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審決分類 審判 一部取消 商50条不使用による取り消し 無効としない Y09
管理番号 1320346 
審判番号 取消2013-300726 
総通号数 203 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標審決公報 
発行日 2016-11-25 
種別 商標取消の審決 
審判請求日 2013-08-28 
確定日 2016-09-26 
事件の表示 上記当事者間の登録第2579979号商標の登録取消審判事件について,次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は,成り立たない。 審判費用は,請求人の負担とする。
理由 第1 本件商標
本件登録第2579979号(以下「本件商標」という。)は,「CONTINUUM」の欧文字を横書きしてなり,平成元年12月14日に登録出願,第11類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として,同5年9月30日に設定登録,その後,同15年10月7日及び同25年8月6日に商標権の存続期間の更新登録がなされ,さらに,同17年1月5日に第9類「レーザー発生増幅装置,レーザー光線発振器,配電用又は制御用の機械器具,回転変流機,調相機,電池,電気磁気測定器,電線及びケーブル,電気通信機械器具,電子応用機械器具及びその部品,磁心,抵抗線,電極,電気アイロン,電気式ヘアカーラー,電気ブザー」とする指定商品の書換の登録がなされ,現に有効に存続しているものである。
そして,本件審判の請求の登録は,平成25年9月12日である。

第2 請求人の主張
請求人は,本件商標の指定商品中,第9類「電気通信機械器具,電子応用機械器具及びその部品」についての登録を取り消す,審判費用は被請求人の負担とする,との審決を求め,その理由を要旨以下のように述べ,証拠方法として甲第1号証及び甲第2号証(以下,「甲第○号証」及び「乙第○号証」の表示は,単に「甲○」及び「乙○」と簡略表記する場合がある。)を提出している。
1 請求の理由
本件商標は,本件審判の取消しに係る指定商品について,継続して過去3年以上,日本国内において,商標権者,専用使用権者又は通常使用権者のいずれも使用した事実が存しないから,商標法第50条の規定により,その登録は取り消されるべきものである。
2 答弁に対する弁駁
被請求人から提出された乙1ないし乙28からは,(ア)「エクセルテクノロジー株式会社」及び「ジーエスアイ・グループ・ジャパン株式会社」は,単に日本国内の輸入販売業者としてしか理解できず,被請求人の通常使用権者であるとは認められないこと,(イ)被請求人が提出した書証に表された「Continuum」は,単に「米国コンティヌウム社」という意味での使用であって,商品に係る商標の使用とは認められないこと,(ウ)当該書証に表された「レーザー光発生装置」は,産業用であるか医療用であるか不明確であることから,取消しに係る指定商品に該当する商品であることを確認できないこと,(エ)被請求人が主張する通常使用権者が,どのような製品を,実際に我が国に輸入したのかにつき確認することはできないことから,本件商標は,継続して3年以上不使用の状態にある。
3 平成26年5月30日付け口頭審理陳述要領書による陳述
(1)被請求人及び商品名について
乙31は,ジーエスアイ・グループ・ジャパン株式会社(以下「GSI」という。)によるレーザー光発生装置についての,御見積書(2012年12月28日発行),注文書(2013年1月7日),請求書(平成25年3月25日)そして納品書(平成25年3月25日)であるが,これらの書類には,商品名としての「Continuum」が示されていない。
乙29及び乙30は,乙31の商品の販売にあたり,輸入された商品(製品)を示したものと思われるが,乙29においてSHIPPER’S NAME(荷送人)の名称は,本件商標の商標権者の名称にはなっていないばかりでなく,商標は何ら明らかにされておらず,商品名「LASER OTHER THAN DIODE」(ダイオード以外のレーザー)に係る商品が,レーザー光発生装置(医療用のものを除く。)を示すのか,測定用のレーザー光発生装置を示すのか,あるいは医療用のレーザー光発生装置を示すのか明確ではない。
乙30における「Invoice」において,請求主体の名称は何ら明らかにされていない。商品は単に間接的に示されていて具体的商品名への言及はみられない。「Invoice」には「Continuum(「m」の文字の右上に,登録商標であることを示すものと認められる円の中に『R』の文字が付されている。以下,この文字を『(丸「R」)』という。)」の表示があるものの,具体的商品との関係で直接的に用いられているわけではない。
(2)商品の使用について
被請求人は,「使用商品は『レーザー光発生装置』であり(乙5,乙13,乙14,乙35),電子の作用を応用したものであって,かつ,産業用の用途を有するものである以上,使用商品が審判請求に係る指定商品に含まれることは,答弁書で述べたとおり」と主張しているが,乙5及び乙13においては,単に「産業用装置,医療用装置にもSureliteの技術が使用している」と記載されているにすぎず,乙14においては特にこのような表現は見られない。乙35においては,Sureliteについての説明書としての文章のなかに「Over 3,000 Surelites are in operation throughout the world today in Scientific, Industrial and Medical applications.」(3000以上のSureliteが科学用,産業用及び医療用アプリケーションにおいて今日世界中で作動している)と記載されているにすぎない。
レーザー光発生装置には,第9類の電子応用機械器具としての「レーザー光発生装置(医療用のものを除く。)」,第9類の測定機械器具としての「測定用のレーザー光発生装置」及び第10類の医療用機械器具として「医療用レーザー光発生装置」に係るものがあるが,被請求人の提出に係る乙29ないし乙32において,どのレーザー光発生装置を輸入したのか何ら明らかにされていない。
(3)商標の使用及び通常使用権者について
ア 被請求人は,被請求人の主張するレーザー光発生装置SURELITE I-20が被請求人より「GSI」に発送されているので,これは被請求人による商標法第2条第3項第2号の「輸入」に当たる「使用」行為として,同法上の「使用」として法的効果が認められることは明らかであると主張するが,同法第50条第2項において「商標権者,専用使用権者又は通常使用権者のいずれか」と定められている限り,これらに該当しない者による商標の使用は不使用取消を免れることはできないと考えるのが解釈論としては自然であると考える。
イ 被請求人は,「仮に,被請求人による『使用』行為として認められないとしても,…被請求人より許諾を受けた『通常使用権者』であるGSIによる同法第2条第3項第2号の『輸入』にあたる『使用』行為が認められることは明らかである」と主張し,乙2及び乙36をもってGSIは被請求人の「通常使用権者」である旨主張しているが,乙2は名刺の写しであり,そこに単に「Continuum」という表記が付されているだけのことである。乙36は通常使用権としての契約書を構成するものではなく通常使用権の存在を明確にしたものではない。他にGSIが通常使用権者であることを客観的に推認するに足りる証拠も何ら存在しない。
また,被請求人は,エクセルテクノロジー株式会社との関係を示す書類も提出していない。
ウ 提出に係る証拠書類「写真」について
被請求人は,「使用商品の筐体には,いわゆるハウスマークとして使用商標,いわゆるファミリーネームとして『Surelite』の商標及び製造販売元を示す青色ラベルが,付されている」として乙32ないし乙34を証拠書類として提出しているが,このレーザー光発生装置は要証期間において,いかなる者の業務に係る商品かを確認することができず,これらの撮影年月日,撮影場所も不明である。これらの書類によっては,要証期間に日本国内において,商標法上の商標の使用に該当する行為がなされたということが確認できない。
4 平成26年6月12日付け口頭審理陳述要領書(2)による陳述
(1)被請求人の主張する商標法上の「使用」について
被請求人の提出に係る証拠書類は多くにおいて不十分なものであり,被請求人による「輸入」行為は推認できない。
(2)被請求人の表示について
被請求人は,「同一の商品について,『Continuum Electro-Optics, Inc.』の略称と解される『CONTINUUM CORPORATION』ないし『Continuum』との表示があり,しかも住所が同一であった場合は,同一の会社を表すものと解するのが社会的通念に照らし相当である。」と主張している。
しかしながら,被請求人がどのような根拠をもってこのような主張しているのか理解できない。
(3)レーザー発生装置について
被請求人は,「『SURELITE I-20』の納品書備考欄に『■■大学院理工学研究科様向け』との記載があることから(乙31の3),医療用でないことは明らかであり,請求人の批判はあたらない。」としている。
しかしながら,大学の理工学部であるからといって医療用レーザー発生装置は関係ないとする主張は間違っている(甲1及び甲2)。
(4)被請求人が主張する「輸入」について
商標法第50条においては,「商標権者,専用使用権者又は通常使用権者」による使用と明記されていることから,これを超えて同法を適用する限りにおいては,商標として保護に値する信用が実質的に存在することが前提であり,被請求人の使用の実態を捉えれば,商標として保護に値する信用が発生している状況はない。
(5)通常使用権について
被請求人は,「乙36は,被請求人の代表者を作成名義人とする,GSIが日本における独占的販売代理及びアフターサービスサポートをすることを証明する対外的文書である」と主張し,これをもって「そうであるとすれば,GSIのみを通じて出所識別・品質保持を管理するものと考えられ,GSIに対して本件商標の使用を当然に許諾していると考えるのが合理的である」と主張している。
しかしながら,乙36の文書において商標の使用の許諾がどのような内容のものか,何ら明確ではないことから,通常使用権の許諾に言及していると理解することはできないし,また商標権者とGSIの間に通常使用権が存在すると推認することもできない。
(6)使用時期について
被請求人は,「被請求人による『輸入』は平成25年(2013年)2月26日に行われている(乙29,乙30)。なお,証拠書類の撮影がいつ行われたのかは,使用行為の時期と関係ないから,回答する必要はない」と主張している。
しかしながら,乙29においては,発送人の名称,商品名,商標の存在が明確性に欠け,また乙30においてはInvoiceの発行主体や商品名が明確に示されていない。乙32においては商標権者の名称が特定されていない。また,乙34においては2014年1月の日付のものであり,要証期間外のものである。そして,これら証拠書類の撮影がいつ行われたかは,商標の使用の時期を特定するうえで,非常に重要なことである。
5 平成26年7月3日付け上申書の内容
(1)上申書において提出された「乙32?乙34(枝番号を含む。)の写真に関する証拠につき説明する。」によれば,いずれも撮影年月日は要証期間外の2014年5月2日,8日及び9日と記載されている。被請求人代理人の主張とは全くもって矛盾するものである。
(2)乙34は,「2014年1月(S/N 0447)」のレーザー光発生装置を撮影したものであるが,要証期間外の製品に「Continuum Electro-Optics, Inc.」の表記がみられるからといって,この表記は要証期間内(2010年9月から2013年9月)においても当然にこのような表記があったということにはならないと考える。
(3)撮影者の氏名が片仮名で表記されており,片仮名だけでは具体的個人を特定できない。撮影者が具体的に特定できる記載がなされ,公証人の証明が添付されなければ証拠力に著しく欠ける。

第3 被請求人の主張
被請求人は,結論同旨の審決を求め,その理由を要旨以下のように述べ,証拠方法として乙1ないし乙36(枝番号を含む。)を提出している。
1 答弁の理由
本件商標は,本件審判の請求の登録前3年以内である2012年(平成24年)7月頃に日本国内において,被請求人の通常使用権者であるエクセルテクノロジー株式会社により,本件審判に係る指定商品中の「電子応用機械器具及びその部品」に含まれる「レーザー光発生装置」ついて使用されている(乙1?乙28)。
2 平成26年5月15日付け口頭審理陳述書による陳述
(1)合議体の見解に対する釈明
ア 主張の概要
被請求人は,米国において「レーザー光発生装置」(以下「使用商品」という。)に「Continuum」の商標(以下「使用商標」という。)を付し,GSIを通じて,使用商標を付した使用商品を日本国内に「輸入」し,その後,GSIが当該商品を取引者・需要者に「譲渡」したものである。
イ 当事者
(ア)被請求人
被請求人「コンティヌウム・エレクトロ-オプティクス・インク」は,「アメリカ合衆国 カリフォルニア州」に所在し,1977年の会社創設以来,レーザー光発生装置を製造し販売等している米国法人であり,本件商標の「商標権者」である(乙1,乙4?乙14,乙16)。
(イ)GSI
GSIは,東京都品川区に所在し(なお,平成25年9月30日に,東京都港区から移転。乙3),世界有数のレーザー技術を提供している米国GSI Group Inc.の日本法人として,レーザー光発生装置を輸入し販売等している法人であり,被請求人の日本における独占的販売代埋店として,被請求人の商品の販売及びアフターサービスを行う者である。
なお,GSIは,平成24年(2012年)10月31日に,被請求人の日本代理店であったエクセルテクノロジー株式会社を合併し(乙15),同日,被請求人より日本における独占的な販売代理店としての販売・アフターサービスの権限を付与されている(乙2,乙36)。
(ウ)取引者・需要者
GSIを通じて輸入されたレーザー光発生装置は,試験装置として又はその一部として,GSIが直接に需要者に販売するほか,GSIが流通業者その他の取引者に販売し,取引者が大学その他の官公庁所属研究機関や企業等の需要者に販売し,そこで使用される(乙31)。
ウ 商標及び商品
(ア)本件商標及び使用商標(乙32?乙34)
本件商標は「CONTINUUM」の大文字のみからなる英語表記であるに対し,使用商品に付された使用商標は「Continuum」の大文字小文字からなる英語表記であり(乙32の1及び乙33等),いずれも同じ綴り文字よりなるものであって,かつ,同一の称呼である以上,両商標は社会通念上同一の商標である。
そして,使用商品の筐体には,いわゆるハウスマークとして使用商標,いわゆるファミリーネームとして「Surelite」の商標及び製造販売元を示す青色ラベルが,付されている(乙32?乙34)。
当該青色ラベルは,被請求人が製造販売するレーザー光発生装置全般に付して出荷するものであり,製造販売元を示すものとして,被請求人の正式名称「Continuum Electro-Optics,Inc.」と住所が明記されている(乙34)。
使用商品の筐体に付された使用商標とこれに付された当該青色ラベルに明記された被請求人の正式名称と住所より,使用商標は,社会通念上も被請求人の製造販売するレーザー光発生装置の出所を表示するものとして付された。
なお,「米国コンテニュアム社」や「米国Continuum社」のほか,使用商標や「CONTINUUM CORPORATION」などの名称が混在するが,被請求人の住所と同一であることから(乙29,乙30),いずれも被請求人を示す(以下「コンティヌウム社」という。)。
(イ)審判請求に係る指定商品と使用商品(乙5,乙13,乙14,乙35)
審判請求に係る指定商品は「電子応用機械器具及びその部品」であるのに対し,使用商品は「レーザー光発生装置」であり(乙5,乙13,乙14,乙35),電子の作用を応用したものであって,かつ,産業用の用途を有するものである以上,使用商品が審判請求に係る指定商品に含まれる。
エ 使用
(ア)被請求人による輸入
平成25年(2013年)2月26日に,被請求人(乙29:矢印1)は,GSI(乙29:矢印2)にあてて,シリアルナンバー(S/N)を「9899-1」とする使用商品「SURELITE I-20」を発送し(乙30:矢印1及び矢印2),インボイス番号(乙29:矢印3)を「154948」とする請求書を発行した(乙30:矢印3)(以下,S/N9899-1が付されたレーザー光発生装置SURELITE I-20を特に「本件輸入譲渡商品」ということがある。)。
このように,米日の国境を越え米国法人の被請求人から日本法人のGSIに本件輸入譲渡商品が発送され,本件輸入譲渡商品が被請求人によりGSIを通じて「輸入」されているところ,ここでの「輸入」は,GSIによるものとみるべきではなく,被請求人による商標法第2条第3項第2号の「輸入」に当たる「使用」行為として,同法上の「使用」として認められる。
(イ)GSIによる輸入及び譲渡(乙31)
仮に,被請求人による「使用」行為と認められないとしても,被請求人から本件輸入譲渡商品の独占的な国内販売代理店として権限を付与され,被請求人と一体となって品質を保持すべく,商品のアフターサービスまで行う権限を付与されているGSIは(乙2,乙36),被請求人より使用許諾を受けた「通常使用権者」であるから,その「通常使用権者」であるGSIによる同法第2条第3項第2号の「輸入」に当たる「使用」行為が認められる。
これに加え,「通常使用権者」であるGSIは,国内の流通業者に対して平成25年1月7日に本件輸入譲渡品を販売したから(乙31),同法第2条第3項第2号の「譲渡」に当たる「使用」行為が認められる。
(ウ)「輸入」「譲渡」の時期
上記の「輸入」は平成25年(2013年)2月26日,「譲渡」は平成25年(2013年)1月7日に行われているのであるから,本件審判の請求の登録前3年以内の「使用」に当たる。
(2)請求人の主張に対する反論
通常使用権者について
上記(1)エ(イ)のとおり,GSIは被請求人より使用許諾を受けた「通常使用権者」であるから,「通常使用権者」による本件商標と社会通念上同一と認められる使用商標の「使用」行為と解される。
イ ハウスマークとファミリーネームについて
使用商標はいわゆるハウスマークであり被請求人を示す商標として使用されているものであるのに対し,「Surelite」の商標はいわゆるファミリーネームであり被請求人の商品を示す商標として使用されているものであって,共に使用商品の出所を表示する商標として使用されている。
(3)結論
よって,本件審判の請求の登録前3年以内に日本国内において,「商標権者」(又は「通常使用権者」)により,本件審判に係る指定商品の「電子応用機械器具及びその部品」について本件商標が「使用」されている。
3 平成26年6月9日付け口頭審理陳述書(2)による陳述
(1)被請求人の主張する商標法上の「使用」について
ア 請求人は,乙31において商品名としての「Continuum」の記載がない旨主張している。
しかし,被請求人が主張する商標上の「使用」行為は,主位的には被請求人による「輸入」,副位的にはGSIによる「輸入」及び「譲渡」であって,「取引書類に標章を付して展示し,若しくは頒布」(商標法第2条第3項第8号)したことではないのであるから,見積書等に「Continuum」が付されていないことは,何ら被請求人の主張と矛盾するものではない。
イ 請求人は,航空運送状や請求書に具体的商品名が記載されておらず,「Continuum」の表示と輸入商品との関係が不明確である旨主張している。
しかし,被請求人提出の平成26年5月15日付「口頭審理陳述書」(以下「被請求人陳述書」という。)に記載のとおり,被請求人がGSIを通じて輸入した商品は,「SURELITE I-20」であり,本件輸入譲渡商品には「Continuum」の商標が付されていることは,乙29,乙30及び乙32ないし乙34から明らかである。
(2)産業用のレーザー光発生装置について
請求人は,レーザー光発生装置には,「レーザー光発生装置(医療用のものを除く。)」,「測定用のレーザー光発生装置」及び「医療用レーザー光発生装置」があるところ,「SURELITE I-20」がいずれに当たるか明らかでない旨主張している。
この点については,「SURELITE I-20」の納品書備考欄に「■■大学院理工学研究科様向け」との記載があることから(乙31の3),医療用でないことは明らかである。
(3)被請求人による「輸入」について
請求人は,被請求人が引用した判決について,「商標権者が明確に出所として識別させていることが必要であり,しかも,今後も当該商標を付した商品を日本に流通させる意思が客観的に認められるようなものであることが必要であり」,「商標が継続的に使用」されている場合に限られるなどと,独自の見解を述べたうえで,「本件のように被請求人が提出した乙31のように1台販売した場合とは全く状況がことなる」ため「使用」に当たらない旨主張している。
しかし,同判決は,「当該外国法人が商標を付した商品が…いったん日本に輸入された場合には,当該輸入行為をとらえ,当該外国法人による同法第2条第3項第2号にいう『商品に標章を付したものを輸入する行為』に当たる『使用』行為として,同法上の『使用』としての法的効果を認めるのが相当である。」と判示するにとどまり,請求人が主張するような「継続的」使用を要件としているとは解されない。
(4)通常使用権設定契約について
請求人は,乙36は「通常使用権としての契約書を構成するものではなく通常使用権の存在を明確にしたものではない。」,「販売の対象の商品も全く明らかにされていない。」などと述べて,通常使用権の存在を推認するに足る証拠がない旨主張をしている。
この点,乙36は,被請求人の代表者を作成名義人とする,GSIが日本における独占的販売代理及びアフターサービスサポートをすることを証明する対外的文書であり,実際に名刺(乙2)にもGSIが被請求人のカスタマーサポート業を行うことが明記されている。
そうであるとすれば,被請求人は,GSIのみを通じて出所識別・品質保持を管理するものと考えられ,GSIに対し本件商標の使用を当然に許諾していると考えるのが合理的である。
(5)使用時期
請求人は,「このレーザー光発生装置は要証期間においていかなる業務に係る商品かを確認することができない。また,これらの証拠書類の撮影年月日,場所も不明であり」,要証期間内における使用が認められない旨主張している。
しかし,被請求人による「輸入」は,平成25年(2013年)2月26日に行われている(乙29,乙30)。
4 平成26年6月26日付け上申書の内容
乙32?乙34(枝番号を含む。)の写真につき,その撮影年月日,撮影場所,撮影者について上申する。

第4 当審の判断
「商標権者,専用使用権者又は通常使用権者(以下『商標権者等』という。)が登録商標の使用をしている場合とは,特段の事情のある場合はさておき,商標権者等が,その製造に係る商品の販売等の行為をするに当たり,登録商標を使用する場合のみを指すのではなく,商標権者等によって市場に置かれた商品が流通する過程において,流通業者等が,商標権者等の製造に係る当該商品を販売等するに当たり,当該登録商標を使用する場合を含むものと解するのが相当である。」(知財高裁平成24年(行ケ)第10310号・同25年3月25日判決)と解されることから,これを本件についてみると以下のとおりである。
1 証拠及び被請求人の主張によれば,以下の事実が認められる。
(1)乙13は,エクセルテクノロジー株式会社の「PRODUCTS GUIDE」(製品案内)であるが,当該製品案内には,「Continuum(丸「R」)」,「小型QスイッチNd:YAGレーザー Sureliteシリーズ」の見出しの下,「世界中で愛用され続けている,Sureliteシリーズ。高信頼性をもとに実績出荷台数も1,500台を超え,産業用装置,医療用装置にもSureliteの技術が使用されています。」との記載がある。
(2)乙14は,エクセルテクノロジー株式会社による被請求人商品の広告の写しであるが,「Sureliteシリーズ」の見出しの下,「小型QスイッチNd:YAGレーザー」及び「実績出荷台数3000台以上 OPO励起も可能な優れたビーム品質インジェクションシーダーにより狭線幅発振可能」との記載がある。
(3)乙29は,2013年(平成25年)2月26日付け航空運送状(AIR WAYBILL)の写しであるが,当該航空運送状には,SHIPPER’S NAME AND ADDRESS(荷送り人の名称及び住所)の欄には「CONTINUUM CORPORATION」の名称及び本件商標権者の住所が,また,CONSIGNEE’S NAME AND ADDRESS(商品の引受人の名称及び住所)の欄にはGSIの名称及び東京都港区の住所が,それぞれ記載されており,さらに,「IV#:」(インボイス番号)として「154948」の記載がある。
(4)乙30は,2013年(平成25年)2月26日付けのインボイス(送り状)の写しであるが,当該送り状には,左上に「Continuum(丸「R」)」の文字と,その下段に本件商標権者の住所が,「BILL TO:」(請求書送付先)及び「SHIP TO:」(送り先)の欄にはGSIの名称及び東京都港区の住所が記載され,右上に「INVOICE No.154948」(インボイス番号)の表示があり,当該インボイス番号は,乙29に記載のインボイス番号と一致する。また,「DESCRIPTION」(説明)の欄には,1つ目の商品に関して「S/N: 9899-1」及び「SURELITE I-20」並びに2つ目の商品に関して「S/N: 9899-2」,「SURELITE OPO PLUS」の記載及び「QTY SHIPPED」(出荷数量)の欄にそれぞれ「1.0」の記載がある。
(5)乙31の1は,2012年(平成24年)12月28日付けのGSIから顧客に宛てた見積書の写しであるが,当該見積書には,見積番号「CON24035-12」,商品名の欄に「米国Continuum社製」,「OPO励起用パルスYAGレーザー Surelite I-20」及び「光パラメトリック発生器 Surelite OPO Plus」の各記載があり,数量の欄にそれぞれ「1台」の記載がある。
(6)乙31の2は,2013年(平成25年)1月7日付けの顧客からGSIに宛てた注文書の写しであるが,当該注文書には,貴見積書番号(日付)の欄には上記見積書(乙31の1)に記載された見積番号と一致する「CON24035-12」の記載,注文番号の欄には「DS000313」の記載,品名・仕様の欄には「OPO励起用パルスYAGレーザー&光パラメトリック発生器」の記載及び数量の欄に「1」の記載があり,更にその内訳として「OPO励起用パルスYAGレーザー Surelite I-20」及び「光パラメトリック発生器 Surelite OPO Plus」の各記載並びに数量の欄にそれぞれ「(1)」の記載がある。また,備考欄に「■■大学院理工学研究科 ■■専攻 ■■様/…東京都八王子市■■…」の記載がある。
(7)乙31の3は,平成25年3月25日付けのGSIから顧客に宛てた請求書及び納品書の写しであるが,当該請求書及び納品書には,品名・品番の欄に「OPO励起用パルスYAGレーザー&光パラメトリック発生器」の記載が,数量の欄には「1台」の記載がある。また,備考の欄には「貴社注文番号:DS000313」,「弊社見積書番号:CON24035-12」の記載があり,これらの番号は,上記見積書(乙31の1)及び注文書(乙31の2)に記載の見積番号及び注文番号と一致する。さらに,備考の欄には「■■大学院理工学研究科様向け」の記載がある。
(8)乙32は,シリアルナンバー「9899-1」の商品の写真であるところ,乙32の1の写真には,商品の側面に使用商標及び「Surelite」の表示があり,別の側面に青色ラベルが付されている。乙32の2の写真は,当該青色ラベルが付された側面から撮影したものであって,当該青色ラベルには,「SLI-20」,「02/13」及び「9899-1」の記載がある(なお,乙32の1の写真における当該青色ラベルからも,これらと同じ記載があることを確認することができる。)ことから,当該写真の商品は,シリアルナンバーを「9899-1」とする「SURELITE I-20」に係る商品であると認めることができる。また,乙32の写真における当該青色ラベルには,前記シリアルナンバー等の記載のほか,その上段に不鮮明ながら欧文字の記載が確認できる。
(9)乙34は,乙32に写された商品と同型であるMODEL「SLI-20」の商品の写真であるが,当該写真の商品に付された青色ラベルには,シリアルナンバー等の記載の上段に商標権者の名称である「Continuum/Electro-Optics,Inc.」及び商標権者の住所である「3150 Central Expressway,Santa Clara CA 95051」の記載があることから,上記(8)における青色ラベル中のシリアルナンバー等の上段に記載された欧文字もこれと同様に商標権者の名称及び住所が記載されているとみて差し支えない。
2 前記1認定の事実によれば,以下のとおり認めることができる。
(1)本件行為の認定について
(ア)2012年(平成24年)12月28日,GSIは,顧客に対し,コンティヌウム社製の「OPO励起用パルスYAGレーザー Surelite I-20」及び「光パラメトリック発生器 Surelite OPO Plus」各1台に関する見積りを行い,2013年(平成25年)1月7日,当該顧客から当該見積書に記載された上記商品の注文を受けたこと(乙31の1及び2),(イ)GSIから上記(ア)に係る注文を受けたコンティヌウム社(商標権者)は,2013年(平成25年)2月26日,シリアルナンバーを「9899-1」とする「OPO励起用パルスYAGレーザー Surelite I-20」(以下「本件商品」という。本件商品の本体側面には,使用商標が付されている。)及びシリアルナンバーを「9899-2」とする「光パラメトリック発生器 Surelite OPO Plus」をGSIあてに各1台輸出したこと(乙29,乙30及び乙32),(ウ)平成25年3月25日,GSIは,上記(ア)の顧客に対し,上記(イ)のコンティヌウム社から輸入した本件商品及び光パラメトリック発生器各1台を販売(譲渡)し,「■■大学院理工学研究科向け」として納品したこと(乙31の3),が認められる。
(2)使用商標について
本件商品の本体側面に付された「Continuum」の商標は,本件商標「CONTINUUM」と,その綴りを同一にするから,社会通念上同一の商標と認められる。
(3)本件商品について
「Sureliteシリーズ」の商品説明(乙13,乙14)及び被請求人の主張によれば,本件商品は,「レーザー光発生装置」であって,その用途は産業用及び医療用など様々な用途に使用することができ,本件行為においては大学院理工学研究科に向けて販売(譲渡),納品されたものであることが認められる(乙31の2及び3)。そして,本件商品は,電子の作用をその商品の本質的な要素とするものである。そうすると,本件商品は,本件審判請求に係る指定商品の「電子応用機械器具及びその部品」に含まれる商品と認めることができる。
(4)本件行為が商標法第50条所定の「使用」の事実に該当するか否かについて
上記のとおり,流通業者であるGSIは,本件行為,すなわち,平成25年3月25日,我が国の需要者である顧客に対し,コンティヌウム社(商標権者)から輸入した「レーザー光発生装置」である本件商品(本件商品の本体側面には,本件商標と社会通念上同一の商標と認められる使用商標が付されている。)及び光パラメトリック発生器各1台を販売(譲渡)し,大学院理工学研究科に向けて納品したものと認められる。そして,かかる行為は,商標権者によって市場に置かれた本件商品が流通する過程において,流通業者が,商標権者の製造に係る本件商品を販売等するに当たり,本件商標と社会通念上同一の商標と認められる使用商標を使用する場合に該当するものであるから,これは,商標法第2条第3項第2号所定の「商品に標章を付したものを譲渡」する行為であるといえ,商標法第50条所定の「使用」の事実と認められる。
(5)小括
以上によれば,本件審判の登録前3年以内に日本国内において,本件商標権者である被請求人は,本件審判の請求に係る指定商品「電子応用機械器具及びその部品」に属する「レーザー光発生装置」について,本件商標と社会通念上同一と認められる商標を付したものを,販売(譲渡)していたものと認められる。
3 請求人の主張について
(1)請求人は,商標法第50条第2項においては「商標権者,専用使用権者又は通常使用権者のいずれか」と定められている限り,これらに該当しない者による商標の使用は不使用取消を免れることはできない旨主張する。
しかしながら,上記2のとおり,コンティヌウム社(商標権者)は,流通業者であるGSIを介してして本件審判請求前3年以内に指定商品である本件商品「レーザー光発生装置」に,本件商標と社会通念上同一の商標を使用していたことが認められるから,GSIが被請求人の専用使用権者又は通常使用権者であるかについて判断するまでもない。
したがって,請求人の主張は採用できない。
(2)請求人は,商標法第50条においては,「商標権者,専用使用権者又は通常使用権者」による使用と明記されていることから,これを超えて同法を適用する限りにおいては,商標として保護に値する信用が実質的に存在することが前提であり,被請求人の使用の実態を捉えれば,商標として保護に値する信用が発生している状況はない旨主張する。
しかしながら,前述の判決のとおり,商標権者等が登録商標の使用をしている場合とは,流通業者等が,商標権者等の製造に係る当該商品を販売等するに当たり,当該登録商標を使用する場合を含むと解すべきであるから,この点についての請求人の主張も採用できない。
4 むすび
以上のとおり,被請求人は,商標権者が本件審判の請求の登録前3年以内に日本国内において,請求に係る指定商品について本件商標を使用していたことを証明したものというべきである。
したがって,請求に係る指定商品に関する本件商標についての登録は,商標法第50条の規定により,取り消すことはできない。
よって,結論のとおり審決する
審理終結日 2016-04-28 
結審通知日 2016-05-06 
審決日 2016-05-19 
出願番号 商願平1-141817 
審決分類 T 1 32・ 1- Y (Y09)
最終処分 不成立 
前審関与審査官 村上 照美今田 三男 
特許庁審判長 早川 文宏
特許庁審判官 田中 幸一
田村 正明
登録日 1993-09-30 
登録番号 商標登録第2579979号(T2579979) 
商標の称呼 コンティニューム 
代理人 山崎 行造 
代理人 福田 秀幸 
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