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審決分類 審判 全部申立て  登録を維持 W091134
審判 全部申立て  登録を維持 W091134
管理番号 1319339 
異議申立番号 異議2015-900391 
総通号数 202 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標決定公報 
発行日 2016-10-28 
種別 異議の決定 
異議申立日 2015-12-21 
確定日 2016-08-04 
異議申立件数
事件の表示 登録第5792079号商標の商標登録に対する登録異議の申立てについて、次のとおり決定する。 
結論 登録第5792079号商標の商標登録を維持する。
理由 1 本件商標
本件登録第5792079号商標(以下「本件商標」という。)は、「TOBACCO HEATING TECHNOLOGY」の文字を標準文字で表してなり、2014(平成26)年5月13日に英国においてした商標登録出願に基づきパリ条約第4条による優先権を主張して、平成26年11月11日に登録出願され、第9類「たばこ加熱用の電子制御装置,煙・ガス・蒸気発生器用の電子制御装置,電子応用機械器具及びその部品」、第11類「家庭用電熱用品類」及び第34類「紙巻たばこ,たばこ,たばこ製品,ライター,マッチ,喫煙用具,たばこを加熱し、気化させることにより喫煙するための電子式・電気式手持型喫煙用具」を指定商品として、平成27年8月5日に登録査定、同年9月11日に設定登録されたものである。

2 登録異議の申立ての理由
登録異議申立人(以下「申立人」という。)は、本件商標は商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に該当するものであるから、同法第43条の2第1号により、その登録は取り消されるべきであると申立て、その理由を要旨以下のように述べ、証拠方法として甲第1号証ないし甲第4号証を提出した。
(1)商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号の該当性
ア たばこ業界では、たばこを電気で加熱して吸う「加熱式たばこ」の普及が急速に進んでいる。例えば、たばこ業界大手の日本たばこ産業株式会社(JT)では平成25年12月12日から電気加熱式たばこ「Ploom(プルーム)」を発売している(甲2)。また、同じくたばこ業界大手のフィリップモリスでも、平成26年11月4日から、たばこを加熱する技術を採用した「iQOS」及び専用の「MARLBORO HEATSTICKS」を発売している(甲3)。「iQOS」は、「MARLBORO HEATSTICKS」内のたばこを、燃やすことなく、正確に制御された温度の範囲で加熱し、味わい豊かな体験を生み出している(甲4)。
イ 本件商標は、上記アのたばこを加熱する技術を採用した商品の特徴を英語で普通に表示したにすぎず、単に商品の核となる技術である「たばこを加熱する技術」を表示したものである。他のたばこ会社でも、たばこを加熱する品質(機能・技術)のことを「TOBACCO HEATING」と表示することが行われている。
したがって、本件商標をその指定商品中の第9類「たばこ加熱用の電子制御装置」及び第34類「たばこを加熱し、気化させることにより喫煙するための電子式・電気式手持型喫煙用具」に使用しても商品の機能を表示しているに過ぎず、自他商品識別標識として機能を果たし得ない。
また、たばこを加熱する技術を採用した加熱式たばこではない、それ以外の指定商品に使用した場合には、商品の品質の誤認を生じさせるおそれがある。
(2)まとめ
以上のとおり、本件商標は、商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に違反して登録されたものであるから、同法第43条の2第1号によって取り消されるべきである。

3 当審の判断
本件商標は、前記1のとおり、「TOBACCO HEATING TECHNOLOGY」の欧文字を標準文字で表してなるところ、その構成は、「たばこ」の意味を有する「TOBACCO」、「加熱」の意味を有する「HEATING」及び「科学技術」の意味を有する「TECHNOLOGY」の各英語を一連に表してなり、その構成全体として、「たばこを加熱する科学技術」ほどの意味合いを認識させるものである。
しかしながら、本件商標から生ずる上記意味合いが、申立てに係る指定商品中のいずれの商品についても、商品の品質等を具体的に表しているものであるとはいい難い。
また、当審において職権をもって調査するも、「TOBACCO HEATING TECHNOLOGY」の文字が、本件商標の申立てに係る指定商品を取り扱う業界において、商品の品質等を表すものとして普通に用いられているという事実を発見することはできなかった。
なお、申立人は、甲第2号証ないし甲第4号証を提出し、大手たばこ企業2社が平成25年頃からたばこを電気で加熱して吸う方式の「加熱式たばこ」を発売して、これが急速に普及しており、たばこを加熱する品質(機能・技術)を「TOBACCO HEATING」と表示することが行われているから、本件商標の登録査定時において自他商品の識別力を有していなかった旨主張する。
しかしながら、申立人提出の証拠において、「加熱式たばこ」が販売されている事実は認められるものの、「TOBACCO HEATING」の文字が商品の品質(機能・技術)を表す表示として使用されている事実を確認することができない。
よって、本件商標の指定商品を取り扱う業界において、「TOBACCO HEATING」の文字が、商品の品質等を具体的に表示するために普通に使用されている事実は見出せないから、申立人の主張を採用することができない。
してみれば、本件商標をその申立てに係る指定商品中「たばこ加熱用の電子制御装置」及び「たばこを加熱し、気化させることにより喫煙するための電子式・電気式手持型喫煙用具」に使用しても、これに接する取引者、需要者は、商品の具体的な品質等を表示するものとして認識していたということはできないから、本件商標は、自他商品の識別標識としての機能を果たし得るものとみるのが相当である。
そして、本件商標は、その申立てに係る指定商品中「たばこ加熱用の電子制御装置」及び「たばこを加熱し、気化させることにより喫煙するための電子式・電気式手持型喫煙用具」以外の指定商品について使用しても、商品の品質について誤認を生じさせるおそれもない。
したがって、本件商標は、商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に該当しない。
以上のとおり、本件商標の登録は、商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に違反してされたものではないから、同法第43条の3第4項の規定により、その登録を維持すべきである。
よって、結論のとおり決定する。
異議決定日 2016-07-25 
出願番号 商願2014-94856(T2014-94856) 
審決分類 T 1 651・ 13- Y (W091134)
T 1 651・ 272- Y (W091134)
最終処分 維持  
前審関与審査官 青野 紀子 
特許庁審判長 今田 三男
特許庁審判官 藤田 和美
田中 幸一
登録日 2015-09-11 
登録番号 商標登録第5792079号(T5792079) 
権利者 ブリティッシュ・アメリカン・タバコ(ブランズ)リミテッド
商標の称呼 タバコヒーティングテクノロジー、タバコヒーティング、ヒーティングテクノロジー 
代理人 中山 真理子 
代理人 達野 大輔 
代理人 栃木 順子 
代理人 竹中 陽輔 

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