバー,毛布」及び第25類「被服」を指定商品として,平成25年12月6日に登録出願されたものである。

2 引用商標
原査定において本願の拒絶の理由に引用された登録商標は,以下のとおりであり,その商標権は,いずれも現に有効に存続しているものである。
(1)登録第2353908号商標(以下「引用商標1」という。)は,別掲2のとおりの構成よりなり,平成元年1月24日に登録出願,第17類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として,同3年11月29日に設定登録されたものであり,その後,同13年7月3日に商標権の存続期間の更新登録,同16年1月21日に指定商品の書換登録がされ,同23年7月19日に商標権の存続期間の更新登録が第20類,第24類及び第25類についてされた結果,その指定商品については,第20類「クッション,座布団,まくら,マットレス」,第24類「布製身の回り品,かや,敷き布,布団,布団カバー,布団側,まくらカバー,毛布」及び第25類「被服」となったものである。
(2)登録第4871727号商標(以下「引用商標2」という。)は,別掲3のとおりの構成よりなり,平成13年2月2日に登録出願,第24類及び第25類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として,同17年6月17日に設定登録されたものであり,その後,同27年6月9日に商標権の存続期間の更新登録が第25類についてされた結果,その指定商品については,第25類「被服,仮装用衣服」となったものである。

3 当審の判断
(1)本願商標と引用商標1及び2との類否について
本願商標は,別掲1のとおり,円輪郭内の上部に,目と思しき小さい黒塗りの縦長楕円形を2つ並べ,この2つの黒塗りの縦長楕円形の下に口と思しき両端上がりの弧線を描いた図形(以下「本願図形」という。)と円輪郭の外側下部に沿って「HARVEY BALL」の欧文字を横書きした構成からなるものである。
そして,本願図形は,一見して人の笑顔を簡潔,かつ,象徴的に表現したものと認識されるものであって,上記のとおり,本願商標の主要部を占めているのに対し,「HARVEY BALL」の文字部分は,本願図形の下部に横書きされているものであり,その大きさも円輪郭に比して小さなものである上,その書体も,ごくありふれたゴシック体であって格別個性的というほどのものではない。そして,本願図形は,一見して,人の笑顔を描写したものと認識することができるから,それ自体で完結した表現ということができ,文字部分がなければその意味を理解することができないといったものではない。
そうすると,本願商標は,その主要部分を占める本願図形が,人の笑顔を象徴的に描写したものとして,見る者の注意を惹き,強い印象を与えるものであって,これと「HARVEY BALL」の文字部分とを分離して観察することが取引上不自然と思われるほどに不可分一体的に結合しているとはいえないから,本願図形が,独立して自他商品の識別標識としての機能を発揮するものというべきである。
これに対し,引用商標1は,円輪郭内の中央よりやや上部に,目と思しき小さい黒塗り縦長楕円形を2つ並べ,この2つの黒塗りの縦長楕円形の下に口と思しき両端上がりの弧線をその両端の位置が中央よりやや下部に描いた図形からなるものである。
また,引用商標2は,円輪郭内の中央よりやや上部に,目と思しき小さい黒塗り縦長楕円形を2つ並べ,この2つの黒塗りの縦長楕円形の下に,口と思しき両端上がりの弧線をその両端の位置が中央よりやや上部に描いた図形からなるものである。
そこで,本願商標と引用商標1及び2との類否についてみるに,独立して自他商品の識別標識としての機能を発揮する本願図形と引用商標1及び2を対比観察するならば,両者はいずれも円輪郭内に配された2つの小さい黒塗りの縦長楕円形及びその下方に配した両端上がりの弧線を構成要素とし,これらが円形の顔に目と口で人の笑顔を簡潔,かつ,象徴的に描写したものと看取される点において共通するものであって,両者を子細にみれば円図形内の目に当たる部分の配置や大きさ,口に当たる部分の線の太さや弧を描く角度などの細部において微妙に相違するところはあるものの,これらの相違点は対比観察して始めて認識し得る程度の微差にすぎないから,外観において,両者は,看者に極めて似通った印象を与えるものである。
上記事情に加えて,本願商標と引用商標1及び2の各指定商品には,共に被服や布製身の回り品,布団等の日用品が含まれているところ,その需要者は,多くの場合,これに付された商標の一見した印象によって商品の出所を識別することが多い実情にあることは,経験則上容易に推認し得るものであることを併せ考慮すれば,本願商標と引用商標1及び2とを,時と場所を異にして離隔的に観察した場合,需要者が両者を区別することは困難であるというべきである。
したがって,本願商標と引用商標1及び2とは,互いに類似する商標というのが相当である。
(2)本願商標の指定商品と引用商標1及び2の指定商品との類否について
本願商標の指定商品と引用商標1の指定商品は,上記1及び2(1)のとおりであるところ,本願商標の指定商品中,第24類「布製身の回り品,敷布,布団,布団カバー,まくらカバー,毛布」と引用商標1の指定商品中,第20類「クッション,座布団,まくら,マットレス」及び第24類「布製身の回り品,かや,敷き布,布団,布団カバー,布団側,まくらカバー,毛布」とは,同一又は類似のものであり,本願商標の指定商品と引用商標1の指定商品とは,第25類「被服」を共通にするものである。
また,引用商標2の指定商品は,上記2(2)のとおりであるところ,本願商標の指定商品と引用商標2の指定商品とは,第25類「被服」を共通にするものである。
したがって,本願商標の指定商品と引用商標1及び2の指定商品とは,同一又は類似のものである。
(3)小括
以上のとおり,本願商標と引用商標1及び2は,互いに類似する商標であって,また,本願商標の指定商品と引用商標1及び2の指定商品は,同一又は類似のものであるから,本願商標は商標法第4条第1項第11号に該当する。
(4)請求人の主張について
ア 請求人は,自己の登録商標(甲2)が引用商標1及び2と非類似であると判断されたものであるから,本願商標と引用商標1及び2とは非類似である旨主張する。
しかしながら,商標の類否の判断は,指定商品又は指定役務の取引の実情を考慮し,当該商標ごとにそれぞれの各構成態様に基づき,個別具体的に判断されるべきものであるところ,請求人の挙げる自己の登録商標の登録例は,本願商標と商標の構成又はその指定商品を異にするものであり,本件に対する判断までも左右するものではない。
イ 請求人は,「本願商標は,故『「ハーベイ・ボール』によって最初に創作・著作された『スマイリー・フェイス』の基本マークであり,引用商標権者が真似て1991年(平成3年)に登録商標としたにすぎない。」旨主張する。
しかしながら,先願主義を採用する我が国商標法においては,他人の著作権と抵触する商標の先願登録がある場合において,著作者がこの商標の無効審判を得ることなく,自己の著作物を用いた商標を出願したときに,著作権者からの登録出願を認めるべきものとする規定は存在しないから,仮に請求人が本願図形につき著作権を有するとしても,だからといって本願商標の登録を特別に認めるべき根拠はないというべきである(知的財産高等裁判所平成17年7月6日判決・平成17年(行ケ)第10247号参照)。
ウ 請求人は,「スマイリー・フェイス」は平成13年10月25日,大阪地裁で「その商標に特徴性が無く,そのものと同一のもの以外は権利主張が出来ない」と判示されている旨主張する。
しかしながら,請求人が引用する大阪地裁の判決(大阪地方裁判所平成13年10月25日判決・平成12年(ワ)5986号)の内容は,登録商標に係る商標権に基づく禁止権の効力が及ぶ範囲について判示したものであって,商標の登録要件(他人の先願登録商標と同一又はこれに類似する商標)についての判断に関する本件とは,事案を異にするものというべきである。
エ 請求人は,ハーベイ・ボール氏の「SMILEY FACE」の創作・著作の実情等「スマイルマークに関連した来歴」(甲18?46)を証拠として提出するが,上記類否判断を左右するものではないこと明らかである。
したがって,請求人の上記主張は,いずれも採用できない。
(5)まとめ
以上のとおり,本願商標は,商標法第4条第1項第11号に該当し,登録することができない。
よって,結論のとおり審決する。
別掲 別掲1 本願商標


別掲2 引用商標1


別掲3 引用商標2


審理終結日 2016-06-14 
結審通知日 2016-06-17 
審決日 2016-06-28 
出願番号 商願2013-99986(T2013-99986) 
審決分類 T 1 8・ 261- Z (W2425)
最終処分 不成立 
前審関与審査官 椎名 実小松 里美 
特許庁審判長 早川 文宏
特許庁審判官 根岸 克弘
平澤 芳行
商標の称呼 ハーベーボール、ハーベー、ボール 
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