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審決分類 審判 全部申立て  登録を維持 W29
審判 全部申立て  登録を維持 W29
審判 全部申立て  登録を維持 W29
審判 全部申立て  登録を維持 W29
審判 全部申立て  登録を維持 W29
管理番号 1319344 
異議申立番号 異議2016-900012 
総通号数 202 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標決定公報 
発行日 2016-10-28 
種別 異議の決定 
異議申立日 2016-01-15 
確定日 2016-09-01 
異議申立件数
事件の表示 登録第5799790号商標の商標登録に対する登録異議の申立てについて,次のとおり決定する。 
結論 登録第5799790号商標の商標登録を維持する。
理由 1 本件商標
本件登録第5799790号商標(以下「本件商標」という。)は,「SAPUTO PARMESAN」の欧文字を標準文字で表してなり,平成27年4月15日に登録出願,同年9月1日に登録査定,第29類「パルメザンチーズ」を指定商品として,同年10月16日に設定登録されたものである。

2 引用商標
登録異議申立人(以下「申立人」という。)が引用する商標は次のとおり(以下,それらをまとめて「引用商標」という。)であり,いずれの商標権も現に有効に存続しているものである。
(1)登録第4054068号商標(以下「引用商標1」という。)
商標の態様 別掲1のとおり
指定商品 第29類「イタリア産のチーズ」
出願日 平成7年8月1日
設定登録日 平成9年9月5日
(2)登録第5584013号商標(団体商標)(以下「引用商標2」という。)
商標の態様 パルミジャーノ レッジャーノ(標準文字)
指定商品 第29類「イタリア国ボローニャのレーノ川左岸まで・マントバのポー川右岸まで・モデナ・パルマ及びレッジョ・ネレミリア地方で生産されたチーズ」
出願日 平成23年8月17日
設定登録日 平成25年5月24日
(3)登録第4618220号商標(以下「引用商標3」という。)
商標の態様 別掲2のとおり
指定商品 第29類「イタリア産のパルメザンチーズ」
出願日 平成7年8月1日
設定登録日 平成14年11月1日

3 登録異議の申立ての理由
申立人は,本件商標について,商標法第4条第1項第15号,同項第11号及び同項第7号に該当するものであるから,同法第43条の2第1号により,その登録は取り消されるべきであると申し立て,その理由を要旨以下のように述べ,証拠方法として甲第1号証ないし甲第29号証(枝番号を含む。)を提出した。
(1)本件商標中の「PARMESAN」の語について
本件商標の権利者は,本件商標に含まれている「PARMESAN」の語が,「イタリア産(パルマ地方産)のチーズ」を表す語であると認識し,欧州連合の殆どの国において,「PARMESAN」は,欧州連合において原産地名称として保護され,我が国はもちろん,世界的にもチーズについて著名な商標である「パルミジャーノ・レッジャーノ(Parmigiano Reggiano)」の訳語であると認識している。
そして,「Parmigiano Reggiano」は,パルマ地方を含むイタリア国の決められた地域で,厳格な生産方法(生産基準),管理された乳牛の給餌方法(給餌規制)及び品質選別と合格マークの押印(マーク規制)を要求する厳しい規制に従って生産され,かつ,申立人の鑑定に合格したチーズにのみ付すことができるものであって,申立人の鑑定に合格していないチーズに「Parmigiano Reggiano」が付されることはない。
したがって,イタリア国のパルマ地方等で生産されたチーズであって「PARMESAN」の名称で親しまれているチーズは,申立人の業務に係る「Parmigiano Reggiano(パルミジャーノ・レッジャーノ)」チーズを意味する。
また,「PARMESAN」の語は,欧州連合のほとんどの国において「Parmigiano Reggiano」の訳語として認識されており,欧州司法裁判所は,原産地名称保護(PDO)制度の下で登録された「パルミジャーノ・レッジャーノ(Parmigiano Reggiano)」を付したチーズだけが「パルメザン(PARMESAN)」の名称で販売されることができるとする判決を下している(甲21,甲22)。
したがって,イタリア国のパルマ地方等で生産されたチーズであってPARMESANの名称で親しまれているチーズは,申立人の業務に係る「Parmigiano Reggiano」チーズの他にはない。
我が国においても,「PARMESAN」又は「パルメザン」の語は,「Parmigiano Reggiano」の訳語であることが,英和辞典だけでなく,国語辞典にも掲載されている(甲23ないし甲26)。
(2)申立人が管理する商標「パルミジャーノ・レッジャーノ(Parmigiano Reggiano)」について
申立人は,1934年に設立された,パルミジャーノ・レッジャーノチーズの品質の管理と原産地表示を保護・管理する活動等を行っている非営利団体であり,申立人の管理する「パルミジャーノ・レッジャーノ(Parmigiano Reggiano)」(以下,申立ての理由において「Parmigiano Reggiano」という。)は,イタリア国の定められた原産地である「イタリア国ボローニャのレーノ川左岸まで・マントバのポー川右岸まで・モデナ・パルマ及びレッジョ・エミリア地方」で生産及び加工され,厳格な生産方法(生産基準),管理された乳牛の給餌方法(給餌規制)及び品質選別と合格マークの押印(マーク規制)を要求する厳しい規制に従って生産され,かつ,申立人の鑑定に合格したものだけに付すことができるチーズの名称である。
ヨーロッパでは,第二次大戦後,原産国以外の偽物チーズが出回り原産国の国益を脅かす事態になったことを受け,1952年にイタリアを含む主要チーズ生産国8力国が「ストレーザ協定」を結び,原産地名称を保護するようになった。この協定締結後に,以前からあったフランスのAOC制度やイタリアのDOC(統制原産地呼称)制度が整備強化され,1992年に欧州連合が,AOC制度及びDOC制度をベースに新たな品質保証システムを創設した。この欧州連合の品質保証システムには,「原産地名称保護(PDO)」,「地理的表示保護(PGI)」及び「伝統的特産品保障(TSG)」の三つのカテゴリーがある。
原産地名称保護(PDO)は,製法や産地を保護するものの中で認定条件が最も厳しいカテゴリーであり,名称に謳われている地域で,決められた伝統的な製法で生産され,しかもその製品が,その土地の気候風土を反映した固有の品質や風味を備えていなければならない。この原産地名称保護のイタリアの表記はDOPである。
「Parmigiano Reggiano」は,この原産地名称保護(PDO)が制定される前の1955年からイタリア国においてDOCを取得して保護されており,現在は,欧州連合の原産地名称保護制度(PDO:DOP)の下で保護されている名称である(甲2,甲3)。
申立人は,「Parmigiano Reggiano」が,原産地名称保護(PDO)の認定を受けた代表的な製品であることを我が国においても広く宣伝活動しており(甲4ないし甲10),我が国においても「Parmigiano Reggiano」が欧州連合の原産地名称保護制度(PDO)の下で保護されているイタリア国の著名なチーズの名称であることは広く知られている。
特に,近年のインターネットの普及により,様々な情報を容易に手に入れることができる状況において,「Parmigiano Reggiano」は,欧文字だけでなく,片仮名「パルミジャーノレッジャーノ」を検索キーワードとして検索をしても,これがイタリア国の定められた原産地である「イタリア国ボローニャのレーノ川左岸まで・マントバのポー川右岸まで・モデナ・パルマ及びレッジョ・エミリア地方」で生産及び加工されたものであり,厳密な品質管理の下で限られたチーズにのみ付される商標であることを誰もが容易に知ることができる程に,我が国においてもチーズについて著名な商標になっている(甲11)。
さらに,「Parmigiano Reggiano」は,イタリア国を代表するチーズであり,「イタリア国のパルマやレッジョ・エミリア地方」等の決められた地域で生産及び加工され,厳密に品質管理がされたチーズであることが,我が国においても多数の書籍等で取り上げられている(甲12ないし甲20)。
上記したように,我が国においては,「Parmigiano Reggiano」が,イタリア国を代表するチーズであり,「イタリア国のパルマやレッジョ・エミリア地方」等の決められた地域で生産及び加工され,厳密に品質管理がされたチーズの名称であることは周知である。
(3)商標法第4条第1項第15号について
「Parmigiano Reggiano」は,上記のように,我が国はもちろん,世界的にチーズの商標として極めて著名な商標である。
これに対して,本件商標は,「Parmigiano Reggiano」の訳語として認識されている「PARMESAN」の語を含んでいるため,需要者,取引者は,本件商標を見た時に,本件商標が付されているチーズが,あたかも「Parmigiano Reggiano」であると誤認することは明らかである。
したがって,本件商標は,申立人の業務に係る「Parmigiano Reggiano」チーズと混同を生じるおそれがあることは明らかであるので商標法第4条第1項第15号に違反して登録されたものである。
(4)商標法第4条第1項第11号について
ア 引用商標1は,楕円形の図案の中に「Parmigiano」の語と「Reggiano」の語が上下に対称に配置され,さらに,その内側に「consorzio」の語と「tutela」の語が上下に対称に配置されてなるものであり,その構成態様から欧州連合において原産地名称の保護を受けているイタリア国の代表的なチーズである「Parmigiano Reggiano」の観念が生じる。
引用商標2は,片仮名「パルミジャーノ レッジャーノ」を横書きしてなり,その構成態様から欧州連合において原産地名称の保護を受けているイタリア国の代表的なチーズ「Parmigiano Reggiano」の観念が生じる。
引用商標3は,チーズをカットした図案の下に「PARmIGIAnO」及び「REGGIAnO」の語を二段に併記してなり,その構成態様から欧州連合において原産地名称の保護を受けているイタリア国の代表的なチーズ「Parmigiano Reggiano」の観念が生じる。
イ 本件商標は,「SAPUTO PARMESAN」の欧文字を横書きしてなり,その構成中に,「Parmigiano Reggiano」の訳語である「PARMESAN」の語を含んでいるため,その構成態様から,欧州連合において原産地名称の保護を受けているイタリア国の代表的なチーズである「Parmigiano Reggiano」の観念が生じる。
ウ 本件商標及び引用商標からは,欧州連合において原産地名称の保護を受けているイタリア国の代表的なチーズ「Parmigiano Reggiano」であるという極めて強い同一の観念が生じるため,外観及び称呼を考慮するまでもなく,両商標は類似する商標であり,そして,本件商標と引用商標とは,それらの指定商品も同一又は類似している。
したがって,本件商標は,商標法第4条第1項第11号に違反して登録されたものである。
(5)商標法第4条第1項第7号について
上記したように,「Parmigiano Reggiano」は,「イタリア国ボローニャのレーノ川左岸まで・マントバのポー川右岸まで・モデナ・パルマ及びレッジョ・エミリア地方」で生産及び加工され,厳しい品質管理の条件をクリアしたチーズのみに付される商標であり,欧州連合において原産地名称保護(PDO)の下で保護され,我が国はもちろん,世界的にチーズの商標として極めて著名な商標である。
そして,我が国の加盟するパリ条約においても原産地の虚偽表示の取締りを定めるとともに,競争者との産品の混同を生じさせるような行為や産品の性質等につき公衆を誤認させるような取引上の表示を禁止しており,マドリッド協定においても,虚偽又は誤認を生じさせる原産地表示に対する制裁が定められている。
さらに,TRIPS協定においては,その第22条において「地理的表示」の定義がなされ,加盟国における地理的表示の保護が規定されている。
さらにまた,我が国は,現在,欧州連合と経済連携協定(EPA)の交渉を行っており,この交渉において欧州連合は原産地名称保護制度(PDO)の下で保護されている名称の使用制限を求めてきている。
上記した状況において,欧州連合において原産地名称として保護され,我が国はもちろん,世界的にも著名な商標である「Parmigiano Reggiano」は,当然に我が国においても保護されるべきであり,「Parmigiano Reggiano」を想起させ,あたかも厳密に品質が管理された「Parmigiano Reggiano」と何等かの関連があるかのような誤認を生じさせるおそれがある本件商標を,「Parmigiano Reggiano」を管理する申立人以外の第三者に対して登録することは,公の秩序を乱すものであり,そして,なにより,欧州連合により原産地名称として保護され,我が国はもちろん世界的に著名な商標である「Parmigiano Reggiano」と誤認混同を生じるおそれがある商標を登録することは国際信義に反するものであり,条約上の観点から見てもこれは直ちに是正されるべきである。
したがって,本件商標は,商標法第4条第1項第7号に違反して登録されたものである。

4 当審の判断
(1)「Parmigiano Reggiano(パルミジャーノ・レッジャーノ)」の文字(語)について
ア 申立人提出の甲各号証及び同人の主張によれば,次のとおりである。
(ア)「Parmigiano Reggiano」は,欧州連合の原産地名称保護制度(PDO:DOP)の下で保護されているチーズの名称であり,申立人は,1934年に設立された,「Parmigiano Reggiano(パルミジャーノ・レッジャーノ)チーズ」(以下「申立人商品」という。)の品質の管理,名称の使用管理等を行っている団体である(甲2ないし甲5)。
(イ)申立人商品は,原産地名称保護(PDO)の認定を受けた代表的な製品であること,及び,申立人のプロモーション(キャンペーン)活動について,2004年ないし2006年,2008年及び2011年の日本食糧新聞に掲載された(甲6ないし甲10)。
(ウ)申立人商品は,イタリア国を代表するチーズであることが昭和62(1987)年5月20日発行の「世界のワイン&チーズ事典」を始め,2014年3月までに我が国で発行された事典や書籍等で紹介された(甲2,甲3,甲12ないし甲20)。
(エ)申立人商品には,楕円等の焼印と「PARMIGIANO-REGGIANO」の刻印が付され,我が国においては,「パルミジャーノ・レッジャーノ(Parmigiano Reggiano)」,「パルミジャーノ・レッジャーノ・チーズ」と表示された。
イ 上記アの事実からすれば,「Parmigiano Reggiano」及び「パルミジャーノ・レッジャーノ」の文字は,申立人商品のブランドとして,本件商標の登録出願時及び登録査定時において,我が国のチーズ製品の取引者,需要者の間においては一定程度知られていたものといえる。
しかしながら,我が国における申立人が作成したパンフレット(甲4)の頒布の事実,「Parmigiano Reggiano」及び「パルミジャーノ・レッジャーノ」の文字を付した申立人商品の営業の規模,広告宣伝の方法,回数,内容等は具体的に立証されていないものであり,申立人商品の我が国における売上額など販売実績を示す証左は提出されていない。
(2)商標法第4条第1項第11号該当性について
ア 本件商標について
本件商標は,前記1のとおり,「SAPUTO PARMESAN」の文字からなるところ,その構成中に,1文字分程度のスペースがあることから,視覚上「SAPUTO」と「PARMESAN」の二語からなるものと容易に理解されるものである。
そして,その構成中の「PARMESAN」の文字部分は,我が国において「イタリアのパルマ地方原産の硬質チーズ」の意味を有する語として,一般に親しまれた外来語(甲24ないし甲26)であり,本件指定商品である「パルメザンチーズ」を表すものと理解,認識させることからすれば,本件商標は,「SAPUTO」の文字部分が,独立して自他商品の識別標識としての機能を果たし得るものと認められる。
そうすると,本件商標は,「サプートパルメザン」の称呼を生じるほか,「SAPUTO」の文字部分に相応して,「サプート」の称呼をも生じ,特定の観念を生じないものである。
イ 引用商標について
(ア)引用商標1は,別掲1のとおりの構成からなり,その構成中「PARMIGIANO」,「REGGIANO」,「CONSORZIO」及び「TUTELA」の文字に相応し,「パルミジャーノレッジャーノコンソルチオトゥテラ」の称呼,及び外側に大きく表された「PARMIGIANO」及び「REGGIANO」の文字から「パルミジャーノレッジャーノ」の称呼を生じ,我が国のチーズ製品の取引者,需要者の間において一定程度知られているものであるから,「申立人商品のブランドとしてのパルミジャーノ・レッジャーノ」の観念を生じるものと認められる。
(イ)引用商標2は,上記2(2)のとおり「パルミジャーノ レッジャーノ」の文字からなり,「パルミジャーノレッジャーノ」の称呼及び「申立人商品のブランドとしてのパルミジャーノ・レッジャーノ」の観念を生じるものと認められる。
(ウ)引用商標3は,別掲2のとおり構成からなり,その構成中「PARmIGIAnO」,「REGGIAnO」の文字に相応し,「パルミジャーノレッジャーノ」の称呼及び「申立人商品のブランドとしてのパルミジャーノ・レッジャーノ」の観念を生じるものと認められる。
ウ 本件商標と引用商標との類否について
本件商標と引用商標との類否を検討すると,本件商標は,上記アのとおりからなり,引用商標は,上記イのとおりからなるものであり,その構成態様,図形の有無及び構成文字が相違することから,外観上,相紛れるおそれはない。
そして,称呼においては,本件商標から生ずる「サプートパルメザン」及び「サプート」の称呼と,引用商標から生ずる「パルミジャーノレッジャーノコンソルチオトゥテラ」及び「パルミジャーノレッジャーノ」の称呼とは,その構成音及び構成音数が明らかに相違するものであるから,互いに聴き誤るおそれはない。
また,観念においては,本件商標は特定の観念を生じないものであるから,引用商標と比較することができない。
そうすると,本件商標と引用商標とは,外観,称呼及び観念のいずれの点においても相紛れるおそれのない非類似の商標というべきである。
したがって,本件商標は,商標法第4条第1項第11号に該当しない。
(3)商標法第4条第1項第15号該当性について
「Parmigiano Reggiano」及び「パルミジャーノ・レッジャーノ」の文字は,前記(1)のとおり,申立人商品のブランドとして,本件商標の登録出願時及び登録査定時において,我が国のチーズ製品の取引者及び需要者の間においては一定程度知られていたものといえる。
しかしながら,本件商標と引用商標とは,前記(2)に記載のとおり,非類似の商標であって,別異の商標というべきであるから,本件商標は,本件商標権者がこれをその指定商品について使用しても,取引者,需要者に,「Parmigiano Reggiano」及び「パルミジャーノ・レッジャーノ」,又は申立人商品を連想,想起させることはなく,その商品が申立人あるいは同人と経済的若しくは組織的に何らかの関係を有する者の業務に係るものであるかのように,その商品の出所について混同を生ずるおそれはないものというべきである。
したがって,本件商標は,商標法第4条第1項第15号に該当しない。
なお,申立人は,我が国の取引者,需要者の間で,「PARMESAN」の文字(語)が「Parmigiano Reggiano」の訳語であると認識されるイタリア産(パルマ地方産)のチーズであって,「PARMESAN」の名称で親しまれているチーズは,申立人商品を意味するなど主張している。
しかしながら,「PARMESAN」の語が「Parmigiano Reggiano」の訳語を表すものとして普通に使用されているとまでいうことはできないし,また,「PARMESAN」の文字が申立人商品を表すものとして我が国の取引者,需要者の間で理解,認識されていることを示す証左の提出はなく,かつ,それを認めるに足る事情も見いだせない。
よって,申立人の主張は,採用できない。
(4)商標法第4条第1項第7号該当性について
申立人は,「欧州連合において原産地名称として保護され,我が国はもちろん,世界的にも著名な商標である『Parmigiano Reggiano』を想起させ,あたかも厳密に品質が管理された『Parmigiano Reggiano』と何等かの関連があるかのような誤認を生じさせるおそれある本件商標を,申立人以外の第三者に対して登録することは,公の秩序を乱すものであり,国際信義に反するものである。」旨主張する。
しかしながら,「Parmigiano Reggiano」及び「パルミジャーノ・レッジャーノ」の文字が,申立人商品のブランドとして,我が国のチーズ製品の取引者及び需要者の間においては一定程度知られていたものといえるとしても,前記(2)のとおり,本件商標は,引用商標と非類似の商標であって別異の商標であり,引用商標又は申立人商品を連想,想起させるものではないから,これを登録することが,申立人と何等かの関連があるかのような誤認を生じさせるおそれはない。
そして,本件商標は,その構成自体がきょう激,卑わい,差別的又は他人に不快な印象を与えるような文字からなるものではなく,申立人提出の証拠からは,本件商標の登録出願の経緯に社会的相当性を欠くなどの事実,本件商標をその指定商品について使用することが,社会の一般道徳観念に反するものでもなく,さらに,他の法律によってその使用が禁止されているものとも認められないものである。
したがって,本件商標は,条約上の観点等を考慮しても,公の取引秩序を乱し,国際信義に反する商標ということはできないから,商標法第4条第1項第7号に該当しない。
(5)むすび
以上のとおり,本件商標の登録は,商標法第4条第1項第7号,同項第11号及び同項第15号のいずれにも違反してされたものとはいえないから,同法第43条の3第4項の規定により,維持すべきである。
よって,結論のとおり決定する。
別掲 別掲1(引用商標1)





別掲2(引用商標3)





異議決定日 2016-08-22 
出願番号 商願2015-36867(T2015-36867) 
審決分類 T 1 651・ 262- Y (W29)
T 1 651・ 271- Y (W29)
T 1 651・ 263- Y (W29)
T 1 651・ 261- Y (W29)
T 1 651・ 22- Y (W29)
最終処分 維持 
前審関与審査官 内田 直樹 
特許庁審判長 青木 博文
特許庁審判官 田中 亨子
板谷 玲子
登録日 2015-10-16 
登録番号 商標登録第5799790号(T5799790) 
権利者 サプート デアリー プロダクツ カナダ ジーピー
商標の称呼 サプトパルメザン、サプト 
代理人 八木田 智 
代理人 浜野 孝雄 
代理人 特許業務法人深見特許事務所 
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