ポートフォリオを新規に作成して保存 |
|
|
既存のポートフォリオに追加保存 |
|
PDFをダウンロード |
審決分類 |
審判 全部申立て 登録を維持 W30 審判 全部申立て 登録を維持 W30 審判 全部申立て 登録を維持 W30 審判 全部申立て 登録を維持 W30 審判 全部申立て 登録を維持 W30 |
---|---|
管理番号 | 1319338 |
異議申立番号 | 異議2015-900368 |
総通号数 | 202 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 商標決定公報 |
発行日 | 2016-10-28 |
種別 | 異議の決定 |
異議申立日 | 2015-12-07 |
確定日 | 2016-09-01 |
異議申立件数 | 1 |
事件の表示 | 登録第5788402号商標の商標登録に対する登録異議の申立てについて,次のとおり決定する。 |
結論 | 登録第5788402号商標の商標登録を維持する。 |
理由 |
1 本件商標 本件登録第5788402号商標(以下「本件商標」という。)は,別掲1のとおりの構成からなり,平成27年1月9日に登録出願,第30類「神戸市限定販売の釜揚げポテトチップス菓子」を指定商品として,同年8月17日に登録査定,同年同月28日に設定登録されたものである。 2 引用商標 登録異議申立人(以下「申立人」という。)が本件登録異議の申立ての理由に引用する商標(以下,これらをまとめて「引用商標」という場合がある。)は,以下のとおりである。 (1)登録第2681835号商標(以下「引用商標1」という。)は,「KETTLE」の欧文字を横書きしてなり,平成3年3月18日に登録出願,第30類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として,同6年6月29日に設定登録され,その後,同17年6月8日に指定商品を第30類「和菓子,ビスケット,クラッカー,クッキー,ウエハース,パイ,タルト,ポップコーン,ポテトチップ,コーンスナック菓子,その他のスナック菓子,チョコレートで覆われたナッツ菓子,アイスキャンデー,その他の菓子,ロールパン,その他のパン」とする指定商品の書換登録がされたものであり,現に有効に存続しているものである。 (2)登録第4904534号商標(以下「引用商標2」という。)は,「ケトル」の片仮名を標準文字で表してなり,平成16年12月15日に登録出願,第29類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品及び第30類「コーヒー及びココア,代用コーヒー,紅茶,茶,砂糖,はちみつ,果糖,麦芽糖,ぶどう糖,水あめ,食塩,食酢,ウスターソース,ケチャップソース,マヨネーズソース,クリーム状のディップソース,その他の調味料,マスタード,こしょう,その他の香辛料,米,小麦粉,食用粉類,タピオカ,サゴ,パン,菓子パン,アイスキャンディ,アイスクリーム,ポップコーン,氷,コーン菓子,ポテトチップス菓子,トルティーヤチップス,タコス,穀物類・野菜類・チョコレート・乳製品を主材とするスナック菓子,砂糖無添加のビスケット,その他のビスケット,ラスク,クラッカー,チョコレートで包んだナッツ菓子,ナッツ又は穀物・ナッツ・ドライフルーツのミックスを使用してなる棒状の菓子,甘味を加味したナッツ菓子,その他の菓子,コーヒー豆,即席めん,その他の穀物の加工品,アーモンドペースト,イーストパウダー,ベーキングパウダー,即席菓子のもと,即席菓子・即席麺用の食品香料(精油のものを除く。),野菜から抽出した食品香料(精油のものを除く。),香辛料を加味した食品香料(精油のものを除く。),その他の食品香料(精油のものを除く。)」を指定商品として,同17年10月28日に設定登録されたものであり,現に有効に存続しているものである。 (3)申立人が「ポテトチップ」又は「ポテトチップス菓子」に使用している「KETTLE CHIPS」の欧文字からなる商標(以下「引用商標3」という。) (4)同じく「ポテトチップ」又は「ポテトチップス菓子」に使用している「ケトルチップス」の片仮名からなる商標(以下「引用商標4」という。) 3 登録異議の申立ての理由の要点 (1)引用商標の周知・著名性 引用商標は,甲第3号証ないし甲第25号証及び甲第31号証ないし甲第43号証で示すとおり,申立人が提供する「ポテトチップ」又は「ポテトチップス菓子」を表示するものとして国内外の需要者の間で周知又は著名である。 (2)商標法第4条第1項第10号 「ケトルチップス」という同一の称呼が生じるため,本件商標は,国内外で周知又は著名な引用商標3及び4と類似する。かつ,本件商標は,引用商標3及び4が使用される「ポテトチップ」又は「ポテトチップス菓子」と同一商品である「神戸市限定販売の釜揚げポテトチップス菓子」に使用される。 したがって,本件商標は,商標法第4条第1項第10号に違反して登録されたものである。 (3)商標法第4条第1項第11号 本件商標と引用商標1及び2は,いずれも「ケトル」の称呼が生じるため,類似の商標であり,かつ,本件商標の指定商品は,引用商標1及び2の指定商品と同一である。 したがって,本件商標は,商標法第4条第1項第11号に違反して登録されたものである。 (4)商標法第4条第1項第15号 申立人の国内外で周知又は著名な引用商標と類似する商標「ケトル/チップス」及び「Kettle/Chips」を一部に含む本件商標が,申立人の使用又は商標登録に係る商品と同一の商品について商標登録されていることから,本件商標は,申立人の業務に係る商品と混同を生ずるおそれがある。 したがって,本件商標は,商標法第4条第1項第15号に違反して登録されたものである。 4 当審の判断 (1)商標法第4条第1項第11号該当性について 本件商標は,別掲1のとおり,包装用箱の側面を表した展開図内に,神戸市の地形及び神戸の名所を表示した図形,ポテトチップスを表示した図形,「Colbee+」の文字,「神戸」,「ケトルチップス」の文字を2段に書し,また,金色矩形内に「神戸」,「ケトル」,「チップス」の文字を3段に書し,前記文字の下にそれぞれ「Kettle Chips」の欧文字を筆記体で表し,さらに,金色の円形矩形内に「KOBE」,「神戸」,「限定販売」の文字を3段に表した構成からなるところ,構成中の「ケトルチップス」,「Kettle Chips」の文字部分は,当審における職権調査(別掲2)によれば,「釜揚げ製法によるポテトチップス菓子」を意味し,商品の品質を表示したものと認められる。 そうすると,ことさら「KETTLE」,「ケトル」の文字に着目して,これから生じる称呼及び観念のみをもって取引に当たるとはいえない。 他方,引用商標1は,「KETTLE」の欧文字を横書きしてなり, 引用商標2は,「ケトル」の片仮名を標準文字で表してなるものであり,それらの文字から「ケトル」の称呼を生じ,「やかん,湯わかし」の観念を生じるものであるところ,上記のとおり,本件商標からは,「ケトル」の称呼及び「やかん,湯わかし」の観念は生じないものであるから,両商標から,「ケトル」の称呼が生じることを前提に両商標が類似するとする申立人の主張は採用することができない。 その他,本件商標と引用商標1及び2が類似とするべき実情は見いだせない。 したがって,本件商標は,商標法第4条第1項第11号に該当しない。 (2)商標法第4条第1項第10号該当性について ア 申立人提出の甲各号証及び同人の主張によれば,次のとおりである。 (ア)申立人は,米国オレゴン州所在のポテトチップスの製造業者であり,申立人が製造するポテトチップスは,オーストリア,ベルギー,デンマーク,フィンランド,フランス,ドイツ,ギリシャ,アイスランド,アイルランド,イスラエル,イタリア,ルクセンブルク,マルタ,マレーシア,オランダ,ノルウェー,ポルトガル,シンガポール,スペイン,スイス及びスウェーデンで販売されている(甲3,甲9の4及び8)。 (イ)申立人は,自己の業務に係るポテトチップス(以下「申立人商品」という。)に引用商標3をデザイン化した商標(甲7の1ないし8,甲8,甲9の1ないし8,甲12,甲15の1,甲21の21及び37,甲42及び甲43),引用商標1をデザイン化した商標(甲10の1ないし12,甲11,甲12,甲15の2,甲18及び甲19,甲21の1ないし12,14,16,17,19,20,22ないし34,38ないし41,甲23ないし甲25,甲37及び甲42)を使用している。 また,引用商標4を申立人商品の説明等に使用している(甲21の1ないし41)が,引用商標2の使用はないものである。 (ウ)株式会社西友は,引用商標1及び3をデザイン化した商標を付した「ポテトチップス」を2009年7月31日から販売した(甲15の1及び2)。 (エ)コストコホールセール・ジャパンは,引用商標1をデザイン化した商標を付した「ポテトチップス」を2012年12月には販売した(甲17)。 イ しかしながら,申立人が,引用商標1及び3をデザイン化した商標を申立人商品に表示して使用していること及び申立人のポテトチップスが我が国に輸入され販売されていることは認め得るものの,本件商標の登録出願前までの我が国における引用商標を使用した商品の販売数量,売上高,市場占有率(シェア)等引用商標に係る商品の取引実績などを具体的に把握し得る証拠の提出はないものである。 そうすると,提出された証拠からは,本件商標の登録出願時及び登録査定時において,引用商標が申立人商品を表示するものとして,我が国の取引者及び需要者の間で広く認識されて周知,著名になっていたと認めることができない。 そして,前記(1)のとおり,本件商標と引用商標1及び2は,類似する商標ではなく,本件商標の構成中の「ケトルチップス」,「Kettle Chips」の文字部分は要部とはいえないことから,その認定,判断と同様に本件商標と引用商標3及び4も類似する商標とはいえないものである。 したがって,本件商標は,商標法第4条第1項第10号に該当しない。 (3)商標法第4条第1項第15号該当性について 前記(2)のとおり,引用商標は,申立人商品を表示するものとして,我が国の取引者及び需要者の間で広く認識されて周知,著名になっていたと認めることができないものであり,また,本件商標と引用商標3及び4とは,類似する商標とはいえないものである。 そうすると,本件商標をその指定商品に使用しても,これに接する取引者,需要者が引用商標ないし申立人を連想,想起するようなことはないというべきであり,該商品が申立人又は同人と経済的又は組織的に何らかの関係を有する者の業務に係る商品であるかのように,その商品の出所について混同を生じるおそれはないものと判断するのが相当である。 したがって,本件商標は,商標法第4条第1項第15号に該当しない。 (4)むすび 以上のとおり,本件商標は,商標法第4条第1項第10号,同項第11号及び同項第15号に違反して登録されたものとはいえないから,同法第43条の3第4項の規定に基づき,その登録は維持すべきものである。 よって,結論のとおり決定する。 |
別掲 |
別掲1 本件商標 (色彩についは原本参照。) 別掲2 「Kettle」「ケトル」の文字の意味合い等について (1)「みんなのお買い物ナビ @DIME」のウェブサイトにおいて,「【ヒット商品開発秘話】【ヒットの理由】湖池屋『頑固あげポテト』(2014.09.03)」の見出しの下,「同社が『頑固あげポテト』を開発した背景には,ケトルポテトチップスが日本でも市場を拡大してきたことと,そのことに対する反省があった。ケトルポテトチップスとは,スライスしたジャガイモを低温で長時間揚げたもの。一般的な高温で短時間揚げたものに比べて堅いといった特徴がある。」の記載がある。 http://dime.jp/genre/155425/1/ (2)「ガジェット通信」のウェブサイトにおいて,「ポテトチップスができるまでを見学してみた」(DATE:2012.01.03 12:26 ニコニコニュース)の見出しの下,「コイケヤ:そうですね。弊社では5種類の切り方がありますね。一つ目は,定番の昔ながらの切り方のフラットタイプのポテトチップス。二つ目に,細長く切られた食べやすいスティックタイプのポテトシューストリングがあります。三つ目は,最近の売れ筋商品で「プレミアムのり塩」のようなケトルタイプと呼ばれる種類があります。これは,創業当時の釜揚げ製法で作ったポテトチップスと同じように,低温でじっくり揚げて,カリッとした食感を出す商品になっています。」の記載がある。 http://getnews.jp/archives/160739 (3)「カルディコーヒーファーム」のウェブサイトにおいて,「サラトガスプリング ケトルクックチップス」の見出しの下,「ケトルフライという伝統的な釜揚げ製法でつくるザクザクとした食感が特徴の堅揚げポテトチップスがさらにおいしくなって新登場。」の記載がある。 http://www.kaldi.co.jp/kaldinews/newitem/candy/kettlecooked.php (4)「買付屋」のウェブサイトにおいて,「Trader Joe's 【トレーダージョーズ リデュースド ギルト ケトルスタイル ポテトチップス 減塩 / 低脂肪タイプ 198g (7 oz)】」の見出しの下,「ケトルチップスとは,厚切りポテトを大釜を使いじっくり低温で調理する釜揚げ製法で作られ,油分が少なくヘルシーなので近年人気上昇中のポテトチップスです。」の記載があり,包装袋の中央部には,「Kettle Cooked Potato Chips」の表示がある。 https://kaitsuke-ya.com/trj-06-ketpotchi-lgt.html (5)「三洋堂 楽天市場」のウェブサイトにおいて,「ディープリバースナックス(DEEP RIVER SNACKS)」の見出しの下,「金釜を使って丁寧に揚げる“ケトル(釜揚げ)製法”を用いたチップスをメインに,フレーバーにこだわり,消費者を満足させる為の追求を惜しまない自然派スナックのメーカーです。」の記載があり,包装袋の下部には,「Kettle Cooked Potato Chips」の表示がある。 http://item.rakuten.co.jp/sanyodo/20160175/ |
異議決定日 | 2016-08-23 |
出願番号 | 商願2015-1540(T2015-1540) |
審決分類 |
T
1
651・
25-
Y
(W30)
T 1 651・ 271- Y (W30) T 1 651・ 262- Y (W30) T 1 651・ 261- Y (W30) T 1 651・ 263- Y (W30) |
最終処分 | 維持 |
前審関与審査官 | 大島 康浩 |
特許庁審判長 |
酒井 福造 |
特許庁審判官 |
中束 としえ 平澤 芳行 |
登録日 | 2015-08-28 |
登録番号 | 商標登録第5788402号(T5788402) |
権利者 | カルビー株式会社 |
商標の称呼 | カルビープラス、カルビー、コーベケトルチップス、ケトルチップス、コーベケトル、ケトル、コーベゲンテーハンバイ、ゲンテーハンバイ、カリカリットシタショッカンデカムホドニアジワイブカイカマアゲポテトチップスオ、ショーユフーミノアッサリオコノミソースショースアジデシアゲマシタ |
代理人 | 穂坂 道子 |
代理人 | 岡村 信一 |
代理人 | 村上 晃一 |