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審決分類 審判 全部申立て  登録を維持 W36
審判 全部申立て  登録を維持 W36
審判 全部申立て  登録を維持 W36
審判 全部申立て  登録を維持 W36
管理番号 1319342 
異議申立番号 異議2016-900002 
総通号数 202 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標決定公報 
発行日 2016-10-28 
種別 異議の決定 
異議申立日 2016-01-04 
確定日 2016-09-01 
異議申立件数
事件の表示 登録第5796239号商標の商標登録に対する登録異議の申立てについて、次のとおり決定する。 
結論 登録第5796239号商標の商標登録を維持する。
理由 1 本件商標
本件登録第5796239号商標(以下「本件商標」という。)は、「WORLD TRADE CENTER BUILDING」の欧文字を標準文字で表してなり、平成27年4月22日に登録出願、第36類「生命保険契約の締結の媒介,生命保険の引受け,損害保険契約の締結の代理,損害保険に係る損害の査定,損害保険の引受け,保険料率の算出,建物の管理,建物の貸借の代理又は媒介,建物の貸与,建物の売買,建物の売買の代理又は媒介,建物又は土地の鑑定評価,土地の管理,土地の貸借の代理又は媒介,土地の貸与,土地の売買,土地の売買の代理又は媒介」を指定役務として、同年9月1日に登録査定、同年10月2日に設定登録されたものである。

2 登録異議の申立ての理由
登録異議申立人(以下「申立人」という。)は、本件商標は商標法第4条第1項第6号、同第8号、同第10号及び同第15号に該当するものであるから、同法第43条の2第1号によって取り消されるべきであると申し立て、その理由を要旨以下のように述べ、証拠方法として甲第1号証ないし甲第11号証を提出した。
(1)商標法第4条第1項第6号について
申立人は、1970年、「世界貿易の拡大、国際企業関係や国家間の相互理解、途上国による世界貿易への参加、メンバー間の相互扶助協力、ワールドトレードセンターの概念の促進」などを基本指針として、米国にて設立された非営利公益法人である(甲1及び甲2)。そして、創立以来、世界各国において上記指針の実現を目的として幅広く活動してきた結果、その略称である「WORLD TRADE CENTER」(以下「申立人標章」という。)は、申立人を表すものとして世界的に周知されるに到ったものである(甲3?甲8)。したがって、申立人標章は、公益に関する団体であって営利を目的としないものを表示する標章であって著名なものに当たる。
そこで、本件商標と申立人標章を比較するに、本件商標が「WORLD TRADE CENTER BUILDING」の欧文字からなるのに対して申立人標章は「WORLD TRADE CENTER」の欧文字からなり、本件商標は申立人を表す標章として世界的に周知される「WORLD TRADE CENTER」の文字列をその語頭部分において明らかに含み、末尾に本件商標の指定役務との関係で識別力に欠ける「BUILDING」の文字列を付加したにすぎない。この点、申立人がこれまで長年にわたって継続してきた公益的活動とこれに化体した信用に鑑みると、商標法第4条第1項第6号の趣旨である公益保護の観点からは、両者は互いに相紛らわしく、類似する商標に当たる。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第6号に該当する。
(2)商標法第4条第1項第8号について
「WORLD TRADE CENTER」の文字列は、既に本件商標の登録出願時において、申立人の名称である「WORLD TRADE CENTERS ASSOCIATION, INCORPORATED」の著名な略称として世界的に知られており、かつ、本件商標は明らかにこれを含んでいる。そして、申立人は、本件商標権者に対し、何ら本件商標の出願ないし登録に関する承諾を与えていない。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第8号に該当する。
(3)商標法第4条第1項第10号について
本件商標は、既に本件商標の登録出願時において申立人の業務に係る役務を表示するものとして需要者の間に広く認識されている申立人標章をその語頭部に有するとともに、その末尾に本件商標の指定役務との関係では識別力に欠ける「BUILDING」の文字列を付加したにすぎない。また、「WORLD TRADE CENTER BUILDING」は「WORLD TRADE CENTER」を既成語の一部として含むものではなく、かつ、両商標の間に著しく異なった外観、称呼又は観念を生ずることが明らかともいえない。したがって、両者は互いに類似する商標である。
そして、本件商標は、申立人の業務に係る役務と同一又は類似の役務「生命保険契約の締結の媒介,生命保険の引受け,損害保険契約の締結の代理,損害保険に係る損害の査定,損害保険の引受け,保険料率の算出,建物の管理,建物の貸借の代理又は媒介,建物の貸与,建物の売買,建物の売買の代理又は媒介,建物又は土地の鑑定評価,土地の管理,土地の貸借の代理又は媒介,土地の貸与,土地の売買,土地の売買の代理又は媒介」について使用するものである。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第10号に該当する。
(4)第4条第1項第15号について
本件商標と申立人標章が類似せず、又は、本件商標の指定役務が申立人の業務に係る役務に類似しない役務を含むとしても、既に本件商標の登録出願時において申立人標章が世界的に著名な申立人のハウスマークとして広く周知されていること、申立人の業務内容が多岐にわたるものであること、両役務の間には関連性が認められること等の点からすれば、本件商標をその指定役務に付して提供した場合、需要者は、申立人と経済的又は組織的に何らかの関係がある者の業務に係る役務であると誤認し、その出所について混同を生ずるおそれがある。
そして、本件商標は、申立人の著名な標章「WORLD TRADE CENTER」を既成語の一部として含むものではなく、また、本件商標と申立人標章との間に出所混同を生ずるおそれのないことが明白ともいえない。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第15号に該当する。

3 当審の判断
(1)申立人が提出した証拠について
ア 申立人は、1970年に設立された「世界貿易の拡大の促進、国際企業関係や国家間の相互理解の促進、途上国による世界貿易への参加の促進、メンバー間の相互扶助協力の促進、ワールドトレードセンターの概念の促進」などを基本指針として、米国にて設立された非営利法人である(甲1、甲2)。
イ Wikipediaにおける「World Trade Centers Association」についてのウェブページには、「ワールド・トレード・センター・アソシエーション(WTCAとも略される)」の記載(和訳)がある(甲2)。
ウ 「WORLD TRADE CENTERS ASSOCIATION」のウェブサイトにおいて、「ABOUT WTCA」の見出しのもと、「The World Trade Centers Association」についての説明があり、「WTCA」と略されている。上記説明によると、WTCAは、世界中の不動産開発事業者、企業や共同体に‘ワールド・トレード・センター’及び‘WTC’ブランドの使用を許諾する排他的な権利を有する唯一の団体である旨の記載(和訳)がある(甲3)。
エ 「World Trade Center Denver」のウェブサイトにおいて、「World Trade Centers Association History」の見出しのもと、「World Trade Centers Association(WTCA)」の記載がある。また、ワールド・トレード・センターズは、国によって様々であるが、それらは全てワールド・トレード・センターズ・アソシエーション(WTCA)の一部としてつながっており、WTCAは、100万以上の企業を代表する100近い国家において、330のメンバーを有している旨の記載(和訳)がある(甲4、甲5)。
オ 「THE MEMO BLOG」と題するウェブサイトにおける6月30日付けの記事によれば、ワールド・トレード・センター・アソシエーションには、92ヶ国、325の“World Trade Centers”がある旨の記載(和訳)がある(甲6)。
カ 「『WTCA Day』特別記念講演会のご案内」と題する資料において、「“世界貿易センター連合”(World Trade Centers Association=WTCA=本部ニューヨーク)」の記載がある(甲7)。
キ 「関西情報サイト Kansai Window」のウェブサイトにおいて、「『世界貿易センター連合(WTCA)大阪総会』の開催概要が決定」の記載がある(甲8)。
(2)申立人標章(略称)について
上記(1)によれば、申立人は、1970年に設立された「世界貿易の拡大の促進」等を基本指針とする米国に設立された非営利法人であり、「World Trade Centers Association」(ワールド・トレード・センターズ・アソシエーション)は、100万以上の企業を代表する100近い国家における330のメンバーを有し、それぞれのメンバーが、「World Trade Centers」(ワールド・トレード・センターズ)と称している。
そして、申立人の名称である「World Trade Centers Association」については、これを「WTCA」と略称している場合があることが認められる。
しかしながら、「WORLD TRADE CENTER」の標章が、申立人のハウスマークとして使用され、また、申立人の名称「WORLD TRADE CENTERS ASSOCIATION, INCORPORATED」(以下「申立人名称」という。)の「略称」として使用されている証左は提出されておらず、かつ、申立人標章が申立人の業務を表すものとして広く知られていると認めるに足る証左もない。
(3)商標法第4条第1項第6号該当性について
申立人は、申立人標章「WORLD TRADE CENTER」は、公益に関する団体であって営利を目的としないものを表示する標章であって著名なものであり、本件商標が申立人標章を明らかに含み、その指定役務との関係で識別力に欠ける「BUILDING」の文字列を付加したにすぎないものであるから、本件商標と申立人標章とは類似し、商標法第4条第1項第6号に該当する旨主張する。
しかしながら、上記(2)のとおり、申立人名称を「WTCA」と略称する事実は認められるものの、申立人名称が、「WORLD TRADE CENTER」と略称して使用され、これが申立人又は申立人の事業を表すものであると認識されているとの証左は提出されておらず、また、職権により調査するも、申立人名称について、「WORLD TRADE CENTER」と略称して使用されている事実を見いだすことができない。
なお、申立人は「非営利法人」であるとしているものであるが、その主張をもって、ただちに申立人が公益に関する団体であること、又は申立人の事業が公益に関するものであることを認めることはできない。
そうすると、本件商標中の「WORLD TRADE CENTER」の文字は、申立人を表すものとして世界的に周知されるに到ったものということはできず、本件商標は、公益に関する団体であって営利を目的としないもの又は公益に関する事業であって営利を目的としないものを表示する標章であって著名なものということができない。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第6号に該当しない。
(4)商標法第4条第1項第8号該当性について
申立人は、本件商標が、申立人名称の著名な略称を含んでおり、申立人の許諾を得たものではないから、本件商標は、商標法第4条第1項第8号に該当する旨主張する。
しかしながら、上記(3)のとおり、本件商標中の「WORLD TRADE CENTER」の文字は、申立人を表すものとして世界的に周知されるに到ったものということはできず、需要者が、本件商標の構成中に、申立人の著名な略称を含むものと認識することはないというべきである。
してみれば、本件商標が申立人の著名な略称を含むものであるとする申立人の主張は、その前提を欠くものであり、採用することができない。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第8号に該当しない。
(5)商標法第4条第1項第10号及び同15号該当性について
ア 本件商標について
本件商標は、「WORLD TRADE CENTER BUILDING」の文字からなるところ、その構成中の「WORLD TRADE CENTER」の文字は、英和辞典等によれば、「世界貿易センター。2001年9月11日のテロによって崩壊した、米国ニューヨーク市にあった一対の高層ビル。」等の意味を有するものである。
そして、米国ニューヨーク市の他にも、香港やメルボルンなどの世界各国の都市において、同じ「WORLD TRADE CENTER」の名称を持つ建物が存在しているところ、我が国においては、東京都港区浜松町二丁目4番1号に「世界貿易センタービルディング」の名称の建物が所在する。
また、本件商標「WORLD TRADE CENTER BUILDING」の文字が、上記「世界貿易センタービルディング」の英語表記として使用されていること(https://www.wtcbldg.co.jp/wtcb/index.html)、世界各国の都市に所在する「WORLD TRADE CENTER」が必ずしも「BUILDING」の文字を伴って表されていないことからすれば、本件商標に接する我が国の需要者は、「浜松町に所在する世界貿易センタービルディング」を認識するというのが相当である。
なお、申立人は、本件商標中の「BUILDING」の文字が、その指定役務との関係において識別力がない語である旨主張するが、上記のとおり、本件商標は「世界貿易センタービルディング」の英語表記と認められるものであるから、全体を一連一体として認識するものといえる。
そうすると、本件商標は、その構成文字に相応して「ワールドトレードセンタービルディング」の称呼を生じ、「浜松町の世界貿易センタービルディング」の観念を生ずるものである。
イ 申立人標章について
申立人標章は、「WORLD TRADE CENTER」の文字からなるところ、該文字は、上記アのとおり、「世界貿易センター。2001年9月11日のテロによって崩壊した、米国ニューヨーク市にあった一対の高層ビル。」等の意味を有するものである。
そうすると、申立人標章は、その構成文字に相応して「ワールドトレードセンター」の称呼を生じ、「ニューヨーク市にあったワールドトレードセンター」ほどの観念を生ずるものである。
そして、上記(3)のとおり、申立人標章は、申立人を表すものとして著名なものということはできず、また、申立人の業務に係る役務を表示するものとして、我が国の需要者の間に広く認識されていたものと認めることもできない。
ウ 本件商標と申立人標章との類似性
本件商標は「WORLD TRADE CENTER BUILDING」の文字からなり、申立人標章は「WORLD TRADE CENTER」の文字からなるから、両者は、外観上、「BUILDING」の文字の有無において相違するものである。
また、称呼においては、本件商標は「ワールドトレードセンタービルディング」の称呼を生じ、申立人標章は「ワールドトレードセンター」の称呼を生ずるから、両者は後部の「ビルディング」の音の有無において、明らかに相違する。
さらに、本件商標は「浜松町の世界貿易センタービルディング」の観念を生ずるものであるのに対し、申立人標章は「ニューヨーク市にあったワールドトレードセンター」の観念を生ずるものであるから、観念において類似しない。
してみれば、本件商標と申立人標章は、外観、称呼及び観念のいずれの点においても類似せず、互いに紛れるおそれのない非類似の商標というべきである。
エ 小括
以上によると、本件商標は、商標法第4条第1項第10号にいう「他人の業務に係る商品若しくは役務を表示するものとして需要者の間に広く認識されている商標又はこれに類似する商標」には該当しないというべきであり、また、本件商標は、これに接する需要者をして、申立人標章を想起又は連想させて役務の出所について誤認・混同を生じさせるものということはできないから、同法第4条第1項第15号にいう「他人の業務に係る商品又は役務と混同を生ずるおそれがある商標」にも該当しないというべきである。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第10号及び同第15号に該当しない。
(6)結論
以上のとおり、本件商標の登録は、商標法第4条第1項第6号、同第8号、同第10号及び同第15号のいずれにも違反してされたものではないから、同法第43条の3第4項の規定に基づき、その登録を維持すべきものである。
よって、結論のとおり決定する。
異議決定日 2016-08-22 
出願番号 商願2015-39168(T2015-39168) 
審決分類 T 1 651・ 23- Y (W36)
T 1 651・ 25- Y (W36)
T 1 651・ 271- Y (W36)
T 1 651・ 21- Y (W36)
最終処分 維持 
前審関与審査官 渡邉 あおい 
特許庁審判長 井出 英一郎
特許庁審判官 清棲 保美
山田 正樹
登録日 2015-10-02 
登録番号 商標登録第5796239号(T5796239) 
権利者 株式会社世界貿易センタービルディング
商標の称呼 ワールドトレードセンタービルディング、ワールドトレードセンター、ワールドトレード 
代理人 原 慎一郎 
代理人 岩瀬 ひとみ 
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